日新(9066)企業分析レポート
最終更新日: 2025-11-04
注記: 本銘柄は2025/10/15に上場廃止(MBO成立)。以下は上場廃止前に公表された情報・提供データに基づく分析です。投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要: 国際物流大手。フォワーディング(海上・航空)、倉庫、国内外輸送を一体運営。自動車・危険品・食品等の高付加価値物流に強み。旅行業(業務渡航)と不動産賃貸も併営。
- 事業構成(2025/3期・連結): 物流 95%/旅行 4%/不動産 1%。海外売上比率 41%。
- 基本データ: 従業員 5,993人、平均年齢 40.9歳、平均年収 715万円。所在地: 東京都千代田区。
- 上場状況: 2025/7/22に公開買付け成立、2025/10/15に東証上場廃止(予定どおり実施)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内大手の総合物流グループの一角。超大手(例: NXグループ、KWE、郵船ロジ等)と比べ規模では劣る一方、危険品・自動車・食品(温度管理)など専門性の高い領域で実績。
- 競争優位性:
- 危険品・自動車関連の専門取り扱いノウハウ。
- 倉庫・フォワーディング・国内外輸送の一気通貫体制。
- 海外売上比率41%による地理的分散。
- 課題:
- グローバル景気・貿易政策(関税)の変動リスク。
- 中国・香港の需要鈍化や価格競争、米州の荷動き鈍化の影響。
- 規模の経済で勝る競合との価格競争。
3. 経営戦略と重点分野
- 中計の位置づけ: 第7次中期経営計画(フェーズ2)を推進(短信記載ベース)。上場廃止後は非公開下での実行・見直しが想定される。
- 戦略の方向性(短信・事業特性からの要点):
- 高付加価値領域の深掘り(危険品、オートモーティブ、コールドチェーン等)。
- 地域ポートフォリオの最適化(日本の堅調維持、アジア・中国・米州の収益改善)。
- 収益性の改善(販管費抑制、案件ミックス改善)。
- DX・業務効率化(WMS/TMS、可視化、標準化)と人材強化。
- 設備投資(倉庫機能の高度化、保守管理の強化)。
- ガバナンス・資本政策: MBOにより四半期開示負担の低減と中長期志向の施策推進が可能に。短期的には公開買付関連費用など一時費用の発生。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: フォワーディング手数料・運賃差益、倉庫保管料・付帯作業、国内輸送、旅行手数料、不動産賃料。
- 持続性評価の観点:
- 需要連動性が高く景気感応度は中程度〜高めだが、顧客・品目・地域の分散が下支え。
- 危険品・温度管理など専門性の高い領域は価格決定力が相対的に維持されやすい。
- 貿易政策・為替・燃料・人件費など外部コスト変動への適応(サーチャージ・契約設計)が鍵。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術動向:
- 倉庫自動化・可視化、WMS/TMS活用、データ活用による需給調整・見積精度向上。
- 危険品管理や温度管理プロセスの標準化・認証取得。
- 収益牽引:
- 日本国内の海上貨物・倉庫・航空貨物が堅調(当1Q)。
- 旅行は閑散期影響、不動産は賃貸安定も一部工事遅延の影響。
6. 株価の評価(上場廃止前の参考)
- 株価水準: 直近終値 8,070円、時価総額 約1,252億円。
- BPS(実績・連結): 5,864.69円、PBR 1.38倍(提供値と整合)。
- 業界平均比較: 業界平均PBR 1.1倍に対しやや上方。PER(会社予想)は非開示のため比較不可。
- 参考: 上場廃止に伴い配当予想は0円(利回り0%)。MBO後は公開市場でのバリュエーション比較は不適用。
7. テクニカル分析(上場廃止前の推移)
- 直近10日レンジ: 8,110〜8,130円中心で極めて限定的な値動き(出来高も限定的)。公開買付価格近辺での鞘寄せを示唆。
- 年初来レンジ: 高値 8,250円/安値 3,805円。終値8,070円はレンジ上限付近(約96百分位)で高値圏。
- 信用需給: 信用残はごく小さく、イベントドリブン後の取引は限定的。
8. 財務諸表分析
- 業績(2026年3月期 第1四半期・連結、単位: 百万円)
- 売上高 47,796(+1.4% YoY)
- 営業利益 2,473(+23.6% YoY)、営業利益率 約5.17%(前年 約4.25%)
- 経常利益 2,749(+19.4% YoY)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益 1,498(-75.4% YoY)
- 純利益の減少要因: 前年の投資有価証券売却益(6,569)反動+当期の公開買付関連費用(401)
- セグメント(当1Q)
- 物流: 売上 46,117(+2.7%)、利益 2,254(+43.2%)で牽引
- 旅行: 売上 1,494(-20.1%)、利益 129(-14.9%)
- 不動産: 売上 298(-33.8%)、利益 91(-66.3%)
- 財政状態(2025/6末)
- 総資産 171,807(前期末比 +5,978)、負債 80,381(+6,185、短期借入増)、純資産 91,426(-207)
- 自己資本比率 50.2%(前期末 52.1%)
- 参考指標(提供データ)
- ROE(実績・連結)11.86%
- 自己資本比率(実績・連結)52.1%(期首)
- コメント:
- 収益性は販管費抑制とミックス改善で改善。一方、特別要因で純利益は見かけ上減少。
- 売上債権増と短期借入増でバランスシートが拡大。自己資本比率は依然50%前後。
9. 株主還元と配当方針
- 2025年3月期実績: 年間配当 200円(中間100、期末100)。
- 2026年3月期: 上場廃止に伴い配当予想は未開示(結果として利回り0%表示)。
- 自己株式: 2025/8/8に自己株式の消却を決議。MBO過程で資本政策イベントあり。
10. 株価モメンタムと投資家関心(上場廃止前)
- モメンタム: 公開買付価格近辺でのボラティリティ低下、実質的にイベント完了後の安定推移。
- 投資家関心: 信用残は極小。MBO・上場廃止イベントに集約。
11. 総評
- 事業: 危険品・自動車・食品など特化領域を強みとする国際物流。国内の海上・倉庫・航空は堅調。
- 収益: 1Qは売上微増・営業増益。特別要因を除けば基礎的収益は改善傾向。
- 財務: 自己資本比率は50%前後で健全域。短期借入は増加も許容範囲。
- 市場: MBOにより上場廃止済。公開市場での株価評価やテクニカル分析は現時点では参考指標に留まる。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: 当1Q売上 +1.4% YoY。LTM/3年CAGRは不明のため中立寄り。
- 収益性: B
- 根拠: 営業利益率 約5.2%(前年より改善)。業界平均詳細不明のため中立評価。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率 約50%(期末52.1%→1Q 50.2%)。D/E詳細不明も総合的に健全。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: PBR 1.38倍は業界平均1.1倍を上回る。PERは非開示のため評価対象外。
出所・注記:
– 数値は特記なき限り連結・百万円。提供データ(株価・指標・信用残、2026年3月期1Q短信要約)に基づく。
– 一過性損益(投資有価証券売却益、公開買付関連費用)は平常時収益力評価からは除外して考察。
– 本資料は情報提供のみを目的とし、投資判断は行いません。
企業情報
| 銘柄コード | 9066 |
| 企業名 | 日新 |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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