決算説明：三菱製鋼（5632）

2026年3月期第1四半期決算説明資料

決算説明（スライドより）まとめ（Markdown）

※対象資料：三菱製鋼株式会社「2026年3月期第1四半期 決算説明資料」（2025年8月7日）

基本情報

• 企業概要
  • 企業名：三菱製鋼株式会社
  • 主要事業分野：特殊鋼鋼材、ばね事業、素形材事業、機器装置事業、その他（連結調整等）
• 説明会情報
  • 開催日時：2025年8月7日（資料表紙）
• 説明者
  • 発表者（役職）：–（資料内に氏名・役職の明示なし）
  • 発言概要：スライドに沿って第1四半期実績、要因分析、2Q以降の見通し、インド子会社の設備投資について説明
• 報告期間
  • 対象会計期間：2026年3月期 第1四半期（1Q）
• セグメント（スライド記載）
  • 特殊鋼鋼材事業：特殊鋼材の製造・販売（国内外）
  • ばね事業：精密ばね・自動車用ばね等
  • 素形材事業（素形材）：特殊合金粉末等を含む鋳造・鍛造関連製品
  • 機器装置事業：鍛圧機械、防護装備等の製造・販売
  • その他：その他事業・連結調整等

業績サマリー（第1四半期実績）

（単位：億円、スライド記載値）
– 主要指標（25/3期1Q → 26/3期1Q / 前年同期比）
– 売上高：406 → 381 （△25）
– 営業利益：13 → 8 （△5）
– 経常利益：12 → 2 （△10）
– 親会社株主に帰属する四半期純利益：1 → △1 （△2）
– 1株当たり利益（EPS）：–（資料に明記なし）
– 為替レート（参考）
– 25/3期1Q末：161円、25/3期末：150円、26/3期1Q末：145円（円高方向）
– 進捗状況（中期・年度目標に対する達成率）
– フルイヤー予想（期初）からの修正は無し（5月14日公表の通期予想は維持）。1Qは期初計画を下振れ。2Qでの回復を見込み上期見通しは期初予想並みを想定。達成率の数値は資料に明示なし。
– セグメント別（25/3期1Q → 26/3期1Q / 前年同期差：億円）
– 特殊鋼鋼材：売上 205 → 187（△18）、営業利益 6 → 0（△6）
– ばね：売上 181 → 177（△4）、営業利益 6 → 8（+2）
– 素形材：売上 24 → 20（△4）、営業利益 2 → 1（△1）
– 機器装置：売上 16 → 18（+2）、営業利益 0 → △1（△1）
– その他：売上 10 → 10（±0）、営業利益 1 → 1（±0）
– 連結調整：売上 △30 → △30（±0）、営業利益 0 → 0（±0）

業績の背景分析

• 業績概要・ハイライト
  • 売上高は戦略事業（精密ばね事業、海外ばね等）が伸長したものの、国内鋼材事業における受託数量減や原材料価格下落に連動した売価低下などにより減収。
  • 営業利益は戦略事業の貢献があった一方で、受託数量減に伴う生産コスト増等により減益。
  • 経常利益は営業減益に加え、1Qの為替変動に伴う海外子会社の為替評価損等を計上し大幅減益。
  • 四半期純利益は、前期計上の特別損失が解消するものの、経常減益および税効果会計の影響等により損失計上。
• 増減要因（売上高・営業利益の要因）
  • 売上（ウォーターフォール）
  • 増要因：売上数量増（+23）
  • 減要因：受託数量（△13）、売価（△10）、為替差（△12）、その他（△13）
  • 営業利益（ウォーターフォール）
  • 増要因：売上数量（+4）、原材料価格（+9：下落により利益改善）
  • 減要因：売価（△10）、生産コスト・固定費（△4：受託減に伴う単位コスト上昇）、その他（△4）
• 競争環境
  • スライドでは市場シェアの具体値は示されていないが、北米の一部子会社は関税影響等で売上数量が減少、欧州では事業撤退が売上減につながる等、地域別で競争・政策影響が見られる旨記載。
  • 精密ばね等の戦略事業は比較的好調で、競争優位性としては製品・技術力や海外拠点による需要取り込みが示唆されている。
• リスク要因（資料に記載された影響要因）
  • 為替変動（1Qでの円高・為替差損影響）
  • 受託数量の変動による生産単価上昇
  • 関税・貿易政策の影響（北米で言及）
  • 事業撤退に伴う特別損失（前期計上分は解消したが、類似のリスクは継続）
  • 税効果会計による四半期純利益への影響

戦略と施策

• 現在の戦略（スライドの言及）
  • 精密ばね事業や海外ばね事業などの戦略事業による収益拡大を図る方針。
  • 地域別の生産体制強化や海外拠点の投資（例：インドの子会社投資）を実施。
• 進行中の施策
  • インド関連：持分法適用会社（Stumpp Schuele & Somappa、以下5S社）のチェンナイ工場に乗用車用スタビライザ新製造ラインを増設（後述の設備投資概要）。
  • 素形材事業では、精密鋳造品の製造コスト上昇分の売価転嫁を順次実施（1Q分含め2Q以降で回収予定）。
• セグメント別施策と進捗
  • 特殊鋼鋼材：国内受注の回復を図るが、1Qは受託数量減で低調。海外（インド）では商用車向け販売数量増。
  • ばね事業：精密ばねが増収、米国子会社の関税や欧州事業撤退の影響を吸収しつつ増益。
  • 素形材：特殊合金粉末は新規取引で数量増だが、その他製品は減少。売価転嫁のタイムラグで1Qは減益、2Q以降改善見込み。
  • 機器装置：防護装備や鍛圧機械の売上増。1Qは一時的な生産性低下で減益も、半期末に収益偏重の傾向があるため2Qで回復見通し。

将来予測と見通し

• 業績予想（通期・上期に関する記載）
  • 期初（5月14日発表）予想（スライドの要旨）
  • 通期営業利益：30（億円）
  • 通期経常利益：22（億円）
  • 当期純利益：13（億円）
  • 1Q実績および2Q見通し
  • 1Q 実績：営業利益 8
  • 2Q 見通し（上期合計で期初予想上期見通しを満たす想定）：2Q予想 22（上期トータルで期初の上期見通しに一致）
  • 会社は通期予想の修正なし（5月14日公表の予想どおり維持）
  • 根拠：特殊鋼材の1Q下振れ分を好調なばね事業や素形材事業がカバーし、機器装置事業も想定並みを見込むことで上期営業利益は期初予想並みを想定。
• 中長期計画の進捗
  • 資料では中期経営計画の数値的進捗は明示されていないが、戦略事業の拡大（ばね、海外投資）を通じた収益基盤強化が進行中と記載。
• マクロ経済の影響
  • 為替：1Qは円高が進行し為替差損影響を計上。為替差損は2Qで縮小見込み。
  • 需要動向：国内需要回復の遅れが1Qで利益に影響したが、2Q以降回復を見込む。
  • 貿易政策・関税：北米での関税影響が一部セグメントに影響。

配当と株主還元

• 配当方針：資料に記載なし（–）
• 配当実績（中間・期末等）：資料に明記なし（–）
• 特別配当：資料に明記なし（–）

製品・サービス・協業

• 主要製品／新製品
  • 精密ばね、自動車用ばね、特殊鋼材、特殊合金粉末、鍛圧機械・防護装備など（各セグメントの主力製品群）
  • 新規ライン：インドでの乗用車用スタビライザ製造ライン増設（5S社、下記参照）
• サービス・提供エリア・顧客層
  • 自動車業界（商用車・乗用車向け）、産業機械向け等。国内外の製造拠点・子会社を通じた供給。
• 協業・提携
  • 持分法適用会社（5S社：Stumpp Schuele & Somappa Auto Suspension Systems Pvt.Ltd.）との連携による現地生産能力拡大
• インド子会社（トピック）
  • 対象：持分法適用会社 Stumpp Schuele & Somappa Auto Suspension Systems Pvt.Ltd.（5S社）
  • 施策：チェンナイ工場に乗用車用スタビライザの新製造ラインを増設
  • 投資概要：
  • 総投資額：約6.5億円
  • 完成時期：2026年度（予定）
  • 生産能力：現行の約2倍を計画
  • 背景：インド自動車市場の需要増、既存ラインのフル稼働に伴う増設

重要な注記

• 会計方針：資料内での会計方針の変更に関する記載なし（–）
• 主な特記事項・リスク
  • 1Qにおける為替変動の影響（海外子会社の評価損等）や税効果会計の影響で四半期純利益がマイナスとなった点が重要。
  • 素形材事業における原材料価格上昇分の売価転嫁にタイムラグがあり、回収は2Q以降を見込む旨。
  • 北米の関税影響、欧州事業撤退の影響など地域別リスクが存在。
• 今後のイベント・重要告知
  • 通期業績見通し（5月14日発表分）は修正なし。2Qでの改善想定。
  • インド・5S社の設備投資（スタビライザライン増設、完成2026年度予定）

（不明項目は“–”で記載しています。投資判断に関する助言は行っていません。資料の数値は該当スライドの表示に基づき抜粋しています。）

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