東邦銀行(8346) 分析レポート 2024年12月1日

免責事項: 本レポートは、投資助言を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で行ってください。

1. 現在の株価の評価

  • EPSに基づく評価: 会社予想EPS(25.57円)と現在の株価(271円)からPERを計算すると、10.6倍となります。これは、業界平均PER(10.7倍)とほぼ同水準です。
  • BPSに基づく評価: 実績BPS(830.18円)と現在の株価(271円)からPBRを計算すると、0.33倍となります。これは業界平均PBR(0.4倍)を下回っており、株価が純資産価値を大きく下回っていることを示唆しています。

2. テクニカル分析

  • 現在の株価(271円)は、年初来高値(381円)を大きく下回っており、年初来安値(232円)からはやや高い水準にあります。
  • 50日移動平均線(265.26円)と200日移動平均線(305.70円)を下回っており、短期的な弱気トレンドを示唆しています。
  • 直近の株価は、260円台後半から270円台前半で推移しており、明確なトレンドは確認できません。

3. 財務諸表分析

  • 収益性: 過去12ヶ月の売上高は534億円で、純利益は52.5億円です。利益率は比較的安定していますが、近年は変動が見られます。
  • 安全性: 自己資本比率は3.1%と低く、財務の安定性に懸念が残ります。
  • 効率性: ROEは2.64%と低く、資産の効率的な運用に課題が見られます。

4. 業界のポジションと市場シェア

福島県を地盤とする地銀大手であり、県内では預金シェア4割半ば、貸出シェア約4割を占める圧倒的な地位を築いています。茨城県、東京都にも進出していますが、県外でのシェアは不明です。

5. 経営戦略と重点分野

資料からは具体的な経営戦略は読み取れません。福島県内でのシェア維持と、県外への事業拡大が重要な戦略課題と考えられます。

6. 事業モデルの持続可能性

地銀としての事業モデルは、地域経済の動向に大きく依存します。福島県の経済状況や人口減少、高齢化といった課題が、事業モデルの持続可能性に影響を与える可能性があります。

7. 技術革新と主力製品

インターネットバンキングやモバイルバンキングなどのデジタルサービスを提供していますが、具体的な技術革新や主力製品に関する情報は不足しています。

8. 株主還元と配当方針

予想配当利回りは2.95%と比較的高い水準です。配当性向は28.88%と低く、今後の配当増加の可能性も考えられます。

9. 株価モメンタムと投資家関心

信用買残は減少傾向にあり、投資家の関心の低下を示唆しています。株価のモメンタムは弱く、短期的な上昇は期待しにくい状況です。

総合的な考察

東邦銀行は福島県内で高い市場シェアを有する地銀ですが、自己資本比率の低さや低いROE、そして株価の低迷といった課題を抱えています。 今後の業績動向や経営戦略、そして地域経済の動向を注視する必要があります。 PBRが低いことから、割安感があるとも考えられますが、財務状況の改善が株価上昇の鍵となるでしょう。 投資判断にあたっては、これらの点を踏まえて、ご自身の投資戦略と照らし合わせて判断する必要があります。


企業情報

銘柄コード 8346
企業名 東邦銀行
URL http://www.tohobank.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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