2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:当中間期の業績は売上高が当初想定より好調で、会社は通期業績予想を上方修正(売上高 +4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益 +400百万円)。判定:上振れ(当初見通しを上回る)。
- 業績の方向性:売上高は増収(+7.9%)だが営業ベースでは赤字拡大(営業利益 1,781 → △6,837 百万円)。一方で中間純利益は特別利益の計上で増益(+48.3%)。要約:増収・営業損失拡大だが当期純利益は増加。
- 注目すべき変化:営業損失の発生(前年同期は営業利益1,781百万円→当中間期は営業損失△6,837百万円)→主因は売上原価率上昇と販管費(研究開発費等)増加。一方で投資有価証券売却益(15,199百万円の特別利益計上)が中間純利益押し上げ。
- 今後の見通し:通期見通しは売上高95,500百万円(+8.1%)に上方修正。営業損失は通期で△2,600百万円(当初△4,000)へ改善見込み。ただし通期利益には投資有価証券売却益等の特別利益計上(H2に投資有価証券売却益2,600百万円、固定資産売却益800百万円を想定)が織り込まれており、見通しの達成は特別損益の発生有無に影響される。
- 投資家への示唆:売上は堅調で主要製剤や輸出・ライセンス収入が伸長している一方、営業面の収益性が低下している点(R&D費等の増加、原価率上昇)を注視すべき。通期純利益は特別損益に依存する側面があるため、営業利益の回復基調とライセンス/一時収益の確度を確認することが重要。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:キッセイ薬品工業株式会社
- 主要事業分野:医薬品事業(国内医薬品、輸出・海外ライセンス、ヘルスケア食品等)、情報サービス事業、建設・施設メンテナンス事業、物品販売事業
- 代表者名:代表取締役会長 神澤 陸雄
- 報告概要:
- 提出日:2025年11月4日
- 対象会計期間:2026年3月期 第2四半期(中間期)連結(2025年4月1日~2025年9月30日)
- 決算説明会:有(機関投資家・アナリスト向け、2025年11月6日予定)
- セグメント:
- 医薬品事業:国内医薬品、輸出・海外ライセンス、ヘルスケア食品等
- 情報サービス事業:IT/情報サービス提供
- 建設・施設メンテナンス事業:設備・施設の維持管理等
- 物品販売事業:各種物品の販売
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(自己株式含む):46,541,985株(2026年3月期中間期)
- 期中平均株式数(中間期):41,672,420株
- 自己株式数:5,089,392株
- 時価総額:–(記載なし)
- 今後の予定:
- 半期報告書提出予定日:2025年11月13日
- 配当支払開始予定日:2025年12月3日
- 決算説明会資料・補足資料:TDnetおよび当社サイトに掲載予定
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社予想は通期のみ。中間期については会社の四半期目標の開示なし)
- 売上高:実績 45,831百万円(前年同期比 +7.9%)。通期見通し95,500百万円に対する進捗率 約48.0%(通常ペース)。
- 営業利益:実績 △6,837百万円(前年同期 1,781百万円)。通期見通し △2,600百万円に対する単純比較は不適切(中間で通期見通しを超える赤字)。会社は通期見通しを当初(△4,000)から上方修正。
- 親会社株主に帰属する中間純利益:実績 7,784百万円(前年同期比 +48.3%)。通期見通し12,700百万円に対する進捗率 約61.3%。
- サプライズの要因:
- 上振れ要因:中間期に投資有価証券売却益(15,199百万円の特別利益計上)が純利益を大幅に押し上げた点。売上増(製剤の伸長、輸出・ライセンス増)も寄与。
- 下振れ要因:売上原価率の上昇および販売費・一般管理費(主にR&D費用等)の増加により営業損失を計上。
- 通期への影響:
- 会社は通期予想を上方修正(売上高 +4,000百万円、営業損失は当初△4,000→△2,600百万円に改善、当期純利益は12,300→12,700百万円に増額)。ただし通期純利益見通しにはH2での投資有価証券売却益等(計約3,400百万円)の計上を前提としているため、特別益の実現可否が達成可能性に影響。
財務指標
- 損益(中間・連結)
- 売上高:45,831百万円(前年同期 42,466 百万円、+7.9%/+3,365 百万円)
- 売上総利益:22,688百万円
- 販売費及び一般管理費:29,525百万円(前年同期 19,616 百万円、増加)
- 営業利益:△6,837百万円(前年同期 1,781 百万円、差異:△8,618 百万円)
- 経常利益:△5,622百万円(前年同期 2,237 百万円)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:7,784百万円(前年同期 5,249 百万円、+48.3%)
- 1株当たり中間純利益(EPS):186.81円(前年同期 118.75円)
- 財政状態(中間期末:2025年9月30日)
- 総資産:261,125百万円(前期末 244,059 百万円、+17,065 百万円)
- 純資産:212,625百万円(前期末 210,126 百万円、+2,498 百万円)
- 自己資本(参考):211,379百万円
- 自己資本比率:80.9%(前期末 85.6% → 80.9%)(安定水準)
- 流動資産:119,876百万円、流動負債:33,575百万円、流動比率:約3.57(119,876/33,575)(流動性高い水準)
- 総負債:48,500百万円 → 負債比率(負債/資産)約18.6%(低水準)
- キャッシュ・フロー(中間期)
- 営業CF:7,987百万円(前年同期 2,775 百万円、増加)
- 投資CF:12,782百万円(前年同期 2,779 百万円、増加:投資有価証券売却収入が大きい)
- 財務CF:△7,663百万円(前年同期 △1,960 百万円、自己株式取得・配当支払増)
- 現金及び現金同等物:61,273百万円(期首 48,158 百万円、+13,114 百万円)
- 収益性指標
- 売上総利益率(中間):22,688 / 45,831 = 約49.5%
- 営業利益率(中間):△6,837 / 45,831 = 約△14.9%(営業面での採算悪化)
- セグメント別(中間・連結、主要)
- 医薬品事業 売上高:38,347百万円(+4.7%)/セグメント損失 △7,501百万円(前年はセグメント利益 1,375百万円 → 大幅悪化)
- 情報サービス事業 売上高:5,102百万円(+26.6%)/セグメント利益 407百万円
- 建設・施設メンテナンス 売上高:1,868百万円(+42.9%)/利益 277百万円
- 物品販売 売上高:512百万円(+4.0%)/利益 106百万円
- 財務の解説:
- 売上は増加しているが、医薬品事業のコスト構造(原価率)と販管費(主に研究開発費の増加)が営業損失を招いた。一方、投資有価証券売却益などの特別利益が純利益を押し上げた。貸借対照表は自己資本比率80.9%と高く、現金性資産も厚い(61,273百万円)。
配当
- 中間配当:60.00円(2026年3月期中間)
- 期末配当(予想):60.00円
- 年間配当予想:120.00円(変更なし)
- 配当性向(会社予想):年間EPS予想 305.56円 に対して配当120円 → 配当性向(予想)約39.3%
- 配当利回り:株価不明のため算出不可(–)
- 特別配当:無し(今回含まれず)
- 株主還元方針:定期配当継続、自己株式取得実績あり(中間期に1,369,200株を取得、うち1,369,200株を消却)
セグメント別情報(要点)
- 医薬品事業:主要エリア。国内製剤(ベオーバ等)、希少疾病薬が伸長(希少疾病用薬剤 +39.1%)。輸出・海外ライセンス(リンザゴリクス等)の拡大で輸出売上増。
- 情報サービス事業:売上・利益ともに大幅増(売上 +26.6%)。
- 建設・施設メンテナンス:売上 +42.9%と高成長。
- セグメント戦略:リンザゴリクス等の海外ライセンス収入拡大、研究開発テーマの臨床進展で将来の収益化を目指す。だが医薬品セグメントは採算性の改善が課題。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:開示資料に基づく明示的な数値目標の記載は本短信中に限定的だが、海外ライセンス拡大・自社創製品の海外展開とR&Dのステージアップを推進中。
- KPI達成状況:リンザゴリクスの海外展開拡大(欧州・台湾・カナダ等でライセンス/承認)や国内での臨床開始(Olutasidenib、KSP-0914等)は進捗しているが、営業利益回復の進捗は現時点でマイナス。
競合状況や市場動向
- 市場動向:薬価改定や医療費抑制策の影響で医薬品業界は引き続き厳しい環境。円安・物価高・関税政策等の外部要因も懸念材料。
- 競合との比較:同業他社の業績との直接比較データは記載なし(–)。だがライセンスアウト・海外展開での収益化は競争力の源泉になり得る。
今後の見通し
- 業績予想(2026年3月期通期、会社修正値)
- 売上高:95,500百万円(前期比 +8.1%)
- 営業利益:△2,600百万円(当初△4,000→改善)
- 経常利益:△1,100百万円(当初△2,600→改善)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:12,700百万円(前期比 +6.2%)
- 1株当たり当期純利益:305.56円
- 予想の前提条件:年度後半に投資有価証券売却益2,600百万円、固定資産売却益800百万円を見込む等、特別損益の計上を前提としている点が特徴。
- 予想の信頼性:過去実績等の開示を踏まえると、通期純利益は特別利益に依存する度合いが高い。営業利益の黒字化(あるいは赤字幅縮小)の具体的なドライバーの実現性を確認する必要がある。
- リスク要因:薬価制度・医療費抑制、為替変動、原材料価格、米国の関税政策、特別利益の未実現リスク、研究開発の遅延や臨床結果リスク等。
重要な注記
- 会計方針の変更や見積り変更:無し
- 継続企業の前提:該当事項無し
- その他重要事象:リンザゴリクスのカナダにおける開発・販売権許諾契約締結(サーチライトファーマ社、契約一時金・マイルストン・ロイヤルティの受領見込み)
- 第2四半期決算短信は公認会計士/監査法人のレビュー対象外
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4547 |
| 企業名 | キッセイ薬品工業 |
| URL | http://www.kissei.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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