JMDC(4483)企業分析レポート
株価: 4,510円(2025-11-07終値)/市場: 東証プライム/時価総額: 約2,950億円
本レポートは提供データに基づく客観的な事実整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要
- 健康保険組合等の医療データ(レセプト・健診)を匿名加工し、製薬・保険会社等へ提供する「ヘルスビッグデータ」事業と、遠隔読影等の「遠隔医療」事業を展開。
- 主なプロダクト・アセット
- JMDC Claims Database(国内最大級の疫学レセプトDB)
- PHR/ヘルスデータプラットフォーム(Pep Up)
- 遠隔読影プラットフォーム、AI支援(AI-RAD)
- 顧客:健康保険組合/保険者、製薬、生命・損害保険会社、研究機関、医療機関 等
- 親会社:オムロン(持分54.24%)
- 事業構成(2025/3期)
- ヘルスビッグデータ: 売上比率約85%、セグメント利益貢献の中核
- 遠隔医療: 売上比率約15%、高い付加価値の継続
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 医療データ利活用領域で国内最大級のデータ保有・提供基盤を有し、保険者・製薬・保険会社向けに横断的にサービスを展開。
- 遠隔読影でも国内有数の専門医ネットワークを保有(会社開示ベース)。
- 競争優位性
- 長年のデータ蓄積と匿名加工ノウハウ、保険者向け支援機能(Pep Up/健康経営アライアンス等)によるエコシステム。
- ストック型契約(データサブスクリプション、SaaS/ASP)比率が高く、収益の可視性が相対的に高い。
- 課題
- 規制・ガイドラインの変化(匿名加工情報の取扱い等)への適応。
- のれん・無形資産比率の上昇に伴う減損リスク管理。
- 遠隔医療は市場浸透のスピードや競争(他プラットフォーム/AIベンダー)に左右される。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営方針
- 主要KPIとしてEBITDAを重視。データ基盤の拡張と利活用先の拡大で成長を狙う。
- 重点施策(会社開示より)
- ヘルスビッグデータ:保険者取引先の拡大、Pep Up ID拡大、健康経営アライアンス(2025/9末 503社・団体)による需要創出。
- 製薬・保険向けソリューションの高度化(分析、リアルワールドデータ活用、共同研究等)。
- 遠隔医療:遠隔読影の機能拡張(AI-RAD等)、医療機関導入拡大、アジア展開準備。
- M&Aによる機能/アセット補完(当期は子会社取得に伴いのれん増加)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- データ提供/分析、PHR/保険者支援、SaaS/ASP、読影フィー等のストック+トランザクション収益のミックス。継続課金比率が高い構造。
- 適応力
- データ基盤拡張とPHR/健康経営の潮流を取り込みやすい。規制・プライバシー対応は継続的な体制整備が前提。
- 顧客多角化(保険者・製薬・保険会社・医療機関)により単一セクターリスクを緩和。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 大規模レセプト/健診データの匿名加工・分析基盤、PHR(Pep Up)、AI読影(AI-RAD)等。データ×アルゴリズム×SaaSの組合せが強み。
- 収益ドライバー
- ヘルスビッグデータ事業(中間期売上86%・EBITDA寄与約87%)が牽引。
- 遠隔医療は高付加価値でEBITDA率が高水準(中間期36.2%)だが、売上規模は相対的に小さい。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 4,510円
- 業績指標(会社予想/実績)
- 予想EPS: 113.18円 → 予想PER: 約39.9倍
- 実績BPS: 1,215.16円 → PBR: 約3.71倍
- 参考:EV/Sales(LTM概算)≈ 6.8倍、EV/EBITDA(LTM概算)≈ 25倍前後
- 業界平均(参考)
- PER平均: 約23.2倍、PBR平均: 約2.3倍
- 評価概況
- PER・PBRともに業界平均を上回る水準。データ資産・成長性・ストック比率への評価がプレミアムに反映されている一方、金利上昇や成長鈍化時の感応度には留意。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線: 4,568円、200日線: 3,745円。株価は200日線上・50日線やや下で推移。
- 位置
- 52週レンジ: 2,480–4,950円。現在値はレンジ上方(約82%地点)で「やや高値圏」。
- 直近の値動き
- 11/6の決算発表後に出来高増でギャップダウン(11/7の安値4,335円)、短期モメンタムは反落気味。出来高は3カ月平均(約28万株)を上回る(直近約44万株)。
- 需給
- 信用買残/売残 = 262千/56千、信用倍率4.65倍。買い越し優位で、ポジションの傾きには留意。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(億円):218(2022)→278(2023)→306(2024)→417(2025/LTM同)と拡大。3年CAGR約+23%。
- 中間期(2026/3期上期)売上+24.4% YoY、ヘルスビッグデータが牽引。
- 収益性(2025/3期)
- 粗利率: 約57.1%(23,849/41,722)
- 営業利益率: 約20.9%(8,718/41,722)
- EBITDAマージン: 約27.6%(11,529/41,722)
- 純利益率: 約17.4%
- 効率性・資本性
- ROE(実績): 9.79%、ROA(LTM): 4.13%
- 自己資本比率: 54.6%(2025/3期末)、52.1%(2025/9末)
- 総資産: 1,526億円、のれん: 618億円(比率高め)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF: 107.6億円、フリーCF: 111.5億円(概算)
- 流動比率: 2.42倍、現金同等物: 358.6億円、有利子負債: 524.8億円、D/E ≈ 0.66
- セグメント(2026/3期上期)
- ヘルスBD: 売上1,989億円相当(注:会社公表は百万円単位=19,893百万円)、EBITDA率24.1%
- 遠隔医療: 売上318億円相当(=3,186百万円)、EBITDA率36.2%
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期実績: 年16円(期末16円)
- 2026/3期: 会社資料に明示的な通期予想記載なし(直近公表の予想据え置き注記あり)。外部データでは年16円・利回り約0.35%・配当性向約17.6%。
- 自社株買い
- 自己株式は僅少(731株)。自社株買い実施の明記はなし。
- 方針
- 成長投資(M&A含む)を優先しつつ、安定配当を継続する姿勢がうかがえる(会社資料・数値からの客観整理)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 決算発表(11/6)後に短期反落。中長期では200日線上の上昇トレンドを維持。
- 投資家関心
- 出来高は直近増加(決算イベントの影響)。フロートが約2,467万株と相対的に小さく、親会社・インサイダー保有(約60.6%)が高い構造。
11. 総評
- データアセットに基づく高い伸長とストック比率、二桁台の営業利益率・EBITDA率により、収益の質は比較的安定。保険者/製薬/保険会社/医療機関を結ぶプラットフォーム性が強み。
- 一方、規制・プライバシー、M&A起因ののれん増加、金融費用増(借入増)などの管理が重要。評価面では業界平均に対しプレミアム水準(PER/PBR)で、成長進捗・利益率維持がバリュエーションの前提となりやすい。
- テクニカルには上方レンジ内での調整局面。イベント(次回決算: 2026-02-05予定)やガイダンス進捗が短期の方向性に影響。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:S
- LTM売上+約36% YoY、3年CAGR約+23%。中間期も+24.4%。
- 収益性:A
- 粗利率約57%、営業利益率約21%、EBITDA率約28%。業界平均を上回る水準と評価可能。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率52–55%、流動比率2.4倍、D/E約0.66。現金厚め。のれん比率は留意点。
- 株価バリュエーション:C
- 予想PER約39.9倍、PBR約3.71倍と業界平均(PER23.2/PBR2.3)に対しプレミアム。EV/EBITDAも高位。
(注)数値は原資料・提供データに基づく概算を含みます。将来予測には不確実性が伴います。
企業情報
| 銘柄コード | 4483 |
| 企業名 | JMDC |
| URL | https://www.jmdc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。