2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社予想との比較は第1四半期単独で公表された「会社予想との達成率」はないが、通期・中間予想を本日修正(公表)しており、業績は概ね想定どおりの増益。直近発表で配当予想の修正(第2四半期(中間)配当を45円→55円に増額)あり(上振れ寄与)。
- 業績の方向性:増収増益(売上高44,015百万円、前年同期比+0.2%、営業利益3,539百万円、同+13.4%、親会社株主に帰属する四半期純利益2,507百万円、同+16.3%)。
- 注目すべき変化:耐火物事業は実力ベースで増収だが円高の影響で円換算売上は前年同期比△1.6%(売上高37,551百万円)。ファーネス事業・セラミックス事業で受注回復・工事増加により大幅増益。
- 今後の見通し:通期業績予想を修正公表(通期売上180,000百万円、営業利益15,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15,500百万円)。さらに2025年7月に不動産資産を譲渡、2026年3月期第2四半期に約7,555百万円の固定資産売却益を特別利益で計上見込み(単発で第2四半期に大幅な利益押上げ)。
- 投資家への示唆:耐火物の価格転嫁とインド拡販で基礎的収益力は回復。為替(円高)や粗鋼生産量の変動、原料市況が短期的な業績変動要因。第2四半期に特別利益計上が予定されており、通期進捗はQ2の特別利益に依存している点に留意。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:黒崎播磨株式会社
- 主要事業分野:耐火物事業(製鉄向け耐火材の製造・販売)、ファーネス事業(炉の設計・工事・整備)、セラミックス事業(電子部品向け材料等)、不動産事業
- 代表者名:代表取締役社長 江川 和宏
- URL:https://www.krosaki.co.jp/
- 報告概要:
- 提出日:2025年7月29日
- 対象会計期間:2026年3月期 第1四半期(2025年4月1日~2025年6月30日、連結)
- 決算説明資料:有、決算説明会:無
- セグメント:
- 耐火物事業:製鉄所向け耐火材の製造販売(主要セグメント)
- ファーネス事業:炉関連の工事・整備
- セラミックス事業:電子部品向け材料等
- 不動産事業:保有不動産の賃貸等
- (注)前期に石灰事業を撤退し「その他」セグメントを廃止
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(自己株式含む):36,458,112株(2026年3月期1Q)
- 期中平均株式数(四半期累計):33,676,801株(当第1Q)
- 時価総額:–(資料に記載なし)
- 今後の予定:
- 決算発表:本第1四半期発表(2025/7/29)→通期見通し修正公表済
- IRイベント:決算補足資料あり。決算説明会は開催なし。
決算サプライズ分析
- 予想vs実績(会社予想との達成率は四半期単独の会社予想提示は無し。ただし通期予想は修正公表あり)
- 売上高:44,015百万円(前年同期比+0.2%)
- 営業利益:3,539百万円(前年同期比+13.4%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:2,507百万円(前年同期比+16.3%)
- サプライズの要因:
- 上振れ要因:耐火物での販売価格転嫁、インド事業の拡大、ファーネスの工事増、セラミックスの受注回復。第2四半期に予定している不動産売却に伴う特別利益(約7,555百万円)が今後の業績(Q2)を大きく押し上げる見込み。
- 下振れ要因:円高に伴う海外売上の円換算減少(耐火物の売上にマイナス影響)。国内粗鋼生産量減少(前年同期比▲5.1%)が需要面でのリスク。
- 通期への影響:
- 会社は通期見通しを修正して公表(通期営業利益15,000百万円、当期純利益15,500百万円)。第1四半期進捗だけではなく、第2四半期の不動産売却益が通期達成に寄与するため、通期達成可能性はQ2の特別益計上が鍵。為替・粗鋼生産量・原料市況次第で予想は変動しやすい旨を会社も注意喚起。
財務指標
- 財務諸表の要点(当第1Q末:2025年6月30日、単位:百万円)
- 総資産:187,393(前期末187,058、前期末比+335)
- 純資産:100,618(前期末101,640、前期末比▲1,021)
- 自己資本比率:50.2%(前期末50.8%)→ 安定水準(目安40%以上)
- 流動資産:126,982、流動負債:61,975 → 流動比率:約204.9%(流動資産/流動負債、十分)
- 有利子負債の状況:短期借入金が7,905→11,038に増加、長期借入金は18,833→17,781へ減少
- 収益性(第1四半期累計)
- 売上高:44,015百万円(前年同期比+0.2%、前期同四半期43,939百万円、変動+75百万円)
- 売上総利益:9,206百万円(同+8.1%)、売上総利益率:20.9%(前年同期比+1.5ポイント) → 改善(好材料)
- 営業利益:3,539百万円(同+13.4%)、営業利益率:8.0%(前年同期比+0.9ポイント) → 収益性改善(好材料)
- 経常利益:3,908百万円(同+9.7%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:2,507百万円(同+16.3%)
- 1株当たり四半期純利益(EPS):74.46円(前年同期64.03円、+16.3%)
- 進捗率分析(通期予想に対する進捗)
- 通期売上予想:180,000百万円に対する進捗率:44,015 / 180,000 = 24.45% → 通常の第1四半期比率(概ね25%弱、並み)
- 通期営業利益予想:15,000百万円に対する進捗率:3,539 / 15,000 = 23.59%
- 通期当期純利益予想:15,500百万円に対する進捗率:2,507 / 15,500 = 16.17%(低め、ただし第2Qに特別利益計上見込みのため今期は偏った進捗)
- 過去同期間との比較:売上・営業利益は前年同期とほぼ同等~上回る進捗、純利益は前年同期より上回るが通期に対する進捗は第2Q特別利益で大きく変わる見込み
- 財務安全性
- 自己資本比率:50.2%(安定水準)
- 負債合計:86,774百万円(総資産に対する比率約46.3%)
- 流動比率:約205%(流動性良好)
- 効率性
- 減価償却費(第1Q累計):1,109百万円(前年1,018百万円)
- 総資産に対する売上高回転等の詳細指標は資料に明示なし(総資産回転率等:–)
- セグメント別の利益貢献(第1Q)
- 耐火物事業:売上37,551百万円(前年同期比▲1.6%)、セグメント利益2,894百万円(前年同期ほぼ横ばい)
- ファーネス事業:売上4,242百万円(+20.2%)、セグメント利益398百万円(+751.3%)
- セラミックス事業:売上2,036百万円(+13.6%)、セグメント利益101百万円(+302.9%)
- 不動産事業:売上184百万円(横ばい)、セグメント利益151百万円(+1.1%)
- 財務の解説:
- 売上総利益率・営業利益率ともに改善。耐火物の原料・エネルギーコスト上昇分を販売価格へ転嫁した効果が出ている。為替(円高)は売上にマイナスの影響を与えているが、価格転嫁やインドでの拡販が実力を下支え。流動性は良好だが短期借入金の増加に注意。
配当
- 配当実績と予想:
- 2025年3月期(通期実績):中間45.00円、期末60.00円、年間105.00円
- 2026年3月期(会社予想・修正):中間55.00円(修正あり)、期末60.00円、年間115.00円
- 中間配当の増額は株主還元強化を示唆
- 配当利回り:–(株価情報が資料にないため算出不可)
- 配当性向:–(通期予想ベースで計算可だが資料に明示なし/参考計算必要)
- 特別配当:無し
- 株主還元方針:自社株買いの記載なし。配当予想の修正あり(中間増額)。
セグメント別情報
- 耐火物事業:
- 売上高:37,551百万円(前年同期比▲1.6%)
- 営業利益:2,894百万円(前年同期ほぼ横ばい)
- 備考:原料・エネルギー価格の上昇分を販売価格へ転嫁。円高の影響で円換算売上は減少。インドでの拡販は進展。
- ファーネス事業:
- 売上高:4,242百万円(同+20.2%)
- 営業利益:398百万円(同+751.3%)
- 備考:整備単価の上方改定や工事案件増で利益大幅改善。
- セラミックス事業:
- 売上高:2,036百万円(同+13.6%)
- 営業利益:101百万円(同+302.9%)
- 備考:電子部品向け材料の受注回復が寄与。
- 不動産事業:
- 売上高:184百万円(横ばい)、営業利益:151百万円(同+1.1%)
- 備考:保有不動産の売却(大阪・泉佐野の商業施設)による第2四半期の特別利益計上見込み(約7,555百万円)。ただし売却に伴い不動産事業の売上・営業利益は通期で減少見込み。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画(2025見直し経営計画)との整合性:
- インド事業拡大や価格転嫁等の施策が成果をあげ、耐火物の実力ベースでの増収や収益改善に寄与している点は中期計画と整合。
- ただし、粗鋼生産量の低迷・為替影響が外部リスクとして存在し、計画達成は外部環境に依存。
- KPI達成状況:特定KPIの数値記載なし → 進捗は定性的(インド拡販、価格転嫁の実施)に留まる。
競合状況や市場動向
- 市場動向:
- 国内粗鋼生産量が前年同期比▲5.1%、世界粗鋼生産量も前年同期比▲2.2%で需要側は弱含み。
- 中国の過剰生産・低価格輸出が市場価格圧力となる可能性。
- 競合他社との比較:資料に同業他社比較の数値は記載なし。耐火材料業界は粗鋼生産動向や原料市況に左右される構造で、価格転嫁力と海外展開(インド等)が競争力の鍵。
今後の見通し
- 業績予想:
- 第2四半期累計(通期累計ではない第1中間期):売上89,000百万円(+1.0%)、営業利益7,000百万円(+11.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益10,200百万円(+145.0%)
- 通期:売上180,000百万円(+1.2%)、営業利益15,000百万円(+6.5%)、経常利益15,000百万円(△2.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益15,500百万円(+23.6%)
- 前提条件:粗鋼生産量・耐火原料市況・為替変動が主要前提要因。第2Qに計上予定の不動産売却益(約7,555百万円)を織り込んでいる。
- 予想の信頼性:
- 第2Q特別利益が通期業績を左右するため、通期達成の可否は特別利益計上の確定・タイミングに依存。会社は粗鋼生産量変動等で業績予想が大きく変動し得る旨を明示。
- リスク要因:
- 為替変動(円高は海外売上の円換算でマイナス)
- 粗鋼生産量のさらなる減少(需要減)
- 耐火物原料価格・エネルギー価格の変動
- 中国の鋼材過剰供給と低価格輸出による競争激化
重要な注記
- 会計方針の変更:無し
- 連結範囲の変更:無し
- 四半期連結キャッシュ・フロー計算書:当第1四半期累計期間分は作成していない(但し減価償却費は開示:1,109百万円)
- 重要な後発事象:
- 2025年7月1日付で大阪府泉佐野市の商業施設(土地・建物、帳簿価格624百万円)を信託設定の上で信託受益権を譲渡。譲渡価格は非公表(守秘義務)。この譲渡により2026年3月期第2四半期に約7,555百万円の固定資産売却益を特別利益として計上する見込み。一方で不動産事業の通期売上・営業利益は減少見込み。
- その他重要事項:業績予想・配当予想は修正あり(本決算短信および別紙「業績予想及び配当予想に関するお知らせ」を参照)。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 5352 |
| 企業名 | 黒崎播磨 |
| URL | http://www.krosaki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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