スカラ(4845)企業分析レポート

株価:397円(2025-11-14)/市場区分:プライム

1. 企業情報

  • 概要:IT/AI/IoTによるDX事業、ECプラットフォーム(トレカEC「遊々亭」)、人材・教育、官民共創/コンサル、保険(非継続)、投資・インキュベーション等を展開。ASP型サイト内検索サービス(i-search)で国内首位クラス。AIチャットFAQ「i-ask」など企業向けSaaS/ASPに強み。M&Aや官民連携による新規事業創出にも積極的。
  • 事業構成(2025/6 期 連結、売上比率概算):DX約56%、EC約28%、人材約12%、インキュベーション約3%
  • 特徴:SaaS/ASPのストック収益に加え、エンタープライズ大型案件、EC(在庫を持つリユース)、採用イベントなどのフロー収益を組み合わせたポートフォリオ。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:企業向けサイト内検索(ASP/SaaS)で高い実績。DXコンサル~実装(WEB/アプリ/システム)まで一気通貫が可能。
  • 競争優位性
    • 顧客接点領域(検索・FAQ・CX)でのSaaS蓄積と国内案件実績
    • エンタープライズ案件と自社/外部のエンジニア供給体制
    • 官民共創・インキュベーションを通じた案件創出力
  • 課題
    • 事業ポートフォリオが多岐(DX/EC/人材/投資)にわたり、利益構造が業況の影響を受けやすい
    • EC・人材は一般的に粗利率がSaaSより低く、ソフトウェア専業と比べた収益性で見劣りの可能性
  • 市場シェア:定量開示はなし(サイト内検索は“首位”とされるが、正確なシェア比率は不明)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/戦略(要旨)
    • 主力のDX事業を基軸に、SaaS/ASPと大型ソリューションの両輪で収益化
    • EC事業(TCGリユース「遊々亭」)は物流拡張・海外直送で需要取り込み
    • 人材事業は採用イベント・体育会系人材等の特色あるマッチングを強化
    • 官民共創やインキュベーションで新規事業・投資を通じた中長期価値創出
  • 中期経営計画(2026–2028 期、会社資料より)
    • ポートフォリオはDXと人材を中核に再成長を志向
    • 前期の構造改革(選択と集中・コスト是正)の効果を基礎に収益性を改善
    • 具体数値KPIは会社公表資料参照(非継続事業の切り離し等で比較可能性を重視)
  • 2026年6月期(会社予想)
    • 売上収益 88億円(前年比+7.6%)
    • 営業利益 6.3億円(同-16%、前期一過性要因剥落)
    • EPS 23.62円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • ストック:SaaS/ASP(i-search、i-ask 等)の継続課金
    • フロー:大型DX案件、EC商品売買、人材イベント・紹介、共創・投資関連
  • 適応力
    • 生成AI/検索体験の高度化需要、業務自動化・効率化の潮流は追い風
    • ECはカード相場・調達・物流コストの影響を受けやすく、景況感に敏感
    • 人材は採用意欲と稼働リソースのバランス次第で成約率が変動
  • 総合評価:SaaS基盤のストックに加え、複数事業で景気感応度を分散。一方で非SaaS事業の比重が高い分、業況により利益率が変動しやすい。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向
    • 検索/FAQ分野でAI(NLP/LLM等)を活用し、サイト内検索・問い合わせ自動応答の精度改善
    • エンタープライズ開発・運用での内製/外注ハイブリッド体制
  • 主力
    • i-search(サイト内検索SaaS):国内実績豊富、顧客接点最適化に寄与
    • i-ask(AI FAQ/チャットボット):問い合わせ効率化・CX改善
    • EC「遊々亭」:トレカ特化、海外直送など機能拡張
  • 特徴:SaaSの継続課金に、個別開発や運用受託を組み合わせ、顧客あたり収益を引き上げるモデル。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 397円、時価総額 70.2億円、BPS 276.7円、EPS(LTM)52.15円、EPS(会社予想)23.62円
  • 指標
    • PBR=株価/BPS=397/276.7=約1.43倍(提供値一致)
    • PER(LTM)=株価/EPS=397/52.15=約7.6倍
    • PER(フォワード、会社予想)=397/23.62=約16.8倍(提供値 16.72倍)
    • EV ≒ 時価総額 + 有利子負債 – 現金同等物 ≒ 70.2 – 3.9 ≒ 66.3億円(純現金約3.9億円)
    • EV/Sales(LTM)=66.3/81.8=約0.81倍
    • EV/EBITDA(LTM)=66.3/8.63=約7.7倍
  • 業界平均との比較(提供平均:PER 23.2倍、PBR 2.3倍)
    • PER(フォワード):業界平均より低位
    • PBR:業界平均より低位
    • EV/S:参考値(業界平均未提示、ソフトウェア専業比では低めになりやすい構成)
  • 配当利回り(予想):17円/397円=約4.28%、配当性向目安:31.7%

注:2025期は繰延税金資産関連など一過性要因があり、LTMと来期予想で利益水準が異なる。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均:405.46円、200日:409.02円、現値:397円(両移動平均を下回る)
    • 直近10日:386~400円のレンジで小幅揉み合い~やや戻り
  • 位置
    • 52週レンジ:341~465円、現値はレンジ下半(安値からは約+16%、高値から約-15%)
  • 需給
    • 信用買残 20.9万株、信用倍率 38.7倍と高水準。短期的な価格変動要因となる可能性。

8. 財務諸表分析

  • 損益(IFRS、継続事業ベース)
    • 売上収益:817.9億円…ではなく 81.79億円(8,179百万円)
    • 前期比:-0.2%(会社資料ベース、非継続事業再分類後)
    • 営業利益:7.51億円(営業赤字から黒字転換)
    • 当期利益:9.84億円(税効果等の寄与あり)
    • セグメント利益(配賦前):DX 7.77億、人材 1.49億、EC 2.65億、インキュベーション -0.17億
  • 収益性
    • 粗利:395億円…ではなく 39.5億円(LTM)、粗利率 約48%
    • 営業利益率:約9.2%(IFRS、会社短信)
    • ROE:21.48%(実績、主に黒字転換と一部一過性の押し上げ)
    • ROA:3.07%(LTM)
  • キャッシュフロー・財政状態
    • 営業CF:+5.89億円、フリーCF:プラス(LTM)
    • 現金等:45.9億円、有利子負債:42.0億円 → 純現金約3.9億円
    • 自己資本比率:47.0%、流動比率:1.74倍
  • 推移
    • 2023/6 売上118.4億円 → 2024/6 107.1億円(旧区分)→ 2025/6 81.8億円(継続事業ベースで-0.2%、比較方法に注意)
    • 前期の構造改革により、利益は大幅改善。今期予想は一過性要因剥落で減益見込み。

注:提供データに会計区分変更(非継続事業)が含まれ比較に留意。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績(2025/6):年16.5円(配当性向 約29%)
  • 予想(2026/6):年17.0円(配当性向見込み 約32%)
  • 方針:特殊要因を除いた税引前利益の50%を目安に配当を決定(会社方針記載)。自己株式は2.25%保有。足元で新規の大規模自己株買い開示は確認できず。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:短期は保ち合い~小反発、ただし50/200日線下で中期は弱含み。52週変化率は-13.5%(参考データ)。
  • 需給・イベント
    • 信用買い偏重(倍率 38.7倍)は上昇局面の押し上げ/下落局面の巻き戻し双方のリスク要因
    • 次回決算:2025-08-18(予定)。配当権利落ち:2025-12-29(予定)

11. 総評

  • 事業面:SaaS/ASP(i-search/i-ask)に強みがあり、DX大型案件と組み合わせた収益機会を持つ。EC(トレカ)と人材は需要を取り込みやすいが、利益率はSaaS専業より低く利益変動に注意。
  • 業績面:2025期は構造改革と税効果等で黒字転換・ROE改善。LTMは良好だが、2026期は一過性剥落で減益予想。継続事業ベースのYoYは横ばい。
  • 財務面:自己資本比率47%、純現金、営業CF黒字と基礎体力は良好。
  • バリュエーション:フォワードPER・PBRともに業界平均を下回る水準。事業ミックス(非SaaS比率)や来期減益見通しを反映している可能性。
  • テクニカル/需給:中期線下で上値は重く、信用買い偏重が短期ボラティリティの要因。

(本レポートは事実関係の整理であり、投資助言を目的としません。)

12. 企業スコア

  • 成長性:B
    • 根拠:継続事業ベースの売上はYoYほぼ横ばい(-0.2%)。来期予想は+7.6%だがLTM基準を重視。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率約48%、営業利益率約9%。アプリケーション・ソフトウェア専業平均よりは低めと推測されるが、混合事業構成を勘案し中立評価。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率47%、流動比率1.74倍、純現金。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:フォワードPER(約16.8倍)・PBR(1.43倍)が業界平均(PER 23.2倍、PBR 2.3倍)を下回る。EV/Sも0.8倍台。

参考計数(抜粋)
– 売上収益(2025/6):8,179百万円、営業利益:751百万円、当期利益:984百万円
– LTM:売上 8.18百億円、EBITDA 8.63億円、営業CF 5.89億円
– BPS:276.7円、EPS(LTM):52.15円、EPS(予想):23.62円
– 配当(予想):17円、配当利回り約4.3%、自己資本比率 47%

不明・留意点
– 市場シェアの定量値、同業他社との詳細比較は開示不足のため割愛
– 前期~今期にかけて非継続事業の再分類があり、過年度比較には注意が必要


企業情報

銘柄コード 4845
企業名 スカラ
URL http://scalagrp.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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