1. 企業情報
- 概要: 技術者の無期雇用派遣を中核とするエンジニアリング人材サービス大手。機械、自動車、電機・電子、精密などの研究開発・設計・試作領域に強み。請負・受託、職業紹介、海外の設備設計・製作・据付・メンテ、人材サービスも展開。介護関連、ロボット開発、工場内搬送設備の電気配線やクリーンルーム内工事なども手がける。
- 事業構成(2024.12 期 営業収益構成比/利益率):
- アウトソーシングサービス: 92%(営業利益率 約11%)
- グローバル: 8%(営業利益率 約8%)
- その他: 0%(赤字)
- 上場市場: 東証プライム/業種: サービス業(Staffing & Employment Services)
- 本社: 神奈川県横浜市西区みなとみらい
- 従業員: 6,206人、平均年齢36.2歳、平均年収541万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 技術者(エンジニア)無期雇用型派遣の上位プレイヤー。大手製造業(自動車・電機・電子・精密・情報通信)への取引実績が厚い。
- 競争優位性
- 無期雇用・教育投資による人材の定着とスキル高度化(先端分野への育成強化)。
- 自動車・半導体・精密機器など景気感応度の高い分野での知見と稼働調整ノウハウ。
- 海外(グローバル事業)での設備設計・据付・保守等の機電一体サービス。
- 課題
- 採用競争の激化と人件費上昇への単価転嫁(コストプッシュの吸収)。
- 派遣法制や同一労働同一賃金など制度変更リスク。
- 顧客業況(自動車・半導体等)の循環変動に伴う稼働率の変動。
- 市場シェア: 公表ベースでの定量データは確認不可(–)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針
- 「技術者の育成と無期雇用派遣」を軸に、先端分野(先端技術・航空宇宙・環境)へシフト。
- 2025年9月に「宇宙事業推進室」を設置し、宇宙領域への取り組みを加速。
- 重点施策(直近の決算資料等より)
- 採用強化と技術教育の拡充による総稼働人数・契約単価の上昇。
- グローバル事業の伸長(半導体業界向け受注拡大、人材サービス拡大)。
- 新規事業の探索(農業・介護・SCM・ロボティクス等)。
- 中期計画: 数値目標の明記は–。2025通期予想(売上+5.7%、営業利益+4.7%)は第3四半期時点で据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 無期雇用の技術者を抱え、顧客プロジェクトに派遣(時間単価×稼働×期間)。請負・受託、海外の設備関連も収益源。
- レジリエンス要因
- 顧客・業種の分散と長期取引関係。
- 教育投資により付加価値の高い案件へ移行し単価改定を通じてコスト上昇を吸収。
- ネットキャッシュ・高自己資本比率の財務体質。
- 変化適応
- 半導体・宇宙・環境等、成長領域へのシフト。
- 海外の装置・設備領域での機会取り込み。
- リスク
- マクロ減速時の稼働率低下、採用市場の逼迫、制度変更。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術開発/独自性
- エンジニア教育(先端・航空宇宙・環境)と技能可視化による単価向上。
- クリーンルーム内の搬送系工事・電気配線、工場設備の設計・製作・据付等の一気通貫対応。
- ロボティクス開発は規模は小さいが技術蓄積に寄与。
- 収益ドライバー
- 主力は「アウトソーシング(技術者派遣・受託)」が約9割。
- グローバル事業は売上+43%、利益+51%(2025年3Q累計)と高成長。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価: 2,615円
- 予想EPS: 188.34円、実績BPS: 965.91円
- PER(予想): 13.86倍、PBR(実績): 2.70倍
- 業界平均: PER 17倍、PBR 1.8倍
- 相対比較
- PERは業界平均を下回る(低め)。
- PBRは業界平均を上回る(高め)。
- 感度比較(単純計算)
- PER感度(業界平均17倍適用時の理論値イメージ): 188.34×17 ≒ 3,202円
- PBR感度(業界平均1.8倍適用時): 965.91×1.8 ≒ 1,738円
- 現状株価は上記レンジの中間程度に位置。
- EV/EBITDA・PSR
- 時価総額: 約541.7億円、現金130.2億円、負債21.3億円 → EV ≒ 413.6億円
- EBITDA(LTM): 約60.2億円 → EV/EBITDA ≒ 6.9倍
- 売上(LTM): 約520.9億円 → PSR(時価総額/売上)≒ 1.04倍
- 配当
- 予想配当: 94円、配当利回り約3.6%、配当性向約48%
(注)理論値は単純な感度であり将来価値を保証するものではありません。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 2,727.6円、200日移動平均: 2,691.2円
- 現在値は両移動平均を下回り、足元はやや軟調。
- レンジ位置
- 年初来高値/安値: 3,170円 / 2,174円
- 現在値はレンジ中央やや下(高値比-約17%、安値比+約20%)。
- モメンタム/出来高
- 直近10日終値は2,549~2,638円のボックス圏推移に近い。
- 10日平均出来高4.4万株 > 3カ月平均2.8万株(直近の関心はやや上向き)も、本日は9,400株とやや細り。
- 信用動向
- 信用買残3.3万株、売残6,800株、倍率4.85倍(買い残優位)。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上)
- 2021: 392.6億円 → 2024: 498.6億円、3年CAGR ≒ +8.3%
- 2025年3Q累計: 売上+6.2%(会社予想は通期+5.7%)
- 収益性
- 粗利率: 約23%(2025年3Q累計)
- 営業利益率(LTM): 約9.6%(3Q累計は約10.3%)
- 純利益率(LTM): 約7.7%
- EBITDAマージン(LTM): 約11~12%
- ROE(LTM): 22.05%、ROA(LTM): 12.30%
- 安全性
- 自己資本比率: 66.6%
- 流動比率: 2.33倍
- D/E: 約1.1%(実質ネットキャッシュ)
- キャッシュ・負債
- 現金同等物: 約130億円、有利子負債: 約21億円 → ネットキャッシュ基調。
- 収益トレンド(営業利益)
- 2021: 38.8億 → 2024: 51.6億 → LTM: 約53.9億と増益基調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針/実績
- 2025年通期予想配当: 94円(中間47、期末47)、予想利回り約3.6%
- 配当性向: 約48%(過去水準と整合的)
- 自社株
- 2025年2月に自己株取得(267千株)と自己株式100万株消却を実施。
- 株主構成
- 従業員持株会9.8%、自己株5.44%、機関投資家約30%と安定性のある構成。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近はボックス圏で方向感に乏しい推移。50・200日線を下回る局面。
- ボラティリティ/ベータ: 5年ベータ0.33と市場連動性は相対的に低い。
- 投資家関心: 10日平均出来高が3カ月平均を上回り、決算発表後の関心が一時的に上向いた可能性。
11. 総評
- 事業面: 無期雇用×教育投資に基づく技術者派遣を中核に、グローバル(半導体関連)も伸長。先端・宇宙・環境分野へのシフトで単価と稼働を引き上げる戦略が進捗。
- 財務面: 増収増益基調、ROE22%、自己資本比率66%と指標は良好。ネットキャッシュで耐性が高い。
- バリュエーション: PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る。EV/EBITDAは約6.9倍、PSRは約1.0倍。
- 市場面: 直近の株価は移動平均線を下回りレンジ中央やや下。信用は買い残優位だが規模は限定的。
- リスク: 採用競争・人件費上昇、法規制、顧客業況の循環性。単価転嫁と高付加価値化が鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: 3年CAGR約+8.3%、2025年3Q累計+6.2%、通期予想+5.7%と堅調な増収。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約23%、営業利益率約9.6~10%、ROE約22%。同業平均を上回る水準と評価。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率66.6%、流動比率2.33、D/E約1%でネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均より低いが、PBRは高い。EV/EBITDA約6.9倍、PSR約1.0倍と総合的には中立寄り。
参考データ
– 株価レンジ: 年初来高値3,170円/安値2,174円
– 現在株価: 2,615円
– 予想EPS/BPS: 188.34円/965.91円
– 配当: 年94円(予想、利回り約3.6%)
– 次回権利落ち日(予定): 2025-12-29
– 会社予想(2025/2/13公表・据置): 売上5,270億円、営業利益54億円、純利益37億円(いずれも連結)
企業情報
| 銘柄コード | 4641 |
| 企業名 | アルプス技研 |
| URL | http://www.alpsgiken.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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