1. 企業情報
- 概要・事業内容
- スポーツウエア・用品の研究開発・製造・販売。主力はアウトドア領域で、「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」が収益の大黒柱。
- その他取扱いブランド:Helly Hansen、Speedo、Canterbury、Macpac、Icebreaker、WOOLRICH など。自社ブランド「Goldwin」等も展開。
- 販売チャネル:直営店(DTC)、EC、百貨店・専門店向け卸の併用。
- セグメントは単一(スポーツ用品関連100%)。
- 上場市場:東証プライム/33業種:繊維製品(17業種:素材・化学)
- 本社:東京都港区北青山/代表者:渡辺 貴生
- 従業員:1,496人、平均年齢44.8歳、平均年収714万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内アウトドア・スポーツアパレルで上位の有力プレイヤー。特にTHE NORTH FACEの国内展開力とブランド力で優位。
- 競合:デサント、アシックス(主にフットウェア)、コロンビア、モンベル(非上場)、スノーピーク(ギア寄り)など。
- 競争優位性
- 強力なブランドポートフォリオとDTCの運営力(適正在庫・値引き抑制・体験価値訴求)。
- 粗利率が高水準(中間期で51.4%)。製品企画力と価格維持力が寄与。
- 財務健全性が極めて高い(自己資本比率77.0%[9/30時点短信]、低借入)。
- 課題
- 収益のブランド集中(THE NORTH FACE依存)とライセンス契約リスク。
- 気象要因(猛暑・暖冬)やファッション・トレンドの変動、インバウンドの変動に左右されやすい。
- 仕入・為替・原材料高のマージン圧迫リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(短信等の要点)
- THE NORTH FACE中心に「機能性・品質・体験価値」を訴求し、ライフスタイル領域へ浸透。
- 直営チャネル強化(プロパー販売維持、値引率抑制、在庫回転改善)。
- 「Climate Adaptation Products」等の高機能シリーズ強化。
- インバウンド需要の取り込み。
- 直近の施策
- 7月クリアランスで値引き抑制・適正在庫化、秋冬商戦への切替を進捗。
- 連結範囲変更(アルパインツアーサービスを新規連結、北京子会社2社除外)。
- 中期計画(公表要旨は未記載):通期予想は据え置き。秋冬商材の動向が鍵。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 強ブランド×DTC(直営・EC)で粗利率を確保。卸との複合でボリュームも確保。
- 持続性評価
- 高いROE(23%台)と厚い粗利率、低D/Eでショック耐性は強い。
- 一方でブランド・気象・トレンド依存の外部リスクは残る。ブランド分散と自社ブランド強化が中長期の安定化要素。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 高機能素材(例:GORE-TEX等)や独自ライン(Climate Adaptation Products)による機能価値訴求。
- 主力領域
- THE NORTH FACEのアパレル・ギアが収益牽引。Speedo(競泳・スイム)やHelly Hansen(マリン)等がポートフォリオを補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価:2,710.5円、EPS(会社予想):185.81円、BPS:802.15円
- PER(会社予想):約14.6倍(=2,710.5/185.81)
- PBR(実績):約3.38倍(=2,710.5/802.15)
- 業界平均:PER 21.7倍、PBR 1.0倍
- 相対評価
- PERは業界平均比で低め(収益基準では相対的に低バリュエーション)。
- PBRは業界平均比で高め(高ROE・ブランド力に伴うプレミアム)。
- 参考計算(理論比較)
- 業界平均PER適用:185.81×21.7 ≒ 4,030円
- 業界平均PBR適用:802.15×1.0 ≒ 802円
- 収益力は平均超、簿価基準ではプレミアム評価という二面性が確認できる。
- EV倍率(概算)
- 時価総額3,856億円、現金約450億円、負債約5億円 → EV ≒ 3,412億円
- LTM売上1,315億円 → EV/S ≒ 2.6倍
- LTM EBITDA 3,255億円(ISベース) → EV/EBITDA ≒ 10.5倍(概算)
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:2,505円、200日線:2,602円。現株価は両線を上回り、短中期は上向きバイアス。
- 位置づけ
- 52週高値:3,096円、同安値:2,330円。現在値はレンジ中程(約50%地点)で高値圏でも安値圏でもない。
- 足元の値動き
- 直近10日で反発基調。11/6は出来高急増(約116万株、3カ月平均の約2倍)しギャップアップ〜上昇。決算発表日要因の可能性。
- 値幅制限上限(3,003円)は未到達。短期は上昇モメンタムが強い局面。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(百万円):98,235(22/3)→115,052(23/3)→126,907(24/3)→132,305(LTM)
- 3年CAGR ≒ +10%強、直近YoY ≒ +4%。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:52.1%(=68,925/132,305)
- 営業利益率:16.6%(=21,905/132,305)
- 当期純利益率:18.5%(=24,444/132,305)
- ROE:23.24%、ROA:9.99%
- 中間期(4-9月):営業利益率 ≒12.5%(短信)で堅調、持分法利益減で経常以下にブレ。
- キャッシュフロー(中間累計)
- 営業CF +16.7億円、投資CF ▲101.5億円(定期預金増・設備等)、財務CF ▲63.1億円(配当等)。
- 現金同等物残高 3,689億円へ減少も、ネットキャッシュ体質は継続。
- 財政状態
- 自己資本比率:73.2%(期首実績)→9/30短信で77.0%。
- 流動比率:2.95倍。総借入僅少(D/E ≈ 0.4%)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想配当:年間58円(別途、短信では中間配当に創業75周年記念10円を含む旨の記載。株式分割の影響に留意)。
- 予想配当利回り:2.14%前後、Payout Ratio:約30%。
- 自社株
- 自己株式保有あり(短信期末ベース約488.6万株)。J-ESOPの見直しに伴う自己株式の動きが発生。
- 基本スタンス
- 業績連動・安定配当を志向(詳細な還元方針の数値目標は短信記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は決算通過で上昇加速、出来高増。50日・200日線上での上伸でテクニカルは改善。
- 信用需給
- 信用買残 405千株(前週比▲17.7千)、信用売残 55千株(+27.7千)、信用倍率 7.35倍。買い長だが、買い残はやや整理・売り残は増加。
- 関心材料
- 決算実績(営業好調・持分法減益)、秋冬商戦の進捗、インバウンド動向、為替、在庫と値引率のコントロール。
11. 総評
- 事業面
- 強いブランド力とDTC運営力で高い粗利率とROEを実現。財務は極めて健全。
- リスクはブランド依存・気象需要・為替・原材料。中期は自社ブランド強化とポートフォリオ分散が安定化の鍵。
- 業績面
- 売上は堅調に拡大、営業利益も底堅い。中間期は営業段階が想定超、持分法利益の減少で経常以下は伸び悩み。
- 株価面
- PERは業界平均比で低く、収益力に対する評価は抑制的。一方、PBRは高く、資本効率・ブランド価値のプレミアムが反映。
- テクニカルは改善、レンジ中央〜やや上で推移。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY +4%程度、3年CAGR +10%強。安定成長。
- 収益性:A
- 粗利率約52%、営業利益率16%台、ROE 23%。業界平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率77%(短信)、流動比率2.95倍、D/E ≈ 0.4%。極めて健全。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界比で低めだが、PBRは高め。指標間で評価が割れるため中立寄り。
参考データ(抜粋)
- 株価:2,710.5円/時価総額:3,856.8億円/発行株式数:142,344,516株
- 予想PER:14.6倍/実績PBR:3.38倍/ROE:23.24%/自己資本比率:73.2%(短信では9/30時点77%)
- LTM:売上1,323億円、営業益219億円、純利益244億円、EPS約182円
- テクニカル:50DMA 2,505円、200DMA 2,602円、52週高/安 3,096/2,330円
- 今後のイベント:決算発表(11/6/2025実施)、権利落ち予定 2026/3/30(予定)
企業情報
| 銘柄コード | 8111 |
| 企業名 | ゴールドウイン |
| URL | https://about.goldwin.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。