決算説明：中部飼料（2053）

2026年３月期上期 決算説明資料

エグゼクティブサマリー

• 経営陣のメッセージ: 原料ポジション改善や水産飼料の利益改善等により上期は増益を確保。通期計画の達成を目指すとともに配当（年間60円）と自社株取得による株主還元を継続。
• 業績ハイライト: 売上高は102,991百万円（前年同期比△0.4%）と横ばい、営業利益は2,414百万円（前年同期比＋10.4%）と増益、経常利益2,725百万円（＋12.1%）、当期純利益2,082百万円（＋15.4%）。
• 戦略の方向性: 差別化飼料や環境配慮飼料の拡販、原料配合等による原価低減、海外／製品別の販売強化を継続。ESG（温室効果ガス削減）の中長期目標も提示。
• 注目材料: 年間配当60円の維持（中間30円・期末30円）、上限115万株・15億円の自社株取得を実施中（上期累計45万株/7.4億円）。原料市況と為替の改善による原料ポジションの改善（上期で約3.7億円の利益押上げ）。
• 一言評価: 原料ポジション改善とセグメント別の寄与で上期は増益着地。通期は原料相場・為替・需要動向に依存するため下期の回復が鍵。

基本情報

• 説明会情報: 開催日 2025年10月31日（資料日付）。形式: 資料（説明会スライド）／想定は投資家向け。参加対象: 個人投資家・機関投資家等（資料に明記）。
• 説明者: 発表資料中心のため具体の発表者名・役職は資料に明記なし → 発言概要：上期決算レビュー、事業環境、セグメント別状況、通期見通し、株主還元、ESG施策について説明。
• 報告期間: 対象は2026年3月期 上期（26.3上期）。報告書提出予定日: –。配当支払開始予定日: 中間配当は既決議（30円/株）、期末配当予定30円（年間60円）。
• セグメント:
  • 飼料（主力）: 畜産飼料・水産飼料、差別化飼料の開発・販売
  • その他セグメント: 鶏卵販売、畜産用機器、肥料、保険代理等

業績サマリー

• 主要指標（単位：百万円）
  • 売上高: 102,991（前年同期 103,445 → 前年同期比 △0.4%）
  • 営業利益: 2,414（前年同期 2,186 → 前年同期比 ＋10.4%）、営業利益率 約2.35%（良い目安：上昇）
  • 経常利益: 2,725（前年同期 2,431 → 前年同期比 ＋12.1%）
  • 当期純利益: 2,082（前年同期 1,805 → 前年同期比 ＋15.4%）
• 予想との比較
  • 会社通期予想（計画）に対する上期進捗率:
  • 売上高進捗 48.6%（計画212,000に対して102,991） → やや遅れ（50%未満は下期寄与が必要）
  • 営業利益進捗 46.4%（計画5,200に対して2,414） → 進捗低め（下期回復が必要）
  • 当期純利益進捗 50.8%（計画4,100に対して2,082） → 概ね計画ペース
  • サプライズの有無: 大きな予想修正や非継続項目の記載なし → サプライズは特になし
• 進捗状況
  • 通期予想に対する上期進捗（売上48.6%、営業利益46.4%、純利益50.8%）→ 売上・営業利益はやや遅れ、純利益はほぼ計画通り（良/悪の目安：進捗50%が目安）。
  • 中期経営計画・年度目標との達成率: 資料上は通期計画ベースでの進捗のみ提示 → 中期計画に対する詳細進捗は明記なし（→ –）。
  • 過去同時期との比較: 売上はほぼ横ばい（△0.4%）、利益面は増益（営業利益＋10.4%等、良好）。
• セグメント別状況（上期実績、金額は百万円表記のものを抜粋）
  • セグメント利益合計: 2,949（前年同期 2,609 → ＋13.0%）、進捗50.4%
  • 飼料セグメント利益: 2,528（前年同期 2,147 → ＋17.7%）、進捗48.6%（主力セグメントで増益）
  • その他セグメント利益: 484（前年同期 612 → △20.8%）、進捗51.0%（一部事業で圧縮）

業績の背景分析

• 業績概要: 原料ポジション改善（為替・原料市況等の影響）、水産飼料の利益増、畜産飼料販売量の増加により営業利益増。差別化飼料比率低下が一部利幅を圧迫。
• 増減要因:
  • 増収/減収の主因: 総売上は横ばいだが、畜産飼料の販売量増（上期で前年同期比約102.9%）が補助。とうもろこし等の国際市況と円高の影響で原料コストや販売価格に影響あり。
  • 増益/減益の主因: 原料ポジション改善で＋3.7億円、養殖（水産）飼料で＋2.2億円、畜産飼料販売量増で＋2.0億円。一方、基金負担金等の増加で△1.1億円、固定費増で△1.7億円、差別化飼料比率低下で△0.6億円（営業増減要因スライド要約）。
• リスク要因: 原料相場（とうもろこし、魚粉、大豆）、為替変動（円高/円安）、畜産・水産需給の変動、鳥インフルエンザ等動物疾病、補助金・基金制度の変化、運輸費上昇。

戦略と施策

• 現在の戦略: 差別化飼料の提案営業強化、環境配慮（アニマルウェルフェア対応）飼料の拡充、原料配合最適化による原価改善、持続可能性（GHG削減）目標の追求。
• 進行中の施策: 原料ポジション管理の改善（上期で効果）、水産用・養殖用の製品投入と販売強化、工場老朽化対策等の設備投資（ただし上期は投資進捗低め）。
• セグメント別施策:
  • 畜産飼料: ブロイラー・養豚向けの差別化提案強化、販売量増で利益貢献。
  • 水産飼料: 新製品提案と品質改善で販売量・利益改善。
  • その他: 鶏卵販売等は販売好調もあり計画達成ベース。
• 新たな取り組み: ESG関連—温室効果ガス排出量削減目標（31.3期までに21.3期比で30%削減目標）や設備での省エネ・再エネ導入等を掲示。

将来予測と見通し

• 業績予想（通期・会社計画、単位：百万円）
  • 売上高 212,000（通期計画）
  • 営業利益 5,200（通期計画）
  • 経常利益 5,600（通期計画）
  • 当期純利益 4,100（通期計画）
  • 経営陣の自信度: 「通期計画の達成を目指す」と明確に表明。ただし売上・営業利益の進捗は下期回復が必要との認識。
• 予想修正: 上期時点で通期予想の修正は無し（計画据え置き）。
• マクロ経済の影響: 為替（円高/円安）、国際とうもろこし・魚粉・大豆等原料価格、海上運賃、国内畜産・水産の需給動向が業績に直接影響。

配当と株主還元

• 配当方針: 安定配当と株主還元継続（DOE等の開示あり）。配当継続の姿勢を明示。
• 配当実績:
  • 中間配当: 30円/株（決議済）
  • 期末配当: 30円/株（予定）
  • 年間配当: 60円/株（DOE 2.7%）
  • 前年比較: 維持（前年も同水準の公表）→ 増配/減配ではない（維持は「中立～良い」）
• 特別配当: なし（資料に記載なし）
• その他株主還元: 自社株買い（上限115万株／15億円）を実施中。上期累計 45万株／7.4億円（2025年9月30日時点）。

製品やサービス

• 製品: 主力は畜産用配合飼料（水産用含む）および差別化飼料（環境配慮・付加価値型）。新製品や改良品は各所で販売強化中（例：養豚・ブロイラー向け、ウナギ・ハマチ等水産向け）。
• 成長ドライバー: 差別化飼料（付加価値製品）、環境配慮飼料、水産向け製品強化、原料コストの管理による利幅改善。

Q&Aハイライト

• 経営陣の姿勢: 通期計画達成に向け下期の回復施策を重視するスタンス（資料の「通期計画の達成を目指す」から読み取れる）。
• ポジティブ要因:
  • 原料ポジション改善による上期の利益押上げ（上期で約3.7億円の寄与と公表）
  • 水産飼料等での収益改善（上期で約2.2億円寄与）
  • 財務の健全性（DEレシオ0.13倍、自己資本比率67.5%）（良い）
  • 株主還元（年間配当60円の維持、自社株買いの継続）
• ネガティブ要因:
  • 通期に対する売上・営業利益の進捗が50%未満であり下期の回復が必要（リスク）
  • 原料市況・為替変動や動物疾病による需要減少リスク（業績変動要因）
• 不確実性:
  • とうもろこし等国際市況、円相場動向、海上運賃の変動が業績に大きく影響（上期も影響あり）
  • 差別化飼料比率の回復可否（上期は比率低下で一部利益圧迫）
• 注目すべきカタリスト:
  • 下期の畜産・水産向け販売量回復（特に飼料販売量）
  • 為替・原料価格の安定化（原料ポジション改善の継続）
  • 自社株買い及び配当の動向（株主還元施策の継続）

重要な注記

• リスク要因: 資料内で原料価格・為替・疾病等が主要リスクとして明記。
• その他: 基金負担金の動向や設備投資の下期実施計画、ESG目標（GHG削減）が業績・投資判断に関係。

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