以下は株式会社オオバ(9765)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
株式会社オオバは、日本の都市計画プロジェクトに対し、コンサルティングサービスを提供する建設コンサルタント会社です。主な事業として、調査測量、計画設計、区画整理、地理情報システム(GIS)の導入・活用などを展開しています。魅力あるまちづくりのための計画策定、道路・水路・橋梁・上下水道などの社会インフラ整備に関わる設計、環境調査・評価、地質・地形調査など、多岐にわたる技術サービスを提供しています。特に、民間の顧客からの受託業務の比率が高いことが特徴です。 - 主力製品・サービスの特徴
同社の主力サービスは以下の事業区分に分けられます。 - まちづくり業務: 都市計画、再開発計画、地域活性化計画など、魅力的な地域づくりのためのコンサルティングを提供。
- 設計業務: 道路、河川、橋梁、都市施設、上下水道など、社会インフラの計画・設計。
- 地理空間情報業務: 測量、GIS構築・運用など、正確な空間情報を活用した課題解決支援。
- 事業ソリューション業務: 不動産の有効活用や処分に関するコンサルティング、相続税対策支援など、土地所有者・事業者の多様なニーズに対応。
- 環境業務: 環境調査やアセスメントなど、持続可能な社会形成に向けた環境保全対策。
これらのサービスは、高度な専門技術と長年の経験に基づき、社会基盤整備と民間開発の両面から、幅広いコンサルティングを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
オオバは、建設コンサルティング業界において、特に「民需比率が高い」という点で特徴を持ちます。これは、公共事業の動向に左右されにくい安定した収益基盤を確立している可能性を示す一方で、民間市場の景気変動や投資意欲に業績が左右される側面も持ちます。地理情報システム(GIS)を柱とする情報技術に強みを持つ点は、DX推進やスマートシティ化が進む中で競争優位となり得ます。課題としては、競合他社との差別化、技術者確保・育成、そして「事業ソリューション業務」に見られるように、特定の業務分野における売上の変動性が挙げられます。 - 市場動向と企業の対応状況
建設コンサルティング業界は、老朽化したインフラの維持更新、防災・減災対策、国土強靭化計画、そして地方創生や都市再生といったニーズの高まりから、一定の需要が継続しています。また、Society 5.0の実現に向けたデジタル技術の活用や、環境・エネルギー問題への対応も求められています。
同社は、第1四半期の受注高が前年同期比でほぼ横ばいを維持しており、手持受注高も前年同期比100.9%と概ね安定しています。これは、堅調な市場需要を背景に、安定的な事業運営を継続していることを示唆します。ただし、業務区分別の売上変動が見られるため、今後の市場ニーズの変化に合わせた柔軟な事業ポートフォリオの調整が重要と考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
直近の決算短信からは具体的な経営ビジョンや戦略について詳細な記載はありませんが、同社の事業内容から、社会インフラ整備やまちづくりにおけるコンサルティング、および地理空間情報技術の活用を通じて、社会課題解決に貢献する姿勢がうかがえます。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
データなし - 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
データなし
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、建設コンサルタントとしての調査、計画、設計、情報システム提供が主であり、ストック型ではなくプロジェクト型の業務が中心です。特に民需比率が高いことから、公共事業への依存度が低い一方で、民間企業の設備投資や不動産開発動向の影響を受けやすい特性があります。地理空間情報やDX関連技術への投資を通じて、今後も多様化する市場ニーズ(例:スマートシティ、データ利活用)への適応が期待されます。 - 売上計上時期の偏りとその影響
第1四半期決算短信では、売上高および利益の通期予想に対する進捗率が低調であることが示されています(売上高17.3%、営業利益8.8%)。これは、建設コンサルティング業界の特性として、大規模プロジェクトの検収時期や契約形態によって、四半期ごとの売上・利益計上に偏りが生じやすいことを示唆します。特に「事業ソリューション業務」の売上が前年同期から大幅に減少しており、これが全体の売上減の主因となっています。手持受注高は維持されているため、下期に案件消化が進めば通期目標達成の可能性はありますが、収益認識のタイミングが業績の変動要因となる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
オオバは、地理情報システム(GIS)を事業の柱の一つとしており、情報技術を駆使した効率的な調査・計画・設計に強みを持っていると考えられます。これは、データドリブンな意思決定が重視される現代において、同社の技術的独自性となり得ます。具体的な研究開発投資や新技術の発表については、提供データからは確認できません。 - 収益を牽引している製品やサービス
現在の売上構成(2025.5期予想)を見ると、「まちづくり」(42%)、「設計」(23%)、「地理空間情報」(20%)が主要なセグメントであり、これらが収益の大部分を占めています。特に「まちづくり」と「設計」は、社会インフラ整備や都市開発の基盤となる業務であり、同社の主要な収益源です。当第1四半期では「建設コンサルタント業務」(ほとんどが「まちづくり」と「設計」と推測される)が売上を牽引しています。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在の株価: 1,112.0円
- 1株当たり当期純利益(EPS、会社予想): 87.93円
- 1株当たり純資産(BPS、実績): 792.37円
- PER(会社予想): 1,112.0円 ÷ 87.93円 = 12.65倍
- PBR(実績): 1,112.0円 ÷ 792.37円 = 1.40倍
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 17.0倍
- 業界平均PBR: 1.8倍
同社のPER(12.65倍)は業界平均(17.0倍)と比較して低く、またPBR(1.40倍)も業界平均(1.8倍)と比較して低い水準にあります。これは、現在の株価が業界平均と比較して割安である可能性を示唆しています。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
- 年初来高値: 1,157円
- 年初来安値: 922円
現在の株価1,112.0円は、年初来安値から約80.85%の位置にあり、年初来高値に比較的近い高値圏に位置しています。 - 年初来高値・安値との位置関係
現在の株価1,112.0円は、年初来高値1,157円まであと3.89%の上昇余地、年初来安値922円までは20.68%の下落余地があります。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
直近の出来高は15,300株、売買代金は17,076千円(約1,700万円)です。3ヶ月平均出来高は31,860株、10日平均出来高は23,010株であり、直近の出来高は平均を下回っています。これは、市場の関心度がやや低下している、または比較的閑散とした取引が続いていることを示唆します。 - 長期トレンド分析
- 1ヶ月リターン: -2.70%
- 3ヶ月リターン: -7.69%
- 6ヶ月リターン: -10.47%
- 1年リターン: +14.66%
過去1年間のリターンはプラスですが、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月ではマイナスとなっています。これは、短期および中期的な下落トレンドにあることを示唆しています。 - 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(上回る/下回る)
52週間の株価変化は+10.10%であり、S&P 500の52週間変化+17.32%を下回っています(日経平均・TOPIXとの直接比較データはないため、S&P 500を参考)。 - 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)
現在の株価は1,112.0円です。 - 5日移動平均線 (1,100.40円) を上回っています。
- 25日移動平均線 (1,026.32円) を上回っています。
- 75日移動平均線 (1,027.91円) を上回っています。
- 200日移動平均線 (1,069.78円) を上回っています。
全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にかけて良好なトレンドを示唆しています。これは、直近の下降トレンドから回復し、上昇に転じている、あるいは反発の動きを見せている可能性を示唆します。 - サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置
- 1ヶ月レンジ: 995.00円 – 1,070.00円
- 3ヶ月レンジ: 884.00円 – 1,093.00円
現在の株価1,112.0円は、1ヶ月および3ヶ月のレンジの上限を上回っています。これは、直近のレンジを突破し、新たな上昇トレンドを形成する可能性を秘めていると解釈できます。ただし、過去10日間の株価推移を見ると、1,110円台で推移し、1,118円が直近の高値となっているため、1,118円付近が短期的なレジスタンスレベルとなっている可能性があります。 - ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認
移動平均線の並びから、短期移動平均線が長期移動平均線を上回っているため、ゴールデンクロス発生、またはその継続の状態にある可能性があります。これは買いシグナルとして捉えられることがあります。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
| Breakdown | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 (データは過去12ヶ月表記) |
|---|---|---|---|---|
| Total Revenue (百万円) | 15,933 | 15,647 | 16,485 | 18,096 |
| Gross Profit (百万円) | 4,837 | 5,179 | 5,523 | 5,741 |
| Operating Income (百万円) | 1,582 | 1,714 | 1,842 | 1,936 |
| Net Income (百万円) | 1,085 | 1,075 | 1,339 | 1,334 |
- ROE(実績): 10.71%
- ROA(実績): 6.66%
売上高は2023年5月期に一時減少したものの、2024年5月期、2025年5月期(過去12ヶ月実績)と回復・成長傾向にあります。営業利益および純利益も同様に増加傾向にあり、特に2024年5月期に大きく伸長しました。ROEは10.71%、ROAは6.66%と、資本効率も良好な水準にあります。 - 過去数年分の傾向を比較
過去数年間で、売上高、粗利益、営業利益、純利益は総じて増加傾向にあり、企業の成長と収益改善が見られます。特に営業利益は2022年5月期の1,582百万円から2025年5月期の1,936百万円まで着実に増加しています。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年5月期 第1四半期(2025年6月~8月)の業績は、売上高2,944百万円(前年同期比△25.6%)、営業利益175百万円(同△36.2%)、親会社株主帰属四半期純利益124百万円(同△34.9%)と前年同期比で減収減益となりました。
会社が公表している2026年5月期通期予想(売上高17,000百万円、営業利益2,000百万円、純利益1,400百万円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高17.3%、営業利益8.8%、純利益8.9%と、特に利益面で低調です。これは、売上計上時期の偏り(下期偏重)や、特定の事業(事業ソリューション業務)の売上変動が影響していると考えられますが、通期目標達成には今後の進捗が鍵となります。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績): 71.0% (連結)
- 流動比率(直近四半期): 2.60倍 (260%)
- 総負債/株式(Total Debt/Equity、直近四半期): 13.05%
自己資本比率71.0%は極めて高水準であり、財務基盤が非常に安定していることを示します。流動比率260%も、短期的な支払い能力が十分に高いことを示しており、流動性リスクは低いと考えられます。総負債/株式比率も13.05%と低く、負債依存度は小さいです。 - 財務安全性と資金繰りの状況
高い自己資本比率と流動比率から、同社の財務安全性は極めて良好と評価できます。資金繰りにおいても、直近四半期の総現金が1.64B(16.4億円)あることから、短期的な資金需要に対応できる十分な手元資金を保有していると見られます。 - 借入金の動向と金利負担
直近四半期では短期借入金が新たに1,700百万円計上されています(前期は0)。総負債も増加していますが、自己資本比率の高さや現金の保有状況から、金利負担が財務に与える影響は限定的と判断できます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): 10.71%
- ROA(実績): 6.66%
- Profit Margin(過去12ヶ月): 7.42%
- Operating Margin(過去12ヶ月): 5.95%
ROE10.71%は、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、一般的なベンチマーク(10%)を上回っています。ROA6.66%も、総資産に対する利益率として一般的なベンチマーク(5%)を上回っており、資産効率も良好です。 - 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE、ROAともに一般的なベンチマークをクリアしており、収益性は良好であると評価できます。 - 収益性の推移と改善余地
売上総利益率は2026年5月期 第1四半期で32.9%に改善しており、原価管理の改善や高利益率案件の獲得が進んでいる可能性を示唆します。一方で、営業利益率は5.9%で前年同期の6.9%から低下しており、売上高減少の影響を受けています。今後は、売上規模の回復と経費効率化による営業利益率の改善が収益性向上の鍵となります。 - 利益の質分析
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率): データなし
- アクルーアルズ比率による利益の質評価: データなし
- キャッシュフローが利益を上回るか(1.0以上が健全): データなし
(キャッシュフロー計算書のデータが提供されていないため、詳細な利益の質分析は実施できません。)
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
データなし - 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値: 1,157円
- 52週安値: 922円
現在の株価1,112.0円は、52週高値圏(約80.85%の位置)にあり、高値更新を試す可能性があります。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信には、通期予想の信頼性に関するリスク要因として以下の点が挙げられています。 - 受注案件の進捗・完成時期のずれ(収益認識タイミング)
- 事業ソリューション等特定分野の受注低迷
- 金利上昇や資金調達コスト(短期借入の計上)
- 政府予算や公共工事動向(建設コンサル市場の需給)
外部環境としては、建設コンサル市場の需給に影響を与える政府予算や公共工事の動向が挙げられます。また、足元では短期借入金の計上が見られるため、金利上昇による資金調達コストの変動もリスク要因となり得ます。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- オオバのPER(予想): 12.65倍
- オオバのPBR(実績): 1.40倍
- 業種平均PER: 17.0倍
- 業種平均PBR: 1.8倍
同社のPER、PBRともに業種平均を下回っており、割安感があると言えます。 - 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- 目標株価(業種平均PER基準): 1,369円
- 目標株価(業種平均PBR基準): 1,473円
業界平均PER/PBRを適用した目標株価レンジは1,369円~1,473円となります。現在の株価1,112.0円と比較すると、約23%~32%の上昇余地がある計算になります。 - 割安・割高の総合判断
PER、PBRともに業界平均を下回っており、算出された目標株価レンジも現在の株価を大きく上回っていることから、バリュエーションは割安と判断できます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 57,600株(前週比 -700株)
- 信用売残: 5,000株(前週比 -700株)
- 信用倍率: 11.52倍
信用買残と信用売残は減少傾向にありますが、信用倍率は11.52倍と依然として買い残が多い状態です。これは株価上昇時に需給悪化要因となる可能性があり、売り圧力が潜在的に存在することを示唆します。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
- 自社(自己株口): 5.18% (867,000株)
- 三井不動産: 4.34% (727,050株)
- 三井住友信託銀行: 3.95% (662,000株)
- パシフィックコンサルタンツ: 3.75% (628,000株)
- 大株主には、主要な事業パートナーである三井不動産やパシフィックコンサルタンツ、また金融機関、創業家関係者が名を連ねています。安定株主が一定数存在し、経営の安定性に寄与していると考えられます。経営陣(辻本茂氏含む)の持ち株比率も一定程度あり、株主と経営陣の利害の一致が見られます。
- 大株主の動向
大株主の具体的な最近の動向に関するデータは提供されていません。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 会社予想1株配当: 42.00円
- 配当利回り(会社予想): 3.78% (1,112.0円で計算)
- Payout Ratio(実績): 52.15%
配当利回り3.78%は、現在の低金利環境下では魅力的な水準と言えます。配当性向52.15%は健全な範囲であり、利益を株主還元と成長投資のバランスを取って配分していると考えられます。 - 自社株買いなどの株主還元策
決算短信には自社株買いに関する記載はありません。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2026年5月期 第1四半期決算短信によると、会社の通期予想に対する修正は無く、特別なサプライズ情報はありませんでした。
注目すべき点として、事業区分別で「事業ソリューション業務」の売上が前年同期から大幅に減少(前期1,387百万円→当期215百万円)したことが売上減の主因とされています。一方で、売上総利益率は26.9%から32.9%に改善しています。受注高全体は前年同期比98.7%とほぼ横ばいです。 - これらが業績に与える影響の評価
「事業ソリューション業務」の大幅な売上減は短期的な業績に強い影響を与えていますが、売上総利益率の改善は好材料です。受注高が横ばいを維持していることから、案件の消化タイミングによって今後の業績は回復する可能性を秘めています。通期予想を据え置いている企業の姿勢も、先行きの見通しに一定の自信があることを示唆すると考えられます。
16. 総評
株式会社オオバは、都市計画や社会インフラ整備に不可欠な建設コンサルティングサービスを提供する企業です。民需比率が高く、地理空間情報技術に強みを持つ点が特徴です。
全体的な見解:
同社は、過去数年間で売上高および利益を着実に伸ばしており、ROE、ROAも良好な水準を維持するなど、堅調な収益体質を築いてきました。自己資本比率71.0%と非常に高い財務健全性を誇り、安定した経営基盤を持っています。配当利回りも3.78%と魅力的です。
しかし、直近の2026年5月期 第1四半期では、特定の事業セグメントの売上減少により、前年同期比で減収減益となり、通期予想に対する進捗率が低調でした。これは、受注型ビジネス特有の収益認識のタイミングによる影響が大きいと考えられますが、今後の推移を注視する必要があります。株価は年初来高値圏に位置し、短期・中期では調整局面が見られるものの、全ての移動平均線を上回るなど、足元では底堅い動きを示しています。
投資判断の参考となるポイント:
- 強み:
- 高い財務健全性(自己資本比率71.0%)と安定した経営基盤。
- 過去数年間の収益および利益の堅調な成長実績。
- 民需比率が高く、公共事業への過度な依存がない事業構成。
- 地理空間情報など情報技術を活用したコンサルティングに強み。
- 業種平均と比較して割安なバリュエーション。
- 魅力的な配当利回り。
- 弱み:
- 四半期ごとの業績変動が大きい傾向(特に「事業ソリューション業務」の売上波動)。
- 直近の第1四半期では通期利益予想に対する進捗が遅れており、下期のリカバリーが課題。
- 信用買残の状況から、買い残が多い需給の偏り。
- 機会:
- 国土強靭化計画やインフラ老朽化対策など、社会インフラ整備における継続的な需要。
- DX推進やスマートシティ化に伴う地理空間情報技術の活用拡大。
- 不動産有効活用など、民間における多様なニーズへの対応。
- 脅威:
- 景気変動や民間企業の設備投資意欲の減退。
- 人口減少に伴う中長期的な国内市場の縮小リスク。
- 金利上昇による資金調達コストの増加(短期借入金の発生)。
- 競争激化による価格競争。
17. 企業スコア
- 成長性: C
直近の四半期売上高成長率が-25.60%と大きく減少しており、通期予想の売上高も前年比マイナス成長(△6.1%)です。第1四半期の利益進捗率も低調であり、短期的な成長性には懸念があります。ただし、通期利益は増益予想となっているため、今後の挽回に期待が寄せられます。 - 収益性: B
実績ROE10.71%とROA6.66%は一般的なベンチマークを上回っており、資本効率は良好です。粗利率も改善傾向にありますが、直近四半期の営業利益率が低下している点を考慮し、今後更なる改善が求められるため「B」と評価します。 - 財務健全性: S
自己資本比率71.0%は極めて高く、流動比率2.60倍も非常に良好であり、財務基盤は非常に安定しています。借入依存度も低く、財務安全性において優れた状況にあるため「S」と評価します。 - 株価バリュエーション: A
PER12.65倍、PBR1.40倍は、業界平均PER17.0倍、PBR1.8倍と比較して割安な水準にあります。算出された目標株価レンジも現在の株価を上回っており、バリュエーション面では魅力があると判断されるため「A」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 9765 |
| 企業名 | オオバ |
| URL | http://www.k-ohba.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,112円 |
| EPS(1株利益) | 87.93円 |
| 年間配当 | 3.78円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9.1% | 14.5倍 | 1,979円 | 12.5% |
| 標準 | 7.0% | 12.7倍 | 1,561円 | 7.3% |
| 悲観 | 4.2% | 10.8倍 | 1,162円 | 1.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,112円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 788円 | △ 41%割高 |
| 10% | 984円 | △ 13%割高 |
| 5% | 1,241円 | ○ 10%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.6)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。