1. 企業情報
- 概要:特殊鋼・ばね(精密ばね含む)を主力に、素形材(精密鋳造等)、機器装置(鍛圧機械等)を展開。アジア・北米に生産拠点を持ち、建機・自動車向けが主要需要。原料調達で日本製鉄と関係が深い。
- 連結事業構成(売上構成/営業利益率の目安):特殊鋼鋼材46%(4%)、ばね41%(3%)、素形材6%(4%)、機器装置6%(7%)、他1%(4%)
- 主要セグメント売上(2025/4–9):特殊鋼鋼材33,302、ばね36,122、素形材4,319、機器装置5,315、その他867(百万円)
事業の特徴
– 特殊鋼:建機・産機・自動車向け。非調質鋼など高機能材を保有。
– ばね:コイル、板ばね、スタビライザー、精密ばね等。自動車・精密用途が中心。
– 機器装置:鍛圧機械・リングミル等、製造プロセス向け装置も展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ:国内の特殊鋼・ばね大手の一角。海外(アジア・北米)拠点でグローバル顧客に対応。
- 競争優位性(示唆):
- ばね事業の利益貢献が高く、製品多様性と精密ばねの拡大が収益安定に寄与。
- 日本製鉄との原料面の関係、長年の自動車・建機顧客基盤。
- 課題:
- 建機向け需要の低迷と価格環境(原材料下落に伴う売価調整)が鋼材に逆風。
- 室蘭コンビナートでの高炉トラブル等による生産性低下の影響。
- セグメント収益性のばらつき(2025/4–9期、特殊鋼鋼材は赤字)。
(注)市場シェアの定量値は未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信記載の要点整理):
- 需要動向に応じた生産・販売最適化(建機低迷、商用車堅調への対応)。
- 原材料・エネルギーコスト環境の変化を踏まえた価格政策の適正化。
- 生産性回復(高炉トラブル影響の正常化)と操業度改善。
- 製品ミックス高度化(精密ばね、海外鋼材の販売伸長)。
- 構造対応:
- 欧州ばね事業の撤退完了(前期特殊損失要因の解消)。
- 海外(インドネシア等)の販売数量増を成長ドライバーに位置付け。
- 2026年3月期通期見通し(会社予想):売上高159,000、営業利益4,400、純利益2,500(百万円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:景気敏感(建機・自動車)だが、ばねなど付加価値製品の拡大で安定化を図る構造。原材料価格の変動を売価へ適切に反映できるかが重要。
- 適応力:
- 地域・製品分散(アジア・北米、精密ばね等)により需要サイクルの平準化を狙う。
- 生産性・操業度の回復が短中期の鍵。LTMで営業CF・FCFはプラスで資金面の耐性は一定確保。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品:
- 非調質鋼、スタビライザー、精密・重荷重ばね、リングローリング、鍛圧機械など工程・用途に根差した技術蓄積。
- 収益ドライバー:
- 2025年上期は「ばね」セグメントが1,517百万円の利益で牽引。海外鋼材の売上増も寄与。
- 特殊鋼鋼材は数量減・売価下落で採算悪化、赤字。生産性回復とミックス改善が課題。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,738円、時価総額:約273.5億円
- 予想EPS:165.33円 → 予想PER:約10.53倍(提供値)
- BPS:2,796.96円 → PBR:約0.62倍(提供値)
- 配当予想:年80円 → 予想配当利回り:約4.60%、配当性向:約37.3%
- EV/売上(LTM):EV ≒ 273.5 + 481 – 145 ≒ 609.5億円、売上 ≒ 1,590億円 → 約0.38倍
- EV/EBITDA(LTM):約6.5倍(EBITDA ≒ 94.3億円前提)
相対評価(業界平均:PER 8.0倍、PBR 0.6倍)
– PERは業界平均比でやや高め、PBRは同水準。EV指標は中庸~やや低位。
7. テクニカル分析
- 直近終値:1,738円
- 50日移動平均:1,800.6円(下回り)
- 200日移動平均:1,652.4円(上回り)
- 52週レンジ:1,208〜1,986円(現在は高値比-12.5%/安値比+43.8%付近)
- 直近10日:1,800円台から1,730円台へやや下押し、出来高は3カ月平均(約14.5万株)を下回る日が多い
- 信用需給:信用倍率14.88倍(買い残優勢)。上値での戻り待ち供給には留意。
総合所見:中期トレンドは200日線上で維持、短期は50日線を下回りモメンタム鈍化のサイン。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円):2022/3 146,292 → 2023/3 170,537 → 2024/3 169,943 → LTM 158,995(足元は減収)
- 営業利益(百万円):6,271 → 5,547 → 4,809 → 5,523(LTMで回復傾向)
- 当期純利益(百万円):4,068 → 2,190 → -969 → 3,005(特損一巡で黒字回復)
- 粗利率(LTM):約13.9%
- 営業利益率(LTM):約3.2%(提供値)
- 純利益率(LTM):約1.9%
- ROE(実績):約5.6%(EPS/BPS試算≈5.9%)
- キャッシュフロー(LTM):営業CF 103.6億円、レバレッジドFCF 67.3億円(プラス)
- 財務安全性:
- 自己資本比率:30.8%(2025/9末 32.0%)
- D/E(簿価ベース):約97%(有利子負債約481億円、現金約145億円)
- 流動比率:1.82倍
- コメント:
- 収益性は低位〜中位だが、前期特損の反動で最終利益は改善。
- 借入依存はやや高め。FCFはプラスで債務耐性は一定水準。
9. 株主還元と配当方針
- 2025年実績:年間64円(中間30、期末34)
- 2026年予想:年間80円(中間40、期末40)
- 予想配当利回り:約4.6%、配当性向:約37%
- 自己株式:保有はあるが、直近の自己株買い方針は不明(開示なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+24.2%(市場平均を上回る伸び)
- ベータ(5年):0.68(相対的にボラティリティ低め)
- 需給:信用買い残増(前週比+9.9千株)、信用倍率高水準。機関保有比率約23%。
- 価格ドライバー(足元):
- 建機需要の弱さと商用車の堅調の綱引き
- 原材料下落とエネルギー高止まりの収益影響
- 生産トラブルの正常化進捗
- 海外鋼材・精密ばねの伸長
11. 総評
- ばね・海外鋼材は堅調で、前期の一過性損失も一巡し純利益は改善。一方、建機向け弱含みと特殊鋼鋼材の採算悪化、設備トラブルの影響が課題。
- 財務は自己資本比率3割・D/E約1倍とややレバレッジ高めだが、LTMの営業CF・FCFはプラスで資金面の安定度は一定。
- バリュエーションはPERで業界平均よりやや高い一方、PBRは同水準、EV系は中庸。配当利回りは4%台後半。
- 短期テクニカルは50日線下でモメンタム鈍化、200日線上で中期基調は維持。需給は信用買い優勢。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年期比で減少(約-6%)。3年CAGRは緩やかなプラスだが直近は減速。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約14%、営業利益率約3%台、EBITDAマージン1桁中盤。鋼材赤字も、ばね等で全社黒字確保。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率約31%、D/E約97%、流動比率1.82倍。流動性は良好だが資本厚は40%未満。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは同水準、EV/Sは約0.38倍で中庸。総合して「平均並み」。
参考データ
– 株価レンジ:年初来高値1,986円/安値1,208円
– 直近出来高:64千株(3カ月平均145千株)
– 期末発行株式数:15,709,968株
– 次回配当権利落ち:2026-03-30(予定)
企業情報
| 銘柄コード | 5632 |
| 企業名 | 三菱製鋼 |
| URL | http://www.mitsubishisteel.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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