以下は、北興化学工業(4992)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
北興化学工業は、農薬事業、ファインケミカル事業、繊維資材事業を柱とする日本の化学メーカーです。特に農薬分野では全農系のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。農薬以外にも、医薬品や農薬の中間体、電子部品材料、有機触媒、樹脂素材など、多岐にわたるファインケミカル製品も手がけており、国内外に事業を展開しています。中国にも有機リン化合物の生産拠点を持っています。 - 主力製品・サービスの特徴
- 農薬事業: 殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤など、主要な作物保護製品を提供。国内の水稲剤・園芸剤や、中南米向け輸出が好調です。
- ファインケミカル事業: 工業用・電子材料、医農薬中間体、機能性高分子原料、ファインセラミックス原料、防腐・防カビ剤などを展開。高付加価値な製品が多く、医農薬関連や電子材料分野で強みを持っています。
- 繊維資材事業: 産業用繊維素材などを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
北興化学工業は「全農系農薬専業大手」と記載されており、国内農薬市場において安定した販売基盤と強力な顧客ネットワークを持っていると推察されます。これは大きな競争優位性です。また、農薬一辺倒ではなく、高付加価値のファインケミカル事業も展開することで、事業ポートフォリオのリスク分散を図っています。
課題としては、農薬事業が気象条件、作況、農作物価格といった自然環境や市場価格の変動に影響を受けやすい点が挙げられます。また、ファインケミカル事業では、樹脂分野の一部で減少が見られるなど、特定分野での競争激化や需要変動のリスクがあります。中国での生産拠点を持つため、地政学リスクや為替変動の影響も受けやすい構造です。 - 市場動向と企業の対応状況
決算短信では、米国通商政策や世界経済の減速リスク、物価上昇による消費下押しリスクといったマクロ経済環境をリスク要因として認識しています。農薬事業では、国内外の需要変化に対応するため、国内の稲作・園芸剤の強化や、中南米向けなどの海外輸出を伸ばすことで成長を追求しています。ファインケミカル事業では、医農薬分野の回復や電子材料の受注増により売上を維持しており、多様な市場ニーズへの対応を進めています。中期経営計画に基づいて生産能力向上等の成長投資を継続しており、需要変動に対応できる体制強化を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
具体的なビジョンは提供データから読み取れませんが、中期経営計画(第2次3ヵ年経営計画)を通じて、「成長投資(生産能力向上)を基盤に、収益構造改革・造り方改革・働き方改革を推進」することを戦略として掲げています。農薬とファインケミカルの「両輪」を重視し、安定的な成長と収益性向上を目指していると考えられます。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- 成長投資: 生産能力の向上に向けた設備投資などを継続しています。
- 収益構造改革: 各事業の収益性を高める取り組みを進めており、特に農薬事業の利益率改善が今回の好業績に寄与しています。
- 造り方改革・働き方改革: 生産性向上や従業員の働きがい向上に向けた改善活動に取り組んでいます。
- 重点分野: 農薬事業(国内外向け)、ファインケミカル事業(工業用・電子材料、医農薬中間体)が中核事業として位置づけられています。
- 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には具体的な新製品・新サービスの名称は記述されていませんが、農薬事業の「国内稲作・園芸剤及び中南米向け輸出の増加」やファインケミカル事業の「医農薬分野の回復や電子材料の受注増」といった記述から、既存製品の市場浸透や改良品、顧客ニーズに応じた製品提供が収益に貢献していると推察されます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
北興化学工業の収益モデルは、農薬事業とファインケミカル事業の2つの柱に支えられています。農薬事業は農業生産に不可欠であり、食料需要の増加とともに安定した需要が見込めます。ファインケミカル事業は医薬品、電子材料といった成長分野のニーズに対応しており、景気変動の影響を受けにくい特性を持つものもあります。ポートフォリオの多角化により、特定の市場に依存するリスクを軽減しています。市場ニーズの変化に対しては、生産能力の向上や研究開発への継続的な投資を通じて、対応力を高めようとしていると推察されます。 - 売上計上時期の偏りとその影響
農薬事業は季節性が高く、特定の時期に売上が集中する可能性があります。特に国内農業の作付け時期や気候条件によって需要が変動するため、通期の業績見通しには常に不確実性が伴います。この偏りをファインケミカル事業で補完し、年間を通じた安定的な収益確保を目指していると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
技術開発の具体的な動向や独自性についての詳細な記述は、提供データからは確認できません。しかし、化学メーカーとして、農薬の有効成分開発やファインケミカル製品の合成技術などにおいて、独自の知見やノウハウを蓄積していると推察されます。 - 収益を牽引している製品やサービス
決算短信のセグメント情報によると、農薬事業が最も売上貢献度が高く、特にその利益率改善が全体の業績を牽引しています。ファインケミカル事業も売上・利益ともに重要な位置を占めており、医農薬分野や電子材料分野が主力と見られます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在の株価: 1,593.0円
- 会社予想EPS: 146.28円
- 実績BPS: 2,024.98円
現在の株価はEPSの約10.9倍、BPSの約0.79倍で取引されています。
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 15.9倍
- 会社予想PER: 10.89倍
- 業界平均PBR: 0.7倍
- 実績PBR: 0.79倍
会社のPERは業界平均PER(15.9倍)と比較して10.89倍と割安水準にあります。
会社のPBRは業界平均PBR(0.7倍)と比較して0.79倍とやや割高水準にあります。
PERの割安感が目立ちますが、PBRは業界平均をわずかに上回っています。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は1560円から1639円のレンジで推移し、現在の株価1593円はレンジの中央付近に位置しています。 - 年初来高値・安値との位置関係
- 年初来高値: 1,755円
- 年初来安値: 1,000円
現在の株価1593円は、年初来高値(1,755円)からは約9.2%低い水準であり、年初来安値(1,000円)からは約59.3%高い水準にあります。レンジで見ると、高値圏にやや近い、強気相場の中での調整局面にあると言えます。
50日移動平均線: 1637.36円、200日移動平均線: 1447.67円。現在の株価は50日移動平均線を下回り、200日移動平均線を上回っており、短期下落トレンド中の可能性がありますが、長期的な上昇トレンドは維持されているように見えます。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度
出来高および売買代金は「—」と記載されており、データがありません。補足情報として、提供された「Avg Vol (3 month): 61.54k」「Avg Vol (10 day): 38.63k」を見ると、直近10日間の平均出来高が3ヶ月平均よりも減少しており、市場の関心度が一時的に低下している可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 過去5年間で40,121百万円(2021年)から47,923百万円(過去12か月)へと着実に増加傾向にあります。特に2024年11月期(会社予想)も増収を見込んでいます。
- 営業利益: 2,865百万円(2021年)から4,795百万円(過去12か月)と大幅に改善しています。第3四半期累計では既に通期予想(4,750百万円)を超過しており、収益力の改善が顕著です。
- 純利益: 2,927百万円(2021年)から4,129百万円(過去12か月)と、こちらも順調に増加しています。第3四半期累計でも通期予想(3,850百万円)を上回る進捗です。
- ROE (過去12か月): 8.66%
- ROA (過去12か月): 4.18%
ROEとROAはベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)には若干届かないものの、一定の収益性は確保しています。
- 過去数年分の傾向を比較
過去5年間で売上高、営業利益、純利益は増益傾向にあります。特に2021年以降、業績が大きく改善しており、事業構造改革や市場環境の変化にうまく対応していることが伺えます。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2025年11月期第3四半期累計では、売上高は通期予想の87.5%の進捗ですが、営業利益は102.0%、純利益は107.2%と、既に通期予想を上回って推移しています。これは非常に好調な進捗であり、通期での業績予想達成は堅いと見られます。会社が業績予想を修正していないのは、保守的な姿勢、または4Qでの一時的な変動要因を考慮している可能性があります。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率 (実績): 70.7% (2025年8月31日時点では68.3%)。非常に高い水準であり、財務基盤が極めて安定していることを示します。
- 流動比率 (直近四半期): 2.70 (270%)。流動負債に対する流動資産の比率が高く、短期的な支払い能力に全く問題ありません。
- 負債比率 (Total Debt/Equity): 1.90%。非常に負債が少なく、健全性が高いことを示しています。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率が非常に高く、流動比率も優良水準であることから、財務安全性は極めて高いと評価できます。手元現金も9,740百万円と豊富であり、資金繰りにも余裕があると見られます。 - 借入金の動向と金利負担
Total Debt (直近四半期): 1B (10億円) と非常に少ないです。借入金が少なく、金利負担も限定的であるため、金利上昇局面においても財務への影響は小さいと考えられます。ネットキャッシュは正の数であり、実質無借金経営に近い状態です。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE (過去12か月): 8.66%
- ROA (過去12か月): 4.18%
- 営業利益率 (過去12か月): 10.90%
- 粗利率 (過去12か月): Gross Profit 12,359百万円 / Total Revenue 47,923百万円 = 25.79%
営業利益率10.90%は化学メーカーとしては良好な水準です。粗利率も25.79%と健全です。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE (8.66%) は一般的な優良企業のベンチマークである10%にやや届かない水準です。ROA (4.18%) も5%ベンチマークを下回っています。これは、高い自己資本比率と潤沢な総資産に対して、利益額が相対的にそこまで大きくないことに起因している可能性があります。 - 収益性の推移と改善余地
前述の通り、営業利益率、純利益率は過去数年で着実に改善傾向にあります。特に農薬事業の利益率改善が顕著であり、今後もこの傾向が続けばROE/ROAも改善する可能性があります。ただし、潤沢な現預金や投資有価証券の活用方法や、さらなる効率化がROE/ROA向上の余地として考えられます。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
- Beta (5Y Monthly): 0.36
ベータ値0.36は非常に低い水準であり、市場全体の変動に対する株価の感応度が低い、すなわち安定性が高いことを示しています。景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。
- Beta (5Y Monthly): 0.36
- 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値: 1,755.00円
- 52週安値: 1,000.00円
現在の株価1593円は、52週高値から約9%低い位置にあり、安値からは約59%高い位置にあります。レンジの上方寄りで推移しています。
- 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
- 外部環境: 米国の通商政策、世界経済減速リスク、物価上昇の継続による消費への下押しリスク。
- 為替: 為替変動(為替差損計上実績あり)。海外事業を展開しているため、円高は業績にマイナス影響を与える可能性があります。
- 原材料価格: 原材料価格の変動はコストに影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。
- 地政学: 中国に生産拠点があるため、地政学リスクの影響を受ける可能性があります。
- その他: 気象条件、作況、農作物価格といった農薬事業固有の需要変動リスク。金融市場の変動(投資有価証券の評価に影響)。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- 現在PER(会社予想): 10.89倍 vs 業種平均PER: 15.9倍(割安)
- 現在PBR(実績): 0.79倍 vs 業種平均PBR: 0.7倍(やや割高)
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- 目標株価(業種平均PER基準): 2,472円 (PER基準では現在の株価1,593円よりも+55.2%のアップサイド)
- 目標株価(業種平均PBR基準): 1,417円 (PBR基準では現在の株価1,593円よりも-11.1%のダウンサイド)
- 割安・割高の総合判断
PER基準では大幅な割安感がありますが、PBR基準ではやや割高と判断されます。北興化学工業は高い自己資本比率を持つ一方でROEが業界平均をやや下回るため、PBRが業界平均より高くなる傾向があるのかもしれません。
しかし、第3四半期累計の利益進捗が通期予想を既に超過していることを考慮すると、会社予想EPSは保守的である可能性があり、実質的なPERはさらに低い(割安)と評価できるかもしれません。総合的には、PERの割安感が強く、PBRは平均並みかやや高めですが、業績の好調な進捗を考慮すると、現在の株価は割安なレンジにある可能性が高いと判断されます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 56,200株 (前週比 +4,600株)
- 信用売残: 8,400株 (前週比 -3,400株)
- 信用倍率: 6.69倍
信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率も6倍超と高めです。これは、将来の値上がりを期待する買い方が多い一方で、売り方が少なく、需給面ではやや買い圧力が高い状況を示しています。信用買残の増加は、今後の株価上昇余地を圧迫する可能性もあります。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
- 日本マスタートラスト信託銀行 (信託口): 11.13%
- 自社(自己株口): 7.61%
- 野村殖産: 7.38%
- 住友化学: 6.91%
- りそな銀行: 4.61%
- 日本カストディ銀行 (信託口): 4.5%
- 自社従業員持株会: 3.24%
- 農林中央金庫: 3.05%
上位株主には信託銀行、金融機関、事業会社(住友化学)が多く、安定株主が多数を占めていると考えられます。また、自社従業員持株会も一定の割合を保有しており、経営陣と従業員による安定した経営基盤が伺えます。全農系であることから、全国農業協同組合連合会も大株主の一角を占めていると推察されます(データ上は3.05%の農林中央金庫と2.81%の全国農業協同組合連合会)。
- 大株主の動向
大株主の具体的な最近の売買動向については提供データに記載がありません。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 会社の配当予想: 年間46.00円 (期末に創立75周年記念配当6.00円含む)
- 現在の株価: 1,593.0円
- 配当利回り(会社予想): 46.00円 ÷ 1,593.0円 = 2.89% (提供データにも記載あり)
- 会社予想EPS: 144.16円 (通期予想)
- 配当性向(会社通期予想ベース): 46.00円 ÷ 144.16円 = 約31.9%
配当利回り2.89%は、現在の低金利環境下では魅力的な水準です。配当性向約31.9%は、利益の成長と株主還元をバランス良く両立させようとする姿勢を示しています。
- 自社株買いなどの株主還元策
- 2024年・2025年に自己株式取得(合計約583,300株)および2025年4月に自己株式1,500,000株を消却しています。これは1株当たりの価値を高め、株主還元を進める積極的な姿勢を示しています。
- 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
提供データに株式報酬型ストックオプションに関する記述はありません。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
- 2025年11月期 第3四半期決算:通期業績予想に対し、営業利益・純利益が既に超過達成している点が最大のトピックスです。会社は保守的な姿勢で通期予想を据え置いていますが、実質的な業績は好調です。
- 配当予想の修正:創立75周年記念配当6.00円を含む形で、年間配当を46.00円に増額修正しています。これは株主への還元強化を示すポジティブな材料です。
- 自己株式の取得・消却:継続的な自己株式の取得・消却は、資本効率の改善と1株当たりの価値向上に貢献する株主還元策です。
- これらが業績に与える影響の評価
第3四半期までの好調な業績進捗は、通期業績の上方修正期待を高める要因となります。特に農薬事業の好調は、戦略が奏功していることを示唆します。記念配当は短期的な株価上昇要因となり得ますが、長期的な企業価値向上には収益性改善が不可欠です。自己株式の消却は、長期的にEPSやROEを改善させる効果が期待されます。
16. 総評
北興化学工業は、農薬事業とファインケミカル事業を両輪に、安定した成長を続ける化学メーカーです。特に農薬事業は全農系という強固な基盤を持ち、国内外で好調を維持しています。
- 全体的な見解
財務体質は極めて健全で、自己資本比率は70%を超え、実質無借金経営に近い状態です。足元の業績も非常に好調で、第3四半期時点で既に通期予想の利益を上回っており、通期での上方修正期待も高まります。株主還元にも積極的で、記念配当の実施や自己株式の消却を行っています。ベータ値が低く、市場変動に強いディフェンシブな特性も持ち合わせています。- ポジティブ要因:
- 非常に健全な財務体質(高い自己資本比率、潤沢な手元資金、低い負債比率)。
- 好調な足元の業績(第3四半期で通期利益予想超過、農薬事業の好調)。
- PERが業界平均より割安水準。
- 積極的な株主還元策(記念配当、自社株買い・消却)。
- 市場感応度が低い(ベータ値が低い)ディフェンシブ特性。
- 留意点:
- PBRが業界平均よりやや割高水準。
- ROE/ROAが一般的なベンチマークにわずかに届かない。
- 信用買残が高水準で、将来の需給悪化リスク。
- 農薬事業の季節性や外的環境(気象、為替、原材料価格)による業績変動リスク。
- 会社が通期予想を据え置いている保守的な姿勢。
- 強み・弱み・機会・脅威の整理(SWOT分析)
- 強み (Strengths)
- 強固な財務基盤(高い自己資本比率、低負債)。
- 全農系としての安定した農薬事業基盤と販売網。
- ファインケミカル事業による事業ポートフォリオの多角化。
- 高い収益性(営業利益率)。
- 積極的な株主還元(配当、自社株買い)。
- 弱み (Weaknesses)
- ROE/ROAが業界優良水準にやや及ばない点。
- 信用買い残による需給の偏り。
- 研究開発に関する具体的な情報が少なく、技術革新の独自性が見えにくい点。
- 機会 (Opportunities)
- 農業需要の安定成長(新興国中心)。
- 医薬品・電子材料分野の市場拡大。
- 成長投資による生産能力向上と新規事業展開。
- 良好なキャッシュポジションを活かしたM&Aや戦略的提携。
- 脅威 (Threats)
- 為替変動、原材料価格高騰。
- 世界経済の減速や各国の通商政策。
- 気候変動や自然災害による農薬需要の変動。
- 地政学的リスク(特に中国事業に関して)。
- 競争激化による価格下落圧力。
17. 企業スコア
- 成長性: A
- 過去12ヶ月の売上高は着実に増加し、四半期売上成長率も5.70%と良好。農薬事業では中南米向け受注増、電子材料も受注増と具体的な成長要因が見られる。
- 収益性: B
- 営業利益率10.90%は良好ですが、ROE 8.66%、ROA 4.18%は一般的なベンチマーク (ROE 10%, ROA 5%) にわずかに届かない。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率70.7%、流動比率2.70、Total Debt/Equity 1.90%と非常に優良な水準。現金も豊富で、財務基盤は極めて安定している。
- 株価バリュエーション: A
- PER10.89倍は業界平均15.9倍と比較して割安。PBR0.79倍は業界平均0.7倍よりやや高いものの、PERの割安感が強いこと、そして足元の利益進捗が通期予想を上回っていることを考慮すると、割安と判断。
企業情報
| 銘柄コード | 4992 |
| 企業名 | 北興化学工業 |
| URL | http://www.hokkochem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,593円 |
| EPS(1株利益) | 146.28円 |
| 年間配当 | 2.89円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.3% | 12.5倍 | 1,862円 | 3.3% |
| 標準 | 0.3% | 10.9倍 | 1,613円 | 0.4% |
| 悲観 | 1.0% | 9.3倍 | 1,423円 | -2.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,593円
| 目標年率 | 理論株価 | 現在株価との乖離 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 15% | 809円 | +784円 (+97%) | △ 割高 |
| 10% | 1,011円 | +582円 (+58%) | △ 割高 |
| 5% | 1,275円 | +318円 (+25%) | △ 割高 |
【判定基準】○割安:現在株価≦理論株価 / △割高:現在株価>理論株価
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
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