1. 企業情報
- 概要・事業内容
- 鉄鋼・アルミ等の素材、素形材、溶接、機械、エンジニアリング、建設機械、電力などを展開する複合メーカー。自動車向けの比率が高く、鉄鋼は国内高炉で第3位の規模。
- 主な製品・サービス
- 素材:高張力鋼板、熱延・冷延・表面処理鋼板、線材・棒鋼、アルミ・銅、チタン、鋼板、鋼粉、鋳鍛鋼(クランクシャフト等)
- 機械・装置:標準圧縮機、タイヤ・ゴム機械、回転機械、樹脂加工機、圧力容器、圧延機、超高圧装置、各種熱交換器・リアクター
- 溶接・ロボット:溶接材料、電源、ロボット
- 交通・社会インフラ:信号、通信、電源、改札、ホームドア
- 建設機械:油圧ショベル、クレーン、解体・資源リサイクル機
- 電力:発電・卸供給
- 連結事業構成(売上比率・括弧内は営業利益率目安/資料値):鉄鋼アルミ42%(2%)、素形材12%(3%)、溶接4%(6%)、機械10%(12%)、エンジ7%(9%)、建機15%(5%)、電力10%(20%)ほか。海外比率34%(2025.3期)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内高炉系で第3位。素材に加え、機械・建機・電力など多角化ポートフォリオを保有。
- 自動車向けの高張力鋼板・アルミ材など軽量化ニーズに対応する製品群を持つ点が特長。
- 競争優位性・課題
- 優位性:多角化により景気循環の平準化、機械・電力など比較的安定度の高い収益源を持つ構造。国内外の自動車・建機サプライチェーンに深い関与。
- 課題:原燃料・エネルギー価格、為替の変動感応度が高い。鉄鋼は市況性が強く、需要/供給バランスや価格転嫁の進捗が収益に影響。
※定量的な市場シェアは本データでは未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(開示情報の範囲)
- ポートフォリオ経営の継続:売上規模の大きい鉄鋼・アルミでの収益改善、利益貢献の大きい機械・電力の安定成長を両立。
- 財務健全性の維持:有利子負債の抑制、自己資本比率の引上げ(自己資本比率は40.2%→41.6%へ改善)。
- 需要動向に応じた生産・在庫の適正化とコスト抑制。
- 進捗の手掛かり(2026年3月期・中間)
- 機械(セグ損益186億円)、電力(同235億円)が利益を牽引。一方、鉄鋼・アルミは利益規模が相対的に小さく、採算改善が引き続き焦点。
- 通期予想(売上2.465兆円、営業利益1,300億円、純利益1,000億円)に対し、中間の営業利益進捗は約48%と概ね折り返し水準。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 市況影響を受けやすい素材(鉄鋼・アルミ)に加え、機械・電力など比較的安定的なセグメントを併せ持ち、収益源の分散が効いている。
- 市場変化への適応
- 自動車軽量化(高張力鋼・アルミ)、インフラ更新、エネルギー効率化(圧縮機・熱交換器)などの構造需要を捉える製品群を保有。
- 原燃料価格や為替の変動には価格転嫁・コスト最適化で対応が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 高張力鋼板やアルミ・銅材、溶接材料、圧縮機・回転機械、超高圧装置、アルミブレージング/マイクロチャネル型等の熱交換器など、素材×加工・機械の技術蓄積。
- 収益牽引
- 直近期は機械・電力が利益を牽引。建設機械、溶接も貢献。鉄鋼・アルミは需要・コスト環境の影響を受けやすく、改善余地が残る。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,866円、予想EPS 253.85円、BPS 3,003.54円、時価総額約7,396億円
- 指標
- PER(予想):7.35倍(業界平均8.0倍比でやや低位)
- PBR(実績):0.62倍(業界平均0.6倍と同水準圏)
- 配当利回り(予想):4.29%(5年平均2.41%を上回る水準)
- EV/売上(LTM):約0.53倍(EV≒1.31兆円、売上2.49兆円)
- EV/EBITDA(LTM):約4.7倍(EBITDA約2,780億円)
- 妥当性の目安
- PERを業界平均8.0倍に揃えると理論株価は約2,031円。
- PBRを業界平均0.6倍に揃えると理論株価は約1,802円。
- 現在値はPER視点では平均未満、PBR視点ではほぼ平均圏。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 52週高値1,914円に近い水準(現値1,866円)。50日線1,806円、200日線1,717円を上回り、上昇トレンドを維持。
- 直近の値動き・需給
- 10日間で1,800円前後から1,900円接近まで上昇後の揉み合い。
- 信用動向:信用買残は減少、売残は増加(倍率3.27倍)。短期的には需給が中立〜やや拮抗。
- 目先の価格帯
- レジスタンス:1,900〜1,914円帯
- サポート:1,800円近辺(50日線)、次いで1,720円近辺(200日線)
8. 財務諸表分析
- 成長・収益性(LTMベース)
- 売上高:2.49兆円(前年比は四半期ベースで-6.9%)
- 粗利:4,132億円(粗利率約16.6%)
- 営業利益:1,436億円(営業利益率約5.8%)
- 純利益:1,264億円(純利率約5.1%)
- EBITDA:2,780億円
- トレンド(過去数期)
- 売上高:2022/3期 2.08兆円 → 2023/3期 2.47兆円 → 2024/3期 2.54兆円 → 2025/3期 2.56兆円 → LTM 2.49兆円(直近はやや減速)
- 営業利益:2024/3期 1,866億円 → 2025/3期 1,587億円 → LTM 1,436億円(利益率もやや低下)
- 効率性・資本
- ROE:10.8%前後、ROA:約3.1%
- 自己資本比率:41.6%(中間、前期末40.2%から改善)
- 有利子負債:約7,538億円、現金2,290億円、ネット有利子負債約5,722億円、ネットD/EBITDA≒2.1倍
- 金利負担:利息費用約1,394億円/年に対し、EBIT約1,543億円(カバレッジおおむね十分)
- キャッシュフロー
- 営業CF:2,881億円、レバードFCF:898億円(キャッシュ創出力は維持)
- セグメント概況(2025/4-9)
- 機械、電力が利益貢献大。鉄鋼・アルミは収益性が抑えられ、継続的な改善が論点。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/3期会社予想:年間80円(中間40・期末40)、予想利回り4.29%
- トレーリング:年間95円(利回り5.09%)
- 配当性向(参考):29.6%(会社公表指標)
- 自己株式
- 2025年5月に取締役会決議に基づく自己株式取得を実施し、自己株式残高が増加(詳細金額は本データ未記載)。
- 方針の示唆
- 収益水準・投資計画・財務健全性のバランスを踏まえた還元(配当+自己株買い)を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:約+15.1%。短期は50日・200日線上で上昇基調を維持しつつ、直近は1,900円台にレジスタンス。
- 投資家関心
- 出来高:直近10日平均は3ヶ月平均を概ね上回る局面があり、短期イベント(決算等)前後での関心が高い。
- 低ベータ(0.70)で指数連動リスクは相対的に低め。
- 影響要因
- 原燃料・エネルギー価格、為替(円安メリット/コスト増の綱引き)、自動車・建機の需要動向、電力セグメントの採算、通期見通しの進捗。
11. 総評
- 多角化ポートフォリオにより、素材の市況性を機械・電力などで一定程度平準化する事業構造。直近は売上・利益ともにやや減速したが、機械・電力が利益を下支え。財務は自己資本比率40%超、ネットD/EBITDA約2.1倍とバランスは概ね良好。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは平均並み。高配当利回り(予想4.29%)と安定CFが評価の一因。株価は52週高値圏に接近しており、1,900円前後の価格帯での攻防が継続。
- 主要リスクは原燃料・エネルギー価格、為替、需要サイクル。鉄鋼・アルミの採算改善と、機械・電力の安定成長の両立が中期の焦点。
12. 企業スコア
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年同期比で減速(四半期ベース-6.9%)。3年CAGRはプラスだが、直近の鈍化を重視。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約5.8%、EBITDAマージン約11%台。鉄鋼業の性質上、平均並み評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率41.6%、流動比率約152%、ネットD/EBITDA約2.1倍、D/E約64%と健全圏。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均を下回り、PBRは平均圏。EV/EBITDA約4.7倍、EV/S約0.53倍も中立〜やや割安圏。
— 本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や特定銘柄の推奨・不推奨を目的とするものではありません。記載の数値は2025-11-19時点のデータに基づきます。
企業情報
| 銘柄コード | 5406 |
| 企業名 | 神戸製鋼所 |
| URL | http://www.kobelco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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