1. 企業情報

株式会社ZOZOは、主にファッション分野におけるオンラインショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営する企業です。受託販売をビジネスモデルの柱としており、ブランド品を預かり販売し、その手数料を収益としています。その他にも、古着(USED)販売、プライベートブランド(買取・製造販売)、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」、PayPayモールなどのLINEヤフーコマース事業、BtoB事業、広告事業を展開しています。身体サイズを測定する「ZOZOMAT」「ZOZOGLASS」などのテクノロジーを活用し、顧客の買い物体験向上にも取り組んでいます。2018年10月に株式会社スタートトゥデイから現社名に変更。LINEヤフー株式会社の傘下企業です。

2. 業界のポジションと市場シェア

ZOZOは国内ファッションEC市場において非常に強固な地位を築いています。「ZOZOTOWN」は、国内外の多数のブランドを取り扱う国内最大級のファッションECプラットフォームであり、高い知名度と顧客基盤を有しています。提供データには具体的な市場シェアの数値はありませんが、決算短信においてアクティブ会員数や年間購入者数の増加が示されており、プラットフォームとしての競争優位性を維持していると考えられます。また、ZOZOMATやZOZOGLASSといった独自の計測技術は、オンラインでのファッション購入における課題解決に貢献しており、他社との差別化要因となっています。一方で、ファッションEC市場は競争が激しく、消費者の嗜好やトレンドの変化に対応し続けることが課題となります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念を掲げています。中期的な戦略としては、国内においては「ZOZOTOWN」のさらなる成長と利便性向上を追求し、データやAIを活用したパーソナライズされた購買体験の提供に注力しています。
直近では、英国のECプラットフォーム「LYST」を2025年4月に買収・連結したことが大きな戦略的動きです。これにより、グローバル市場への本格的な展開を強化し、非連続的な成長を目指すことを表明しています。LYSTの事業モデルである成果報酬型モデルを取り入れ、海外での事業拡大を図ることが重点分野となっています。

4. 事業モデルの持続可能性

ZOZOの事業モデルは、多岐にわたるブランドからの受託販売手数料を収益の柱としており、在庫リスクを比較的低く抑えつつ、プラットフォームとして多数のブランドと顧客を繋ぐ役割を担っています。アクティブ会員数および年間購入者数は増加傾向にあり、堅実な顧客基盤とブランドとの関係性が収益モデルの持続可能性を支えています。
LYSTの買収によるグローバル展開は、新たな市場ニーズへの適応と事業エリアの拡大を通じて、成長ドライバーとなる可能性があります。一方、LYSTの事業は粗利率が低い特性があり、連結後の全体的な粗利率に影響を与えています。また、経済状況や為替変動、消費者の購買意欲の変化などが事業に影響を与えるリスクもあります。ZOZOGLASSやZOZOMATなどの技術は、オンライン購入における最大の障壁の一つであるサイズや色選びの課題を解決することで、顧客体験を向上させ、長期的な顧客エンゲージメントを確保する上で重要な役割を果たすでしょう。

5. 技術革新と主力製品

ZOZOはテクノロジーを活用したサービス開発に積極的です。
ZOZOGLASS: スキンカラーを計測し、肌に合うコスメの色を提案するデバイス。
ZOZOMAT: スマートフォンで足のサイズ・形を3D計測し、最適な靴のサイズを提案するツール。
ZOZOSUIT: 身体のサイズを3D計測するボディスーツ。

これらの技術は、オンラインショッピングにおける「試着できない」「サイズ感が分かりにくい」といったユーザーの課題を解決し、購買体験を革新することを目指しています。
主力製品は依然としてファッションECサイト「ZOZOTOWN」であり、売上高の大部分を占めています。受託販売される多種多様なブランド商品が同社の収益を牽引しています。ファッションコーディネートアプリ「WEAR」も、ユーザー生成コンテンツを通じてZOZOTOWNへの集客に貢献しています。

各種指標

  • 現在の株価: 1,288.5円
  • EPS(会社予想): 53.89円
  • PER(会社予想): 23.91倍
  • PBR(実績): 12.00倍
  • BPS(実績): 107.34円
  • ROE(実績): 49.43%

業界平均との比較

  • 業界平均PER(小売): 21.3倍
  • 業界平均PBR(小売): 1.8倍

評価

ZOZOのPER(23.91倍)は業界平均PER(21.3倍)と比較してやや高水準にあります。PBR(12.00倍)は業界平均PBR(1.8倍)を大きく上回っており、株価が簿価(一株当たり純資産)に対して非常に高い評価を受けていることを示しています。これは、ZOZOの高い収益性(ROE 49.43%)や成長期待が株価に織り込まれているためと考えられます。しかし、PBRの観点からは、現在の株価は割高感があると言えます。

7. テクニカル分析

現在の株価は1,288.5円です。
年初来高値: 1,802円
年初来安値: 1,140円
52週高値: 1,801.67円
52週安値: 1,140.00円
50日移動平均: 1,360.08円
200日移動平均: 1,486.74円

現在の株価は年初来高値から約28%下落しており、年初来安値に比較的近い水準(安値から約13%高)で推移しています。また、50日移動平均線および200日移動平均線を大きく下回っており、短期・中期的に下降トレンドにあることが伺えます。したがって、現在の株価は過去1年の推移から見ると、安値圏にあると判断できます。

売上高・利益の傾向(連結)

指標 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 過去12か月 (LTM) 2025年3月期 (予想) 2026年3月期 (予想) 中間期 (2025/9)累計
売上高 (百万円) 166,199 183,423 197,016 213,131 213,131 231,500 105,249
売上成長率 (YoY) +10.4% +7.4% +8.1% +8.1% +8.6% +6.5%
営業利益 (百万円) 49,661 56,428 60,085 64,763 64,763 69,200 31,074
営業利益率 29.9% 30.7% 30.5% 30.4% 30.4% 29.9% 29.5%
親会社株主帰属純利益 (百万円) 34,492 39,526 44,341 45,346 45,346 47,800 21,006
純利益率 20.7% 21.5% 22.5% 21.3% 21.3% 20.6% 20.0%

売上高は過去数年にわたり着実に成長しています。過去12か月では前年比8.1%増、2026年3月期予想も8.6%増と、安定的な成長を見込んでいます。営業利益も売上高に連動して増加しており、営業利益率は約30%と非常に高水準を維持しています。親会社株主に帰属する純利益も順調に増加傾向にあります。
ただし、2026年3月期中間期の実績は、売上高+6.5%、営業利益+2.0%、純利益-0.6%となっており、LYST買収による事業構成の変化(粗利率低下)や販管費の増加、為替差損の発生などが影響し、純利益が前年同期比で若干減少しています。通期予想に対する進捗率は売上高・利益ともに約45%前後であり、後半での巻き返しが期待されます。

キャッシュフロー(過去12か月)

  • 営業活動CF: 54.01B円
  • 投資活動CF: -25.945B円 (主にLYSTの買収による支出が21.807B円)
  • 財務活動CF: -28.772B円 (自社株取得10.001B円、配当支払16.033B円など)

営業キャッシュフローは堅調に創出されています。投資活動キャッシュフローはLYST買収に伴う支出が大きく、財務活動キャッシュフローも自社株買いや配当支払により流出しています。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は前年度末より減少しています。

財務健全性

  • 自己資本比率(中間期末): 55.1% (前期末52.6%)
  • 流動比率(直近四半期): 1.59倍
  • D/E比率(直近四半期): 21.07%

自己資本比率は50%を超えており非常に高く、流動比率も1.5倍以上と短期的な支払い能力も十分です。D/E比率も低く、借入金に過度に依存していない堅実な財務体質であることが示されています。LYST買収により一時的に現金が減少したものの、財務の健全性は極めて高いと言えます。

収益性指標

  • ROE(実績): 49.43% (LTM 49.02%)
  • ROA(過去12か月): 24.25%

ROE、ROAともに極めて高水準であり、自己資本および総資産を効率的に活用して収益を上げている優良企業であることを示しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.03%
  • 1株配当(会社予想): 39.00円
  • 配当性向(Payout Ratio): 72.75%

ZOZOは安定的な配当を実施しており、会社予想配当利回りも3%を超え、比較的高水準です。配当性向72.75%は利益の多くを株主還元に充てていることを示しています。
また、財務活動CFに自社株取得(10,001百万円)の記載があり、配当だけでなく自社株買いも積極的に実施することで、さらなる株主還元を図っていることが分かります。Ex-Dividend Dateが2026年3月30日と定時情報があり、今後も株主還元を重視する方針であると考えられます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

過去10日間の株価推移を見ると、10月30日の1316.5円から11月4日に1269.5円まで下落し、その後は1270円〜1290円台でのもみ合いが続いています。年初来高値1,802円に対して現在は1,288.5円と、約28%の下落となっており、過去1年間の市場平均(S&P 500の+15.16%)と比較しても大きく劣後しています。
50日移動平均線(1360.08円)と200日移動平均線(1486.74円)を下回っており、株価は下降トレンドにあると見られます。
直近10日間の平均出来高が5.39M株と、3ヶ月平均出来高3.24M株を上回っており、市場の関心が高まっていることが示唆されますが、株価は上値を追えていません。信用買残が信用売残を上回る信用倍率1.35倍であり、買い方の積み上がりが一定数見られます。
株価への影響要因としては、マクロ経済の動向(消費意欲、為替変動)、競合状況、そしてLYST買収によるグローバル展開の進捗や収益貢献度が注目されます。中間決算で純利益が横ばいであったことや、LYST連結による粗利率低下が一時的に投資家の評価に影響を与えている可能性も考えられます。

11. 総評

ZOZOは、国内ファッションEC市場で強固な地位を築き、高い収益性を持つ企業です。売上高と利益は過去数年にわたり着実に成長しており、非常に強固な財務基盤(高い自己資本比率、潤沢な営業キャッシュフロー)を有しています。ROE、ROAも極めて高く、効率的な経営がなされています。
LYST買収によるグローバル展開は、新たな成長機会を探る野心的な戦略であり、これが成功すれば中長期的な企業価値向上に繋がる可能性があります。しかし、一時的に海外事業の粗利率の低さや為替差損などが利益に影響を与え、直近の中間期決算では純利益が微減となりました。
株価は年初来高値から大きく下落し、テクニカルには安値圏にありますが、PER、特にPBRは業界平均を大幅に上回っており、成長期待がすでに高く織り込まれていると解釈できます。株主還元策として配当と自社株買いを積極的に行っています。
今後の注目点は、LYSTの統合効果とグローバル展開の進捗、そして国内「ZOZOTOWN」事業における平均商品単価の動向や顧客体験向上のためのテクノロジー活用が、利益成長にどう貢献していくかでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性:A

    LTM売上成長率が前年比+8.1%、3年CAGR約8.6%と堅実な成長を続けています。LYST買収によるグローバル展開は非連続的な成長を追求するものであり、今後の成長期待も加味して高評価とします。
    * 収益性:S

    粗利率が90%台と極めて高く、営業利益率も約30%(過去12か月27.63%、中間期29.5%)で推移しており、小売業としては非常に優れた収益力を有しています。EBITDA率も30%を超え、業界平均を大きく上回る高評価です。
    * 財務健全性:S

    自己資本比率55.1%、流動比率1.59倍、D/E比率21.07%と、いずれの指標も極めて高い水準にあり、非常に健全な財務体質です。
    * 株価バリュエーション:D

    PER(会社予想23.91倍)は業界平均(21.3倍)と比べてやや割高感があります。PBR(実績12.00倍)は業界平均(1.8倍)を大幅に上回っており、強い成長期待が織り込まれていると見られますが、バリュエーションの観点からは非常に割高であると判断されます。


企業情報

銘柄コード 3092
企業名 ZOZO
URL https://corp.zozo.com/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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