K&Oエナジーグループ(1663)企業分析レポート
株価:3,520円(2025-11-17終値)
市場区分:東証プライム/33業種:鉱業/17業種:エネルギー資源
時価総額:約997億円
1. 企業情報
- 概要:千葉県の地層水(かん水)由来の天然ガスを自社で開発・生産し、都市ガス・LPガス・発電用途向けガスの供給まで一貫で展開。副産物としてヨウ素(および化合物)を製造・販売し、世界有数の供給者。建設・井戸掘削・地質・水質調査、地熱井掘削、配管工事等のエンジニアリングも内製。2014年設立の持株会社。
- 事業構成(2024.12 連結):ガス78%(営業利益率目安:一桁台後半)、ヨウ素15%(同:高水準)、その他7%(建設・電力・機器等)。
- 従業員:688名/平均年齢42.7歳/平均年収723万円
- 本社:千葉県茂原市
- 代表者:緑川 昭夫
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- ガス:地域密着の自社生産・供給モデル(規制ユーティリティの性格)。需要は季節要因(気温)で変動。
- ヨウ素:日本は世界的主要生産国の一角で、同社は「世界有数」プレーヤー。価格は国際市況や為替の影響を受けやすい。
- 競争優位性:
- 上流(天然ガス・かん水)から中流・下流(都市ガス供給、機器・工事)まで一貫の垂直統合。
- かん水からのヨウ素回収技術・運転実績、井戸掘削等の内製能力。
- 課題:
- ガス需要の季節性・温暖化影響、規制・料金制度変更のリスク。
- ヨウ素は市況依存度が高く、価格・為替のボラティリティが収益に波及。
3. 経営戦略と重点分野
- 開示要点(2025年3Q短信):
- 通期計画は据え置き(売上9,070億円・営業利益90億円・純利益72億円予想)。
- セグメントではガスの収益安定化、ヨウ素は価格上昇で収益改善が継続。
- 中期計画の詳細は短信に明示なし(別資料参照の旨)。本レポートでは未確認事項は記載を控える。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- ガスは地域の基盤需要に支えられる一方、気温・燃料コスト・規制の影響を受ける。
- ヨウ素は高付加価値・高採算で全社利益を牽引。市況影響は大きいが、バランス上ガスとポートフォリオ効果。
- 財務基盤:自己資本比率80.6%(2024末)→82.7%(2025/9末)、流動比率約4.4倍と非常に厚い。低D/Eで耐性が高い。
- 適応力:上流から下流までの一貫体制と技術内製により、コスト・供給の柔軟性を確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・内製機能:井戸掘削、地質・水質調査、ガス配管施工、地熱井掘削等のエンジニアリングを自社展開。かん水からのヨウ素回収技術が強み。
- 収益牽引:
- ガス:発電用途を含む販売が柱。
- ヨウ素:3Q累計でセグメント利益6,565百万円(+9.7%)と全社利益に大きく寄与(セグメント利益構成比約58%)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現状指標(会社予想・実績)
- PER:13.05倍(EPS予想269.83円、株価3,520円)
- PBR:0.92倍(BPS実績3,846.24円)
- 配当利回り(会社予想):1.42%(年50円)
- 参考:業界平均 PER 9.5倍、PBR 0.6倍
- 補助指標(概算、前提:有利子負債は軽微)
- EV ≒ 時価総額9,974億円 − 現金等3,690億円 ≒ 6,284億円
- EV/S(LTM売上921億円):約0.69倍
- EV/EBITDA(LTM EBITDA 183億円):約3.4倍
- コメント:PER・PBRは業界平均より高め、PBRは1倍未満。EV系は低水準に見える(要前提留意)。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日線(約3,325円)・200日線(約3,072円)を上回り、中期的に上向き。
- 位置:52週高値3,985円に対し−約11.7%、52週安値2,345円に対しては+約50%。年初来レンジの上方域。
- 直近動向:決算後に一時下押し(3,710→3,340)後、出来高増で3,520へ反発。信用買残の増加(信用倍率10.37倍)は価格変動の振れを大きくする要因になり得る。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- LTM:売上 92,123、営業利益 9,821、純利益 7,964、EBITDA 18,308
- 2024/12:売上 92,421、営業利益 8,821、純利益 6,167
- 2023/12:売上 96,298、営業利益 9,669、純利益 6,464
- 2022/12:売上 106,200、営業利益 7,305、純利益 4,766
- 収益性:
- 粗利率 約22.7%(LTM)、営業利益率 約10–11%(3Q累計は約12.2%)
- 純利益率 約8–9%(LTM)
- ROE:実績6.61%(2024)、LTM目安8.6%(データ提供値)
- 成長性:
- LTM売上は前年比微減(約▲1~2%)。2021→LTMの3年では増収トレンドだが、2022年ピーク後は漸減。
- セグメント(2025年1–9月累計)
- ガス:売上 51,866(▲5.3%)、利益 4,312(▲4.9%)
- ヨウ素:売上 11,171(+4.5%)、利益 6,565(+9.7%)
- その他:売上 6,462(+25.2%)、利益 498(+37.3%)
- 利益面でヨウ素の寄与が大。
- キャッシュ・財務:
- 現金・預金は減少、有価証券・投資有価証券が増加(運用配分の変更)。流動比率約4.4倍、自己資本比率82.7%(2025/9末)。
- 特別利益(設備移転補償金等)1,671百万円が3Q純利益を押し上げ(一過性)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年通期予想 年50円(中間24円、期末26円)想定。予想利回り約1.42%。
- 配当性向:データ提供値 15.47%。会社予想EPS(269.83円)ベースの単純計算では約18.5%(指標により差異)。
- 自社株:自己株式比率 約5.8%。足元で追加の自己株買い方針等の明示情報は短信に記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50・200日線上、年初来レンジ上方で推移。決算後の増量を伴う値動きが観測。
- 投資家属性:インサイダー保有約51%、浮動株約1,152万株と相対的に小さく、出来高の増減が株価に波及しやすい構造。
- 信用動向:信用買残増(+32,400株)、信用倍率10.37倍。短期的な需給の偏りに留意。
- 影響要因:気温・季節要因、ヨウ素国際価格・為替、規制・燃料コスト、特別損益の有無等。
11. 総評
- 事業ポートフォリオは、需要安定性の高いガスと高採算だが市況感応度の高いヨウ素で構成。3Q累計ではヨウ素が価格上昇を背景に利益を牽引。
- 売上は直近LTMで微減ながら、粗利・営業利益は改善基調を維持。財務体質は自己資本比率80%超・流動比率4倍超と極めて堅健。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均より高めだが、PBRは1倍未満、EV/EBITDAは低めに見える(前提留意)。テクニカルには上昇トレンド内でレンジ上方。
- 将来の変動要因は、季節要因(ガス)、ヨウ素市況・為替、規制変更や一過性損益。短信では通期予想は据え置き。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比微減、3年では増収だが足元は横ばい〜微減。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約10–12%、粗利率22%台。安定的だが業界平均との差は明示データがなく中立評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率82.7%、流動比率約4.4倍、低D/E。非常に健全。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER・PBRとも業界平均より高め。EV系は割安感も示唆するが、総合では中立よりやや割高寄り。
参考データ・注記
– 2025年12月期 3Q短信(2025-11-13提出)要約に基づく。3Qには設備移転補償金等の特別利益(1,671百万円)が含まれるため、利益水準の一部は一過性。
– LTM指標は提供データ間で差異があるため、レンジで記載。
– 今後のイベント:権利落ち日(予定)2025-12-29。
本レポートは公開情報の整理であり、投資判断や助言を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 1663 |
| 企業名 | K&Oエナジーグループ |
| URL | http://www.k-and-o-energy.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | エネルギー資源 – 鉱業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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