1. 企業情報

日本一ソフトウェアは、主にプレイステーション(PS5/PS4)やニンテンドースイッチ向けの家庭用ゲームソフトウェアの開発・販売を手掛ける日本のゲームメーカーです。特に、ファンタジーRPG「ディスガイア」シリーズは同社の代表作として知られています。近年はスマートフォン向けゲームアプリにも注力しています。ゲーム事業が売上高の大部分を占める一方で、学生寮の運営事業も展開しており、多角的な収益源を持っています。本社は岐阜県にあり、海外売上比率が72%(2025年3月期)と高いグローバル展開も特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、家庭用ゲーム市場において、独自のIP(知的財産)を持つ中堅デベロッパーとしてポジションを確立しています。特にRPGジャンルに強みがあり、「ディスガイア」シリーズはそのブランド力の核となっています。ゲーム業界は、モバイル、クラウドゲーミング、eスポーツ、VR/AR、生成AIといった技術革新と市場拡大が続いていますが、同時に競争も非常に激しいです。具体的な市場シェアのデータは提供されていませんが、多くの大手・中堅企業がひしめく中で、安定したヒット作や新規IPの創出が継続的な成長の鍵となります。直近の業績ではエンターテインメント事業が振るわず、市場での競争優位性を維持していく上で課題に直面していると考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は中長期的な経営目標として、「開発力の強化」「販売力の強化」「生産性の向上」を掲げています。
* 開発力の強化: ゲームの企画・開発体制を充実させ、新たな魅力的なタイトルを継続的に市場に投入することを目指しています。
* 販売力の強化: 国内外でのプロモーションを強化し、ユーザーへのリーチ拡大と販売機会の最大化を図っています。特に海外売上比率が高いことから、グローバル市場での販売戦略も重要です。
* 生産性の向上: 効率的な開発体制を構築し、コスト削減と生産効率の向上を通じて収益性の改善を図る方針です。

中間期決算では営業損失を計上しており、これらの戦略を着実に実行し、業績改善に繋げることが求められます。

4. 事業モデルの持続可能性

日本一ソフトウェアの事業モデルは、主力である家庭用・モバイルゲームソフトウェアの開発・販売と、安定収益が期待できる学生寮運営の二本柱です。ゲーム事業は、既存IPのファンベースを活かしつつ、新規タイトルの開発や海外市場へのローカライズを積極的に行うことで収益を上げています。ゲーム業界の急速な変化に対応するため、常に市場ニーズを捉え、技術革新を取り入れる必要があります。
しかし、直近の中間期決算では主力であるエンターテインメント事業の売上が大幅に減少し、損失を計上しました。これは、新作のヒット状況や既存タイトルの販売サイクル、市場トレンドへの対応が収益に大きく影響することを示しており、事業モデルの継続的な成功には、新作ゲームの安定的なヒット創出が不可欠です。学生寮事業は堅調で、一定の事業リスク分散に貢献しています。

5. 技術革新と主力製品

ゲーム業界ではeスポーツ、モバイル・クラウドゲーミング、VR/AR、そして生成AIの活用など、様々な技術革新が進んでいます。同社がこれらの最新技術をどのように自社製品開発に取り入れているかについての具体的な記述は提供データからは確認できません。
同社の収益を牽引する主力製品は、長年のファンを持つRPG「ディスガイア」シリーズなどが挙げられます。直近では、国内向けに『風雨来記5』や『連呪』といった新作を発売しており、今後も『凶乱マカイズム』や『ほの暮しの庭』などの開発が進行中です。これらの新作タイトルが、今後の収益回復の鍵を握ると考えられます。

6. 株価の評価

現在の株価は820.0円です。
* PER(会社予想): 133.77倍。業界平均PER 17.6倍と比較すると、非常に割高な水準です。これは、会社予想EPSが6.13円と極めて低いことに起因しており、予想純利益に対して現在の株価が相対的に高い評価を受けていることを示唆しています。
* PBR(実績): 0.56倍。業界平均PBR 1.6倍と比較すると、大幅に割安な水準です。1株当たり純資産 (BPS) 1,466.73円に対し、株価が大きく下回っており、企業の保有する資産価値から見ると割安感があると言えます。

PERの割高感とPBRの割安感が混在していますが、直近の業績が赤字転落していることを踏まえると、PERの高さは注意が必要です。PBRの割安感は、現在の株価が期待収益力より資産価値を反映している可能性があることを示唆しています。

7. テクニカル分析

現在の株価820.0円は、年初来高値938円と年初来安値700円の中間やや安値寄りの位置にあります。
移動平均線を見ると、50日移動平均線847.68円、200日移動平均線833.91円ともに現在の株価を上回っています。これは、短期および中期的に株価が下降トレンドにあることを示唆しています。
直近10日間の株価推移では、835円から812円の間で推移し、現時点では820円で取引を終えています。全体として明確な上昇モメンタムは見られず、むしろやや弱い傾向にあります。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2022年3月期に約57億円でピークを迎えましたが、2023年3月期には減少。2024年3月期には約53億円に回復したものの、LTM(過去12か月)では微減、2025年3月期通期予想では約47億円と、前年度比で10%以上の減少を見込んでいます。特に2025年3月期中間期売上高は前年同期比で49.2%減と大幅に落ち込んでいます。売上高の変動が大きく、安定成長には課題があります。
  • 利益: 営業利益と純利益は、2022年3月期の約15億円(営業利益)をピークに、2024年3月期まで減少傾向が続き、LTM(過去12か月)では営業利益約-2.7億円、純利益約-1.5億円と赤字に転落しました。2025年3月期の通期予想では黒字回復を見込んでいますが、営業利益8千1百万円、純利益3千1百万円と大幅な減益水準です。収益性は大きく悪化しています。
  • 収益性指標: ROE実績は-2.00%(LTM -2.95%)、ROAはLTMで-1.08%、Operating MarginもLTMで-36.25%と、直近の赤字転落を反映して悪化しています。
  • キャッシュフロー(中間期): 営業活動によるキャッシュフローは△3.0億円のマイナスで、本業で資金を創出できていません。投資活動によるキャッシュフローは△14.8億円のマイナスで、主に定期預金の預入によるものです。財務活動によるキャッシュフローは+2.9億円で、短期・長期借入の増加による資金調達が行われています。
  • 財務健全性: 自己資本比率69.6%(中間期67.2%)、流動比率3.69倍、Total Debt/Equity(D/E比率)23.32%と、全ての指標が非常に良好な水準です。売上・利益面での苦戦が続いているものの、財務基盤は依然として非常に強固であると言えます。

9. 株主還元と配当方針

同社の配当利回り(会社予想)は0.61%、1株配当(会社予想)は通期で5.00円です。中間配当は行われませんでした。配当性向は19.19%と記載されていますが、これは過去の実績に基づくものと見られ、EPS(会社予想)6.13円に対して5.00円の配当を行う場合、配当性向は80%を超えるため、今後の利益動向によっては配当維持が課題となる可能性があります。自社株買いに関する情報は提供されたデータからは確認できませんでした。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は下落傾向にあり、短中期的なモメンタムは弱いと言えます。出来高は非常に少なく(直近10日平均2.85k株、3ヶ月平均3.41k株)、市場からの関心は限定的である可能性が高いです。信用取引状況を見ると、信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率が592.67倍と高水準です。これは、株価上昇を期待する買い方が多い一方で、将来的な売り圧力となる可能性も秘めています。直近の業績悪化が株価に影響を与えていると考えられ、今後の新作の動向や会社が提示する業績見通しが、投資家の関心と株価モメンタムに大きく影響するでしょう。

11. 総評

日本一ソフトウェアは、「ディスガイア」シリーズのような独自のIPを持つゲームメーカーであり、堅固な財務基盤を特徴としています。しかしながら、近年は売上高の変動が大きく、特に直近のLTMおよび中間期決算では、主力エンターテインメント事業の不振により営業利益・純利益が赤字に転落するなど、収益性が大きく悪化しています。2025年3月期の通期業績予想では黒字回復を見込むものの、その水準は低く、収益改善が喫緊の課題です。
株価はPBRが業界平均と比較して割安感がある一方で、PERは予想EPSの低さから非常に高倍率となっています。テクニカル面では下降トレンドにあり、出来高も少なく投資家の関心は限定的と見られます。
今後は、「開発力の強化」「販売力の強化」「生産性の向上」という経営戦略を着実に実行し、新作ゲームの安定的なヒット創出や、変化の速いゲーム市場への適応が、業績回復と株価評価向上のために不可欠となるでしょう。強固な財務体質を活かしつつ、収益力の改善が最大の焦点となります。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • LTM売上成長率(対2024年3月期)は微減、2025年3月期通期売上高予想も前年比で大幅な減少を見込んでいます。特に、直近の中間期売上高が前年同期比で約50%減と大きく落ち込んでおり、売上高の成長トレンドは低迷していると評価します。
  • 収益性:D
    • 過去12か月では営業利益率が-約5.18%(Operating Margin -36.25%)と赤字であり、ROEも-2.95%とマイナスです。収益性は非常に低い水準にあります。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率69.6%、流動比率3.69倍、Total Debt/Equity 23.32%と、全ての主要な財務健全性指標が非常に良好な水準にあり、財務基盤は極めて強固です。
  • 株価バリュエーション:A
    • PBR(実績)0.56倍は業界平均1.6倍と比較して大幅に割安です。PER(会社予想)133.77倍は予想EPSが極めて低いことによる異常値であり、実質的なバリュエーション評価にはPBRの割安感がより適切と考えられます。純資産と比較して株価が低い点が評価されます。

企業情報

銘柄コード 3851
企業名 日本一ソフトウェア
URL http://www.nippon1.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By ジニー

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