ステップ(9795)企業分析レポート(プライム・サービス業)
株価(直近終値):2,401円/時価総額:約399億円/配当利回り(会社予想):約3.7%
1. 企業情報
- 概要
- 神奈川県を地盤に学習塾「STEP」を展開。県立トップ高校受験に強み。小中学生向けが主力で、高校生向け大学受験対策、学童保育(STEPキッズ)も運営。
- 教材の制作・編集・印刷・製本までを内製化し、教務力と合格実績を訴求。
- 校舎数:163校(神奈川県)。本社:神奈川県藤沢市。創業:1975年。
- 事業構成(2024.9期)
- 小中学生:売上構成比 約79%
- 高校生:売上構成比 約21%
- 学童:生徒数増加が顕著(売上寄与は小中高に含まれる)
- 上場区分:東証プライム(内国株式)/33業種:サービス業
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 地域密着の専業学習塾として、神奈川県中西部~横浜・川崎エリアでブランド力が強い。
- 県立トップ高校合格に強みを持つ実績ドリブン型の集客モデル。小学生・学童からの早期囲い込みが進展。
- 競争優位性
- 教材内製×指導ノウハウの蓄積、合格実績に基づく口コミ力、充席率の継続的な改善。
- 高い営業利益率(約24%)と厚い自己資本で再投資・還元余力あり。
- 課題
- 少子化による潜在市場の縮小リスク。
- 横浜・川崎など都市部は大手全国チェーンとの競合が強い。
- 市場シェア
- 公表データ不足により定量的な推計は不明(—)。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針
- 「内部充実(教務力・人材育成・充席率向上)」と「新規開校による規模拡大」を交互に行う成長サイクル。
- 直近期の施策(2025年9月期)
- 新規開校を抑制(小中1・学童1に限定)、既存校のクラス増設・満席校の増床で生徒数拡大(期中平均+4.3%)。
- 学童は教室展開が順調(期中平均+20.3%)。
- 中期重点
- 横浜東部・臨海・南部、川崎市などでのネットワーク形成を段階的に推進。
- 教務強化、人材採用・定着(奨学金返還支援制度の導入など)、基幹システム再構築(稼働は2026期以降へ遅延)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 月謝・講習料を中心とした継続課金。季節要因(講習)と入試時期の偏重はあるが、在籍継続率が安定性を支える。
- 適応力
- 小学生・学童の早期囲い込み、県立トップ校対策の教務深化で需要変化に対応。
- 教材内製と合格実績の循環がブランド維持に寄与。
- リスクと対処
- 少子化:テリトリー内の充席率引き上げ・学童拡大で吸収を図る方針。
- 人材:採用・育成施策(待遇・制度含む)を強化。
- システム遅延:基幹刷新が翌期以降へずれ込み、効率化効果の顕在化は先送り。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営
- 教材の企画制作を内製化し、地域入試に最適化した教務を構築。
- 基幹システム再構築を推進(稼働遅延あり)。データ活用・業務効率化が狙い。
- 収益牽引
- 小中学生部門(約80%)が主力。高校生部門は大学受験対策で補完。
- 学童(STEPキッズ)は需要が強く、生徒基盤拡大に寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(株価2,401円)
- 予想EPS:176.51円(会社予想)/BPS:1,738.76円
- 予想PER:約13.6倍(会社開示は約13.7倍)/PBR:約1.38倍
- EV:時価総額399.25億+有利子負債14.2億−現金784億≒322億円
- 売上高:1,584.7億円 → EV/S:約2.03倍、P/S:約2.52倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:17.0倍 → 同平均を当てはめた理論株価目安:17.0×176.5≒3,001円
- 業界平均PBR:1.8倍 → 1.8×1,738.76≒3,130円
- 同社はPER・PBRとも業界平均を下回る水準(相対的に低位)。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 50日移動平均:2,398円/200日:2,297円 → 現在値は両線上(中期的には上向き基調)。
- 年初来高値:2,588円(現状は高値から約7%下)、年初来安値:2,058円(安値から約17%上)。
- 直近の値動き・出来高
- 10月末〜11月初にかけて2,340〜2,440円のレンジ。11/5前後は出来高増加。
- ベータ(5年):0.05と低く、指数や地合いの影響は相対的に小さい傾向。
- 総合
- 高値圏と安値圏の中間〜やや上方のレンジに位置。
8. 財務諸表分析(非連結)
- 成長(推移)
- 売上高:130.4億(2021)→136.5億(2022)→144.4億(2023)→150.99億(2024)→158.47億(2025)
- 2025年:売上+5.0%、営業益+7.7%、純益+7.2%
- 収益性
- 営業利益率:約23.9%(前期23.3%)/純利益率:約17%
- ROE:10.0%/ROA:7.7%/EBITDAマージン:約26〜27%
- 安定性・効率
- 自己資本比率:89.7%/流動比率:3.62倍/D/E:0.52%
- 総資産回転率:約0.52回(業種特性上は妥当範囲)
- キャッシュフロー
- 営業CF:+33.8億(安定)/フリーCF(レバード):+25.6億
- 投資CF:▲31.9億(投資有価証券取得増)/財務CF:▲20.2億(配当・自己株取得)
- 期末現金:75.8億(前年より減少、主に投資有価証券取得の影響)
- 補足
- 金融費用負担は軽微。基幹システム再構築費用の計上は翌期以降。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年実績:年間85円(中間40・期末45)、配当性向約50%
- 2026年予想:年間88円(中間44・期末44)、配当性向約50%見通し
- 5年平均利回り:3.03%(現状利回りはこれを上回る水準)
- 自社株買い
- 当期取得:約4.66億円。自己株式は期末89.9万株へ増加。
- 総還元の姿勢
- 安定配当を基本に、機動的な自己株取得を併用。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は2,350〜2,450円の持ち合いレンジで推移。移動平均は上向きで、トレンドは落ち着いた上昇基調。
- 需給
- 信用買残:19,600株/信用倍率:1.87倍(買い越し)。
- 出来高:3カ月平均約1.7万株と流動性は限定的。インサイダー持株比率約50%で浮動株は少なめ。
- 関心材料
- 内部充実の継続、充席率改善の持続性、基幹システム稼働時期と効果、学童の拡大ペース、横浜・川崎での展開状況。
11. 総評
- 地域密着の強いブランドと合格実績を背景に、少子化環境下でも生徒数・売上・利益が増加。営業利益率は同業でも高水準。
- バランスシートは極めて堅固で、配当+自社株の還元を行いつつ、教務・人材・システム等への投資余力を確保。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を下回る水準。低ベータ・安定CFの特性が見られる一方、少子化や競合激化、システム稼働遅延の進捗には留意が必要。
- 中期的には「内部充実→選択的出店」のサイクルと学童拡大が成長ドライバー。来期も増収増益計画(会社予想)を掲げる。
(注)本レポートは記載データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上成長率+約5%、2021→2025のCAGR約5%と安定成長。
- 収益性:A
- 営業利益率約24%、EBITDA率約26〜27%。業界平均を上回る水準とみられる。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率89.7%、流動比率3.6倍、D/E約0.5%と極めて堅固。
- 株価バリュエーション:A
- 予想PER約13.6倍・PBR約1.38倍で業界平均(PER17倍、PBR1.8倍)を下回る水準。EV/S約2.0倍。
データ出所:会社決算短信(2025年9月期・非連結)、提供データ(株価・指標・出来高等)。不明項目は「—」としています。
企業情報
| 銘柄コード | 9795 |
| 企業名 | ステップ |
| URL | http://www.stepnet.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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