IDEC(証券コード: 6652)企業分析レポート

株価: 2,635円(本日高値 2,654/安値 2,626、前日終値 2,645)
時価総額: 824.5億円 / 発行済株式数: 31,374,485株
市場: 東証プライム(電気機器)

1. 企業情報

  • 事業内容の概要
    • 制御機器専業メーカー。HMI(操作スイッチ・表示灯・プログラマブル表示器)、インダストリアルリレー・電源などのコンポーネント、オートメーション・センシング(PLC、センサ、自動認識)、安全・防爆機器(非常停止、許可スイッチ、防爆対応)をグローバル展開。協働ロボット向けシステムソリューション、太陽光発電の電力管理システムも提供。
    • 連結事業構成(2025/3期 売上構成比): HMI 47%、インダストリアルコンポーネント 17%、オートメーション 13%、安全・防爆 16%、システム 5%、他 2%。海外売上比率 64%。
  • 主力製品・サービスの特徴
    • 産業用操作スイッチ・表示灯で高いプレゼンス。安全規格対応、防爆対応などの高信頼・高付加価値領域を強化。AGV/AMR、ロボティクス、自動車、半導体、食品包装など幅広い設備・装置産業に採用。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 競争優位性・課題
    • 強み: 操作スイッチ・表示灯などHMIの製品レンジと品質、安全・防爆の規格対応ノウハウ、グローバル供給網。
    • 課題: 2024~2025年度は流通・顧客在庫調整の影響で減収・減益。EMEA地域は営業損失計上(2025/3期)。
  • 市場動向と対応
    • 市場は緩やかな回復基調とされる一方、資源価格、為替、米国関税政策、中国不動産市場停滞など不透明感。会社は流通在庫の平準化を進め、主要顧客の受注が回復傾向と説明。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略
    • 新中期計画: 「顧客中心のビジネス構造への転換」「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げ、構造改革を推進。HMI-X(Transformation)による付加価値向上。
  • 具体施策・重点分野
    • 地域別の収益性改善(EMEAの立て直し)、需要変動への供給対応力強化、付加価値製品(安全・防爆、システム提案)の比率向上。
  • 新製品・新サービスの展開
    • データなし(決算短信に個別製品の新規投入の明示記載なし)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル・環境変化適応
    • 産業機器向けコンポーネントは更新・保全需要もあり中長期の安定性が相対的に高い一方で、景気・設備投資サイクルや在庫調整の影響を受けやすい。
  • 売上計上時期の偏り
    • データなし

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性
    • 安全規格・防爆対応など規制適合を要する領域に強み。HMIとオートメーションの組み合わせ、協働ロボット向けソリューションなど応用領域を拡張。
  • 収益牽引製品
    • HMI(操作スイッチ・表示灯)、安全・防爆関連が主要。

6. 株価の評価(バリュエーション指標)

  • 現在値と指標
    • 株価 2,635円
    • 予想EPS(連)116.91円 → 予想PER 約22.5倍(会社公表: 22.48倍)
    • 実績BPS(連)2,220.71円 → PBR 約1.19倍(会社公表: 1.18倍)
  • 業界平均との比較(電気機器)
    • 業界平均PER 24.2倍、PBR 1.6倍
    • 本銘柄のPER・PBRはいずれも業界平均比で低位

7. テクニカル分析

  • トレンドと位置付け
    • 52週高値 2,666円/安値 2,003円。現在値は高値から約1%下の高値圏。
    • 50日移動平均 2,422円、200日移動平均 2,373円。株価は両移動平均を上回る。
  • 出来高・売買代金
    • 本日出来高 1.3万株、売買代金 3,436万円。3カ月平均 18.1万株、直近10日平均 29.8万株に比べると低水準。
  • 年初来レンジ内の位置
    • 年初来高値 2,666円/安値 2,003円に対し、上限近辺。

8. 財務諸表分析

  • 通期推移(連結)
    • 売上高: 83,869百万円(2023/3)→ 72,711(2024/3)→ 67,380(2025/3)→ 過去12か月 68,403
    • 営業利益: 14,061 → 6,276 → 3,652 → 過去12か月 4,714
    • 当期純利益: 10,144 → 4,407 → 1,778 → 過去12か月 2,252
    • 営業利益率: 16.8%(2023)→ 8.6%(2024)→ 5.4%(2025)
  • 収益性指標
    • ROE(実績・連結): 2.76%
    • ROA(過去12か月): 2.83%
  • 地域別(2025/3期)
    • 日本: 売上 26,846、営業益 1,183
    • 米州: 売上 14,152、営業益 1,138
    • EMEA: 売上 14,895、営業損失 559
    • アジア・パシフィック: 売上 11,485、営業益 1,095
  • 四半期進捗(通期予想との比較)
    • データなし(2026/3期の四半期明細未提示)

9. 財務健全性分析

  • 安全性
    • 自己資本比率(連): 58.9%
    • 流動比率: 2.12
    • 総資産 107,216百万円/純資産 63,810百万円(2025/3)
  • 資本構成・負債
    • 総借入金 236.5億円、D/E(簿価ベース)約35.8%
    • 金利負担: 受取利息 12.2億円・支払利息 25.7億円(2025/3期、損益計算書の「利息」行参照)※千円単位表記のため桁換算に注意
  • キャッシュフロー
    • 営業CF 112.5億円(2025/3期)、投資CF -40.97億円、財務CF -29.05億円
    • 過去12か月 営業CF 67.9億円、フリーCF -20.1億円

10. 収益性分析

  • 指標とベンチマーク比較
    • ROE 2.76%(目安10%)→ 目安を下回る
    • ROA 2.83%(目安5%)→ 目安を下回る
    • 営業利益率 5.4%(2025/3期)→ 前年から低下
  • 推移
    • 2023/3をピークに2期連続の減益。2025/3期で底打ちの兆し(会社見通し)だが、実績ベースの収益性は低位。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値
    • 0.28(過去5年、月次)→ 市場感応度は低位。
  • レンジと現在位置
    • 52週レンジ 2,003–2,666円の上限付近。
  • リスク要因(決算短信記載)
    • 米国追加関税、資源価格、為替動向、中国不動産市場の停滞など外部環境。
  • マーケット統計
    • 年間ボラティリティ 32.18%、最大ドローダウン -17.71%、シャープレシオ 0.60。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均との比較
    • PER: 本社約22.5倍 vs 業界平均24.2倍(低位)
    • PBR: 本社約1.18倍 vs 業界平均1.6倍(低位)
  • 目標株価レンジ(機械的試算)
    • PER基準(業種平均PER適用)
    • LTM EPS(約76.4円)× 24.2倍 ≈ 1,850円
    • 会社予想EPS(116.91円)× 24.2倍 ≈ 2,830円
    • PBR基準(業種平均PBR適用)
    • 実績BPS(2,239.68円、直近四半期)× 1.6倍 ≈ 3,583円
  • 総合
    • 現在のマルチプルは業界平均比で低位水準。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引動向(需給)
    • 信用買残 13.06万株(前週比 -1,400株)
    • 信用売残 2.39万株(前週比 -5,100株)
    • 信用倍率 5.46倍(買い長)
  • 株主構成
    • マスタートラスト 17.41%、日本カストディ 10.17%、自己株式 5.88% など。インサイダー保有 4.71%、機関保有 28.03%。
  • 大株主の動向
    • 2025/5/15に自己株式の消却を決議(持分希薄化リスクの低減に資する施策)。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 実績・予想とも年間130円(2024/3、2025/3、2026/3予想)
    • 予想配当利回り 約4.95%(株価2,635円ベース)
  • 配当性向
    • トレーリングPayout Ratio 約170%(データ提供値)
    • 会社予想EPS基準の単純計算: 130円 / 116.91円 ≈ 約111%
  • 自己株式・その他
    • 自己株式の消却を決議(2025/5/15)。株式報酬・SO等: データなし。

15. 最近のトピックスと材料

  • 決算・計画
    • 2025/3期は減収減益(売上 -7.3%、営業利益 -41.8%、純利益 -59.6%)。
    • 2026/3期会社予想: 売上 687億円、営業利益 47.5億円、純利益 34.5億円。
  • 事業構造・ガバナンス
    • 2025/4/1 連結子会社間の吸収合併を実施。
    • 2025/5/15 自己株式の消却を決議。
  • 需給・需要
    • 流通在庫平準化が奏功し主要顧客の受注が回復傾向(短信記載)。

16. 総評

  • まとめ
    • 製品ポートフォリオはHMI・安全/防爆に強く、海外比率64%のグローバル展開。2025/3期は在庫調整・地域要因(EMEA赤字)で収益性が低下。会社計画は在庫正常化と構造改革により回復を見込む。
    • 財務健全性は自己資本比率58.9%、流動比率2.12と良好。営業CFは改善した一方、直近12か月のフリーCFはマイナス。
    • バリュエーションはPER/PBRとも業界平均比で低位。株価は52週高値圏で、移動平均線上方に位置。
    • 回復計画(2026/3期)達成の実行度(EMEA収益改善、製品ミックス改善)。
    • 受注・在庫の正常化進捗と主要顧客の発注動向。
    • 為替・関税・原材料価格など外部環境の影響度。
    • フリーCFの持続的改善と資本配分(配当継続性、自己株式施策)。
  • SWOT
    • 強み: HMIと安全・防爆の技術・規格対応、グローバル顧客基盤、部材コンポーネントの厚いラインナップ。
    • 弱み: 現状のROE/ROA水準の低さ、EMEAの収益性、在庫調整の影響感応度。
    • 機会: 協働ロボット、AGV/AMR、自動化需要の拡大、顧客中心型への転換での付加価値向上。
    • 脅威: 関税政策・為替・資源価格、欧州景気、中国不動産市場の停滞。

17. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B
    • 理由: 2期連続減収後、2026/3期は増収・増益計画。受注回復の記載あり。一方、過去実績は縮小基調。
  • 収益性: C
    • 理由: 営業利益率5.4%、ROE 2.76%、ROA 2.83%と目安を下回る。
  • 財務健全性: A
    • 理由: 自己資本比率58.9%、流動比率2.12、D/E約36%で良好。現金水準も厚め。
  • 株価バリュエーション: A
    • 理由: PER/PBRが業界平均比で低位。配当利回りは会社予想で約5%。

参考データ
– 価格・レンジ: 52週高値 2,666円/安値 2,003円
– 移動平均: 50日 2,422円/200日 2,373円
– 出来高: 本日 1.3万株、3カ月平均 18.1万株、10日平均 29.8万株
– 信用動向: 信用倍率 5.46倍(買い長)
– Piotroski F-Score: 3/9(B: 普通)
– 次回基準日: 2026/3/30 権利落ち予定(会社予定)

注記
– 本資料は開示データ・決算短信記載事項に基づく客観的整理です。投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的としません。
– データが公表値間で不整合のある箇所は、決算短信・損益計算書等の一次情報を優先して記載しています。


企業情報

銘柄コード 6652
企業名 IDEC
URL https://jp.idec.com/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

現在の指標

株価 2,635円
EPS(1株利益) 116.91円
年間配当 4.95円

予測の前提条件

予想EPS成長率 5.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

予想EPS 149.21円
理論株価 2,238円
累計配当 29円
トータル価値 2,267円

現在価格での試算リターン

試算年率リターン(CAGR) -2.96% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 1,127円 564円 × 算出価格を上回る
12% 1,286円 643円 × 算出価格を上回る
10% 1,408円 704円 × 算出価格を上回る

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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