以下に、全国保証(証券コード:7164)の企業分析レポートをまとめます。

1. 企業情報

全国保証は、住宅ローンを主軸とした信用保証事業を国内外で展開する独立系最大手の企業です。全国の金融機関と提携し、個人が住宅ローンを組む際の保証を提供しています。独自の保証ノウハウを活かし、金融機関の住宅ローン貸付をサポートすることで、一般消費者の住宅取得を支援しています。近年ではM&A(企業の合併・買収)にも積極的に資金を投じることで事業領域の拡大を進めており、ベンチャー投資を通じて新たな収益源の探索も行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、国内の信用保証業界において独立系企業として最大手であり、特に住宅ローン保証分野で強固な基盤を築いています。競合が特定の金融機関グループと連携していることが多い中、全国保証は特定の金融機関に属さない独立系であるため、幅広い金融機関と提携できるという競争上の優位性を持っています。国内唯一の独立系住宅ローン保証会社として、市場全体の住宅ローン新規実行額のうち約8.7%のシェア(2025年3月期実績)を占め、既存貸出残高市場においても約9.5%のシェアを有しています。M&Aを積極活用することで、オーガニックな(自社内部での)成長とインオーガニックな(M&Aなどによる)成長の両面から事業拡大を図る戦略を展開しています。

3. 経営戦略と重点分野

全国保証は中期経営計画「Next Phase」(2023年4月~2026年3月)において、保証債務残高21兆円(当初19兆円から上方修正)、ROE(自己資本利益率)14%を目標に掲げています。重点分野としては、新規住宅ローン市場における「オーガニック成長」と、既存貸出市場における「インオーガニック成長」の二軸があります。オーガニック成長では、提携金融機関への提案強化、DX化(デジタルトランスフォーメーション)によるサービス提供、商品基準改定、団体信用生命保険(団信)の拡充などを通じた住宅ローン保証の利用促進を図ります。インオーガニック成長では、M&A、ABL(動産・債権担保融資)貸付、RMBS(不動産担保証券)取得、損失補填契約など複数の手法を駆使して、既存貸出残高の獲得を進めています。さらに、不動産検索サイトや不動産会社との連携、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じたスタートアップ企業への出資など、チャネル(販売経路)の拡大と新たな事業機会の創出にも注力しています。

4. 事業モデルの持続可能性

全国保証の事業モデルは、住宅ローン保証を提供することで得られる保証料収入が主軸です。少子高齢化が進む中でも、中古住宅取引の堅調さや不動産価格の高止まり、良好な労働市場は住宅購入の需要を下支えしており、安定した収益基盤となっています。また、M&AやABL貸付、RMBS取得といった多様な手法で既存貸出債権を確保することで、保証債務残高を着実に積み上げています。金利上昇局面では、金融機関による保証利用が増加する傾向があるほか、同社の有価証券運用利回りの改善にも寄与する可能性があり、市場環境の変化に対する適応力も有しています。これにより、保証料収入の安定性と多様な収益源からの増強により、事業モデルは持続可能性が高いと考えられます。

5. 技術革新と主力製品

同社の主力製品は、独立系として全国の金融機関に提供している住宅ローン保証サービスです。これが事業全体の収益の柱であり、約100%を占めています。技術革新の側面では、詳細な情報開示は限定的ですが、中期経営計画において「DX化サービス提供」をオーガニック成長戦略の一環として挙げていることから、デジタル技術を活用した業務効率化や顧客利便性の向上に取り組んでいると推測されます。

6. 株価の評価

現在の株価3,068.0円に対し、会社予想EPS(1株あたり利益)は232.72円であるため、PER(株価収益率)は13.18倍となります。また、PBR(株価純資産倍率)は、実績BPS(1株あたり純資産)1,731.34円から算出すると1.77倍です。
業界平均PERが10.3倍、PBRが0.9倍であることと比較すると、全国保証のPERとPBRは業界平均よりも高い水準にあります。この数値だけを見ると、現在の株価は業界平均と比較してやや割高に評価されている可能性があります。これは、同社の安定した収益性、成長戦略、市場での優位性などが期待として株価に織り込まれている可能性も考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価3,068.0円は、年初来高値3,582円と年初来安値2,658円の中間のやや安値寄りの水準に位置しています。直近10日間の株価推移を見ると、3,134円から3,071円へと緩やかな下降傾向にあります。また、50日移動平均線3,273.54円、200日移動平均線3,128.21円と比較しても、現在の株価は両移動平均線よりも下回っており、短期的・中期的には下降トレンドにあると見ることができます。出来高は直近で減少傾向にあり、株価のモメンタム(勢い)はやや弱い状況です。

8. 財務諸表分析

過去数年間の損益計算書を見ると、連結売上収益(Total Revenue)は2022年3月期の48,841百万円から、2025年3月期予想の56,972百万円、さらに2026年3月期予想で59,200百万円と、着実に増加傾向にあります。営業利益も同様に増加しており、2022年3月期の39,473百万円から2025年3月期予想の41,976百万円、2026年3月期予想41,600百万円と推移しています。純利益も安定的に成長しており、特に過去12か月の純利益は31,521百万円となっています。
財務の健全性については、自己資本比率が48.5%と高く、財務基盤は非常に安定しています。流動比率も3.76倍と高い水準を維持しており、短期的な支払い能力に懸念はありません。ROE(自己資本利益率)は実績で13.84%(過去12か月で14.16%)と、株主資本を効率的に活用して収益を上げていることが示されています。営業キャッシュフローも過去12か月で33.09Bと潤沢であり、事業で安定的に資金を生み出しています。

9. 株主還元と配当方針

同社は株主還元に積極的です。会社予想の1株配当は115.00円であり、現在の株価に対する配当利回りは3.74%です。配当性向は、資料によると64.58%と示されています。2026年3月期からは中間配当を導入し、年間配当は115円(中間45円、期末70円)を目標としており、配当性向は50%を目標としています。また、直近では69億円の自社株買いを実施完了しており、配当と自社株買いを合わせた総還元性向は70%を超える見通しとされています。これは、株主への利益還元への強い姿勢を示していると言えるでしょう。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、3,134円から3,071円へ推移し、やや下降の勢いが見られます。出来高も減少傾向にあり、投資家からの短期的な関心は一時的に低下している可能性があります。信用買残が83,700株、信用売残が62,800株で、信用倍率は1.33倍となっており、買い残が売り残を上回っていますが、前週比では買残が減少し売残が増加しているため、買い方がやや優勢ながら、売り方の勢いも増している状況です。ベータ値(5年月次)は0.32と非常に低いことから、市場全体の変動に対して株価が連動しにくい、安定性の高い銘柄であると考えられます。

11. 総評

全国保証は、国内クレジット保証事業、特に住宅ローン保証において独立系最大手としての確固たる地位を築いています。安定した保証債務残高の積み上げと、M&AやABL貸付など多様なインオーガニック戦略により、継続的な事業成長を志向しています。財務基盤は自己資本比率48.5%、ROE14.16%と非常に健全かつ効率的であり、安定したキャッシュフローも魅力的な点です。株主還元策も積極的で、高配当利回りであり、自社株買いも実施しています。
株価バリュエーションは業界平均と比較するとPER、PBRともにやや高めですが、これは同社の安定性と成長性への期待が株価に織り込まれている可能性があります。直近の株価はやや下落傾向にありますが、ベータ値が低いことからも、市場全体の変動に左右されにくいディフェンシブな特性を持つと考えられます。今後の経済環境の変化、特に金利動向や不動産市場の変動が、保証債務残高や代位弁済に与える影響は注視すべき点です。

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 過去数年および直近の売上収益は年々着実に増加しており、M&Aや保証債務残高の積み上げにより安定的な成長を続けています。通期業績予想も増収増益を見込んでいます。
  • 収益性:S
    • 過去12か月の営業利益率53.13%、ROE14.16%と、非常に高い収益性を示しています。金融業の中でも特に高い水準であり、効率的な経営ができていると評価できます。
  • 財務健全性:S
    • 自己資本比率48.5%、流動比率3.76倍、有利子負債対自己資本比率(Total Debt/Equity)13.04%と、非常に優れた財務健全性を持っています。安定したキャッシュフローも魅力です。
  • 株価バリュエーション:C
    • PER13.21倍、PBR1.78倍は、業界平均PER10.3倍、PBR0.9倍と比較して割高な水準にあります。収益性や成長性が評価されているためと考えられますが、割安感は低いと判断されます。

企業情報

銘柄コード 7164
企業名 全国保証
URL http://www.zenkoku.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – その他金融業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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