三井松島ホールディングス(1518)企業分析レポート
株価:1,302円(2025/11/14終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:1913年創業。2023年度に石炭事業を撤退し、M&Aを通じて「生活消費財」「産業用製品」「金融その他」の3領域に展開する事業投資会社へ転換。
- 主な事業(連結事業構成の目安)
- 生活消費財(約44%):飲料ストロー・食品容器、シュレッダー中心のオフィス機器、ペットフード等の販売
- 産業用製品(約49%):動力伝動チェーン・コンベヤチェーン、工業用部材、絶縁碍子金具、計測機器、液晶・有機EL向けマスクブランクス等
- 金融その他(約7%):事業者向け不動産金融、証券投資、子会社株式の保有・運用、再エネ発電(太陽光は譲渡を進行)
- 直近の構造変化
- 2024年7月:株式会社エム・アール・エフ(金融関連)子会社化
- 2025年10月:1→5の株式分割実施
- 太陽光発電事業の譲渡を実施(譲渡益計上)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:生活消費財と産業部品の「ニッチ領域」に分散投資する形でポートフォリオを構築。汎用品と産業向け部材の組合せにより景気感応度をならす構え。
- 競争優位性(示唆)
- ニッチ分野での製品特化・顧客密着による安定受注
- M&A後のPMI(組織・資本効率改善)による収益性向上
- 課題
- 各市場の規模は限定的で、シェアの絶対値(定量)は非開示
- 原材料・為替動向の影響、M&Aの目利き/統合リスク
- 一時益(資産譲渡益・投資有価証券売却益)に収益が変動する局面あり
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略:資源から非資源へ。安定キャッシュフローを生む中小規模の企業群に投資し、PMIで体質強化。資本効率と株主還元の両立を重視。
- 具体策(直近実績に基づく)
- ポートフォリオ再編:太陽光事業の譲渡益計上、金融子会社(MRF)取り込み
- 資本政策:自己株式取得(当中間期 341万株、170.76億円)と増配(通期予想64円)
- 財務構成見直し:短期借入の活用と自己株取得の同時進行でD/Eが上昇
- 通期見通し(会社予想)
- 売上高 6,660億円、営業利益 90億円、純利益 64億円、EPS 125.26円(分割後)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:消費材の安定需要+産業用の更新・保全需要+金融その他のストック的収益の組み合わせ。
- 適応力:M&Aと事業譲渡を通じたポートフォリオの可変性が高い。一方で、統合スピードやシナジー創出に依存。
- 留意点:一時的な特別利益の寄与が純利益を押し上げる局面があるため、ノーマライズ指標の併用が有用。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品群の特徴
- 産業チェーン、計測機器、電子部材(マスクブランクス等):産業用途での品質・信頼性が差別化要素
- 生活消費財(ストロー、食品容器、シュレッダー等):安定需要と調達・製造効率の最適化が収益源
- 収益牽引
- 2025年上期は産業用製品・金融その他が利益成長に寄与
- 特別利益(太陽光事業譲渡益、投資有価証券売却益)が純利益を押し上げ
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,302円、時価総額 850億円、予想EPS 125.26円、BPS 1,362.72円
- 指標
- 予想PER:10.4倍(業界平均 14.5倍)
- 実績PBR:0.96倍(業界平均 1.3倍)
- 予想配当利回り:4.92%(予想配当 64円、配当性向 約19%)
- 参考:LTM EPS 202.98円 → トレーリングPER約6.4倍(特別要因含む可能性)
- EV/EBITDA(概算):EV約1,240億円(時価総額850億円+純有利子負債約390億円)、EBITDA(ノーマライズ)約126億円 → 約9.8倍
- 位置づけ
- 単純比較ではPER・PBRとも業界平均を下回る水準。
- ただしLTMには一時益が含まれるため、予想ベース(EPS 125.26円)での比較が妥当。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:1,329円、200日線:1,056円
- 現在値は50日線をやや下回り、200日線を大きく上回る位置(中期は上昇基調、短期は調整気味)
- 位置づけ
- 年初来高値 1,600円に対し約18%下、安値 655円に対し約+99%上
- 直近10日では1,410円台からの反落後、1,300円前後でのもみ合い
- 需給
- 信用倍率 10.45倍(買い残優位、前週比増加)→ 短期の値動きは需給影響に注意
- 3カ月平均出来高 38万株、直近10日 43万株で売買活発化
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高(LTM)632億円(前年比 +約5%:四半期ベース)、FY2025 606億円→LTM 632億円で持ち直し
- 2023-24年度の高水準(資源寄与)からの段階的なノーマライズ後、非資源ポートフォリオで再成長
- 収益性(LTM目安)
- 粗利率 約38%(24,016/63,238)
- 営業利益率 中後半10%台(会社開示16.8%指標、PL集計値では約14.5%)
- 当期純利益率 約17.4%(特別利益含む)
- ROE 19.1%(LTM)、実績ROE 13.4%(前期)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF 52億円、レバードFCF 50億円
- 財政状態(2025/9期末)
- 現金同等物 52億円、有利子負債 442億円(純有利子負債 約390億円)
- 自己資本比率 44.6%(前期末 55.5%)
- 流動比率 1.20倍、D/E 約0.83倍
- コメント:自己株取得の実行と短期借入増でレバレッジ上昇。流動性指標は許容水準だが余裕度は低下。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期予想64円(予想利回り約4.9%、配当性向約19%)
- 自己株式:当中間期に約341万株・170.76億円取得。期末自己株式約2,628万株(発行済 6,532万株)と自己株比率が高水準
- 流通株:浮動株 約816万株、内外機関投資家の保有比率は約30%(参考データ)
- 権利落ち予定日:2026/3/30
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+75.2%(ベータ 0.74)
- 直近イベントが関心材料:上期の増収増益、通期予想・配当予想の上方修正、株式分割、自己株取得、太陽光事業譲渡
- 需給面:自己株増と浮動株の限定性により、ニュースフロー次第でボラティリティが高まりやすい構造
11. 総評
- 石炭撤退後、非資源の分散ポートフォリオ型へ転換。産業用製品・金融その他の寄与で収益は持ち直し、営業利益率は中後半10%台。
- バリュエーションは業界平均比で控えめ(PER・PBR)。一方、LTMは特別利益の影響が大きく、予想ベースでの評価が適切。
- 資本政策は積極的(配当+自己株取得)。その裏側で短期借入が増加し、自己資本比率は低下。流動性は1.2倍と中庸。
- 中期的にはPMIの精度と追加M&Aの質、原材料・為替動向、一時益に依存しない利益質の向上が注目点。
(本レポートは事実情報の整理であり、投資勧誘・助言を目的としません。)
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上の前年比+約5%・四半期YoY+5.3%。資源撤退後の再成長局面だが伸び率は中位。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率中後半10%台、純利益率も高位(特別要因留意)。粗利率も約38%。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率44.6%は良好だが、流動比率1.20倍・D/E約0.83倍とレバレッジ上昇を考慮。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PER約10.4倍・PBR約0.96倍は業界平均(PER14.5倍、PBR1.3倍)を下回る水準。EV/EBITDAも10倍弱。
参考データ抜粋
– 株価レンジ:年初来高値 1,600円/安値 655円
– 予想指標:PER 10.39倍、PBR 0.96倍、配当利回り 4.92%
– 財務指標(LTM):ROE 19.05%、ROA 4.91%、営業利益率 16.83%(目安)
– 直近実績(2026年3月期上期):売上 319億円(+9.1%)、営業益 54億円(+40.2%)、純利益 52億円(+80.7%)
企業情報
| 銘柄コード | 1518 |
| 企業名 | 三井松島ホールディングス |
| URL | https://www.mitsui-matsushima.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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