2026年3月期 第1四半期決算短信日本基準

エグゼクティブサマリー

  • 決算サプライズ:純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益8,992百万円(前年同期比+274.2%)と大幅上振れ。主因は連結子会社SDPグローバルの吸収合併に伴う繰延税金資産の回収可能性検討により税金費用(益)を計上したこと。会社は本日(2025/8/1)通期・第2四半期予想を純利益面で上方修正(通期:8,000→16,000百万円等)。したがって「上振れ(主に税務要因)」。
  • 業績の方向性:売上高は減収(31,987百万円、△19.3%)・営業利益も減益(1,858百万円、△14.9%)。営業ベースは減収減益だが、税効果で当期純利益が大幅増。
  • 注目すべき変化:繰延税金資産の計上(繰延税金資産が258→4,956百万円に増加)およびSDPグローバルの吸収合併による会計影響が最大の特徴。高吸水性樹脂事業からの撤退により生活・健康セグメントの売上が大幅減少(△60.2%)。
  • 今後の見通し:売上・営業利益の会社予想(通期売上130,000百万円、営業利益10,000百万円)は修正なし。純利益のみ税効果反映で通期予想を上方修正(8,000→16,000百万円)。通期達成可能性は税効果が一時的要因である点を踏まえ慎重に見る必要あり。
  • 投資家への示唆:今回の profit jump は本業改善ではなく税務会計処理によるもの。売上・営業利益のトレンド(中国製品の流入等で価格競争激化)は依然課題。中長期では高付加価値事業への転換や生産設備改革の進捗が注目点。

基本情報

  • 企業概要:
    • 企業名:三洋化成工業株式会社
    • 主要事業分野:化学製品(高吸水性樹脂、潤滑油添加剤、ポリウレタン原料、各種工業薬剤・機能材料 等)を産業別に提供(生活・健康、石油・輸送機、プラスチック・繊維、情報・電気電子、環境・住設等)
    • 代表者名:代表取締役社長 樋口 章憲
  • 報告概要:
    • 提出日:2025年8月1日
    • 対象会計期間:2026年3月期 第1四半期(2025年4月1日~2025年6月30日、連結)
    • 決算説明資料作成:無、決算説明会:無
  • セグメント(報告セグメント):
    • 生活・健康産業関連分野:高吸水性樹脂等(撤退影響で売上急減)
    • 石油・輸送機産業関連分野:潤滑油添加剤、輸送機向け原料等
    • プラスチック・繊維産業関連分野:添加剤、薬剤等
    • 情報・電気電子産業関連分野:トナー用/半導体関連材料等
    • 環境・住設産業関連分野 他:凝集剤、住設向け原料等
  • 発行済株式:
    • 期末発行済株式数:23,534,752株(自己株式含む)
    • 期末自己株式数:1,412,712株
    • 期中平均株式数(第1Q):22,122,111株
    • 時価総額:–(資料に記載なし)
  • 今後の予定:
    • 次回決算発表・株主総会等:–(本資料に記載なし)
    • IRイベント:決算説明会は現状開催予定なし

決算サプライズ分析

  • 予想 vs 実績(会社予想は今回発表の修正値を含む。※修正は純利益のみ)
    • 売上高:31,987百万円(前年同期比△19.3%)。通期予想130,000百万円に対する進捗率24.6%(通常ペースに近いが前年同期比は減少)。
    • 営業利益:1,858百万円(前年同期比△14.9%)。通期予想10,000百万円に対する進捗率18.6%(やや低位)。
    • 親会社株主に帰属する四半期純利益:8,992百万円(前年同期比+274.2%)。通期予想(修正後)16,000百万円に対する進捗率56.2%(非常に高い)。
  • サプライズの要因:
    • 主因は税務上の会計処理(SDPグローバル吸収合併に伴う繰延税金資産の回収可能性検討)で、法人税等が「益」計上され四半期純利益を押し上げた点。
    • 営業面では高吸水性樹脂事業からの撤退や中国製品との競合で売上が減少し営業利益は減少。
  • 通期への影響:
    • 売上・営業利益の会社予想は据え置き。純利益は繰延税金資産計上を反映して上方修正(第2四半期・通期ともに純利益を8,000百万円上乗せ)。
    • この純利益の上振れは税効果が主要因のため、一時的な性格を理解しておく必要あり。今後の業績予想修正リスクは、税務見積りの前提変更や本業の回復次第。

財務指標

  • 要点(単位:百万円)
    • 売上高(第1Q):31,987(△7,666、△19.3%)
    • 営業利益:1,858(△324、△14.9%) 営業利益率:1,858/31,987 = 5.8%(前年は約5.5%)
    • 経常利益:2,285(△1,286、△36.0%)
    • 親会社株主に帰属する四半期純利益:8,992(+6,589、+274.2%)
    • 1株当たり四半期純利益(EPS):406.51円(前年108.80円)
  • 財政状態(6/30時点)
    • 総資産:181,206(前期末176,366、+48,400千円)※資料は百万円単位
    • 純資産:146,720(前期末138,302、+84,182千円)
    • 自己資本比率:79.4%(前期76.8%)→ 安定水準(40%以上は一般に安定、79.4%は非常に高い)
    • 繰延税金資産:258 → 4,956百万円(大幅増加)
  • キャッシュフロー(第1Q)
    • 営業CF:+2,935百万円(前年同期+1,947百万円)
    • 投資CF:△1,914百万円(固定資産取得等)
    • 財務CF:△2,114百万円(配当支払い等)
    • 現金及び現金同等物期末:22,852百万円(前期末24,010百万円、△1,158百万円)
  • 進捗率分析(通期予想に対する第1Q進捗)
    • 売上高進捗率:31,987 / 130,000 = 24.6%(ほぼ均等進捗:25%目安に近い)
    • 営業利益進捗率:1,858 / 10,000 = 18.6%(やや遅れ)
    • 純利益進捗率:8,992 / 16,000 = 56.2%(大幅上振れ、一時要因)
    • 過去同期間(前年第1Q)との比較:売上・営業利益は減少、純利益のみ大幅増
  • 財務安全性
    • 自己資本比率:79.4%(非常に高く安定)
    • 負債合計:34,485百万円(総資産に対し低い水準)
    • 流動比率(流動資産84,652 / 流動負債30,441)= 約278%(流動性良好)
  • 効率性
    • ROA(経常利益率ベース、年換算):5.1%(前年7.1%、低下)
    • ROE:9.0%(前年6.9%、上昇。EPS急増の影響)
  • セグメント別(第1Q、金額:百万円・前年同期比は資料記載)
    • 生活・健康:売上 4,313(△60.2%)、営業損失 64(前期は損失32)
    • 石油・輸送機:売上 11,901(△6.9%)、営業利益 1,133(+3.4%)
    • プラスチック・繊維:売上 6,668(△4.6%)、営業利益 563(△17.1%)
    • 情報・電気電子:売上 5,916(+9.0%)、営業利益 640(△4.1%)
    • 環境・住設他:売上 3,188(△12.0%)、営業損失 98(前期は営業利益59)
  • 財務の解説:
    • 売上減の主因は高吸水性樹脂事業からの撤退と、中国安価品との競争。営業利益は減少したが、税務処理で当期純利益が大幅に改善。
    • 資産面では投資有価証券増(30,713→31,891)と繰延税金資産の大幅増が総資産増加に寄与。

配当

  • 配当実績と予想:
    • 2025年3月期実績:中間85円、期末85円、年間170円
    • 2026年3月期予想(変更なし):中間85円、期末85円、年間170円(直近公表配当予想から修正なし)
  • 配当利回り:–(株価情報なしのため算出不可)
  • 配当性向(通期予想ベース):年間配当170円 / 1株当たり当期純利益723.26円(修正後) = 約23.5%(目安:適度)
  • 特別配当:無し
  • 株主還元方針:自社株買い等の記載無し(直近は無し)

セグメント別情報

  • 概要(第1Qの主な点)
    • 生活・健康:高吸水性樹脂事業の撤退で売上・利益が大幅悪化。事業構成の変化が明確。
    • 石油・輸送機:潤滑油添加剤は堅調だが、シート用原料等が海外安価品の影響で減収。利益は微増。
    • プラスチック・繊維:需要の一部回復(永久帯電防止剤等)あるが、塗料用薬剤等が低調で減収・減益。
    • 情報・電気電子:半導体関連の伸長が寄与し増収。一方で一部製品は撤退影響で低調。
    • 環境・住設:需要低迷で売上減、住設向けは海外安価品の影響で大きく低下。
  • セグメント戦略:
    • 高付加価値事業への転換(新中期経営計画2025)と生産設備改革(統廃合・集約)を推進中。各セグメントでは競争力強化とポートフォリオシフトを継続。

中長期計画との整合性

  • 中期経営計画(新中期経営計画2025):
    • 方針は高付加価値事業へのシフト、製造効率化(ものづくり大改革)、生産設備の統廃合など。
  • 進捗状況:
    • 高吸水性樹脂事業撤退など構造改革は実行中。ただし当期は売上減少を伴っており、収益力強化が計画通り進むかは引き続き注視が必要。
  • KPI達成状況:具体KPIは提示無し。ROE改善(年率換算で上昇)はあるが、営業面での改善待ち。

競合状況や市場動向

  • 市場動向:
    • 中国の内需不振と供給過剰により中国製品が日本・アジア市場へ流入、価格競争激化。原材料(ナフサ)価格は下落基調。
    • 為替は円高方向に推移(ドル・元の対円レートが円高に)。
  • 競合他社比較:
    • 同業他社の状況は本資料に記載なし。一般論として、中国供給増加は業界全体の価格圧力を強めるため、差別化(高付加価値製品)戦略が鍵。

今後の見通し

  • 業績予想(会社発表、修正有無)
    • 第2四半期累計(通期の中間):売上 62,000百万円(修正なし)、営業利益 4,500百万円(修正なし)、親会社株主に帰属する中間純利益 11,500百万円(前回3,500→11,500に修正)
    • 通期:売上 130,000百万円(修正なし、前年142,258)、営業利益 10,000百万円(前期8,439→上方)、経常利益 11,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益 16,000百万円(前回8,000→16,000に修正)
    • 修正理由:SDP吸収合併に伴う繰延税金資産の計上等により純利益を上方修正。営業面の想定は据え置き。
  • 予想の信頼性:
    • 純利益の上振れは会計(税務)影響が主であり、本業の収益改善が伴っているわけではない点で「一時的」要素が強い。投資判断上は営業利益動向を重視すべき。
  • リスク要因:
    • 為替変動(円高・円安)、原材料価格、海外(特に中国)からの供給圧力、地政学リスク、税務見積りの変更、主要顧客需要の変動 等。

重要な注記

  • 会計方針:会計方針の変更は無し。ただし四半期連結財務諸表では税金費用の算定に特有の見積り適用がある旨記載(見積実効税率の利用等)。
  • 連結範囲の変更:当第1四半期からSDPグローバル株式会社を吸収合併(完全子会社の吸収合併によりSDPは消滅)。これが繰延税金資産計上等に影響。
  • レビュー:第1四半期の連結財務諸表に対する監査法人レビューは無し。

上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。


企業情報

銘柄コード 4471
企業名 三洋化成工業
URL http://www.sanyo-chemical.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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