シスメックス(6869)企業分析レポート
最終更新: 2025-11-20
– 企業情報
– 概要・事業内容
– 検体検査機器・試薬・ソフトウェアの開発・製造・販売を行う国内大手。ヘマトロジー(血球計数)を中核に、凝固、尿、電解質、生化学、微生物・細胞計測などへ展開。装置・試薬・メンテナンスを組み合わせたトータルソリューションを提供。
– 主力製品は全自動血球計数分析装置「XN-Series」「XN-V」、研究用途の「ProCyte Dx」など。検査試薬や保守サービスによる継続課金(ストック)比率が高い。
– 顧客は国立・公立病院、一般病院、大学・研究機関など。海外売上比率は87%(2025.3期)とグローバル展開が進む。
– 連結売上内訳(2025.3期目安):ヘマトロジー・尿 68%、免疫・生化学・凝固 22%、ライフサイエンス 4%、その他 6%。
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション
– ヘマトロジー分野で世界トップクラスのシェア。装置の設置台数に基づく消耗品(試薬)需要の継続性、グローバルな保守ネットワークが強み。
– 競争環境・課題
– 競合(例:グローバル大手の検査機器メーカー)との入札競争、価格プレッシャー、為替影響、中国の医療費抑制政策・集中購買などの制度変更リスク。
– 分散型検査(POCT)、デジタル化やAIによる自動化の進展に適応が必要。
– 地域面では中国の需要変動が収益に与える影響が大きい一方、北米・EMEA・アジアでの底堅い試薬需要が下支え。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン・方向性
– コアのヘマトロジーの強化と周辺領域(凝固・尿・免疫等)での検査メニュー拡充、ライフサイエンス領域の研究開発強化。装置×試薬×サービスの高いスイッチングコスト・ストック収益を拡大。
– 具体策(最近の開示から読み取れる重点)
– デジタル基盤投資(販管費増の要因)、インド新生産拠点の稼働・償却開始(原価率に短期影響)。
– 地域戦略:米州・EMEA・APでの装置と試薬の拡販、中国市場は政策動向に合わせたポートフォリオ最適化。
– 研究開発:ライフサイエンス領域を含む新規・高付加価値検査の開発(当期R&D費は13,203百万円、前年同期比減だが投資継続)。
– 中期像
– 収益性を維持しつつ規模拡大、試薬比率の向上、サプライチェーン多拠点化(インド等)でレジリエンス強化。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル
– 装置販売による初期収益+設置後の試薬・保守サービスによるストック収益(高い継続性)。導入後の切替コストが高く、装置・試薬の一体提供により顧客ロックインを確保。
– 適応力
– 高齢化・慢性疾患増に伴う検査需要の構造的拡大が追い風。一方で、入札価格・政策・為替に左右されやすい。地域・製品の分散と自動化・デジタル化対応での効率化が鍵。
– 技術革新と主力製品
– 技術動向・独自性
– ヘマトロジー自動分析のアルゴリズム・フラグ精度、網赤血球・白血球5分類などの測定精度、検査室の自動化・情報連携(LIS)に強み。
– 主力・収益牽引
– XN-Series/XN-Vシリーズ(血球計数)、凝固・尿検査装置、関連試薬・保守。装置更新サイクルと設置台数拡大が試薬売上のベースを押し上げ。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 前提データ(提供値)
– 株価 1,497円、PER(予)20.74倍、PBR(実)1.93倍、EPS(予)72.17円、BPS(実)774.34円、時価総額 9,423億円。
– 逆算・比較
– 業界平均PER 24.2倍 × EPS(予)72.17円 ≒ 1,747円(参考レンジ)
– 業界平均PBR 1.6倍 × BPS 774.34円 ≒ 1,239円(参考レンジ)
– EV/Sales(概算): EV ≒ 時価総額 + 純有利子負債 = 9,423 – (現金861 – 負債636)≒ 9,195億円、売上 4,987億円 → 約1.8倍
– 所見
– PERは業界平均を下回り、PBRは平均を上回る水準。成長・収益性は良好だが直近期の業績減速(中国・為替影響)を株価が織り込んでいる可能性。
– テクニカル分析
– トレンド
– 52週高値 3,236円、52週安値 1,497円(現値は安値水準)。50日移動平均 1,785円、200日移動平均 2,338円を下回り、下落トレンド。
– 需給
– 信用倍率 23.39倍(買い残偏重、前週比買い残増)。短期的には戻り局面での上値供給増に留意が必要な需給。
– 財務諸表分析
– 成長
– 売上高推移:363,780(2022)→ 410,502(2023)→ 461,510(2024)→ 508,643(2025)→ LTM 498,691(やや減)。3年CAGR(2022→2025)約+11〜12%。
– 直近の四半期増収率(YoY):△2.9%と足元は鈍化。
– 収益性(LTMベースの目安)
– 粗利率 ≒ 52.8%(263,238/498,691)
– 営業利益率 17.6%(提供指標)、EBITDAマージン ≒ 24.4%(121,480/498,690)
– 純利益率 9.36%
– ROE 実績 11.98%(LTM参考値 約10%)、ROA 7.65%
– キャッシュフロー・財務
– 営業CF 761億円、レバードFCF 153億円。自己資本比率 69.7%(中間期ベース72.1%)、流動比率 334%、D/E約13%と健全。
– 研究開発費は中間期 132億円(前年同期比減少)だが、事業投資(デジタル基盤、インド拠点)を継続。
– 利益の変動要因
– 為替の円高、販管費(人員・デジタル投資)増、中国の需要減速が営業利益率を押し下げ。
– 株主還元と配当方針
– 配当
– 会社予想:年間38円(配当利回り約2.54%)、うち記念配当を含む。過去5年平均利回り0.94%を上回る水準。
– 予想配当性向 約47%。
– その他
– 2024年3月に1:3の株式分割実施。自己株式取得は中間期で約8.77億円と限定的。
– 方針
– 安定配当をベースに、業績・投資バランスを考慮した還元を継続する姿勢(短信・補足資料より読み取り)。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10営業日は続落基調で年初来安値を更新。出来高は3カ月平均並み。
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関心材料(株価ドライバー)
- 中国の医療費抑制・集中購買の影響度、為替(円相場)の方向性、装置更新と試薬消耗のトレンド、デジタル投資の費用対効果、インド新拠点の立ち上がり。
- 規制承認や新検査メニューの上市、主要地域での大型入札動向。
- 信用需給の偏り(高い買い残)も短期変動要因。
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総評
- コアのヘマトロジーで世界トップクラスの競争力と、試薬・保守のストック型収益が強み。中長期の検査需要の構造的拡大に合致した事業モデルで、財務体質も健全。
- 一方、2025年度中間期は中国需要の弱含み、円高、販管費増で減益。H2以降の地域ミックス改善・為替・コスト吸収の進捗が焦点。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは平均超。足元はテクニカルに下落トレンドかつ52週安値圏で、需給は買い残偏重。
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中期では装置設置台数の積み上げとメニュー拡充、ライフサイエンス強化・デジタル化対応が持続成長の鍵。政策・為替・競争環境の変化に対する耐性強化が引き続き重要。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 3年CAGRは2桁成長だが、LTM・直近期は減速(売上YoY△2.9%)。総合的に中立評価。
- 収益性:A
- 粗利率53%前後、営業利益率17%台、EBITDAマージン24%台と高水準(業界水準を上回る目安)。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率約70%、流動比率334%、D/E約13%と強固。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均以下、PBRは平均超。総合で概ね中立。
重要な留意事項
– 本資料は提供データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
– 数値はLTM(過去12か月)と通期実績・会社予想が混在するため、比較時期により差異が生じます。最新の決算資料・補足資料のご確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 6869 |
| 企業名 | シスメックス |
| URL | http://www.sysmex.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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