パナソニック ホールディングス(6752)企業分析レポート

最終更新: 2025-11-21(株価 1,737.5円)

1. 企業情報

  • 概要
    • 総合エレクトロニクス企業。くらし(家電・住設)、インダストリー(産機・マウンタ等)、コネクト(B2Bソリューション、アビオニクス等)、エナジー(蓄電・車載電池)、オートモーティブ(表示継続、PAS売却で非連結化へ)を展開。
    • 海外売上比率は約60%(2025.3)。
  • 主な製品・サービス
    • 白物家電、空調・住設、照明・配線機器、B2Bソリューション、マウンタ・溶接機、アビオニクス、サプライチェーン管理ソフト、蓄電システム、乾電池・二次電池(車載円筒形含む)など。
  • 補足
    • 2024年度に車載機器事業(PAS)を売却し非連結化。グループ構造改革を進行。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 家電は国内トップクラスのブランド力と商品ラインアップ。
    • 車載電池は北米中心の主要サプライヤーの一角。EV市況の変動や政策(IRA補助金、関税)影響を強く受けやすい。
    • アビオニクス(機内IFEC)や産業機器(実装機など)でもグローバルでプレゼンス。
  • 競争優位性
    • 幅広い事業ポートフォリオ、製造・品質力、グローバル調達・販売網。
    • B2B領域(インダストリー、コネクト、エナジー)での技術・顧客基盤。
  • 課題
    • 収益性のばらつき(家電・B2Cは価格競争と為替影響を受けやすい)。
    • エナジー(車載電池)の需要変動・補助金・関税の政策リスク。
    • 構造改革の費用発生と投資負担(FCFの変動)。

3. 経営戦略と重点分野

  • 方針・ビジョン(短信等から読み取り)
    • 選択と集中によるポートフォリオ再構築(オートモーティブは売却・非連結化)。
    • B2B中核の強化:インダストリー(生成AIサーバ向け製品など)、コネクト(アビオニクス・ソリューション)を伸長。
    • エナジーは車載電池の市況変動に対応しつつ、蓄電システムなどで収益基盤を補強。
  • 2026年3月期の通期見通し修正(10/30開示)
    • 売上 7.7兆円(前回比▲1,000億円)、営業利益 3,200億円(▲500億円)、純利益 2,600億円(▲500億円)、EPS 111.36円。
    • 主因:車載電池の販売数量・IRA補助金減、関税影響、構造改革費用増。
  • 資金調達
    • 2025年7月に無担保普通社債550億円を発行。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 家電・住設のB2Cと、産機・ソリューション・エナジーのB2Bの複合ポートフォリオ。
    • B2Bは長期取引・アフターサービス等で比較的安定性が見込める一方、車載電池は市況・政策の影響大。
  • 適応力
    • 非中核の売却、投資リソースの再配分、為替・コスト対応の取り組みは継続。
    • インダストリー/コネクトでの高付加価値領域強化によりポートフォリオの耐性向上を志向。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向
    • 生成AIサーバ向け製品(放熱・電源等関連を含む産機領域)の需要取り込み。
    • 蓄電システム、車載用二次電池の高性能化・コスト競争力強化。
  • 収益牽引分野(中間期セグメント利益ベース)
    • インダストリー:営業利益 463億円(売上 5,478億円、OPM約8.5%)
    • エナジー:営業利益 331億円(売上 4,257億円、OPM約7.8%)
    • くらし・コネクト・その他はOPM 3〜5%台で安定推移。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現状指標(会社予想ベース)
    • 株価 1,737.5円、時価総額 約4.26兆円
    • PER(予想)15.60倍、PBR(実績)0.84倍、配当利回り(予想)2.30%
    • トレーリングPER(参考):約12.7倍(株価/希薄化後EPS LTM 136.89円)
    • EV/売上高(LTM):約0.64倍[EV≒時価総額4.26兆+有利子負債1.61兆−現金0.71兆=約5.16兆円、売上8.03兆円]
  • 同業平均との比較(提供データ)
    • 業界平均PER 24.2倍、PBR 1.6倍と比べ、いずれも低位水準。
    • BPS(2,059円)に対し株価はディスカウント。
  • 参考比較
    • 業界平均PER×EPS(予想)= 約2,700円相当(単純比較)。単なる水準感であり、目標株価ではない。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均線 1,719円、200日 1,640円。株価は両線上で、中期は上向き基調。
    • 直近10日では戻り高値を切り下げ(高値 1,832→1,801→1,798→1,777→1,758)で短期は上値の重さが示唆。
  • 位置づけ
    • 年初来高値 1,924円まで約▲9.7%、安値 1,364円からは約+27%。レンジ中上段。
  • 売買動向
    • 出来高は本日1,076万株(3カ月平均約934万株、10日平均約793万株)を上回り、直近は商い増加。
    • 信用買残は減少、売残は増加、信用倍率2.8倍で中立〜やや需給整理の局面。

8. 財務諸表分析(LTM・中間期ベース)

  • 収益性
    • 売上 8.03兆円、粗利 2.54兆円(粗利率約31%)、営業利益率約3.7%、最終利益率約4.0%。
    • ROE 7.0〜7.9%、ROA約2.4%。収益性は安定だが高水準とは言い難い。
  • 成長
    • 四半期売上成長(前年比)▲9.7%、四半期利益成長(前年比)▲40%。通期見通しも減収減益に修正。
  • キャッシュフロー・投資
    • 営業CF +6,369億円、レバレッジドFCF ▲5,707億円(投資CF大きくマイナス)。電池等の積極投資負担が表面化。
  • 安全性
    • 自己資本比率 50.2%、D/E約0.32、流動比率 1.26。財務基盤は良好な範囲。
    • 現金等 7,106億円、有利子負債 1.61兆円。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2026年3月期:中間20円、期末予想20円、通期40円。予想配当性向 約35%。
    • 5年平均配当利回り 2.35%に近い水準。
  • 自社株
    • 自己株式保有 4.88%(期末時点)。新たな自己株買いの公表は本データ範囲では未確認。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落 +13.15%。中長期で堅調、直近は短期調整の局面。
  • 関心材料
    • EV市況(北米)の動向、IRA補助金・関税の政策変更、為替(ドル/円)、生成AI関連需要(産機)、構造改革の進捗が株価ドライバー。
  • イベント
    • 決算発表予定:2025-10-30(実施済の説明会資料公表)、次回以降はIR開示参照。
    • 権利落ち予定:2026-03-30(予想・配当関連)。

11. 総評

  • ポジティブ要素
    • 財務健全性は良好(自己資本比率50%超、D/E低位)。
    • インダストリー・エナジーの収益性が相対的に高く、B2B比率の上昇でポートフォリオの質は改善方向。
    • バリュエーションは業界平均比で低位(PER・PBR)。BPSを下回る水準。
  • 留意点
    • 2026年3月期は減収減益見通し。車載電池を中心に政策・市況の外部要因感応度が高い。
    • 投資負担によるFCFの振れ。構造改革費用の顕在化。
    • 短期的には戻り高値を切り下げる展開で、需給面の整理が進行中。
  • まとめ
    • 収益性・成長の課題を抱えつつも、財務基盤とB2B中核の強化により中期的な再成長の余地を模索している局面。バリュエーションは相対的に抑制的。

12. 企業スコア(S〜D、B=中立)

  • 成長性:C
    • 直近の売上・利益は前年比マイナス、通期見通しも減収減益。
  • 収益性:C
    • 粗利率は31%だが、営業利益率約3.7%と控えめ(業界主要企業と比べると低位とみられる)。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率50.2%、D/E約0.32、流動比率1.26。安全性は良好。
  • 株価バリュエーション:A
    • PER 15.6倍、PBR 0.84倍で業界平均(PER 24.2倍、PBR 1.6倍)に対して低位。EV/S約0.64倍。

(注)本資料は提供データの整理・分析であり、投資助言ではありません。定量比較は単純化を含みます。最新の開示資料・原典も併せてご確認ください。


企業情報

銘柄コード 6752
企業名 パナソニック ホールディングス
URL https://holdings.panasonic/jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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