三浦工業(6005)企業分析レポート
株価:2,991.5円(2025-10-31終値)/市場:東証プライム(機械)
1. 企業情報
- 概要
- 産業用小型貫流ボイラーで国内トップ。機器販売に加え、保守・メンテナンスのストック収益が強み。
 - 事業領域:小型貫流ボイラー、舶用補助・排ガスボイラー、滅菌装置、水処理機器、食品機械、ランドリー機器など。海外展開をM&Aで加速(Cleaver-Brooks、CERTUSS等)。
 - 設立:1959年/本社:愛媛県松山市/従業員:7,729人。
 
 - 事業構成(2025.3期の概況)
- 国内機器販売33%、国内メンテ18%、海外機器販売32%、海外メンテ17%、その他0%(括弧内はおおむね利益率の目安:国内メンテが高め)
 - 海外売上比率:約51%
 
 
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 産業用小型ボイラーで国内シェア50%超の筆頭企業。全国の保守網・IoT遠隔監視により稼働安定化と省エネを訴求。
 
 - 競争優位
- 大規模な設置台数(インストールベース)と高い保守継続率がストック収益を安定化。
 - 省エネ・省力化、排出規制対応、遠隔監視・予兆保全などのトータルソリューション。
 
 - 課題
- 脱炭素・燃料転換(ガス/電化/水素混焼等)への技術対応スピード。
 - 海外は法規・規格・労務コスト・通商政策(米国関税等)の変動リスク。
 - 低温プロセス領域ではヒートポンプ等の代替手段の浸透リスク。
 
 
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・ビジョン
- 「機器×メンテ×デジタル」によるトータルソリューションで省エネ・省CO2を提供。海外はM&Aと地域最適の製販体制で拡大。
 
 - 重点施策(短信・会社開示からの読み取り)
- セグメントを地域別(日本・米州・アジア他)に再編しガバナンス・評価の精度を向上。
 - 海外M&A(Cleaver-Brooks、CERTUSS)の統合深化で米州・欧州の裾野拡大。
 - メンテナンス・リニューアル需要の深耕、ランドリー等周辺事業の成長。
 - 脱炭素対応(高効率化、廃熱回収、水処理最適化、将来的な水素対応検討など)。
 
 - 業績見通し(会社予想)
- 2026.3期通期:売上収益2,715億円、営業利益326億円、EPS 234.57円(修正なし・2025/8/7時点)
 
 
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 初期販売(機器)+ライフサイクル収益(保守・部品・更新)の組合せ。国内外でメンテ比率が高まり、景気変動耐性に寄与。
 
 - 適応力
- 規制・燃料・人件費の外部環境変化に対して、機器効率化・遠隔監視・最適運転提案で顧客のTCO削減を支援。
 - 海外は規格適合・現地サービス網の拡充が肝要。関税・為替等の政策・市況要因は注視。
 
 
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向
- 小型貫流ボイラーの高効率化、IoT遠隔監視(予兆保全)、水処理・排熱回収の組合せによる省エネ最適化。
 - 脱炭素に向けた燃料転換・混焼対応の検討、船舶向け環境規制対応。
 
 - 収益牽引
- 国内外の小型ボイラーと保守サービスが基幹。米州のCleaver-Brooks、欧州のCERTUSS取り込みにより海外機器・メンテの寄与度が上昇。
 - ランドリーや水処理等の周辺事業もクロスセルで貢献。
 
 
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 主要指標(現在株価2,991.5円)
- 予想PER:13.06倍(EPS予想229.06円)
 - トレーリングPER(LTM):約14.5倍(2,991.5 ÷ 206.11)
 - PBR:1.72倍(BPS 1,739.62円)
 - 配当利回り(予想):2.24%(年67円、配当性向約29.6%)
 - EV/Sales(概算):約1.33倍[EV ≒ 3,748億 + 有利子負債207億 − 現金518億 ≒ 3,437億円、売上LTM約2,593億円]
 
 - 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:16.6倍 → 予想PERはディスカウント水準。
 - 業界平均PBR:1.4倍 → PBRはプレミアム。
 
 - ROE(実績):12.1% → PBRとの整合はおおむね妥当圏。
 
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 50日線:2,917円、200日線:3,037円。現値は50日線上・200日線下の中間圏。
 - 52週レンジ:2,451〜3,998円。現値はレンジ下〜中位ゾーン(中央値≈3,225円を下回る)。
 
 - 直近10日
- 3,100円台から3,000円前後へ調整後、2,980〜3,010円での持ち合い。
 - 出来高は10日平均38.8万株<3カ月平均47.9万株でやや低調。
 
 - 信用需給
- 信用倍率4.57倍。信用買残は前週比で減少(−10万株)し、過熱感はやや後退。
 
 
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(LTM):約2,593億円。前期水準からの増収(M&A寄与+有機成長)。四半期YoY成長は+18%。
 - 3年推移(参考):2022/3 1,435億 → 2023/3 1,584億 → 2024/3 1,597億 → LTM 2,593億(M&A寄与が大きいがベース拡大)。
 
 - 収益性
- 粗利率(LTM):約37.8%(粗利9,821億円/売上2,593億円)
 - 営業利益率(LTM):6.69%
 - EBITDAマージン(LTM):約16.6%(430億円/2,593億円)
 - 純利益率(LTM):9.71%
 - ROE(LTM):約12.9%、ROA:約4.2%
 
 - キャッシュフロー・BS
- 営業CF(LTM):+433億円。レバードFCF(LTM):−718億円(前年の大型M&A影響を含む期間推計)。
 - 自己資本比率:46.4%、D/E:10.24%、流動比率:2.17と健全。
 - Q1(2026.3期):営業CFがプラス転換、投資CFは平常化、借入返済と配当で財務CFマイナス。
 
 
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績:年61円。今期予想:年67円(中間30円・期末37円)。予想配当性向:約29.6%。
 - 5年平均利回り:1.37%(現状はこれを上回る水準)。
 
 - 自社株
- 自己株式比率:7.66%(蓄積あり)。足元での新規自己株買い開示は確認情報なし。
 
 - 今後のイベント
- 権利落ち予定:2026-03-30(予定)
 - 決算:2025-11-13(予定)
 
 
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:−15.23%。ベータ(5年):0.70(市場感応度は相対的に低い)。
 - 直近は3,000円近辺での保ち合い、出来高は平常を下回る。
 
 - 需給・関心
- 信用買残減少・倍率は中立〜やや買い偏重。機関・事業会社(ダイキン工業など)・地銀の安定保有が目立つ。
 
 - 株価に影響し得る要因
- 米州事業の収益進捗、為替・関税、原材料・人件費、脱炭素関連の規制・補助金動向、M&A後のPMI成果。
 
 
11. 総評
- 小型ボイラーの国内高シェアと厚いメンテ収益基盤に、海外M&Aの寄与が重なり規模拡大。収益性は業界平均圏ながら、ROE12%台・財務健全性は良好。
 - バリュエーションは予想PERで業界平均比ディスカウント、PBRはややプレミアム。ストック比率の高まりとPMI進展が持続性のカギ。
 - リスクは海外政策(関税)・為替・人件費、燃料転換や代替技術の浸透。対策として高効率化・デジタル保守・脱炭素対応の実装が重要。
 - テクニカルは50日線上・200日線下で中立帯。直近出来高は控えめで、次の決算が短期モメンタムの手がかり。
 
(注)本資料は公開情報の整理であり、投資勧誘を目的とするものではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- LTM売上は前年水準から大幅増(M&A寄与+有機成長)。四半期YoYも+18%。3年CAGRも高水準。
 
 - 収益性:B
- 粗利率は良好だが、営業利益率は業界平均圏。EBITDA率は堅調。
 
 - 財務健全性:A
- 自己資本比率46%超、D/E約10%、流動比率>2倍と健全。
 
 - 株価バリュエーション:A
- 予想PERは業界平均比ディスカウント。PBRはプレミアムだが、ROE水準と総合で割高感は限定的。
 
 
企業情報
| 銘柄コード | 6005 | 
| 企業名 | 三浦工業 | 
| URL | http://www.miuraz.co.jp/ | 
| 市場区分 | プライム市場 | 
| 業種 | 機械 – 機械 | 
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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