トラスコ中山(9830)企業分析レポート
本資料は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。数値はご提供データに基づき記載し、一過性損益は適宜考慮除外しています。
1. 企業情報
- 事業概要
- 工場・建設現場向け工具・消耗品・機器の専門商社(卸売)。機械工具商、EC、ホームセンター向け販売を展開。PB(プライベートブランド)商品を強化。
- 主要ルート構成(2024.12):ファクトリールート67%、eビジネス23%、ホームセンター9%、海外1%(括弧内は利益率の目安)。
- 設立:1964年、本社:東京都港区、従業員:1,833人、平均年齢39.7歳。
- 事業の特長
- 幅広いSKUを在庫・即納する卸売モデルに強み。eビジネス向けの商品DB拡充、ユーザー直送や「MROストッカー」など現場密着型サービスを提供。
- I-Pack等の梱包・物流自動化、修理工房「直治郎」など付加価値サービスも展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 産業向けMRO(保全・消耗品)領域の大手専門卸。幅広い在庫・物流網とデータベース連携力が差別化要因。
- 競争優位性
- 豊富な在庫と即納体制、EC・仕入先在庫連携、ユーザー直送などの多様な出荷オプション。
- PB商品の拡充による価格・粗利コントロール。
- 課題
- EC競争の激化による価格プレッシャー、運賃・人件費等の販管費上昇。
- 景気・製造業サイクル、素材市況、為替・地政学の外部要因に業績が影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 「がんばれ!!日本のモノづくり」を掲げ、BCP強化、デジタル・物流投資、在庫最適化による供給力強化。
- 具体施策(短信・開示より)
- 在庫拡充と物流センター活用、ニアワセ+ユーザー直送、MROストッカー拡大、修理工房サービス。
- eビジネス向け商品DB(約411万アイテム)拡充、仕入先在庫連携、I-Pack等の高速梱包ライン活用。
- 中期の方向性
- 主力のファクトリールートを基盤に、成長性の高いeビジネスの拡大。PB強化とサービス付加で粗利率の安定化を図る。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 広範なSKUを在庫・即納する卸売マージン+PB商品による粗利改善。サービス(直送・ストッカー・修理)で付加価値を上乗せ。
- 適応力
- EC連携・直送・自動化物流など、需要変動や配送要件に柔軟対応。販管費増圧力はあるが、スケールと自動化で吸収を志向。
- リスク吸収
- 高い自己資本比率と流動性により、景気循環や投資サイクルに耐性。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用面
- I-Pack等の梱包自動化、巨大商品DB、仕入先在庫連携、直送スキームの整備は同社のオペレーション優位性を支える。
- 主力商材・サービス
- 工具・工事用品・産業用品全般+PB商品、MROストッカー、修理工房「直治郎」、ユーザー直送。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:2,434円、時価総額:約1,606億円
- 会社予想EPS:235.92円、BPS(実績):2,754.02円
- 指標
- PER:10.32倍(業界平均12.1倍)
- PBR:0.89倍(業界平均1.0倍)
- 参考EV/S(LTM):約0.61倍(EV≒1,902億円、売上≒3,098億円)
- 簡易比較
- PER基準の同業平均適用価格:≈2,856円(12.1×EPS)
- PBR1.0倍基準価格:≈2,754円(BPS)
- 上記は単純比較であり、成長率・収益性・資本効率・一過性要因の差は未調整。
7. テクニカル分析
- 位置
- 50日移動平均:2,399.9円、200日移動平均:2,126.7円。株価は両方を上回る上昇トレンド帯。
- 52週高値:2,532円(現状▲約3.9%)、52週安値:1,613円(現状+約51%)。
- 直近推移
- 10日間は2,38x〜2,53xのレンジで推移、高値トライ後に戻し、直近は2,430円台で推移。
- 出来高は3カ月平均13.1万株に対し、直近は増加(10日平均16.5万株、本日26.7万株)。
- 信用動向
- 信用倍率9.65倍。買残は前週比減少、売残は増加。短期の需給変動には留意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結)
- 売上高:226,833(2021)→246,453(2022)→268,154(2023)→295,024(2024)→309,796(LTM, 百万円)
- 3年CAGR(2021→2024):約+9.1%、LTMは2024比で約+5.0%
- 営業利益:13,001→14,670→18,523→19,984→21,957(LTM, 百万円)
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約20.9%(64,816/309,796)
- 営業利益率:約7.1%(21,957/309,796)
- EBITDAマージン:約10.0%(30,816/309,796)
- 当期純利益率:約5.6%(17,334/309,796)
- 効率・資本
- ROE(実績):9.62%(参考:過去12か月指標で9.17%)
- ROA(過去12か月):5.13%
- 総資産回転率(第3Q累計ベース):約0.80回
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:64.4%(前期末)、61.1%(2025/9末)
- 流動比率:約270%
- D/E(総有利子負債/自己資本):約44%(直近)
- 現金・預金:504億円(前期末比増加)、総借入:800億円(ネット有利子負債 ≈296億円)
- コメント
- 期中は販管費(人件費・運賃等)増があるものの、在庫供給力とeビジネス拡大で増収・利益率改善。前期の特別利益(旧大阪本社売却益)による純利益の見かけ増は当期は剥落。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想配当:年59円(中間30.5円、期末28.5円)、予想配当利回り:約2.42%
- 過去実績:前年54円、5年平均利回り:約1.82%
- 予想配当性向:約22%
- 自社株買い
- 自己株式:6.8万株(約0.1%)。足元での大規模な自社株買い記載は見当たらず(不明項目は記載なし)。
- 株主構成
- インサイダー保有:約33.8%、機関投資家:約33.1%。安定株主比率が高い構成。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 200日線上での上昇基調を維持。52週高値圏に接近後の持ち合い。
- 出来高増とともに上値を試す場面がある一方、高値(2,530円台)付近では戻り売りも意識される水準。
- 影響要因
- eビジネス成長、在庫供給力の強化、物流効率化の進捗。
- 外部環境(製造業の稼働、素材市況、為替、運賃・人件費)の変動。
- イベント:決算発表(10/31/2025)は通過、次の権利落ち日は2025/12/29予定。
11. 総評
- 基礎体力
- 高い自己資本比率と潤沢な流動性、在庫・物流・データ基盤を武器に、安定した増収と利益率の漸進改善を実現。
- 成長ドライバー
- 主力のファクトリールートに加え、eビジネスの伸長が全社の成長を牽引。PB強化や直送・ストッカー等のサービスで粗利を下支え。
- バリュエーション
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準。簡易比較では割安方向のシグナルだが、成長率・投資負担・需給要因などの差異には留意。
- リスク
- 景気・製造業サイクル、物流・人件費の上昇、為替や地政学などの外部要因。EC競争に伴う価格圧力。
12. 企業スコア
(S〜Dの5段階、欠損はB。数値は連結ベース、一過性損益は除外に留意)
– 成長性:A
– 根拠:売上3年CAGR約+9.1%、LTMも前期比で増収、四半期YoY増収(+8.5%)。主にeビジネスの伸長が寄与。
– 収益性:A
– 根拠:粗利率約20.9%、営業利益率約7.1%、EBITDAマージン約10%。過去数年で着実に改善。
– 財務健全性:S
– 根拠:自己資本比率61〜64%、流動比率約270%、D/E約44%。手元流動性も厚い。
– 株価バリュエーション:A
– 根拠:PER10.3倍・PBR0.89倍と業界平均(PER12.1倍、PBR1.0倍)を下回る。EV/S約0.61倍。
ご要望があれば、セグメント別の過去推移グラフ化、主要競合との定量比較、感応度分析(売上成長・粗利率・販管費の感応度)なども作成します。
企業情報
| 銘柄コード | 9830 |
| 企業名 | トラスコ中山 |
| URL | http://www.trusco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。