ユニオンツール(6278)企業分析レポート
株価: 7,500円(2025-11-18終値)
市場区分: 東証プライム | 業種: 機械(Tools & Accessories)
時価総額: 1,475.6億円 | 発行済株式数: 19,780,000株(自己株式2,505,282株、実質流通約1,727万株)
1. 企業情報
- 概要
- プリント配線板(PCB)用ドリル・ルータで世界首位(世界シェア3割超)。超微細穴向けの超硬・ダイヤモンドコート工具、ULFコーティングなど高付加価値製品に強み。
- 直動軸受・測定機器、金型工具(ロールダイス等)、生体センサ(myBeat)なども展開。ただし売上の大半は切削工具(連結事業構成: 切削工具約92%、その他約8%)。
- 海外売上比率が高く、アジア(中国・台湾中心)が主力。
- 有利子負債ゼロ、自己資本比率約92%台の強固な財務。
- 基本データ
- 本社: 東京都品川区南大井6-17-1
- 設立: 1960年12月14日(起源は1955年)
- 代表者: 渡邉 裕二
- 従業員: 1,454名、平均年齢42.0歳、平均年収651万円
- 直近イベント
- 権利落ち予定日(予想): 2025/12/29
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- PCBドリルで世界首位。微細化・多層化に向かう基板加工で高精度・高耐久の工具ニーズに応える技術優位性を保有。
- 直動軸受・測定機器は補完的事業で、売上寄与は限定的。
- 競争優位性
- ダイヤモンドコーティングやULFなどの独自被膜技術、超精密加工生産の内製設備化(立上げ迅速化)による品質・原価両面の強み。
- グローバル供給体制とアジア拠点の稼働率高まりで収益性改善。
- 課題
- 半導体/電子部品サイクルに連動する需要変動、為替感応度、地政学・サプライチェーンリスク。
- 低価格帯の海外競合との価格競争リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(短信等の示唆)
- データセンター/生成AI需要に牽引される高多層・高密度基板向けの高付加価値工具に経営資源集中。
- グループ一体の生産管理と内製設備により、立上げ迅速化・原価低減を継続。
- 重点施策(2025年)
- 設備投資計画: 55億円(内製設備の増強、建設仮勘定積み上がり)
- 研究開発費計画: 22.5億円(高機能被膜・微細加工領域)
- 為替前提見直し(USD=145円)に応じた収益管理
- 地域戦略
- アジア(中国・台湾)での需要拡大を取り込み、現地生産の稼働率向上でマージン改善。日本は高付加価値品で安定収益源。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- リピート性の高い消耗工具(ドリル/ルータ)が主。高付加価値品比率の上昇により、平均販売単価とマージンを維持/改善。
- 需要変動への適応
- 内製設備・モジュール化で柔軟に生産調整。アジア・日本の多拠点体制で供給リスク分散。
- リスク
- 半導体サイクルの反転、顧客投資の一服、為替/原材料の変動。高収益体質と無借金のバッファで吸収余地。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- PCBドリル/ルータ、Pシリーズ超精密マイクロドリル、ダイヤモンドコート工具、ULFコート。
- 技術動向
- 微細化・高多層基板向けの刃先精度・耐摩耗性、被膜均一性の高度化。自社開発設備により新製品量産立上げの短期化。
- 補完製品
- 直動軸受・測長機、金型工具、生体センサ(myBeat)等は将来オプションだが現状は売上への寄与は限定的。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現株価7,500円ベース)
- 予想EPS: 347.33円 → 予想PER: 約21.6倍(会社公表21.48倍と整合)
- 実績BPS: 4,401.81円 → PBR: 約1.70倍(公表1.69倍と整合)
- EV/EBITDA(LTMベース概算): EV約1,307億円(現金168億円・有利子負債ほぼ無し)/ EBITDA約122.5億円 → 約10.7倍
- 予想配当利回り: 1.68%(年間125円)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER: 16.6倍 → 同平均をEPSに適用した参考価格: 約5,770円
- 業界平均PBR: 1.4倍 → 同平均をBPSに適用した参考価格: 約6,163円
- 現状はPER・PBRともに業界平均を上回る水準(プレミアム評価)。
- 補足
- ネットキャッシュ/株 約975円。無借金・高自己資本の財務がプレミアムの一因。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 7,782円、200日: 5,638円 → 中長期では上昇基調、直近は50日線を僅かに下回る位置。
- 価格帯
- 年初来高値: 9,150円(現状比 -18%)、年初来安値: 3,120円(現状比 +140%) → 高値からは調整局面。
- 需給・モメンタム
- 信用倍率: 5.09倍、信用買残増(+16.2千株) → 短期は買い残偏在が戻り局面の上値圧力要因となる可能性。
- 10日間で出来高膨らみつつ上下動(11/12に出来高増伴う上昇→その後反落)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(単位: 百万円)
- 2021: 売上28,174 / 営業利益5,430
- 2022: 売上29,091 / 営業利益6,190
- 2023: 売上25,338 / 営業利益3,778
- 2024: 売上32,606 / 営業利益6,878
- 過去12か月(データ1): 売上35,059 / 営業利益7,958
- 過去12か月(データ2): 売上37,800 / EBITDA12,250 / 純利益6,380
- 収益性
- 粗利率: 約41〜42%(LTM)
- 営業利益率: 約24.7%(LTM)
- 当期純利益率: 約16.9%(LTM)
- ROE: 実績7.52%、LTMベース8.75%、ROA: 7.28%
- キャッシュ・財務
- 現金同等物: 168億円、流動比率: 約7.5倍、自己資本比率: 約92%(無借金)。
- 設備投資(2025年1–9月): 34.0億円、減価償却: 23.4億円、研究開発費: 15.7億円。通期計画は設備投資55億円、R&D22.5億円。
- 地域別(2025年1–9月、売上計28,015百万円)
- 日本 8,979(営業利益3,713)、アジア 15,815(同2,167)、北米 1,448、欧州 1,771
- 海外売上比率: 約74%
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年: 年間105円(中間45/期末60)
- 2025年予想: 年間125円(中間60/期末65) → 予想配当性向約37%
- 5年平均配当利回り: 2.05%(現状はやや下回る)
- 自社株
- 自己株式保有比率12.66%(2,505千株)。当期の新規買付開示は確認できず(短信ベース)。
- 株主構成
- インサイダー等保有42.35%、機関保有約19.9%、フロート約904万株 → 流通株が相対的に少なく、需給の影響を受けやすい可能性。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落+30.3%。AI/データセンター関連需要を背景に年央以降に上昇、直近はボラティリティ上昇とともに調整。
- 注目材料
- 生成AI向け半導体/パッケージ基板の設備稼働・投資動向、為替(円相場)、アジア拠点の稼働率。
- 設備投資・R&Dの進捗と新製品(高機能被膜)の量産立上げ。
11. 総評
- 強み
- PCBドリルでのグローバル首位、独自被膜・内製設備による高収益体質。アジア需要取り込みで売上・利益ともに回復基調。無借金・高自己資本の強固なバランスシート。
- 留意点
- 業界平均比でPER・PBRはプレミアム水準。半導体サイクル/為替/地政学に対する感応度が中期の変動要因。短期は信用買い残増による需給の振れに注意。
- 位置づけ
- 高付加価値消耗工具のリーダーとして、AI/データセンター関連の基板高機能化トレンドが追い風。財務余力を活かした設備・R&D継続が中期の競争優位維持につながる。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 2025年通期予想は増収増益、LTM売上は2024年比で一桁台後半〜二桁台前半の伸び。四半期YoY売上+38.9%、利益+73.7%と加速。
- 収益性: A
- 粗利率約41–42%、営業利益率約25%、EBITDAマージン約32%。業界平均を上回る水準とみられる。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率約92%、流動比率約7.5倍、D/E実質ゼロ。潤沢なネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: C
- 予想PER約21.6倍、PBR約1.70倍で業界平均(PER16.6、PBR1.4)より高い。EV/EBITDA約10.7倍。配当利回りは1.7%前後。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。数値は一部LTMの算定基準差により乖離があるため、最新の決算・IR資料での確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 6278 |
| 企業名 | ユニオンツール |
| URL | http://www.uniontool.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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