ノーリツ鋼機(7744)企業分析レポート

株価: 1,692円(2025-11-12)/ 市場区分: 東証プライム / 業種: 精密機器(電機・精密)
本資料は公開情報に基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。

1. 企業情報

  • 概要
    • 持株会社。多角化からの再編を経て「ものづくり(部品・材料)」と「ものづくり(音響機器関連)」の2事業に集約。
    • 音響機器関連は、DJ・クラブ向け機器(Pioneer DJ/AlphaThetaブランド)とコンシューマ向けオーディオ(JLab)を展開。
    • 部品・材料はペン先やコスメ部材、MIM(金属射出成形)などの金属部材を提供。
  • 事業構成(目安)
    • 連結売上構成比(2025年中間期):音響機器関連 約90%、部品・材料 約10%
    • 参考(会社プロフィール記載):部品・材料 11%(営業利益率27%)、音響機器関連 89%(同23%)
  • 海外売上比率:91%(2024.12期)
  • 従業員:1,303人/本社:東京都港区

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 音響機器(DJ機器)
    • クラブ据置型プレーヤー/ミキサー、DJコントローラ等でAlphaTheta(旧Pioneer DJ)はグローバルで高いシェアとされ、プロ用途でのブランド認知・導入実績が強み。
    • 競合:Denon DJ/Numark(inMusic)、Native Instruments、Roland、Reloop 等。
  • コンシューマオーディオ(JLab)
    • TWSイヤホン等のバリュープライス帯が主戦場。北米中心に販路拡大中。
    • 競合:Anker、JBL、Skullcandy等の量販・EC強者に加え、ハイエンドはApple/Sonyなど。
  • 部品・材料
    • ペン先・コスメ部材・MIMなどニッチで品質・精度が競争力源泉。中国需要の変動や顧客生産調整の影響を受けやすい側面。
  • 論点
    • 優位性:DJ領域のブランド力/エコシステム(機器×ソフト/アプリ)、開発力、グローバル販路。
    • 課題:為替感応度、コンシューマ領域の価格競争、地域需要(中国コスメ)鈍化の影響、音響事業への収益依存度の高まり。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性
    • コア事業を音響機器とものづくりに絞り、選択と集中を継続。非中核の売却(例:プリメディカ)を実施済み。
  • 重点施策(足元)
    • 音響機器:R&D・マーケ投資の先行実行、JLabの地域・チャネル拡大、AlphaThetaの製品強化(プロ~コンシューマまでのライン拡張、ソフト連携強化)。
    • 部品・材料:MIMなどの用途拡大、北米・欧州・アジア(中国以外)での回復取り込み。
    • 資本政策:自己株取得・消却の実施、株式分割(1→3、2025/7/1)で流動性・投資単位の改善。
  • 通期見通し(会社予想、2025/12期)
    • 売上収益 1,107億円(+3.9%)、営業利益 160億円(-22.0%)、当期利益 107億円(-33.6%)、EPS 100.93円
    • 先行投資や為替影響を織り込む保守的姿勢。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 音響機器はブランド・コミュニティ・ソフトとのエコシステム(例:Rekordbox等)によりスイッチングコストが働きやすいモデル。プロ用途は買い替え・保守需要が継続。
  • JLabは価格帯競争が激しく、製品差別化・EC施策の継続が鍵。
  • 部品・材料は顧客との長期関係と品質が強みだが、需要変動や地域リスクの分散が必要。
  • いずれも為替の影響が大きく、ヘッジ・価格調整の機動力が重要。

5. 技術革新と主力製品

  • 音響機器(AlphaTheta)
    • クラブ標準機(CDJ/XDJ、DJM)からコントローラ、ソフト/アプリまでを展開。ファーム/ソフトの継続アップデート、UI/耐久性が差別化要素。
  • コンシューマ(JLab)
    • TWS/ヘッドセット等で価格性能比を重視、スポーツ/キッズ/ワーク向けなど用途特化型も。
  • 部品・材料
    • 高精度金属加工、MIMの量産技術、コスメ部材などで顧客要件に合わせたエンジニアリングが強み。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価 1,692円、時価総額 約1,812億円、現金 930億円、純有利子負債マイナス(ネットキャッシュ)、LTM売上 1,096億円、LTM EBITDA 約224億円、BPS 2,049.96円、EPS(会社予想)100.51円
  • 指標
    • PER(予想):約16.8倍(業界平均 21.1倍)
    • PBR:0.82倍(業界平均 1.8倍)
    • EV/EBITDA:約5.5倍(概算:EV ≒ 1,240億円 / EBITDA ≒ 224億円)
    • EV/Sales:≈1.13倍
  • 参考比較
    • 同社のPER・PBRは業界平均を下回る水準。ネットキャッシュ基調でEV倍率は抑制的。
    • 参考計算(単純比較、前提により大きく変動し得る)
    • 業界平均PER適用: 100.51円 × 21.1 ≈ 2,120円
    • 業界平均PBR適用: 2,049.96円 × 1.8 ≈ 3,690円
    • 収益見通し(減益予想)や事業ポートフォリオ、為替感応度の違いに留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日線 1,728円、200日線 1,578円。現在値は50日線をやや下回り、200日線を上回る推移。
    • 年初来高値 1,818円(-6.9%)、年初来安値 1,207円(+40%)。レンジ上半分での持ち合い。
  • 直近の値動き
    • 直近10日で1,646~1,699円のレンジ。1,700円近辺に上値抵抗、1,650円近辺に下値支持が意識されやすい価格帯。
    • 出来高は3カ月平均29.6万株に対し、足元はやや低調な日もあり。信用倍率22倍と買い残偏重。
  • 評価
    • 中期は上昇基調維持、短期は50日線下でのもみ合い(やや上値重い局面)。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上高:2021年 545億 → 2022年 735億 → 2023年 901億 → 2024年 1,065億 → LTM 1,096億(4年で大幅増、直近期は伸び鈍化)。
  • 収益性(LTM概算)
    • 粗利率:約49.7%(粗利 545億/売上 1,096億)
    • 営業利益:200億(営業利益率 約18%)
    • 当期純利益:119億(純利率 約10.9%)
    • ROE:5.44%(LTM)、2024実績 7.54%/ROA:3.56%
    • EBITDA:224億、営業CF:137億、レバードFCF:113億
  • 安全性
    • 自己資本比率:74.2%/Current Ratio:3.63/D/E:16.4%
    • 現金同等物:約930億、総有利子負債:約358億、ネットキャッシュ基調。
  • セグメント(2025中間)
    • 売上:音響機器 5,011億円、部品・材料 570億円
    • EBITDAマージン:音響機器 25.6%、部品・材料 23.0%
  • 留意
    • 2022年の純利益は一過性要因が大きく、評価は平常化指標を参照。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 会社予想配当:年間約73.7円(予想利回り 約4.37%)
    • Payout Ratio(参考):約72%(前提により変動)
    • 権利落ち予定日:2025/12/29
  • 自己株・その他
    • 2025年上期に自己株取得を実施、2025/7/11に一部消却。2025/7/1に1→3の株式分割。
  • 方針
    • 個別の配当方針明記は資料上限定的だが、配当と自己株の併用で資本効率を意識した施策を実行。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落 +24.2%、β 0.23(低ボラティリティ)。中期は堅調、短期はレンジ。
  • 投資家構成
    • インサイダー保有約48%、機関約23%、浮動株約5,332万株。大株主の安定保有が多く、浮動性は限定的。
  • 需給
    • 信用買残 > 売残(倍率22倍)で短期の需給はやや偏り。

11. 総評

  • 事業面
    • 音響機器(AlphaTheta/JLab)が主力で、ブランド力と高マージンが特徴。JLabの地域・チャネル拡大、MIMなど部品の伸長も追い風。一方、コンシューマ価格競争・為替・地域需要(中国コスメ)の影響には注意。
  • 財務面
    • 収益性は業界比で良好な水準、ネットキャッシュ・高自己資本比率で健全。営業・フリーCFも黒字基調。
  • バリュエーション/株価
    • PER・PBRとも業界平均を下回り、EV倍率も抑制。中期の上昇トレンドは維持しつつ、短期は50日線下の持ち合い。
  • まとめ
    • コア事業への集中と先行投資の両立により、中長期の競争力維持・強化を志向。短期的な利益抑制(投資・為替)を織り込みつつ、財務余力を背景とした柔軟な資本政策が確認できる。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • LTM売上+約3%、過去3~4年で大幅増。足元は伸び鈍化だが増収維持。
  • 収益性:A
    • 粗利率約50%、営業利益率約18%と業界比良好。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率74%、D/E約16%、ネットキャッシュ。
  • 株価バリュエーション:A
    • PER/PBRとも業界平均以下、EV/EBITDA約5.5倍。収益見通し・事業特性の差は留意。

参考データ
– 株価レンジ:年初来高値 1,818円 / 安値 1,207円
– 50日移動平均 1,727.78円 / 200日移動平均 1,577.89円
– 予想EPS 100.51円 / 予想PER 16.78倍 / BPS 2,049.96円 / PBR 0.82倍
– 配当利回り(予想)約4.37%、Ex-Dividend 2025/12/29
– LTM(概算):売上 1,096億円、営業益 200億円、純益 119億円、営業CF 137億円、現金 930億円、有利子負債 358億円

注意事項
– 本資料は公開情報の要約・計算に基づく情報提供であり、将来の結果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でご確認ください。


企業情報

銘柄コード 7744
企業名 ノーリツ鋼機
URL http://www.noritsu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 精密機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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