KOKUSAI ELECTRIC(6525)企業分析レポート
以下は公開データに基づく客観的な情報整理です。投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要:半導体製造装置の開発・製造・販売、保守サービスをグローバル展開。旧・日立国際電気の半導体装置事業が母体で、成膜・熱処理などの前工程向け装置に強み。
- 主要製品・サービス:成膜プロセス装置(LPCVD/ALD等のバッチ式)、熱処理(酸化・拡散)装置、計測システム、超音波発振器、保守・部品・中古/リニューアル装置販売。
- 事業構成(連結):装置69%、サービス31%(2026年3月期予想ベースの会社表示)。海外売上比率92%。
- 従業員:2,595人、平均年齢44.5歳、平均年収862万円。
- 拠点:東京都千代田区。上場市場は東証プライム。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ:半導体前工程の「バッチ式成膜・熱処理」分野で主要プレーヤーの一角。メモリ(特に3D NAND/DRAM)やロジック/ファウンドリの世代交代プロセスで採用が進む。
- 競合:国内は東京エレクトロン、SCREENなど、海外はLam Research、Applied Materials、ASM International 等。露光(ASML)等とは領域が異なる。
- 競争優位性:
- バッチ式(多枚同時処理)によるスループットと膜質均一性の両立。
- インストールドベースに基づくサービス・アップグレード需要(サービス比率31%)。
- 課題:
- 中国・東アジアへの売上依存度が高い(上期地域売上:中国約55%、台湾・韓国も大きい)。
- 米中規制など輸出管理リスク、顧客投資サイクル変動の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示要旨):
- 生成AI・データセンター向け需要を背景に、メモリ/ロジックの高度化に対応するプロセス装置を強化。
- 既存装置のアップグレード、サービス強化で安定収益基盤を拡充。
- 具体施策:
- 米国デモセンター整備など顧客連携強化。
- R&D・先行投資を継続し次世代プロセス(高アスペクト比対応ALD/CVD、熱処理)に注力。
- 製品ミックス最適化、販売時期の平準化に取り組み。
- 通期見通し修正(25/11/11):販売時期ずれ込み等により通期業績予想を下方修正。配当予想は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益構造:装置販売に加え、サービス・部品・アップグレードが31%と安定的。インストールドベース拡大で中長期のストック性が強化される構造。
- 外部環境適応:
- AI/データセンター向け投資がメモリ・ロジックの世代交代を牽引する一方、民生・車載は回復遅れ。
- 輸出規制・地政学リスク、顧客投資の前倒し/後ずれに対して、地域・製品ミックスやサービス比率で調整余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- バッチ式ALD/LPCVDや熱処理における温度・膜厚均一性、高アスペクト比対応、微粒子低減などのプロセス制御が強み。
- 3D NANDの多層化、DRAM微細化、ロジック先端Gate/Spacer工程などで需要。
- 主力領域:
- メモリ(NAND/DRAM)向け成膜・熱処理装置、ファウンドリ/ロジック向け成膜工程装置。
- 既設装置のアップグレード・改造、保守部品供給。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:4,112円、時価総額:約9,791億円。
- 予想EPS:119.65円 → 予想PER:約34.4倍(提供値と一致)。
- 過去12カ月(LTM)EPS:143.10円 → LTM PER:約28.7倍。
- BPS:892.35円 → PBR:約4.61倍(提供値と一致)。
- EV/売上(LTM):約4.1倍(EV ≒ 9,897億円、売上2,416億円)。
- EV/EBITDA(LTM):約16.4倍。
- 参考比較(業界平均):PER 24.2倍、PBR 1.6倍。相対的にはプレミアム水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:年初来高値6,135円から調整局面。直近株価は50日移動平均線(約4,409円)を下回り、200日移動平均線(約3,308円)は上回る。
- モメンタム:決算発表(11/11)後にギャップダウンと高出来高での下落、その後も戻りは限定的。短期は弱含みのサイン。
- 位置づけ:52週レンジ1,666円〜6,135円の中程やや下。高値から約33%下、安値比では大幅上。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円):
- 2022/3:245,425
- 2023/3:245,721
- 2024/3:180,838(サイクル調整で減)
- 2025/3:238,933(回復)
- LTM:241,590
- 収益性(LTM):
- 売上総利益率:約41.3%(99,874/241,590)
- 営業利益率:約19.3%(46,590/241,590)
- 当期純利益率:約13.9%(33,509/241,590)
- ROE(実績):18.77%、ROA(LTM):8.24%
- コスト/投資:
- 研究開発・販管費の増加で中間期は増収減益。棚卸評価方法見直しで売上原価が一時的に1,837百万円減少(会計見積り変更)。
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF:366億円、レバードFCF:82億円。FCFは投資(設備増強等)で圧迫。
- 財務健全性:
- 自己資本比率:57.4%(9/末は60.7%)
- 流動比率:2.22倍、ネット有利子負債はごく軽微(現金438億円、総借入544億円)。
- D/E(総負債/資本):約0.65(9/末概算)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当予想:年36円(中間18円、期末18円)。予想配当利回り:約0.88%。
- 配当性向(予想):約25.8%。
- 自己株式:1.96%。現時点で自社株買いの新規開示は確認情報なし(データベース上)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 価格推移:52週で+70.8%。直近10日出来高は3カ月平均を上回る場面が多く、イベントドリブンで変動性が高い。
- 信用動向:信用買残 94.2万株(前週比▲21.5万株)、信用倍率1.73倍。買い残の減少は需給の整理進行を示唆。
- 影響要因:
- 通期予想修正(販売時期ずれ込み)。
- AIサーバー/メモリ投資の動向、輸出規制・地政学リスク、中国需要の強弱。
- 円相場、部材調達リードタイム。
11. 総評
- 需要環境:AI関連を中心にメモリ/ロジックの先端投資が継続する一方、製品構成やタイミングにより業績の四半期ブレは大きい。
- 事業基盤:バッチ式成膜・熱処理のコア技術とインストールドベースに支えられたサービス収益で中期の安定性がある。
- 財務:自己資本比率・流動性ともに健全。営業CFは堅調、先行投資を吸収。
- バリュエーション:PER/PBRともに業界平均比でプレミアム。ROE水準は高いが、短期の業績修正・地域集中リスクが評価に影響。
- テクニカル:決算後の下落で50日線を下回り、短期は調整基調。中期トレンドは200日線上で維持。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM・四半期ベースの売上/利益成長率が高い(売上YoY +32.6%)。一方で3年CAGRは概ね横ばい〜微減だが、足元の回復を評価。
- 収益性:A
- 根拠:LTM営業利益率≈19%、粗利率≈41%、ROE≈19%。装置業界でも良好な水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率57〜61%、流動比率2.22倍、D/E≒0.26(総負債/資本0.65)。健全。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER34倍、PBR4.6倍、EV/S約4.1倍と業界平均比で高位。
注意:上記は提供データおよび会社開示に基づく整理です。将来の見通しには不確実性が伴います。投資判断は原資料(決算短信・説明資料等)の確認と併せて、各自でご判断ください。
企業情報
| 銘柄コード | 6525 |
| 企業名 | KOKUSAI ELECTRIC |
| URL | https://www.kokusai-electric.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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