イビデン(4062)企業分析レポート
本資料は公開情報の整理に基づく一般的な企業分析です。投資判断を目的とした助言・勧誘ではありません。
1. 企業情報
- 概要:イビデンは、電子(ICパッケージ基板・プリント配線板)とセラミックス(DPFほか)を主力とするメーカー。AI用GPU・データセンター向け、車載向けなど高機能パッケージ基板で国内首位級。エヌビディア、インテル向けのパッケージ基板供給実績があるとされる。セラミックスはディーゼル車向け排ガスフィルター(DPF)、高温断熱材、特殊黒鉛、ファインセラミックス等を展開。
- 事業構成(連結):電子、セラミック、その他。海外売上比率 71%(2025.3期)。
- 本社:岐阜県大垣市。設立:1912年。従業員:約1.1万人。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:ICパッケージ基板(ABF系)で国内トップクラス。グローバルでは台湾勢(ユニマイクロン、南亜電路、敬鵬など)や国内の新光電気工業等が競合。
- 競争優位性:
- HPC/AI向けの大判・高多層・高密度基板の製造技術、歩留まり・反り抑制などのプロセス力。
- 大口顧客(GPU/CPU大手)との開発・量産連携、品質認証の蓄積。
 
- 課題:
- 顧客・製品サイクルへの感応度が高い(半導体市況・設備投資サイクル)。
- 先端パッケージの大型投資と減価償却負担、技術トランジション(ガラスコア等)対応の機動性。
- セラミックスDPFは乗用車ディーゼル縮小の長期構造変化の影響(商用車需要は継続)。
 
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(推察を含む開示整理):
- 電子部門を成長ドライバーとして、AI・データセンター・車載の需要取り込みを最優先。
- 高密度・大判基板、先端材料・実装プロセスの内製・量産技術を強化。
 
- 具体施策(2026年3月期 第2四半期補足):
- 設備投資:当期計画 1,000億円。上期実績 348億円(前年同期比▲58%)と選別投資に移行しつつも通期は積極。
- セグメント動向:電子の売上・利益が大幅伸長(上期 売上+15.6%、営業利益+41.4%、利益率22.4%)。セラミックは減益(利益率9.7%)。
- 財務体質の改善:自己資本比率 45.3%→50.6%(期中)。
 
- 為替前提:米ドル145円、ユーロ165円。為替感応度を前提に業績管理。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:高付加価値パッケージ基板の数量・単価・製品ミックスが利益を左右。量産歩留まり・稼働率がマージンに直結。セラミックスは分散的に産業・自動車・素材用途をカバー。
- 持続性評価:
- 需要面:AI/HPCの構造的需要が現時点で追い風。一方で半導体は在庫・投資サイクルの変動が大きい。
- 製品面:先端基板の世代交代(高密度化・材料進化)に継続対応できる開発・投資力が鍵。
- ポートフォリオ:セラミックスは一部構造リスク(乗用ディーゼル)も、産業材やSi/SiC関連向け特殊黒鉛などで補完。
 
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:ABF系ビルドアップ基板の高多層化・低誘電・低損失、反り・熱・供給安定性の改善。大判パネル、先端パッケージ(HPC/GPU/CPU)向けの量産技術が差別化要因。
- 主力:
- 電子:AI/GPU・CPU向けのICパッケージ基板、スマホ・車載向けPWB。
- セラミック:DPF、耐熱断熱材、特殊黒鉛(Si/SiC単結晶製造装置部材・EDM電極等)。
 
- 収益牽引:直近期は電子部門(上期利益率22.4%)が全社増益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーションの比較)
- 前提:株価 14,615円、予想EPS(分割前換算)265.00円、BPS 3,760.81円
- 予想PER:約55.1倍(業界平均 24.2倍)
- PBR:約3.89倍(業界平均 1.6倍)
- 参考:TTM EPS 225.68円 → TTM PER 約64.8倍
- EV/Sales(概算):EV ≈ 2.06兆 + 0.343兆 − 0.374兆 ≈ 約2.03兆円、売上TTM ≈ 3,694億円 → 約5.5倍
 
- 整理:成長期待(AI/HPC需要、電子部門の高収益化)を織り込み、業界平均比でプレミアム水準。
7. テクニカル分析
- 位置:年初来高値 15,185円を本日更新。株価は50日移動平均(約8,881円)、200日移動平均(約5,959円)を大幅に上回る高値圏。
- モメンタム:直近10日で終値が1.0万→1.46万円へ急伸。出来高も急増(本日1.11千万株、3カ月平均252万株)。
- 需給:信用倍率 2.12倍。信用買残は前週比減、売残は増で、短期は変動性が高まりやすい局面。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:2022/3 401,138 → 2023/3 417,549 → 2024/3 370,511 → 過去12か月 369,436
- 営業利益:2022/3 70,821 → 2023/3 72,363 → 2024/3 47,569 → 過去12か月 47,622
- 当期純利益:2022/3 41,232 → 2023/3 52,187 → 2024/3 31,490 → 過去12か月 33,704
 
- 収益性
- 粗利率:過去12か月 約30.7%(113,328/369,436)
- 営業利益率:過去12か月 約12.9%
- EBITDA:過去12か月 106,811、EBITDAマージン 約28.9%
- ROE(実績):6.84%、ROA(LTM):2.88%
 
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF(LTM):1,200億円と潤沢。減価償却費 542億円。
- 現金同等物:3,742億円、総有利子負債:3,429億円 → ネットキャッシュ。
- 自己資本比率:45.3%(期首)→ 50.6%(中間期)。流動比率 1.74倍。
 
- トレンド解釈
- 2024/3期は半導体サイクル調整で減収減益。2026/3期上期は電子部門牽引で増収増益に回復。
- 粗利率は改善傾向。設備投資は通期積極(1,000億円計画)で先端需要への対応を継続。
 
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 1株50円(分割前換算)→ 予想配当利回り 約0.34%。トレーリング配当性向 約17.7%。
- 株式分割:2026/1/1に1株を2株に分割予定(EPS等は資料内で分割影響考慮表示あり)。
- 自己株式:自己株口0.69%。今期の自己株買い言及は資料ベースで確認不可(–)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:約+191%。直近はAI/HPC関連テーマ性と業績回復見通し(通期売上+13.7%予想、営業利益+28.1%予想)が関心を集めた模様。
- 取引代金:本日約1,601億円と流動性が急増。
- 需給要因:機関投資家保有比率約51%、インサイダー保有約11%。信用動向は買い残減少・売り残増加で短期的な上昇・下落の振れが大きくなりやすい。
11. 総評
- 電子部門、とりわけAI/HPC向けICパッケージ基板の好調と高収益化が全社を牽引。上期の利益率改善と通期増収増益見通しを背景に、株価は年初来高値圏まで上昇。
- 一方、バリュエーションは業界平均を大きく上回る水準。半導体サイクル・顧客動向・技術トランジション(先端パッケージ材料・仕様の変化)や為替の影響に留意が必要。
- 財務は健全(ネットキャッシュ、自己資本比率の改善、強い営業CF)。大型投資の回収と稼働率維持が中期の鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は横ばい〜微減だが、直近上期は+7.7%、通期予想+13.7%。LTM基準では中立評価。
 
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約31%、営業利益率約13%、EBITDAマージン約29%。電子部門の利益率22%台。業界内で良好。
 
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率50%台(中間期)、流動比率1.74倍、ネットキャッシュ基調。
 
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER約55倍、PBR約3.9倍と業界平均(PER 24倍、PBR 1.6倍)を大幅に上回る。
 
参考データ(抜粋)
– 株価:14,615円(本日終値)
– 時価総額:約2.06兆円
– 予想EPS:265.00円(分割前換算)
– 予想PER:55.1倍
– BPS:3,760.81円、PBR:3.89倍
– 2026/3期会社予想:売上4,200億円、営業利益610億円、純利益370億円
– 上期(2025.4-9):売上+7.7%、営業利益+14.2%
留意事項
– 数値は企業開示・提供データに基づき整理。資料間での集計基準差により一部の指標に差異が生じる場合があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4062 | 
| 企業名 | イビデン | 
| URL | http://www.ibiden.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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