エス・エム・エス(2175)企業分析レポート
株価:1,348円(2025/11/12終値)/市場区分:プライム/時価総額:約1,181億円
1. 企業情報
- 事業概要
- 介護・医療・ヘルスケア分野に特化した「情報インフラ」を提供。国内外で、人材紹介・求人広告、事業者向け経営支援(SaaS/プラットフォーム)、専門職コミュニティや資格情報、シニア向け住まい情報、配食検索などを展開。
- 収益の柱はキャリア(人材紹介・求人:売上構成比59%)、介護・障害福祉事業者向け(20%)、海外(15%)、事業開発(6%)(2025年3月期)。
- 超高齢社会を背景に、医療・介護領域の需給マッチングと事業者の生産性向上を支援。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 介護・医療分野特化の人材紹介・求人で国内有力。B2Bの経営支援(例:介護事業者向けの業務支援・会計/請求支援等)も高い導入基盤を持つ。
- 競争優位
- 専門職に特化した人材DBとメディア、事業者側の業務プラットフォームを併せ持つ点でネットワーク効果が働きやすい。
- 高齢化トレンドにより中長期の需給は堅調。
- 課題
- 人材紹介は景況・求人需要の変動や集客コストの増減に感応的。
- 広告・マーケ費用や採用単価の上昇が利益率を圧迫する局面がある。
- 海外事業は為替・規制・現地競合などの不確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性
- 「人と情報の最適配置」を軸に、医療・介護領域の構造的な人手不足と事業者の生産性課題を解消するプラットフォームを拡大。
- 重点施策(想定される代表例)
- キャリア分野:専門職特化マッチングの高度化(データ活用、レコメンド精度向上)、応募~定着までのKPI改善。
- 事業者向け:業務支援SaaSの機能拡張、決済・請求・人件費管理など周辺機能との連携強化、ARPU向上と解約率低減。
- 海外:医療従事者プラットフォームの地域拡大・M&A連携の検討、日系で培ったオペレーションの横展開。
- 収益性:集客効率の改善、広告投資のROI管理、オペレーティング・レバレッジの再強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 人材紹介フィー・求人広告(成功報酬/掲載課金)+ B2B SaaS(サブスクリプション)+ メディア/プラットフォーム関連の多層構造。
- 持続性評価
- 高齢化という構造要因に支えられた需要と、SaaSのストック収益が下支えに。
- 一方、人材領域は景気や政策(介護報酬・診療報酬)、競争環境に左右されやすく、費用先行時の利益変動に注意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
- マッチング精度向上のためのデータ活用、応募~面談~内定~定着のプロセス最適化、事業者の業務効率化SaaSの機能拡張など。
- 収益牽引
- キャリア(人材紹介・求人)と、介護事業者向けの業務・経営支援プラットフォームが主要ドライバー。
- 海外の医療従事者向けプラットフォームも成長寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,348円
- 予想EPS(会社予想):84.88円 → 予想PER:約15.9倍(業界平均PER:17.0倍)
- 実績BPS:532.83円 → 実績PBR:約2.53倍(業界平均PBR:1.8倍)
- LTM EPS(参考):88.44円 → LTM PER:約15.2倍
- EV/S(参考):EV≒1,118億円、売上LTM≒625.8億円 → 約1.8倍
- コメント:PERは業界平均比でややディスカウント、PBRはプレミアム。成長性と資本効率に対する市場評価がPBRに反映。
7. テクニカル分析
- 位置
- 50日移動平均:1,533円、200日移動平均:1,400円。現株価は両線を下回り、テクニカルには調整局面。
- 年初来高値:1,758円、年初来安値:979円。現状は高値比約-23%、安値比約+38%。
- モメンタム
- 直近10日:出来高増(10日平均約67万株 > 3カ月平均約37万株)。10/29に大商いを伴う急落後、1,300~1,360円での持合い。
- 需給
- 信用倍率4.34倍。信用買い残は前週比減、売り残は増で、短期的にはやや上値抑制要因。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:389億円(2022)→ 457億円(2023)→ 540億円(2024)→ 609億円(2025)と拡大。3年CAGR約+16%。
- 2025/3期の売上YoY:約+12.9%。
- 収益性
- 2025/3期 営業利益:63.4億円(営業利益率約10.4%)、純利益:60.5億円(純利率約9.9%)。
- ただし営業利益は前期比で減少(82.7億円→63.4億円)。販管費増などでマージン縮小。
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM):約63億円、レバレッジドFCF(LTM):約-7.5億円(投資・運転資本影響でマイナス)。
- 効率・安全性
- ROE(実績):13.29%、ROA(LTM):5.97%。
- 自己資本比率:61.5%、流動比率:1.48、D/E:約20%(ネットキャッシュ基調)。財務余力は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 予想年間配当:28.5円、配当利回り:約2.14%、配当性向:約32%。
- 直近期の権利落ち:2025/3/28。
- 自社株
- 自己株式:6.26%保有。過去の自己株取得の蓄積とみられる。
- 方針
- 成長投資と株主還元の両立(一般的に、成長フェーズでの配当性向は中位水準)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変化率:約-18.2%とアンダーパフォーム。Beta 1.25で市場感応度はやや高め。
- 直近はイベント(決算等)後に出来高が膨らみ、短期的関心は高い一方、移動平均割れでトレンドは弱含み。
- 大株主構成:インサイダー比率約21.6%、機関投資家約43.5%。流通株比率は一定規模。
11. 総評
- 売上は構造的追い風(高齢化)と事業ポートフォリオに支えられ、着実に拡大。一方、2025/3期は費用増で利益率が低下。直近四半期では利益改善の兆し(前年比で営業利益成長)が示唆されるデータもあり、マージンの回復度合いが今後の焦点。
- バランスシートは健全で投資余力あり。SaaS等のストック収益拡大が安定化要因。
- バリュエーションはPERで業界平均比やや割安、PBRは割高。成長性・資本効率の持続と利益率改善が評価の鍵。
- テクニカルには戻り待ちの局面。需給はやや重く、イベントドリブンな値動きに注意。
(注)本レポートは一般的な企業分析であり、投資勧誘・推奨を目的とするものではありません。数値は提供データに基づき一部LTM/会社予想を併記。単位・基準差により一部指標はブレる場合があります。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 理由:LTM/通期ベースで売上の二桁成長、3年CAGR約+16%。
- 収益性:B
- 理由:高粗利だが、直近通期で営業利益率が低下。ROEは2桁を維持。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率61.5%、D/E約20%、流動比率1.48で良好。
- 株価バリュエーション:B
- 理由:PERは業界比やや割安、PBRはプレミアム、EV/Sは中位水準。総合で中立。
企業情報
| 銘柄コード | 2175 |
| 企業名 | エス・エム・エス |
| URL | http://www.bm-sms.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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