1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    バロックジャパンリミテッドは、主に「MOUSSY(マウジー)」、「SLY(スライ)」、「AZUL BY MOUSSY(アズールバイマウジー)」などのブランドを展開するアパレル企業です。若い女性向けの衣料品を中心に、服飾雑貨の企画・製造・販売を一貫して行うSPA(製造小売)モデルを採用しています。国内での直営店・フランチャイズ店舗、EC(電子商取引)サイトに加え、中国、米国をはじめとする海外でも事業を展開しています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    「MOUSSY」や「AZUL BY MOUSSY」といった人気ブランドを多数保有しており、トレンドを意識したデザインと、SPAモデルによる迅速な商品供給が強みです。店員の接客を通じた顧客体験の提供にも力を入れています。ECサイトや海外展開にも注力しており、特に中国市場ではECを活用した販売チャネルを拡大しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    同社は多ブランド展開と製造小売(SPA)モデルにより、デザイン企画から生産・販売までを垂直統合し、市場のトレンド変化に迅速に対応できる強みを持っています。特に「MOUSSY」や「AZUL BY MOUSSY」などの主要ブランドは高い認知度を誇ります。しかし、アパレル業界はトレンドの変化が激しく、競合も多いため、常に新しい商品開発やブランド戦略が求められます。EC競争の激化や海外市場でのブランド浸透も重要な課題です。
  • 市場動向と企業の対応状況
    国内アパレル市場は、雇用・所得改善に伴い回復基調にあるものの、物価上昇や地政学リスクによる消費マインドへの影響があります。同社は、国内ではブランドごとの商品戦略見直しや店舗・商品ミックスの改善を図っています。海外においては、特に成長市場である中国に注力し、JD.comとの合弁会社設立を通じて、中国向け投資と販売チャネル(主にEC)の拡大を戦略的な対応として打ち出しています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    経営陣は「グローバル展開の拡大」を経営戦略の重点分野として掲げています。特に中国市場を重視し、現地の有力ECプラットフォームとの提携を通じて、新たな市場開拓とブランド浸透を目指す方針です。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    決算短信には具体的な中期経営計画の数値目標は明示されていませんが、グローバル展開特に中国における事業再編と強化が主要な施策として挙げられます。JD.comとの合弁会社設立はその中核となる取り組みであり、中国市場でのオンライン販売を強化し、収益基盤の安定化を図ることを目的としています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信からは、新製品・新サービスの具体的な展開状況について詳細な記載はありませんが、国内においては「AZUL BY MOUSSY」の新商品投入の遅れが業績に影響したとの記述があります。ブランドごとの商品戦略の見直しにより、各ブランドでの新商品投入や品揃えの最適化を図っていると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    同社の収益モデルは、多ブランド展開によるSPA(製造小売)が中心です。これにより、製造から販売までのプロセスを自社でコントロールし、トレンドに合わせた商品供給と在庫の最適化を図ることができます。EC販売の強化や海外展開も進めており、消費者の購買行動の変化(オンライン化)や市場のグローバル化に対応しています。特に中国市場では、現地の巨大ECプラットフォームであるJD.comとの協業を通じて、市場ニーズへの適応力を高めようとしています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    データからは、売上計上時期の具体的な偏りに関する情報はありません。アパレル業界では季節要因やセール時期により売上が変動することが一般的ですが、その詳細についてはデータがありません。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    アパレル業界における技術革新としては、生産プロセスの効率化、AIを活用した需要予測、デジタルデザインツールの導入などが考えられますが、同社の技術開発動向や独自性に関する具体的な記載はデータにありません。SPAモデルによる生産から販売までの一貫した管理体制自体が、効率性向上に寄与しています。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    「MOUSSY」や「AZUL BY MOUSSY」、「SLY」などが主要なブランドであり、これらが同社の収益を牽引していると考えられます。特に「AZUL BY MOUSSY」については、新商品の稼働遅れが国内売上低下に影響したという言及があり、その回復が今後の収益に重要であることが示唆されています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    • 現在の株価: 767.0円
    • 会社予想EPS: 37.19円
    • 実績BPS: 388.07円
    • PER(会社予想): 20.62倍
    • PBR(実績): 1.98倍
      会社予想EPSに基づくPERは20.62倍であり、現在の株価は予想利益の20倍強で評価されています。実績BPSに基づくPBRは1.98倍であり、純資産の約2倍で評価されています。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER: 21.3倍
    • 業界平均PBR: 1.8倍
      同社のPER(20.62倍)は業界平均PER(21.3倍)と比較して若干割安に見えます。PBR(1.98倍)は業界平均PBR(1.8倍)と比較してやや割高に見えます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は757円~769円のレンジで推移しており、現在の株価767円はこのレンジの上限に近い水準です。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    • 年初来高値: 813円
    • 年初来安値: 611円
      現在の株価767円は、年初来高値813円からは約5.6%低い水準であり、年初来安値611円からは約25.5%高い水準にあります。中間のレンジよりはやや高値圏に近い位置ですが、高値圏とまでは言えない水準です。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    • 直近の出来高: 100,900株
    • 直近の売買代金: 77,394千円
      3ヶ月平均出来高が63.07千株、10日平均出来高が63.76千株であるのに対し、本日出来高は100,900株と増加しています。売買代金も7,739万円と比較的小規模ながら、平均よりは関心度が高まっている可能性があります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上(過去12か月):55,268百万円
    • 営業利益(過去12か月):630百万円
    • 親会社株主に帰属する当期純利益(過去12か月):-2,174百万円(損失)
    • ROE(実績):-14.74%
    • ROA(実績):1.18%
      ROEがマイナスであり、純損失を計上しています。ROAも低く、収益性に課題がある状態です。売上高は550億円規模ですが、利益水準が低い点が懸念されます。
  • 過去数年分の傾向を比較
Breakdown 2/28/2025 (予) 2/29/2024 2/28/2023 2/28/2022
Total Revenue (百万円) 58,180 60,290 58,842 59,139
Operating Income (百万円) 813 1,955 2,151 2,753
Net Income (百万円) -2,575 945 243 1,471

売上高はここ数年横ばいから微減傾向にあります。営業利益は2022年2月期以降減少傾向にあり、2025年2月期は損失予想となっています。純利益も変動が大きく、2024年2月期は黒字でしたが、2025年2月期は再び大きな赤字予想です。収益性の悪化傾向が顕著です。

  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    • 2026年2月期 第2四半期(中間期)
    • 売上高:24,801百万円(通期予想57,602百万円に対し進捗率43.1%)
    • 営業損益:▲77百万円(通期予想営業利益2,227百万円に対し、赤字で進捗率▲3.5%)
    • 親会社株主に帰属する中間純利益:11百万円(通期予想1,338百万円に対し進捗率0.8%)
      上期は売上高の進捗がやや遅く、営業利益は赤字、中間純利益も非常に低い進捗率です。通期業績予想達成には、下期における大幅な業績改善が不可欠であり、会社予想の未修正は強気な見通しと言えます。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績、中間期):48.3%
    • 流動比率(中間期):277.7%
    • 負債比率(直近四半期、D/E):57.30%
      自己資本比率は48.3%と比較的健全な水準です。流動比率も277.7%と非常に良好であり、短期的な支払い能力に問題はないと評価できます。負債比率(D/Eレシオ)も57.3%と低く、総じて財務健全性は高いと言えます。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    中間期末の現預金は11,221百万円(約112億円)に対し、借入金合計は8,000百万円(約80億円)であり、純キャッシュは約3,221百万円と潤沢な資金を保有しています。キャッシュフローでは営業CFはプラスですが規模が縮小傾向。投資CFは中国関連会社の売却により大幅なプラスとなりました。資金繰りは良好な状態にあります。
  • 借入金の動向と金利負担
    直近四半期のTotal Debtは8,000百万円であり、過去数年間の損益計算書におけるNet Non Operating Interest Income Expense(ネット受取利息および支払利息)も小さい範囲で推移しており、金利負担は経営を圧迫するほどではないと推測されます。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(過去12か月):-11.49%
    • ROA(過去12か月):1.18%
    • Profit Margin(過去12か月):-3.93%
    • Operating Margin(過去12か月):-4.78%
      直近の12ヶ月ベースでは、純利益が赤字であるためROEはマイナスです。営業利益も赤字であり、営業利益率や純利益率もマイナスと、収益性には大きな課題があります。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    一般的なベンチマークであるROE 10%やROA 5%と比較すると、大きく下回っており、収益性の改善が急務な状況です。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去数年間の収益性を見ると、営業利益は減少傾向にあり、純利益も不安定です。上期の決算短信では、在庫評価損の抑制や仕入コントロールによる売上総利益率の改善が見られる一方、国内の一部ブランド(AZUL BY MOUSSY)の不振や、海外EC/卸売における販管費の圧縮不足が指摘されており、これらの改善が収益性回復の余地となります。中国事業の再編も収益構造に影響を与える可能性があります。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    • Beta (5Y Monthly): 0.19
      ベータ値が0.19と非常に低い水準にあります。これは市場全体の動きに対する感応度が低いことを示唆しており、市場全体が変動しても、同社の株価は比較的安定している傾向があることを意味します。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    • 52週高値: 813.00円
    • 52週安値: 611.00円
      現在の株価767.0円は、52週レンジの中間よりやや高値寄りですが、高値圏に突入しているとまでは言えません。レンジの約65%の位置にあります。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信には、通期予想の前提条件として具体的なリスク要因は明示されていませんが、一般的なアパレル小売業のリスクとして、消費の下振れ、為替変動(特に輸入品原価や海外事業収益)、原材料費・物流コストの上昇、地政学リスク、中国市場の競争激化や規制などが挙げられます。JD.comとの合弁事業も、パートナーの実績や市場環境に左右されるリスクを内包しています。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • PER(会社予想):20.62倍(業界平均21.3倍)
    • PBR(実績):1.98倍(業界平均1.8倍)
      同社のPERは業界平均より若干低く、PBRは業界平均よりやや高い水準です。PERは割安感がありますが、PBRは平均を上回っています。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • EPS(会社予想): 37.19円
    • BPS(実績): 388.07円
    • 業界平均PER適用目標株価: 37.19円 × 21.3倍 ≒ 793円
    • 業界平均PBR適用目標株価: 388.07円 × 1.8倍 ≒ 698円
      業界平均PERを適用すると793円、業界平均PBRを適用すると698円となります。提供されたバリュエーション分析の「目標株価(業種平均PBR基準): 698円」とも一致しています。
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価767.0円は、業界平均PERに基づく目標株価(793円)よりやや低く、業界平均PBRに基づく目標株価(698円)より高い水準です。利益面でPERは割安感がありますが、純資産面でPBRは割高感があります。ただし、会社予想PERは赤字転落予想からの回復を見込んだものであり、上期実績から通期予想EPS37.19円の達成には大きな課題があります。そのため、PERによる割安性は、その達成可能性に依存します。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 183,700株(前週比-5,200株)
    • 信用売残: 157,300株(前週比+8,300株)
    • 信用倍率: 1.17倍
      信用買残が前週比で減少、信用売残は増加しており、信用倍率は1.17倍と低水準にあります。これは需給が引き締まりつつあることを示唆し、株式の供給過剰感が和らぎ、株価上昇の環境としては比較的良好であると言えます。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    • 経営陣持株比率(村井資本+村井博之):7.09% + 2.86% = 9.95%
    • 大株主上位:
    • ミューチュアル・クラウン(香港):19.86%
    • オリックス:17.91%
    • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口):5.62%
      大株主構成を見ると、ミューチュアル・クラウン(香港)とオリックスが合わせて約38%を保有しており、安定株主が一定程度存在します。経営陣の持株比率は約10%で、十分な経営権を維持しています。機関投資家の保有比率も25.35%と一定の関心を集めています。
  • 大株主の動向
    データからは大株主の具体的な動向(売買など)は読み取れません。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 配当利回り(会社予想):4.95%
    • 1株配当(会社予想):38.00円
    • 会社予想EPS:37.19円
    • Payout Ratio(会社予想):518.42%(Provided data: Payout Ratio 4: 518.42%)
      会社予想配当利回りは4.95%と高水準です。しかし、会社予想EPS(37.19円)に対する配当性向は518.42%と非常に高く、予想される当期純利益に対して支払われる配当が過剰な水準となっています。これは、今後の利益確保が難しい状況でも安定配当を維持する方針であると推測されます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    現在のところ、自社株買いに関する記載はありません。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    データからは株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策に関する記載はありません。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    最も重要なトピックスは、2026年2月期第2四半期決算短信に記載された以下の点です。
    • 連結範囲の変更: 中国の卸売・小売会社2社を連結から除外し、これらの関係会社株式売却益146百万円を特別利益として計上。
    • JV設立: JD.com(Jingdong)との合弁会社(DB Capital Limited)設立を決議。資本金1億USD、当社出資比率25%で持分法適用関連会社となる見込み。中国向け投資及び販路拡大が目的。
  • これらが業績に与える影響の評価
    • 連結範囲の変更: 短期的には、連結売上高の減少要因となりますが、経営資源の最適化や不採算事業の整理による利益構造改善に寄与する可能性があります。売掛金や非支配株主持分の減少は、財務体質の改善効果をもたらしています。
    • JV設立: 中長期的には、JD.comの広大なECネットワークを活用することで、中国市場でのブランド認知度向上と売上拡大が期待されます。ただし、持分法適用となるため、連結業績への貢献は持分法投資利益・損失として反映されます。設立当初は投資負担や新事業立ち上げコストも考慮する必要があります。上期実績の低迷を鑑みると、これらの施策が下期以降の業績回復と通期予想達成に不可欠な材料となります。

16. 総評

バロックジャパンリミテッドは、多ブランド展開とSPA(製造小売)モデルを強みとするアパレル企業です。特に中国市場への積極的な展開を経営戦略の重点に置いています。

全体的な見解:

同社は、長年培ってきたブランド力とSPAモデルによる迅速な市場対応力を持つ一方で、近年は国内アパレル市場の競争激化や海外事業の構造変化により、収益性に課題を抱えています。特に、直近の決算では純損失を計上し、今期も赤字予想となっています。中国事業の再編(連結除外とJD.comとの合弁設立)は、今後の成長戦略のキーとなりますが、その成果が出るまでには時間を要する可能性があります。財務健全性は良好ですが、利益が不安定な中で高い配当性向を維持している点は注目されます。

  • 改善途上の収益性: ROE、営業利益率ともにマイナスであり、事業の収益性改善が最重要課題。下期でのV字回復が現在の通期予想達成の鍵。
  • 中国事業の方向転換: JD.comとの合弁設立は、巨大な中国EC市場を攻める上での重要な戦略転換。これが中長期的な成長ドライバーとなるかどうかが注目される。
  • 良好な財務健全性: 自己資本比率や流動比率は安定しており、手元資金も潤沢なため、事業投資を行う余力はある。
  • 高配当利回りだが高配当性向: 高い配当利回りは魅力的である一方、利益水準に比して配当性向が極めて高く、この配当が継続可能か慎重な見極めが必要。
  • 株価はレンジ中間より高め: 年初来高値と安値の中間よりは高値寄りに位置しており、割安とまでは言えない水準。

強み・弱み・機会・脅威の整理(SWOT分析):

  • 強み (Strengths)
    • 「MOUSSY」「AZUL BY MOUSSY」などの多ブランド展開と高いブランド認知度。
    • 製造小売(SPA)モデルによる商品企画から販売までの一貫体制と迅速な市場対応力。
    • 優れた財務健全性(高い自己資本比率、潤沢な現預金)。
    • 低ベータ値による市場変動への感応度の低さ。
  • 弱み (Weaknesses)
    • 過去数年にわたる収益性の低迷と不安定な純利益。
    • 営業利益率およびROEが継続してマイナスであること。
    • 上期決算における通期業績予想に対する低い進捗率。
    • 高い配当性向による利益圧迫。
  • 機会 (Opportunities)
    • JD.comとの合弁会社設立による中国EC市場での販売チャネル拡大とプレゼンス向上。
    • 国内市場におけるEC成長とそれに合わせた販売戦略の強化。
    • ブランドごとの商品戦略見直しによる国内収益力改善余地。
  • 脅威 (Threats)
    • アパレル業界における激しい競争とトレンド変化の速さ。
    • 物価上昇、為替変動、地政学リスク等による消費者マインドの冷え込みやコスト増。
    • 中国市場における事業展開のリスク(競争激化、規制、地政学リスク等)。
    • 通期業績予想未達成による株価への悪影響と配当継続性への懸念。

17. 企業スコア

  • 成長性:C
    • 売上成長率は直近で横ばいから微減傾向にあり、第2四半期決算では前年同期比で減収。通期予想も減収を見込んでいます。中国事業再編による影響もありますが、既存事業の力強い成長は見られません。
  • 収益性:D
    • 過去12ヶ月の営業利益率・純利益率がマイナス。ROEも-11.49%とベンチマークを大きく下回っています。上期実績も営業赤字であり、収益性は非常に低いと評価されます。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率は48.3%と安定水準(40%以上でS~A評価)。流動比率も277.7%と高く、D/Eレシオも低いです。現金保有状況も潤沢であり、財務健全性は非常に良好です。
  • 株価バリュエーション:B
    • PERは業界平均より若干割安感があり(20.62倍 vs 21.3倍)、PBRは業界平均よりやや割高感があります(1.98倍 vs 1.8倍)。総合的に見て、データ単独では平均並みと評価します。ただし、今期予想EPSの達成には疑問符号があり、実質的には割高になる可能性も留意が必要です。

企業情報

銘柄コード 3548
企業名 バロックジャパンリミテッド
URL http://www.baroque-global.com/japan/jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 767円
EPS(1株利益) 37.19円
年間配当 4.95円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 21.0% 23.8倍 2,301円 25.1%
標準 16.2% 20.7倍 1,631円 16.8%
悲観 9.7% 17.6倍 1,041円 7.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 767円

目標年率 理論株価 判定
15% 831円 ○ 8%割安
10% 1,037円 ○ 26%割安
5% 1,309円 ○ 41%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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