エイチ・アイ・エス(9603)企業分析レポート

株価:1,308円(2025-10-31)/市場:東証プライム

1. 企業情報

  • 概要:海外・個人旅行に強みを持つ大手旅行会社。店舗・オンラインの双方で予約プラットフォームを展開し、旅行事業(海外・国内・訪日・法人)を中核に、ホテル事業、九州産交グループ(交通・地域関連)、その他(保険・不動産・イベント等)へ多角化。22年9月にテーマパーク「ハウステンボス」を売却し資産入替・選択と集中を進めた。
  • 事業構成(参考):旅行82%、ホテル7%、九州産交グループ7%、その他4%(括弧内は概ねの利益率の目安と解される数値)
  • 直近の状況:訪日・海外渡航需要が回復基調。円安・燃油サーチャージ高止まり・国際情勢には留意が必要。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内大手の一角。海外個人旅行・ダイナミックパッケージ、店舗網を活かした対面提案力に強み。オンライン専業OTA(国内外)や大手旅行会社(例:KNT-CT HD等)との競争が継続。
  • 競争優位性:海外個人旅行の企画力、店舗ネットワーク、ホテル事業(自社ブランド)の稼働・単価改善。訪日・法人MICEの引合いも回復。
  • 課題:為替・燃油・地政学に業績感応度が高い構造。オンライン化の加速、航空供給(座席)やLCCの運航動向に依存度。財務指標(自己資本比率・流動比率)が相対的に低位。

3. 経営戦略と重点分野

  • 基本方針:コアの旅行事業の収益性回復・高度化と、ホテル・地域交通など連続性の高い周辺領域での収益基盤強化。非中核の整理(ハウステンボス売却等)を通じた資本効率の改善。
  • 重点施策(短信・開示より)
    • 需要取込み:大型販促(例:SUPER SUMMER SALE)、専門店出店、訪日・法人向け強化。
    • ホテル事業:稼働率・ADR(客室単価)向上施策、イベント・コラボ、万博需要の取り込み。
    • 財務:借入の圧縮・転換社債の処理、連結範囲の見直し。
  • 通期見通し(会社予想):売上高3.9兆円ではなく3,900億円、営業利益120億円、純利益65億円を見込む(2025/9/12修正公表)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:旅行手配手数料・マージン、ダイナミックパッケージ、ホテル稼働・単価収入、地域交通の運賃・受託収益など。旅行セグメントの利益率は薄いが、ホテルは相対的に高い。
  • 適応力:オンライン販売と店舗提案の併用、商品企画力、訪日・法人の拡大余地。外部環境(為替・燃油・国際情勢)に対する感応度は引き続き高い。
  • 多角化効果:ホテル・地域交通の収益寄与が拡大し、セグメント分散が進展。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運用:自社オンラインプラットフォームの拡充、デジタル販促、ホテルの収益管理(稼働・単価最適化)の徹底。
  • 収益牽引:
    • 旅行事業:欧州・中近東、ハワイ等が堅調(Q3累計)。韓国は政治情勢・減便影響で伸び悩み。
    • ホテル事業:稼働率・客単価上昇で増収増益(Q3累計セグメント利益率が高水準)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提データ
    • 株価:1,308円、時価総額:約1,042.98億円
    • 会社予想EPS:86.98円、実績BPS:664.32円、PBR:1.97倍
    • 業界平均:PER 17.0倍、PBR 1.8倍
  • 指標比較
    • 予想PER:約15.0倍(1,308円 ÷ 86.98円)→ 業界平均(17倍)比でやや低位。
    • PBR:1.97倍 → 業界平均(1.8倍)比でやや高位。
    • 参考:LTM希薄化EPS 111.75円ベースのPERは約11.7倍。
    • EV/Sales(概算):EV ≒ 時価総額1,043億 + 純有利子負債約623億(Debt 1,801億 − Cash 1,178億)= 約1,666億。売上(LTM)約3,637億 → EV/S ≈ 0.46倍。
  • 補足:BPS×業界平均PBR= 約1,196円、EPS×業界平均PER= 約1,479円(相対比較の参考値、目標株価ではない)。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日移動平均(約1,415円)・200日移動平均(約1,474円)を下回る水準。中期的な下押し基調。
  • 位置:年初来安値1,293円に接近(現値1,308円)。52週変化率は約▲26%。
  • 需給:信用倍率17.69倍(買い残優勢)。直近は買い残減少・売り残増加。出来高は10日・3カ月平均をやや下回る日が多い。
  • 近接イベント:配当落ち(10/30)通過、決算発表予定(12/12)。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(単位:百万円)
    • 売上高:LTM 363,717(2024/10 343,334 → 2023/10 252,205 → 2022/10 142,794)
    • 営業利益:LTM 12,047(2024/10 10,855 → 2023/10 1,635)
    • 親会社純利益:LTM 8,867(2024/10 8,717 → 2023/10 ▲2,628)
    • マージン(LTM):粗利率約32.0%、営業利益率約3.3%、純利益率約2.4%
  • セグメント(2025年10月期Q3累計)
    • 旅行:売上2,182億、セグ利益47億(利益率約2%)
    • ホテル:売上184億、セグ利益30億(利益率約16%)
    • 九州産交:売上189億、セグ利益6億(利益率約3%)
  • 収益性指標
    • ROE(実績):17.3%、ROA(LTM):約1.75%、EBITDA(LTM):約2,268億円(22,681百万円)
  • 財務安全性
    • 自己資本比率:12.6%、流動比率:0.76、D/E:総負債/資本ベースで高水準(Total Debt/Equity 295%)
    • 現金等:1,177億円、総有利子負債:1,801億円(LTM期末ベース)。前受金増など運転資本の季節性影響あり。
  • キャッシュフロー:Q3累計の詳細CFは短信未掲示(—)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:通期予想20円(中間10円・期末10円)。予想配当利回り約1.53%。
  • 配当性向:会社予想EPS(86.98円)前提で約23%(参考値)。
  • 自己株式:期末自己株式比率約6.4%。当期の新規自社株買いの開示は—。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近10日:戻りが鈍く、1,300円台前半で推移。出来高は平均並みかやや低位。
  • 52週レンジ:1,293〜1,893円の下限圏。移動平均との位置関係は下方。
  • 関心材料:為替(円安・円高)、燃油サーチャージ、航空供給(便数・運賃)、訪日需要、地政学(欧州・中東・アジア)、イベント需要(万博)など。12/12の決算が短期の注目イベント。

11. 総評

  • 需要回復を背景に、売上・利益はコロナ後の正常化局面が継続。旅行は低利幅だが、ホテルは高採算でセグメントミックスの改善が進む。
  • 財務面は自己資本比率・流動比率が低位で、負債依存が相対的に高い。前受金や季節性・為替の影響を受けやすい構造に留意が必要。
  • バリュエーションは予想PERで業界平均をやや下回り、PBRは平均をやや上回る。EV/Sは0.46倍程度。
  • テクニカルには移動平均線を下回り、52週下限圏。短期は決算・需給・為替動向が焦点。

(注)本レポートは公開情報の整理であり、投資助言を目的としたものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上は前年実績比で増加(FY24 3,433億円 → LTM 約3,637億円)、Q3累計+12.2%、通期予想も増収見込み。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約3.3%、粗利率約32%。旅行業としては標準的水準、ホテルの高採算が寄与。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率12.6%、流動比率0.76、D/E約295%と保守的には見えにくい指標。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:予想PERは業界平均をやや下回る一方、PBRはやや上回る。総合して中立評価。

参考データ抜粋
– 予想EPS:86.98円、実績BPS:664.32円、ROE(実績):17.3%、自己資本比率:12.6%
– LTM:売上3,637億円、営業利益120億円、純利益89億円、EBITDA約227億円
– 配当:年20円(予想)、配当利回り約1.53%
– 次回決算予定:2025-12-12(会社発表予定)


企業情報

銘柄コード 9603
企業名 エイチ・アイ・エス
URL https://www.his.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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