決算説明：ユキグニファクトリー（1375）

（追加）「2026年3月期第２四半期決算説明資料」の一部追加について

エグゼクティブサマリー

• 経営陣のメッセージ: IFRS（第41号「農業」）適用による公正価値変動が第2四半期の営業利益を大きく押し下げているが、公正価値変動を除いたコアEBITDAは前年同期比10.3%減にとどまり、事業は堅調に推移している点を投資家により深く理解してほしい、という説明を追加した。
• 業績ハイライト: IFRS第41号適用による公正価値評価の損益インパクトは第2四半期累計で△1,110百万円（悪化）；第2四半期単独では約△200百万円で前期差が縮小・改善傾向にある（良化）。コアEBITDAは前年同期比10.3%減（悪化）。
• 戦略の方向性: 公表資料は会計上の評価変動が業績見え方に与える影響を丁寧に説明することに注力しており、投資家向けの情報開示強化を進める姿勢が示されている。
• 注目材料: 決算説明資料の追加（18ページ）で、収益および売上原価における公正価値の内訳をT字勘定で分解・詳細説明した点。公正価値変動の数値的内訳が明示されたことは投資判断に影響する重要な新情報。
• 一言評価: 会計基準適用による業績変動を丁寧に補足した開示で、評価変動と事業実態を切り分けて説明する姿勢が見える。

基本情報

• 企業概要: 会社名 ユキグニファクトリー株式会社（コード：1375、東証プライム市場）、主要事業分野：農業関連（生物資産の保有・製品製造・販売）※IFRS第41号「農業」を適用しているため生物資産関連の会計処理が重要。代表者名：代表取締役社長 湯澤 尚史。
• 説明会情報: 開催日時：資料公表日 2025年11月6日（追加案内文は2025年11月7日付）、説明会形式：資料追加の告知（説明会自体の形式は資料に明記なし）→ –。参加対象：株主・投資家向け公表。
• 説明者: 発表者（問い合わせ）：経営企画本部 IR・広報部長 米山 正芳（資料作成・問合せ窓口）。社長の口頭発言等は資料に明記なし。
• セグメント: セグメント名称と概要：資料内に明確なセグメント一覧は記載なし（ただし「生物資産（収益パート）」と「製品（売上原価パート）」という項目で公正価値の振替を説明しているため、事業は生産（生物資産）と製造/販売（製品）に分解して開示している）。

業績サマリー

• 主要指標:
  • 営業収益: –（資料に金額の総額は記載なし）
  • 営業利益: 営業利益は公正価値変動の影響で前年同期比大幅減少（具体額は資料に総額で未記載）。（悪化）
    いずれも総額の記載がないため省略。
• 予想との比較:
  • サプライズの有無とその内容：業績表面値（営業利益等）が公正価値変動で大きく悪化している点は注目材料だが、開示は説明補完（追加ページ）で会計要因の説明にとどまるため「会計要因による見かけ上の悪化」が主なサプライズ要素。
• 進捗状況:
  • 過去同時期との進捗率比較：コアEBITDAは前年同期比10.3%減（悪化）。営業利益は公正価値変動を受け大幅減（△1,110百万円の累計影響）があるが、第2四半期単独では約△200百万円と前期差が縮小・改善傾向（良化）。
• セグメント別状況: 各セグメントの売上高・収益構成等の詳細数値は資料に総額で記載なし。ただし公正価値影響の分解では「収益パート（生物資産）」と「売上原価パート（製品）」それぞれに公正価値の増減が割り当てられており、累積でNet損益インパクト A＋B＝△1,110百万円となっている。

業績の背景分析

• 業績概要: IFRS第41号「農業」による生物資産の公正価値変動が第2四半期累計で△1,110百万円の損益インパクトを生じさせ、表面的には営業利益が前年対比で大きく悪化。ただし、公正価値変動を除くコアEBITDAの低下幅は10.3%に留まっており、事業実態は相対的に安定していると会社は説明。第2四半期単独のインパクトは約△200百万円で前期比改善。
• 増減要因:
  • 増収/減収の主要因：資料では公正価値評価（生物資産評価額の増減）と期首在庫積み上がりが主因として挙げられている。
  • 増益/減益の主要因：営業利益の減少は主に公正価値変動による評価損益（会計上）によるもので、事業収益力そのものの悪化とは区別される旨を説明。コアEBITDAは10.3%減と実際の事業面での減益も存在（要因詳細は資料別ページで補足）。
• 競争環境: 資料内に競合比較や市場シェアの数値はなし。
• リスク要因: 為替等汎用リスクは明示なしだが、IFRS第41号による公正価値評価の変動（価格変動や在庫水準の影響）が業績・利益変動を大きくするリスクとして明確に存在する。

戦略と施策

• 現在の戦略: 資料の主題は会計上の影響説明だが、投資家向け開示強化により評価変動と事業実態を切り分けて伝える方針が示唆される。事業戦略の詳細（新規事業、海外展開、M&A等）は資料に記載なし（–）。
• 進行中の施策: –（資料に具体的施策の進捗報告はなし）。
• 新たな取り組み: 決算説明資料の追加（18ページ）で公正価値の内訳をT字勘定で分解・開示した点が新たな開示取り組み。

将来予測と見通し

• 業績予想: 次期業績予想（売上高、営業利益、純利益など）：–（資料に数値予想の追記はなし）。
• 予想の前提条件: 公表されている前提としてはIFRS第41号に基づく公正価値評価の計上が継続する点。為替や需要見通し等の具体前提は記載なし。
• 予想の根拠と経営陣の自信度: 会計上の評価変動を分離して事業実態を示すことで説明責任を果たす姿勢を示しており、コアEBITDAなどの補足指標を用いて業績根拠を提示しているが、経営陣の定量的な自信表明は資料に記載なし。
• 予想修正: 通期予想の修正有無：資料上の言及なし（–）。
• 中長期計画: 中期経営計画の進捗状況と目標達成の可能性：–（言及なし）。
• 予想の信頼性: 過去の予想達成傾向に関する言及は資料になし。
• マクロ経済の影響: 公正価値評価は市場価格等に影響されうるため、需給・価格変動が業績に反映される可能性がある点は留意すべき。

配当と株主還元

• 配当方針: 資料に記載なし（–）。
• 特別配当: なし記載（–）。

製品やサービス

• 製品: 資料中では「製品（売上原価パート）」という区分はあるが、主要製品名や新製品の紹介はなし（–）。
• 成長ドライバー: 資料では明確な成長ドライバーの記載はなく、公正価値評価の変動を除いた事業の堅調さ（コアEBITDA）を成長の基礎とみなす説明にとどまる。

Q&Aハイライト

• 注目の質問と回答: Q&Aセッションの記録は資料に含まれていない（–）。
• 経営陣の姿勢: 会計上の要因を丁寧に説明する姿勢、投資家理解を重視する姿勢が窺える。
• 未回答事項: 具体的な業績の総額、通期見通しの修正有無、配当・株主還元方針などは明示されておらず未回答。
• ポジティブ要因:
  • 公正価値変動を除くコアEBITDAが前年同期比10.3%減に留まり、事業実態は相対的に安定している点（良い）。
  • 追加開示により会計要因の透明性が向上した点（良い）。
• ネガティブ要因:
  • IFRS第41号適用による公正価値評価の変動が営業利益等の表面数値を大きく揺らす点（悪い）。第2四半期累計影響△1,110百万円。
  • 第2四半期単独では改善しているものの、短期的な業績判定が難しくなる点（悪い）。
• 不確実性: 公正価値評価は市場価格や在庫水準等の変動に左右されるため、業績の見通しに不確実性がある。コア業績と会計評価の切り分けが今後も重要。
• 注目すべきカタリスト: 公正価値の期末評価発表、通期予想の有無・修正、追加の業績説明（コア指標の詳細開示）、市場価格の動向（生物資産に関連する価格）。

重要な注記

• 会計方針: 国際会計基準（IFRS）を適用、かつIFRS第41号「農業」を適用しているため生物資産の公正価値変動が損益に直接反映される会計処理を行っている。
• リスク要因: 公正価値評価の変動が業績に与える影響（価格変動、在庫水準の変化等）。
• その他: 2026年3月期第2四半期 決算説明資料（追加ページ18ページ）は同社IRページに掲載済み（https://www.yukiguni-factory.co.jp/ir/library/presentations/）。

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