JSP(7942)企業分析レポート

注記:本レポートは提供データに基づく客観的整理です。投資助言は行いません。数値は連結ベース(特記なき場合)です。

1. 企業情報

  • 概要:発泡樹脂の専業大手。ビーズ(EPP=発泡ポリプロピレンのARPRO、EPS=STYRODIA など)と押出(MIRAMAT、MIRAFOAM、STYRENE PAPER 等)の2事業。自動車(バンパー芯材、衝撃吸収材、車室部材)、建築・土木(断熱・軽量化)、食品・一般包装材などに用途を持つ。海外売上比率約50%。
  • 主な製品:
    • ARPRO(EPP):衝撃エネルギー吸収・軽量・断熱性。自動車や多回転通箱、HVAC など。
    • STYRODIA(EPS):家電包装、食品容器、建築断熱、土木資材等。
    • ARGILIX(TPEビーズフォーム):エラストマーの新素材。
    • MIRAMAT/CAPLON/P-BOARD/ STYRENE PAPER/ MIRAFOAM/ MIRABOARD 等のシート・ボード。
  • 体制:プライム上場。筆頭株主は三菱ガス化学(持株比率約39.5%)。自己株式比率16.6%。
  • 従業員:3,053人、平均年齢41.5歳、平均年収753万円。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:発泡樹脂(EPP/EPS)で国内大手、EPPではグローバル上位の供給者。自動車・建材・包装の幅広い用途に顧客基盤。
  • 競争優位性:
    • EPP(ARPRO)を軸とした軽量・衝撃吸収の機能材料技術。
    • 押出/ビーズの両輪と全球展開で需要地対応が可能。
  • 課題:
    • 自動車や食品容器など需要サイクルの影響。
    • 原材料・エネルギー価格、為替の変動。
    • 環境規制やリサイクル要請への対応強化。
  • 市場シェア:定量開示なし(—)。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期計画:Change for Growth 2026(計画2年目)
    • 基本方針:収益力・資本効率の向上、成長分野への選択と集中、環境対応型製品と資源循環の推進、経営基盤強化。
    • 重点:
    • 高付加価値材(軽量・断熱・衝撃吸収・難燃等)の拡販。
    • リサイクル・資源循環(回収・再資源化、LCA対応)の取り組み。
    • グローバル供給体制の最適化と為替・コスト対応。
  • 2026年3月期中間の会社見通し:通期予想据え置き(売上1,420億円、営業利益60億円、EPS 183.16円、配当80円)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:樹脂発泡素材の材料・成形体販売。エンド市場は自動車、建築・土木、包装の分散ポートフォリオで地域も分散(海外50%)。
  • 持続性評価:
    • 軽量化・省エネ・断熱といった社会的ニーズの追い風。
    • 一方で、使い捨て包装の代替、環境規制対応のコスト増はリスク。
    • リサイクル対応や高機能化による付加価値向上が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:EPP/EPSのビーズ発泡技術、押出フォーム、複合化・多層化、難燃・断熱・衝撃吸収の機能付与、TPEフォーム(ARGILIX)など新領域。
  • 主力・収益牽引:
    • ビーズ事業(売上比約65%、中間期の営業利益の約75%を寄与)。
    • 自動車向けARPRO、建材向けMIRAFOAM、包装・産業資材向けシート群。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:2,116円(時価総額約664.7億円)
  • 会社予想EPS:183.16円 → 予想PER ≈ 11.55倍(業界平均PER 20.4倍)
  • 実績BPS:3,836.15円 → PBR ≈ 0.55倍(業界平均PBR 1.1倍)
  • LTMベース参考:
    • LTM EPS 204.19円 → トレーリングPER ≈ 10.4倍
    • EV ≈ 時価総額664.7億+純有利子負債約72.3億 ≈ 737億円
    • LTM 売上 1,411.7億円 → EV/S ≈ 0.52倍
    • LTM EBITDA 146.5億円 → EV/EBITDA ≈ 5.0倍
  • コメント:PER/PBRともに業界平均を下回る水準。資本効率・成長率・需要サイクル感応度が評価に影響。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価2,116円は50日移動平均1,945円、200日1,940円を上回り上昇局面。11/12に出来高増で上放れ、その後2,100円台で推移。
  • 位置:52週高値2,198円に約3.7%下の高値圏。52週安値1,627円からは大幅回復。
  • 需給・信用:信用倍率4.15倍。買残は前週比減少、売残は増加(利益確定・戻り売りの交錯)。
  • 目先の水準感:レジスタンス2,160〜2,200円帯、サポート1,950〜2,000円帯。値幅制限1,616〜2,616円。

8. 財務諸表分析

  • 成長性:
    • 売上高:2022年1,141億 → 2023年1,317億 → 2024年1,351億 → LTM 1,422億(3年CAGR約+7.6%、対前年+5.3%)。
    • 直近期(中間):売上7,031億円(前年同期比-1.5%)。
  • 収益性(LTM概算):
    • 粗利率:約25.7%(3,652.7/1,422.5)
    • 営業利益率:約4.8〜5.1%(営業利益68.9億円)
    • 当期純利益率:約3.6〜3.8%(純利50.7〜53.5億円)
    • EBITDAマージン:約10〜11%
    • ROE:5.0〜5.2%、ROA:2.7%
  • キャッシュフロー・財務健全性:
    • 営業CF:107.6億円(LTM、OFCマージン約7.6%)
    • レバードFCF:20.1億円
    • 自己資本比率:65.6%、流動比率:224%
    • 総有利子負債:240.9億円、現金等168.6億円 → 純有利子負債約72億円
    • D/E:約23%、ネットD/EBITDA ≈ 0.5倍、利払い負担軽微(実効金利負担小、EBIT/利息≳30倍)
  • セグメント(中間期):
    • 押出:売上2,441億円(+2.0%)、営業利益86.9億円(+8.0%)
    • ビーズ:売上4,590億円(-3.3%)、営業利益265.6億円(-10.3%)
  • 補足:2026/3期中間に退職給付制度改定益(特別利益)計上。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:会社予想年80円(中間40円・期末40円)、予想配当利回り約3.78%、配当性向約39%(予想EPSベース)。
  • 過去平均:5年平均配当利回り約3.27%。
  • 自己株式:発行株の約16.6%を保有(過去の自己株買い等の蓄積)。新たな実施可否は—。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近10日:11/12に大商いで上昇し、その後は2,100円前後での保ち合い。3カ月平均出来高5.6万株に対し、直近10日平均11.2万株と回転増。
  • 52週変化率:+4.6%。ベータ0.17と低ボラティリティ。
  • 関心材料:
    • 自動車向け(EPP)の需要動向、建築断熱需要、食品容器の需要変化。
    • 原材料・エネルギー価格、為替(円安・円高)の影響。
    • 環境対応・リサイクル製品の拡販、コスト最適化の進捗。
    • 資本政策(自己株の活用、配当方針)。

11. 総評

  • 需要サイクルの波はあるものの、LTMの売上成長は堅調で、財務基盤は強固。収益率は中位で、2026/3期はコストや一部用途の弱含みで前期比減益予想。
  • バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を下回る水準。資本効率(ROE 5%台)と事業のサイクル感応度が評価ディスカウント要因となりやすい一方、堅実なバランスシートと配当利回りが下支え。
  • 中計の軸は高付加価値化と環境対応・資源循環。自動車・建材・包装の分散とグローバル供給を活かし、マージン改善とROE引き上げの実行が注目点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+5.3%、3年CAGR約+7.6%。直近四半期は-2.6%YoYだがLTMは増収。
  • 収益性:C
    • 根拠:粗利約26%、営業利益率約5%、ROE約5%。業界平均と比べやや控えめ。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率65.6%、流動比率224%、D/E約23%、ネットD/EBITDA ≈ 0.5倍。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:予想PER約11.6倍(業界20.4倍)、PBR約0.55倍、EV/EBITDA≈5.0倍。

— 参考データ —
– 株価:2,116円、時価総額:約664.7億円、発行株数:31,413,473株(うち自己株約520.6万株)
– 2026/3期会社予想:売上1,420億円、営業利益60億円、純利益48億円、EPS 183.16円、配当80円
– 直近決算(2026/3期中間):売上703.1億円、営業利益30.8億円、純利益28.6億円
– 次の配当前日(権利落ち)予定:2026/3/30(予定)


企業情報

銘柄コード 7942
企業名 JSP
URL https://www.co-jsp.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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