コロワイド(7616)分析レポート
株価: 1,736円(2025-11-25 終値)
本レポートは公開情報・提供データに基づく企業分析であり、投資勧誘・投資助言ではありません。数値は特記なき限り連結ベース。
1. 企業情報
- 事業内容の概要
- 外食大手グループ。直営・FCで居酒屋・レストラン等を多業態展開。調達・製造・物流まで担うマーチャンダイジング(コロワイドMD)機能を保有し、原材料調達やセントラルキッチン的機能で全社を下支え。
- 主な傘下:レインズインターナショナル(牛角、しゃぶしゃぶ温野菜等)、アトム(ステーキ宮等)、カッパ・クリエイト(かっぱ寿司)、大戸屋HD(大戸屋ごはん処)ほか。
- 付帯事業:食品製造(菓子・ソース等)、酒類・たばこ販売、ケータリング、ITシステム運用、コールセンター、物流管理。
- 主力製品・サービスの特徴
- 国内外での多ブランド・多フォーマット。焼肉(牛角)、寿司(かっぱ寿司)、定食(大戸屋)、ステーキ(ステーキ宮)など幅広い価格帯と客層をカバー。
- グループMDにより原材料の集中調達・製造・物流を一体化し、スケールメリットの活用を志向。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内外食の大手ホールディングスの一角。多業態・全国展開・垂直統合(MD)を併せ持つ点が特徴。
- 市場シェア
- データなし
- 競争優位性・課題
- 優位性:多ブランドのポートフォリオとMD機能による調達・製造・物流の統合、FC活用、インバウンド・国内需要の取り込み。
- 課題:原材料・人件費の上昇、為替差損影響、労務環境対応、事業ポートフォリオの再編に伴う収益性改善の時間差。
- 市場動向と対応
- 外食はインバウンド回復と価格改定で持ち直し。一方で家計負担増に伴う選別志向・節約志向が強い環境。
- 同社は付加価値向上と効率運営(MD・業態再編・不採算事業の譲渡)で対応。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略
- 中期経営計画「COLOWIDE Vision 2030」:2030年3月期に連結売上収益5,000億円を目標。
- 具体施策・重点分野
- 調達・製造・物流のMD強化、業態ポートフォリオ最適化、直営・FCのバランス運営、ブランド強化。
- 2024/9に新株発行でM&A待機資金を調達し、外部成長の選択肢を確保。
- アトムのカラオケ事業を2025/3に譲渡し、レストラン事業に経営資源を集中。
- 新製品・新サービスの展開状況
- 決算短信における大型の新製品記載:データなし
- 2024年:NBaton Company(旧日本銘菓総本舗)、ソシオフードサービスをグループ化(商品力・給食/FOODS領域の補完)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルと適応力
- 外食直営・FC収益 + MD収益(サプライチェーン内製化)。コスト上昇下での価格改定・効率化・業態再編を進めるモデル。
- 売上計上時期の偏りと影響
- データなし
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
- グループMDによる商品開発・製造・物流、ITシステム運用・コールセンター等のバックエンド機能内製化。
- 収益牽引
- セグメント売上収益(2025/3期):コロワイドMD 961.4億円、レインズ(牛角等)923.8億円、カッパ・クリエイト 732.1億円、アトム 355.0億円、大戸屋 313.9億円、その他 424.8億円。
- 中核はMD・牛角・かっぱ寿司・大戸屋等の主力ブランド。
6. 株価の評価(バリュエーション水準)
- 現在株価: 1,736円
- EPS・BPSと比較
- 会社予想EPS: 20.03円 → 予想PER ≈ 86.6倍
- LTM EPS: 12.96円 → 実績PER ≈ 133.9倍
- BPS(実績データ欄): 585.19円 → PBR ≈ 2.97倍
- BPS(直近四半期): 731.57円 → PBR ≈ 2.37倍
- 業界平均との比較(外食・小売業)
- 業界平均PER: 21.3倍、業界平均PBR: 1.8倍
- 相対比較:当社のPER・PBRはいずれも業界平均を上回る水準。
- 参考計算(業界平均倍率適用の理論価格)
- PER基準:
- LTM EPS基準: 12.96円 × 21.3倍 ≈ 276円
- 会社予想EPS基準: 20.03円 × 21.3倍 ≈ 427円
- PBR基準:
- BPS(直近四半期)731.57円 × 1.8倍 ≈ 1,317円
- BPS(実績)585.19円 × 1.8倍 ≈ 1,053円
- 備考:現株価1,736円は、PBR基準の理論価格帯(約1,050〜1,320円)より高い水準、PER基準(約280〜430円)より大幅に高い水準。
7. テクニカル分析
- 直近推移
- 直近終値: 1,736円
- 50日移動平均: 1,769.82円、200日移動平均: 1,820.04円 → いずれも下回る水準。
- 年初来レンジ
- 高値 2,042円/安値 1,602円
- 現在位置: レンジ下限寄り(下から約30%地点)。
- 出来高・売買代金
- 本日出来高 11.31万株、売買代金 約1.96億円。
- 平均出来高(10日)43.27万株、(3カ月)55.20万株 → 本日は平均を下回る低水準。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(推移)
- 売上収益:175,627(2022)→ 220,830(2023)→ 241,284(2024)→ 269,156(2025)→ 過去12カ月 278,424(百万円)で増収基調。
- 事業利益:8,712(2024)→ 9,305(2025)百万円。IFRS営業利益率は2025期で約3.5%。
- 親会社株主帰属純利益:2,905(2024)→ 1,249(2025)百万円(原価・人件費上昇、為替差損影響)。
- 収益性指標
- 営業利益率(LTM):3.73%、純利益率(LTM):0.78%。
- キャッシュフロー
- 営業CF:28,808(2025)→ LTM 31,080(百万円)
- フリーCF(LTM):21,810百万円(プラス)。
- 四半期進捗(通期予想対比)
- データなし(半期または累計の具体数値未提示のため)
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率:24.8%(2025)<30%目安
- 流動比率:0.71(直近)<1.0
- D/E(総負債/資本):約217%(直近)
- 現金同等物:601億円、総有利子負債:約1,900億円(直近)
- 金利負担:支払利息 33.4億円(2025)
- コメント:2024/9の資本調達で自己資本は増加したが、流動性・レバレッジ指標は慎重なモニタリングが必要な水準。営業CF・FCFはプラス。
10. 収益性分析
- ROE:2.04%(2025実績)、3.20%(LTM)
- ROA:2.40%(LTM)
- ベンチマーク比較(一般目安:ROE 10%、ROA 5%)
- ROE・ROAはいずれも目安を下回る水準。
- 利益率:営業利益率 3.5%(2025期 IFRS)、3.73%(LTM)
- 推移・改善余地
- 増収に対し、コスト上昇・為替影響で最終利益は伸び悩み。MD効率化・ポートフォリオ再編の効果顕在化がカギ。
11. 市場リスク評価
- ベータ(5年・月次):-0.05(市場連動性は低い数値)
- 52週レンジ:1,601.5〜2,042円、現株価はレンジ下寄り
- リスク要因(短信記載)
- 高関税政策等の通商環境、主要国景気減速(中国等)、欧州・中東の地政学リスク
- 原材料・エネルギー・人件費の上昇、為替変動
12. バリュエーション分析
- 業種平均比
- PER・PBRともに業界平均を上回る水準。
- 目標株価レンジ(参考、業界平均倍率適用)
- PER基準:276〜427円(LTM/会社予想EPSベース)
- PBR基準:1,053〜1,317円(BPS実績/直近四半期ベース)
- 総合
- 現株価1,736円は、PBR基準レンジおよびPER基準レンジを上回る水準に位置。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引
- 信用買残 29.62万株(前週比 -6.28万)、信用売残 92.02万株(前週比 -1.05万)、信用倍率 0.32倍 → 売り長の需給。
- 株主構成
- インサイダー保有比率:約15.49%、機関投資家保有比率:約14.12%。
- 主要株主:日本マスタートラスト信託銀行(信託口)9.43%、サンクロード5.42%ほか。自己株0.14%。
- 大株主の動向
- データなし(直近の増減動向未提示)
14. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当(予想):5円、配当利回り:約0.29%
- 配当性向(LTM):約38.4%
- 自社株買い等
- データなし
- 株式報酬・SO
- データなし
15. 最近のトピックスと材料
- 2024/4:NBaton Company(旧日本銘菓総本舗)をグループ化(商品ライン強化)。
- 2024/6:ソシオフードサービスをグループ化(給食・フードサービス領域補完)。
- 2024/9:新株発行によるM&A待機資金の調達(自己資本強化)。
- 2025/3:アトムのカラオケ事業を譲渡し、レストラン事業へ集中。
- 業績への影響評価
- 事業ポートフォリオの再編・MD強化により中期的な効率性改善を志向。一方、短期的にはコスト上昇・為替影響が利益を圧迫。
16. 総評
- まとめ
- 多ブランド・MD機能を核とするスケールメリットを持つ外食大手。増収基調だが、コスト・為替の逆風で最終利益は抑制。資本増強により財務耐性は改善した一方、流動比率・レバレッジは慎重な水準。
- バリュエーションは業界平均倍率比で高めの位置。需給面は売り長。
- 需要:インバウンド・内需の回復度合い、価格受容性
- コスト:原材料・人件費・エネルギー、為替動向
- 施策:MD効率化、業態再編・不採算是正、M&Aの収益貢献時期
- 財務:FCFの継続、レバレッジ・流動性指標の推移
- SWOT
- 強み:多業態ポートフォリオ、MDによる垂直統合、全国展開
- 弱み:利益率・ROEの低さ、流動比率の低さ、レバレッジの高さ
- 機会:インバウンド・M&A・業態再編の効果、価格・メニューの最適化
- 脅威:コスト高・為替、地政学・景気減速、消費者の節約志向
17. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 理由:増収(LTM+前年比約7.8%)、グループ化・再編を進行。一方で大幅加速の定量データは限定的。
- 収益性:C
- 理由:営業利益率約3〜4%、ROE 2〜3%台、ベンチマーク(ROE10%、ROA5%)を下回る。
- 財務健全性:C
- 理由:自己資本比率24.8%(30%未満)、流動比率0.71、D/E約217%。
- 株価バリュエーション:C
- 理由:PER・PBRとも業界平均を上回る水準。業界平均倍率による理論価格帯を現株価が上回る。
参考データ抜粋
- 売上収益:269,156百万円(2025/3)/LTM 278,424百万円
- 事業利益:9,305百万円(2025/3)
- 親会社株主帰属利益:1,249百万円(2025/3)/LTM 2,182百万円
- 営業CF:28,808百万円(2025/3)/LTM 31,080百万円、FCF(LTM):21,810百万円
- 自己資本比率:24.8%(2025/3)
- 予想(2026/3):売上収益 288,427百万円、事業利益 11,301百万円、親会社株主帰属利益 2,129百万円
- 今後のイベント:決算発表予定 2026-02-06、権利落ち予定 2026-03-30
注:本資料は提供データに基づき作成。未掲載項目は「データなし」とし、推測は行っていません。
企業情報
| 銘柄コード | 7616 |
| 企業名 | コロワイド |
| URL | http://www.colowide.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
現在の指標
| 株価 | 1,736円 |
| EPS(1株利益) | 20.03円 |
| 年間配当 | 0.29円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 8.0% |
| 5年後の想定PER | 15.0倍 |
5年後の予測値
| 予想EPS | 29.43円 |
| 理論株価 | 441円 |
| 累計配当 | 2円 |
| トータル価値 | 443円 |
現在価格での試算リターン
| 試算年率リターン(CAGR) | -23.89% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 220円 | 110円 | × 算出価格を上回る |
| 12% | 252円 | 126円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 275円 | 138円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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