2025年12月期 第2四半期(中間期)決算説明資料

エグゼクティブサマリー

  • 経営陣のメッセージ: 収益基盤の強化が進み「利益ある成長の基礎体力」を確立。下期は付加価値領域(特にオーラルヘルスケア)への投資を強化し、海外を中心に売上成長への回帰を図る。
  • 業績ハイライト: 2025年1‑6月は連結売上高1,994.5億円(+0.4%)、事業利益126.3億円(+32.3%)、EBITDA214.2億円(+14.6%)、EBITDAマージン10.7%(+1.3p)。ただし親会社株主に帰属する中間利益は96.0億円(△3.2%)と減少(※前年のブランド譲渡益の反動等)。
  • 戦略の方向性: 最重点はオーラルヘルスケアの高付加価値化と海外(東南・南アジア中心)でのパーソナルケア比率拡大。収益構造改革(値上げ、SKU削減、物流効率化)を継続しつつ、下期は重点分野に競争費用(広告)を積極投下。
  • 注目材料: 通期業績予想(売上4,200億円、事業利益300億円)は年初公表から変更なし。年間配当は30円(3円増配、10期連続増配予定)。ベトナムの事業(Merap Lion)を100%子会社化(7月1日完了)し、下期に連結化予定。
  • 一言評価: 収益性は改善(良い)が、売上成長は地域差や中国の低迷などで課題が残る(要注視)。

基本情報

  • 企業概要: ライオン株式会社(LION)/主要事業分野:一般用消費財(オーラルヘルスケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア等)、産業用品、海外事業、その他。
  • 説明会情報: 日時:2025年8月7日/形式:資料(オンライン/オフラインの明示なし)/参加対象:個人投資家・機関投資家等(資料に詳細記載なし)
  • セグメント(報告セグメント):
    • 一般用消費財事業:オーラルヘルスケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品 等(国内中心だが一部海外支援を海外事業へ移管)
    • 産業用品事業:産業向け製品
    • 海外事業:東南・南アジア、北東アジアを中心とした現地事業(タイ、マレーシア、中国、韓国等)
    • その他:その他事業
    • 調整/連結調整

業績サマリー(2025年1‑6月 vs 2024年1‑6月)

  • 主要指標(単位:億円/%は前年同期比)
    • 売上高:1,994.5(+0.4%) → 良い:増収(為替・ブランド譲渡影響を除く実質はプラス)
    • 事業利益:126.3(+32.3%)、事業利益率6.3% → 良い:大幅増益(収益構造改革効果、価格施策)
    • 営業利益:133.7(+0.2%)、営業利益率6.7% → 横ばい
    • 親会社の所有者に帰属する中間利益:96.0(△3.2%) → 悪い:前年の一時益反動・為替差損等による減益
    • 基本的1株当たり中間利益(EPS):34.75円(△2.8%)
    • EBITDA:214.2(+14.6%)/EBITDAマージン:10.7%(+1.3p) → 良い:キャッシュベースの収益力改善
  • 予想との比較
    • 会社の通期業績予想(年初公表)は「変更なし」。第2四半期累計で通期想定に対する進捗は下記参照。
    • サプライズ:事業利益とEBITDAが想定を上回る進捗。親会社帰属利益は前年の特殊要因の反動で減少。
  • 進捗状況
    • 通期予想に対する上期進捗(会社公表):
    • 売上高進捗率:47.5%(通期4,200億円に対する1‑6月の比率)
    • 事業利益進捗率:42.1%(資料より) → 過去同時期や過去4年平均と概ね同等〜やや上回る水準との説明
    • 中期経営計画(Vision2030 2nd STAGE)に対するKPI進捗:オーラルヘルスケア成長率は上期2.6%(CAGR 8%目標に対し遅れ)。一般用消費財のEBITDAマージンは+2.3p改善。
  • セグメント別状況(2025年1‑6月)
    • 一般用消費財:総売上高1,217.3(△0.4%)、外部売上高1,050.5(△0.9%)、事業利益91.3(+52.4%)→ 良い:収益性大幅改善(値上げ、高付加価値品、SKU削減、物流効率化)
    • 分野別(総売上高、前年同期比):
    • オーラルヘルスケア 368.6(+2.7%)→ 好調(新製品、歯科ルート等)
    • ビューティケア 121.3(+2.5%)
    • ファブリックケア 266.3(△3.7%)→ トップライン課題だが収益性改善
    • リビングケア 102.6(+0.8%)
    • 薬品 109.1(△9.5%)※ブランド譲渡影響除く実質では回復
    • 産業用品:売上286.9(+8.4%)、事業利益14.6(△2.2%)
    • 海外事業:売上842.3(△0.4%)、事業利益31.7(+6.9%)
    • 地域別:東南・南アジア 515.4(+5.4%、事業利益27.5 +26.1%)/北東アジア 326.9(△8.4%、事業利益4.2 △46.3%)→ タイ・マレーシア好調、中国は高付加価値品で利益、韓国は輸出減で苦戦
    • その他:売上52.6(△32.4%)、事業利益△0.3

業績の背景分析

  • 業績概要
    • 増収要因:海外(主にタイ・マレーシア)の好調、一般用消費財はブランド譲渡影響を除くと実質増収。
    • 増益要因:高付加価値新製品の投入、値上げ効果、在庫削減(平均在庫 約2割削減)による物流効率化、販管費(広告等)を戦略的に投下しても事業利益は大幅増。
  • 増減要因(詳細)
    • 粗利要因:高付加価値化・値上げで粗利改善(粗利要因計+2億→+4億など、四半期で改善)。為替変動は一部マイナス影響(例:粗利に△3億)。
    • 販管費要因:競争費用(広告宣伝等)を戦略的に投下(販管費要因+28億のうち競争費用+25等)で上期は投下しつつも収益性向上。
    • その他:人件費増等は一部マイナス要因。
  • 競争環境
    • 市場の二極化(高付加価値領域と汎用品での競争激化)。国内では高付加価値品・歯科ルートの育成に注力。海外は現地嗜好に合わせたローカルブランドとグローバルブランドの使い分け。
  • リスク要因
    • 為替変動、原材料価格(石油・パーム油等)の高騰、地政学的リスクや関税政策(米国、中国等)、中国の景気停滞、サプライチェーンや輸出先の市況変化(韓国の輸出停滞等)。

戦略と施策

  • 現在の戦略(Vision2030 2nd STAGE)
    • 最重点:オーラルヘルスケアの高付加価値化と拡大(製品+歯科向けサービスの拡充)
    • 海外:パーソナルケア比率拡大(東南・南アジアでの展開強化、未進出エリアの機会創出)
    • 収益構造改革:値上げ、SKU整理(38SKU削減等)、在庫削減、物流効率化、コストダウン
  • 進行中の施策(上期振返り/下期方針)
    • 上期:EBITDAマージン+2.3p、粗利率+0.7p、値上げ効果+13億、在庫約2割削減。オーラルヘルスケアが牽引。
    • 下期:重点分野(オーラル、ファブリック、リビング等)に競争費用を積極投下し、売上成長へ回帰。メラップライオン(ベトナム)連結化により海外売上増を見込む。
  • セグメント別施策(主なもの)
    • 一般用消費財(オーラル):最高価格帯(単価約2,000円前後)向け新製品「デントヘルス薬用ハミガキ DXプレミアム」9月発売予定、ハブラシの店頭施策、歯科向け製品/サービス「OraCo」拡大。
    • ファブリック/リビング:「NANOX one」等の高付加価値品育成、柔軟剤・粉末洗剤のライン見直し、非注力ブランドの整理(「リード」譲渡予定日:2025年10月31日)。
    • 海外(東南・南アジア):タイ・マレーシアで高付加価値品と液体洗剤の育成、ベトナムで100%子会社化により薬品等の事業展開。
    • 海外(北東アジア):中国は高付加価値品と歯科ルート強化、韓国は使用頻度向上施策、第三国輸出探索。
  • 新たな取り組み
    • 歯科向け新技術(菌叢制御)を使った製品、歯科向けサブスクリプション/サービスの拡大、現地法人設立やM&A含む未進出エリアの事業機会創出。

将来予測と見通し

  • 業績予想(2025年通期、年初公表から変更なし)
    • 売上高:4,200.0億円(+1.7%)
    • 事業利益:300.0億円(+13.9%)→ 事業利益率7.1%
    • 営業利益:350.0億円(+23.3%)→ 営業利益率8.3%
    • 親会社の所有者に帰属する当期利益:250.0億円(+17.9%)/EPS:90.24円
    • EBITDA:490.0億円(+8.5%)/EBITDAマージン11.7%(+0.8p)
  • 予想の前提条件(資料記載の見直し後前提)
    • 為替:米ドル145円、タイバーツ4.4円
    • 原料:ドバイ原油70$/BBL、国産ナフサ66,000円/KL、粗パーム油4,200RM/ton
  • 予想修正:通期予想は現時点で修正なし。下期は注力分野に競争費用を投下するため、粗利改善の一部を競争費用で相殺する見直しを実施(年初想定比で下期販管費を増やす)。
  • 中長期計画:Vision2030 2nd STAGEのKPI(例:オーラルヘルスケアCAGR目標8%、海外成長CAGR 10%等)は継続。上期はマージン改善は順調だが売上成長は課題で、下期の育成投資で成長回復を目指す。
  • 予想の信頼性: 経営陣は通期見通しに自信を示す一方、原材料・為替・地政学リスク等の外部要因で変動する旨を明記。
  • マクロ影響: 為替(USD/JPY、THB)、原油・パーム油価格、関税政策や中国景気の動向が業績に与える影響が大きいと指摘。

配当と株主還元

  • 配当方針: 累進配当を基本とし、連結配当性向30%を目安。収益向上を通じて増配を目指す。
  • 配当実績(2025年想定)
    • 中間配当:15円/期末配当:15円(合計30円、前年から+3円、10期連続増配予定)→ 良い:継続的な株主還元強化
    • 連結配当性向の目安:約30%
  • 特別配当: なし(資料に記載なし)
  • その他株主還元: 2025年5月7日に保有自己株式の一部を消却(自己株式の一部消却実施)。自社株買い等の追加実施は現時点で明示なし。

製品やサービス

  • 主要製品・新製品:
    • オーラルヘルスケア:クリニカ、システマ、DENT.等。下期新製品「デントヘルス薬用ハミガキ DXプレミアム」(9月予定)。
    • ファブリックケア:「NANOX one」高付加価値版、液体洗剤の拡充。
    • リビングケア:「トイレの除菌消臭くん煙剤」など新習慣提案型製品。
    • 薬品:点鼻薬、点眼剤等を海外(ベトナム含む)で拡大。
  • サービス: 歯科向けサービス「OraCo」の拡大(契約医院数は計画比2倍の実績)。
  • 協業・提携: 学会スポンサー等を通じた歯科関係者との関係構築(中国等)、第三国輸出チャネルの探索。
  • 成長ドライバー: オーラルヘルスケア(高付加価値品・歯科チャネル)、海外パーソナルケアの拡大、製品とサービスの融合(デンタル用品×歯科ルート)による付加価値向上。

Q&Aハイライト

  • ポジティブ要因
    • 収益構造改革が進み事業利益・EBITDAが改善(EBITDAマージン +1.3p)。
    • オーラルヘルスケアや東南アジアでの成長分野が拡大。
    • 在庫削減・SKU整理による物流効率化(平均在庫 約2割減)。
    • 配当は増配見込み(年間30円、10期連続増配)。
  • ネガティブ要因
    • 親会社帰属利益は前年のブランド譲渡益の反動で減少。
    • 中国や韓国など地域別のマクロ環境リスク(中国景気、韓国の輸出停滞)。
    • 原材料価格・為替の変動リスク。
    • 下期に競争費用を積極投下するため売上成長回復が前提。
  • 不確実性
    • 為替(USD/JPY)や原油・パーム油価格の変動、米国の関税政策や地政学リスク。
    • 下期の広告投下が売上成長にどれだけ寄与するか(効果のバラつき)。
  • 注目すべきカタリスト
    • 下期の新製品投入(例:デントヘルスDXプレミアム)とその実売上寄与。
    • メラップライオン(ベトナム)連結化の業績寄与(下期)。
    • 四半期ごとのEBITDA推移と販管費投入の効果。
    • 原料価格・為替の市場動向、米中の貿易/関税動向。

重要な注記

  • 会計方針: 当社グループはIFRSを適用。
  • リスク要因(資料明示): 米国の関税政策・地政学リスク、中国景気、原材料高騰等。
  • その他: 通期見通しは年初公表から変更なしだが、下期の競争費用投下等により増減要因の見直しを実施。資料中の金額は単位未満切捨て。

上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算説明 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。


企業情報

銘柄コード 4912
企業名 ライオン
URL http://www.lion.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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