東宝(9602)企業分析レポート(プライム市場)
株価:9,056円(終値、2025-10-31)
時価総額:1,593,856百万円
セクター/業種:Communication Services/情報・通信業
注:本レポートは提供データに基づく事実整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要:映画(制作・配給・興行)、IP・アニメ、演劇、不動産賃貸を展開。制作・配給・興行の垂直統合(TOHOシネマズ含む)と、長年蓄積したIPライブラリー、テレビ・配信向けの二次利用に強み。不動産賃貸が利益の下支え。
- 歴史・特徴:1932年設立。阪急系。邦画配給・興行で国内最大級ポジション。日比谷・有楽町など好立地の保有・賃貸資産を持つ。
- セグメント(2026年2月期より再編):映画、IP・アニメ、演劇、不動産。
- 直近注目:中期経営計画「中期経営計画 2028」で「IP・アニメ」を成長エンジンに位置付け。ECや海外展開(TOHO Global、ゴジラ関連)を推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:邦画の配給・興行収入で最大手クラス。自社チェーン(TOHOシネマズ)により公開スクリーンと上映枠で優位性。
- 競争優位:
- 強力なIP群(例:ゴジラ、TOHO animation作品、コナン映画配給など)とヒット創出力。
- 配給・興行・二次利用・ライセンスまで一気通貫の収益化モデル。
- 不動産賃貸の高採算・安定キャッシュがコンテンツ事業のボラティリティを緩和。
- 課題:
- 興行はヒット作品への依存度が高く、四半期ごとの変動が大きい。
- 労務・制作費、建設コスト上昇、為替(輸入配給や制作関連)などコスト・外部要因の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略(短信・IRより整理):
- IP・アニメ事業を新設し成長ドライバー化。配信・海外ライセンス・商品化など高付加価値領域を拡大。
- 海外展開(TOHO Global、アジア店舗展開、EC強化)で収益源の多角化。
- 不動産は高稼働維持(空室率0.2%等)と適正投資(通期設備投資見込み190億円、減価償却144億円程度)で安定収益を確保。
- 中期施策の進捗(中間期):
- 映画:入場者数の増加、配給・興行とも稼働良好。
- IP・アニメ:配信・ライセンス・グッズ等が伸長、海外・EC施策を実行。
- 資本政策:自己株式の消却(2025/4/30に10,490,633株消却)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:映画(制作・配給・興行)でヒットの収益最大化、放送・配信・パッケージ等で継続収益。IP・ライセンス・商品化で高マージンを上乗せ。不動産賃貸が景気循環耐性を補完。
- 適応力:
- 配信プラットフォームとの協業拡大、海外ライセンスやグローバルファン向けEC・イベントで市場の変化に対応。
- セグメント再編により成長領域(IP・アニメ)のKPI管理と機動的な投資が可能。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:アニメ・CG等の制作出資体制、デジタル配信・海外配給網、データに基づく番組編成・公開戦略など運営ノウハウ。
- 主力製品・収益牽引:
- 映画:大型シリーズ作品の配給・興行(短信例示:鬼滅、コナン、洋画配給の好調)。
- IP・アニメ:TOHO animationの配信・ライセンス・グッズ。
- 不動産:日比谷・有楽町等の賃貸(空室率低水準)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:9,056円
- 会社予想EPS:280.13円 → PER:約32.3倍(提供値:32.33倍)
- 実績BPS:3,009.76円 → PBR:約3.01倍(提供値:3.01倍)
- EV/S(概算):EV ≒ 1,593,856 − 121,810 + 1,760 = 約1,473,806百万円、LTM売上高 ≒ 312,073百万円 → EV/S ≒ 約4.7倍
- 業界平均との比較(提供平均:PER 23.2倍、PBR 2.3倍):
- PER・PBRともに業界平均を上回る水準(プレミアム評価)。
- 配当利回り:0.94%(会社予想、年間85円)、配当性向:31.15%
※ 各種指標は提供データに基づく。定義差や期間差により一部指標に不整合があり得ます。
7. テクニカル分析
- 短期トレンド:終値9,056円は50日移動平均9,404円近辺を下回り、200日移動平均8,248円を上回る。短期は上値重さ、長期は上向き基調が維持。
- 位置づけ:52週高値10,295円・安値6,001円に対しレンジ上方寄り(約71%位置)だが高値圏からは下方に位置。
- モメンタム:直近10日で往来後、直近2営業日は反発。本日の出来高は3カ月平均を上回り、短期の関心は継続。
- 価格帯目安(参考):上値目途 9,400円(50日線付近)/10,295円(年初来高値)。下値目途 8,700〜8,800円(直近の下値帯)。
注:価格帯は過去値動きの参照であり将来を示唆しません。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高推移:228,367(2022)→ 244,295(2023)→ 283,347(2024)→ 313,171(2025)百万円。3年CAGR約+11%。
- LTM売上高:312,073百万円(前年比約+10%)。
- 収益性(LTMベース概算):
- 粗利率:約45%(141,254/312,073)
- 営業利益率:約19%(59,450/312,073)[参考:提供値20.4%]
- EBITDAマージン:約24.5%(76,495/312,073)
- ROE:約9〜10%(提供:実績9.25%、LTM10.37%)、ROA:約6.05%
- キャッシュフロー:
- 営業CF:661.8億円、レバードFCF:479億円(いずれも過去12か月、提供値)
- 現金同等物:1,218億円、総有利子負債:18億円(D/E 0.33%)でネットキャッシュ。
- 財政状態:
- 自己資本比率:73.3%(短信参考71.3%)
- 流動比率:2.24倍
- 低レバレッジで財務余力が大きい。
- セグメント(2026年2月期中間):
- 映画 売上1,037億円、利益231億円
- IP・アニメ 売上373億円、利益107億円
- 演劇 売上107億円、利益10億円
- 不動産 売上393億円、利益104億円
(連結営業利益411億円は全社費用等で調整後)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:中間42.5円・期末42.5円、通期予想85円、配当性向31.15%(提供)
- 自社株:2025/4/30に自己株式約1,049万株を消却。期末自己株保有は約642.8万株(3.65%)。
- 5年平均配当利回り:1.06%(提供)
- 方針:安定配当を基本に、機動的な自己株対応の実施実績。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+55.39%、β:0.20(市場連動性は低位)。
- 出来高:直近は3カ月平均を上回る日が多く、イベント・決算期には関心が高まりやすい。
- 信用動向:信用倍率5.39倍。買残は前週比減少、売残は増加。短期の需給はやや拮抗化。
- 需給・関心要因:
- IP・大型作品の公開スケジュール、配信契約、海外展開ニュース。
- 中期計画の進捗、株主還元(消却・買付)動向。
- マクロ要因(為替、消費動向、建設コスト等)。
11. 総評
- 事業面:映画・IP・アニメの成長と不動産の安定収益により、売上・利益は中期的に拡大基調。セグメント再編で成長領域の可視化が進む。
- 収益性:粗利率・営業利益率ともに高水準。IP・ライセンスの比率上昇が全社マージンを押し上げやすい構造。
- 財務:高自己資本比率・ネットキャッシュで耐性が高い。投資余力あり。
- バリュエーション:PER・PBRともに業界平均以上の水準。市場は成長性・収益安定性(不動産)・IP価値にプレミアムを付与している可能性。
- リスク:作品ヒットの成否、制作費・人件費・建設コスト上昇、為替、規制・政策動向などによる業績変動。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
理由:LTM売上YoY約+10%、3年CAGR約+11%、中間期も増収。
– 収益性:A
理由:営業利益率約19〜21%、EBITDA率約25%と高水準。
– 財務健全性:S
理由:自己資本比率73%、流動比率2.24倍、ネットキャッシュ。
– 株価バリュエーション:C
理由:PER32.3倍・PBR3.01倍は業界平均(PER23.2倍・PBR2.3倍)比で高め。EV/Sも相応に高水準。
参考データ
– 直近イベント:決算発表予定 2026-01-14、権利落ち予定 2026-02-26
– 年初来高値/安値:10,295円/6,001円
– 配当(予想):年85円、利回り0.94%
– 主要株主:阪急阪神HD、阪急阪神不動産、H2Oリテイリング、主要信託銀行等(持分安定的)
注記
– 本資料は提供データ(短信要約、財務・株価・指標等)に基づく客観的整理であり、将来見通しや投資判断を示唆するものではありません。数値は端数処理・期間差・定義差により乖離する可能性があります。詳細は会社開示(TDnet、有価証券報告書、決算資料)をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 9602 |
| 企業名 | 東宝 |
| URL | http://www.toho.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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