東邦アセチレン(4093)企業分析レポート

株価: 361円(2025-11-07終値)
市場: 東証プライム / 業種: 化学(素材・化学)

1. 企業情報

  • 概要
    • 東北地盤の工業用ガス中堅。創業は溶接・切断用ガス(アセチレン)で、現在は酸素・窒素・アルゴン等の産業ガス、LPG(産業/家庭用)、医療・食品用ガス、関連器具・機材、自動車機器、製氷機まで幅広く展開。
    • 主要株主として東ソー、日本酸素HDとの関係があり、調達・技術・販路面で協業余地。
  • 連結セグメント(2025.3期の売上構成/カッコ内はセグメント利益率の目安)
    • ガス関連 61%(9%)
    • エスプーマ関連 5%(30%)
    • 器具器材関連 27%(3%)
    • 自動車機器関連 3%(2%)
    • 製氷機関連 3%(19%)
    • その他 1%(21%)
  • 会社基本データ
    • 本社: 宮城県多賀城市栄2-3-32
    • 設立: 1948年9月
    • 従業員: 789名、平均年齢40.9歳、平均年収614万円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内の工業ガス大手(日本酸素HD、エア・ウォーター、岩谷産業、エア・リキード等)が全国展開する中、同社は東北を中心に地域密着で供給網を構築。シリンダー配送、定期納入、保守サービスなどでスイッチングコストが相対的に高めのビジネス特性。
  • 競争優位と課題
    • 優位: 地域密着の配送/保守網、主要株主との連携、食品向け等の高付加価値ニッチ(エスプーマ)、製氷機・メンテのサービス収益。
    • 課題: 電力・燃料費や物流費の上昇によるコスト圧力、製造業動向(特に自動車向け)の影響、数量調整局面での稼働率影響。定量的な市場シェアは非開示。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針(短信等の記載より)
    • 価格転嫁とコスト抑制の両立(電力・燃料調整費、輸送費の管理)
    • ガス関連の安定収益基盤に加え、製氷機・自動車機器・メンテナンス等の案件・サービス収益を拡大
    • 食品用ガス(エスプーマ)など高利益率分野の磨き上げ
    • 安全・保安と供給安定性の維持強化
  • 中期計画
    • 定量目標の記載は確認できず。重点は高付加価値商品の比率向上、運搬/製造コスト最適化、設備投資案件の獲得と保守ストック化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 工業・医療・食品向けガスの継続納入(ボリューム+単価)、容器・機器の販売・レンタル、メンテナンス収益。顧客との長期継続取引が多く、解約コストや安全要件からスティッキーな関係が生じやすい。
  • 持続性評価の視点
    • 需要は景気循環の影響を受ける一方、基礎的なガス需要は安定。コスト上昇局面では価格条件の見直しや燃料調整の適用がカギ。サービス・保守の積み上げにより景気耐性は相対的に高まりやすい。

5. 技術革新と主力製品

  • 主力領域
    • 産業ガス(酸素・窒素・アルゴン・アセチレン等)、LPG、溶接・切断器具/材料、食品用ガス(エスプーマ関連)、製氷機・冷凍機の販売/保守、自動車機器。
  • 特徴
    • 収益面では、エスプーマ関連(高利益率)、製氷機関連がセグメント利益率で高水準。一方、器具器材は薄利で数量に依存しやすい。
    • 技術革新自体は大手主導の領域が多いが、同社は安全・品質・供給安定を軸に現場適用とサービス面で差別化。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(現状)
    • 株価 361円、時価総額 約126億円
    • 予想PER 10.46倍(EPS予想 34.51円)
    • 実績PBR 0.69倍(BPS 525.29円)
    • 配当利回り(会社予想)3.88%(年14円)
    • EV/Sales(TTM)約0.20倍
    • 現金同等物 約88.9億円、総有利子負債 約33.4億円 → ネットキャッシュ約55.5億円を考慮
  • 業界平均との比較(提供データ)
    • 業界平均PER 20.4倍、PBR 1.1倍
    • 同社はPER・PBRともに平均を下回る水準。ネットキャッシュを踏まえたEV倍率も低位。
  • 参考
    • 予想配当性向(概算): 14円 / 34.51円 ≈ 40.6%

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均 354.7円、200日移動平均 355.5円。終値361円は両移動平均を僅かに上回る水準。
    • 直近10営業日は355円前後からじり高。出来高は3カ月平均と同程度。
  • 位置づけ
    • 年初来レンジ 325~395円の中腹(高値比約-9%、安値比約+11%)。高値圏/安値圏のいずれにも偏らない中間域。
  • 需給
    • 信用買残 41.9万株、信用倍率 約2,093倍(売残が極小)。低い浮動株(約1,022万株)と相まって、短期の値動きは材料次第で振れやすい可能性。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上高(億円): 2022/3 312.9 → 2023/3 340.9 → 2024/3 354.2 → 過去12か月 348.0
    • LTM売上成長率: -1.7%(前年比)
    • 3年CAGR(2022→LTM): 約+3.6%
  • 収益性(LTM)
    • 粗利率 約31.5%(10,974/34,804)
    • 営業利益率 5.21%(提供値)
    • EBITDAマージン 約8.3%(2,886/34,804)
    • 当期純利益率 約3.7%
    • ROE 6.76%(実績7.19%)、ROA 3.48%
  • 安定性・効率
    • 自己資本比率 54.4%(四半期参考 55.2%)
    • 流動比率 約180%、D/E(総)約16.4%(ネットキャッシュ)
    • 減価償却費(LTM)約6.96億円
  • 四半期トピック(2026年3月期1Q)
    • 売上 +1.8%、営業益 -14.8%。電力・輸送コスト上昇がガス関連の利益を圧迫。製氷機・自動車機器は伸長。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期 実績: 年14円(中間5円、期末9円)
    • 2026/3期 会社予想: 年14円(据え置き)
    • 予想配当利回り: 約3.88%(361円ベース)
  • 自己株式
    • 期末自己株式 約24.3万株(約0.7%)。大規模な自社株買いの継続実施は確認できず。
  • 株主構成
    • 主要株主: 東ソー(24.5%)、日本酸素HD(9.9%)ほか。役職員/関係先を含む内部保有が高め(Insiders約59.8%)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 直近は緩やかな戻り基調。52週騰落 +3.4%、β 0.47で相場全体に対する感応度は低め。
  • 関心材料
    • 電力・燃料/物流コストの動向、価格転嫁の進捗
    • 自動車向け設備投資、製氷機の大型案件獲得状況
    • 食品向け(エスプーマ)需要の回復度合い
    • 主要株主との協業・供給安定性、地域の産業動向
    • 浮動株の少なさと信用需給

11. 総評

  • 東北地盤の安定供給モデルを持ち、ガス関連が基盤。エスプーマ・製氷機など高採算ニッチや保守サービスの寄与が収益を底上げ。
  • 直近は電力・物流コスト上昇で営業利益が圧迫。通期予想は横ばい~やや減益見通しで、数量動向と価格条件の管理が焦点。
  • 財務は自己資本比率50%超・ネットキャッシュで健全。株価指標は業界平均比で低位水準、配当は安定的に据え置き見通し。

(注)本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 根拠: LTM売上は前年比-1.7%だが、3年CAGRは約+3.6%で中立評価。
  • 収益性: C
    • 根拠: 営業利益率約5%は大手ガス/化学平均を下回る水準。
  • 財務健全性: A
    • 根拠: 自己資本比率54%超、流動比率約180%、ネットキャッシュ。
  • 株価バリュエーション: A
    • 根拠: PER・PBRとも業界平均を下回り、EV/Sも低位。

参考データ(抜粋)
– PER(予想)10.46倍、PBR(実績)0.69倍、配当利回り(予想)3.88%
– EPS(予想)34.51円、BPS(実績)525.29円、ROE(実績)7.19%
– 現金同等物 88.9億円、有利子負債 33.4億円、自己資本比率 54.4%
– 50日移動平均 354.7円、200日移動平均 355.5円、年初来高値395円/安値325円

不明な項目は—。データは一過性要因を除き、提供数値に依拠しています。


企業情報

銘柄コード 4093
企業名 東邦アセチレン
URL http://www.toho-ace.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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By シャーロット

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