1. 企業情報
クックパッド株式会社は、日本を拠点に料理レシピサイト「クックパッド」を運営する企業です。Cookpadはレシピの投稿・検索サービスを提供しており、主に個人向けの有料会員サービスと広告収入を収益源としています。近年は生鮮食品ECサービス「クックパッドマート」などの関連事業にも注力しており、「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は料理レシピサイトにおいて市場の主要な地位を確立しています。しかし、レシピサイト市場全体での競争は激しく、無料コンテンツの台頭や他社サービスの登場により、プレミアム会員数の減少という課題に直面しています。食材ECサービス「クックパッドマート」の再建を進めていますが、この分野においても競合他社との差別化や効率的な物流網の構築が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと、既存のレシピプラットフォーム事業に加え、食材流通(クックパッドマート)やAIサービス(料理AIコーチング「moment」)などの新たな事業開発・投資を継続する方針を示しています。具体的な中期経営計画の数値目標は開示されていませんが、将来性を見据えた積極的な投資を通じて事業ポートフォリオの多角化と成長を目指していると考えられます。自己株式取得も継続的に実施しており、資本効率の改善も意識していると推察されます。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の主要な収益モデルは、レシピサイトの有料会員収入と広告収入です。しかし、直近ではプレミアム会員数の減少により売上収益が伸び悩み、既存事業の市場ニーズへの適応力が問われています。食材ECなどの新規事業への取り組みは、収益源の多様化と持続可能性を高めるための重要な戦略ですが、これらの事業が早期に収益貢献できるかが持続可能性の鍵となります。潤沢な現預金を保有しており、新たな投資への余力はありますが、これが将来の成長に結びつくかが注目されます。
5. 技術革新と主力製品
同社の主力製品である「クックパッド」は、長年にわたり培ってきたユーザー基盤とレシピデータが強みです。レシピ検索や投稿におけるユーザー体験の改善に加え、近年は料理AIコーチング「moment」の開発など、AI技術を活用した新しいサービスにも着手しています。これらの技術革新は、ユーザーの料理体験を深め、既存サービスとのシナジーを生み出す可能性があります。食材EC「クックパッドマート」では、独自の流通モデルを構築し、鮮度の高い食材を提供することを目指しています。
6. 株価の評価
現在の株価は163.0円です。
* PBR(実績):0.99倍
* BPS(実績):164.70円
PBRが1倍を下回っており、現在の株価は純資産価値より若干割安な水準にあります。過去12ヶ月の希薄化後EPSは7.60円であり、この数値に基づくとPERは約21.4倍となります。ただし、会社予想EPSは未開示であり、直近の利益が大幅に減少しているため、今後の利益動向を慎重に見極める必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、175円台から163円へと下降傾向にあります。年初来高値が233円、安値が129円であるのに対し、現在の株価は安い方から中間よりやや下に位置しています。50日移動平均線(171.86円)および200日移動平均線(174.55円)を下回っており、短期および中期的な下降トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 2024年12月期 | 2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 (百万円) | 5,581 | 5,876 | 7,607 | 9,086 | 10,004 |
| 営業利益 (百万円) | 392 | 673 | -2,799 | -3,520 | -2,632 |
| 純利益 (百万円) | 621 | 1,332 | -2,229 | -3,488 | -2,380 |
| ROE (%) | 4.79 | 9.74 | – | – | – |
| 自己資本比率 (%) | — | 90.7 | — | — | — |
売上と利益の傾向:
売上収益は2021年から2024年にかけて減少傾向にあります。直近の過去12ヶ月も減収が続いています。営業利益、純利益は2021年から2023年にかけて赤字でしたが、2024年12月期に黒字転換しました。しかし、過去12ヶ月の営業利益と純利益は2024年通期実績と比較して減少しており、特に2025年12月期第2四半期の中間決算では、売上収益が前年同期比△9.8%減、営業利益が△63.5%減、純利益が△95.0%減と大幅な減益となっています。これはプレミアム会員数の減少が主な要因とされています。
キャッシュフロー:
過去12ヶ月の営業活動によるキャッシュフローは12.6億円のプラスと健全です。投資活動によるキャッシュフローは小規模なマイナス、財務活動によるキャッシュフローは自己株式取得によりマイナスとなっています。現金同等物の残高は潤沢ですが、自己株式取得で減少傾向にあります。
財務健全性:
自己資本比率は90.7%と極めて高く、総負債/自己資本比率も5.85%と低い水準にあり、有利子負債はほとんどありません。流動比率は19.71倍と非常に高く、短期的な支払い能力に不安はありません。財務健全性は極めて強固です。
収益性指標:
ROEは過去12ヶ月で4.79%、ROAは1.70%です。2025年中間期の売上高営業利益率は5.93%と、前年同期の14.64%から大幅に低下しており、収益性維持に課題が見られます。
9. 株主還元と配当方針
同社は現在、配当を実施しておらず、配当利回りは0.00%です。株主還元策としては、継続的な自己株式取得に注力しています。2025年4月1日から2026年3月31日までの期間で、最大2,000百万円を上限とする自己株式取得枠を設定しており、中間期中および中間期末後も積極的に実施しています。これは株価を下支えし、1株当たりの価値向上を目指すものと解釈できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で下降傾向にあり、中期の移動平均線も下回っています。年初来高値から約30%下落しており、安値圏に近づいています。信用買い残が信用売り残を上回っており、信用倍率は3.28倍です。株主構成では筆頭株主の佐野陽光氏と自社(自己株口)が大半を保有しており、浮動株比率は比較的低いと見られます。直近の業績悪化を受けて投資家の関心は低下している可能性があり、今後の事業戦略の進捗や収益改善の兆しが株価の動向に影響を与える要因となるでしょう。
11. 総評
クックパッドは料理レシピサイトの最大手としての地位を確立していますが、主力事業であるプレミアム会員の減少が売上を圧迫しており、直近の業績は大幅な減益となっています。食材ECやAIサービスなど新規事業への投資を継続し、収益多角化を図っていますが、これらの事業が本格的な収益貢献に至るまでには時間を要する可能性があります。一方で、自己資本比率90%超、流動比率19倍超と、極めて強固な財務体質を誇り、潤沢なキャッシュを保有しています。この財務的な安定性が、今後の事業転換と成長投資の基盤となります。しかし、業績予想を未開示としている点や、既存事業の収益性低下が続いている点は懸念材料です。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- LTM売上成長率は直近でマイナスに転じており、過去数年の売上も減少傾向にあります。2025年中間期も前年同期比で約10%の売上減となっており、成長性に課題があります。
- 収益性: C
- 過去数年間は赤字が続いていましたが、2024年12月期に黒字転換しました。しかし、2025年中間期は営業利益が大幅減益となり、営業利益率も低下しています。業界平均と比較しても、収益性は低い水準にとどまっています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率は90.7%と極めて高く、流動比率も19.71倍と非常に優れています。有利子負債は少なく、財務体質は極めて強固であると評価できます。
- 株価バリュエーション: A
- PBR(実績)は0.99倍と、業界平均PBR1.2倍を下回っており、純資産ベースではやや割安な水準にあります。ただし、EPS(会社予想)が未開示であり、直近の利益が変動しているため、他の指標での評価は限定的です。
企業情報
| 銘柄コード | 2193 |
| 企業名 | クックパッド |
| URL | http://cookpad.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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