1. 現在の株価の評価
- 株価: 3,345円
- PER（会社予想）: 14.72倍
- PBR（実績）: 0.88倍
- EPS（会社予想）: 227.22円
- BPS（実績）: 3,792.72円
現在の株価は、予想EPSに基づくPERが業界平均（11.3倍）を上回っており、PBRは業界平均（0.7倍）を上回っています。BPSを考慮すると、株価はBPSを下回っており、割安感があるとも考えられますが、今後の業績次第では評価が変わる可能性があります。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は3,255円～3,395円のレンジで推移しており、年初来高値（3,940円）からは大きく下落しています。現在の株価は年初来安値（3,000円）からやや上回っており、高値圏ではなく、どちらかというと安値圏に近いと判断できます。ただし、短期的な変動は大きく、明確なトレンドは確認できません。
3. 財務諸表分析
過去数年の損益計算書を見ると、2022年3月期までは営業利益、純利益ともに増加傾向でしたが、2024年3月期は大幅な減益となっています。2025年3月期中間決算も減収減益となっており、業績は悪化傾向にあります。ROEは過去12ヶ月で-3.72%とマイナスとなっており、収益性の低さが懸念されます。自己資本比率は40.9%と比較的高い水準を維持しています。
主要財務指標の推移（百万円）
| 指標 | 過去12か月 | 3/31/2024 | 3/31/2023 | 3/31/2022 | 3/31/2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 163,222 | 163,222 | 156,050 | 156,520 | 161,697 |
| 営業利益 | 466 | 466 | 5,065 | 8,858 | 9,066 |
| 純利益 | -2,072 | -2,072 | 2,914 | 5,987 | 6,262 |
| ROE (%) | -3.72 |
4. 業界のポジションと市場シェア
大豊建設は、シールド工法、無人化掘削工法を強みとする土木建設会社です。大型プロジェクトへの参画実績があり、麻生グループ傘下にあることが強みです。しかし、市場シェアに関する具体的なデータは入手できませんでした。建設業界は競争が激しく、資材価格高騰や人手不足といった課題を抱えています。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信からは、景気回復の動きはあるものの、建設コスト高止まりが業績に影響していることが読み取れます。具体的な経営戦略や中期経営計画については、公開情報からは詳細な内容を確認できませんでした。
6. 事業モデルの持続可能性
大豊建設の事業モデルは、公共および民間からの土木・建築工事受注が中心です。公共投資の動向、民間企業の設備投資意欲、資材価格の変動などに大きく影響を受けます。これらの要因の変化への適応力が、事業モデルの持続可能性を左右する重要な要素となります。
7. 技術革新と主力製品
シールド工法、無人化掘削工法といった技術が強みです。しかし、具体的な主力製品やサービス、技術開発の動向に関する情報は公開情報からは十分に確認できませんでした。
8. 株主還元と配当方針
予想配当利回りは3.41%と比較的高い水準です。しかし、2024年3月期の純利益が大幅な減益となっていることから、配当の維持可能性については注意深く見守る必要があります。配当性向は、予想配当と純利益の状況から非常に高い水準になると予想されます。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、出来高も少ないことから、投資家関心の低さが伺えます。信用倍率が高いことも、リスク要因の一つとして考慮する必要があります。
10. 総評
大豊建設は、大型土木工事で一定の強みを持つものの、最近の業績は悪化傾向にあります。建設コスト高騰などの外部環境が業績に大きく影響しており、今後の経営戦略、市場環境の変化への対応が重要となります。現在の株価は、業績の悪化を反映していると考えられます。投資判断にあたっては、今後の業績動向、経営戦略、市場環境などを総合的に判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1822 |
| 企業名 | 大豊建設 |
| URL | http://www.daiho.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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