1. 企業情報
コニカミノルタは、オフィス向け複合機・サービスを主力とする「デジタルワークプレイス」、業務用印刷機や関連サービスを提供する「プロフェッショナルプリント」、センシング、機能材料、光学レンズなどを展開する「インダストリー」、医療用画像診断システムやネットワークカメラなどを手掛ける「画像ソリューション」の4つの事業セグメントを持つ総合電機精密メーカーです。
- 主力製品・サービスの特徴
- デジタルワークプレイス: 複合機本体だけでなく、ITサービスやソリューションを提供し、顧客のオフィス業務の効率化を支援しています。
- プロフェッショナルプリント: 商業印刷向けのデジタル印刷システムや産業用印刷システムを提供し、高付加価値な印刷ソリューションを展開しています。
- インダストリー: 液晶ディスプレイ用のTACフィルムで世界トップクラスのシェアを持ち、高精度なセンシング技術、光学コンポーネントなども提供しています。
- 画像ソリューション: 医療用X線撮影装置(DR)や医療ITサービス、さらにネットワークカメラや映像ソリューションを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
コニカミノルタは複合機市場において中堅メーカーとしての地位を確立しており、競合他社との差別化を図るため、ハードウェア販売だけでなく、ITサービスやソリューション提供に力を入れています。特に、液晶TACフィルムでは世界シェア3割を占めるなど、一部の機能材料分野で高い競争優位性を持っています。医療用DRシステムも主要製品の一つです。
- 業界内での競争優位性や課題について
- 競争優位性: 複合機分野では、単なるハードウェア提供にとどまらず、顧客のデジタル変革を支援するソリューション提供へとシフトしています。インダストリー事業における機能材料やセンシング技術は、独自の技術力に基づき高シェア製品を保有しています。
- 課題: 複合機市場は成熟しており、価格競争が激化しています。また、他社との差別化や高付加価値化が常に求められています。一部の事業で売上減少が見られ、収益構造の安定化が喫緊の課題となっています。
- 市場動向と企業の対応状況
- 全般的に為替変動、米国相互関税の影響、特定市場(中国、米国、欧州)の設備投資動向が業績に影響を与えています。
- 企業は「Turn Around 2025」中期経営計画のもと、事業の選択と集中、グローバル構造改革、販管費削減を推進し、不採算事業の整理を進めることで収益基盤の改善を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
コニカミノルタは、中期経営計画「Turn Around 2025」を掲げ、2025年度までの収益基盤確立を目指しています。
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
- 不採算事業からの撤退や事業売却、組織再編などを通じた事業ポートフォリオの最適化を進め、高収益体質への転換を目指しています。
- ソリューション型ビジネスへの転換を加速し、顧客のDX(デジタル変革)を支援することで、持続的な成長を追求しています。
- 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- グローバル構造改革の実行による販管費の削減。
- デジタルワークプレイス事業におけるソリューションビジネスの強化。
- インダストリー事業における高付加価値領域への注力(センシング、光学コンポーネントなど)。
- 非継続事業(プレシジョンメディシン事業)の株式譲渡など、事業の選択と集中。
- 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
- 決算短信では具体的な新製品名やサービス展開に関する詳細な記載は限定的ですが、デジタルワークプレイス事業ではITサービスの拡大、画像ソリューション事業では医療ITの強化など、高付加価値ソリューションへのシフトを進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
コニカミノルタは、製品販売中心のビジネスモデルから、ハードウェアとソリューション・サービスを組み合わせたモデルへと転換を図っています。複合機市場の成熟に対応し、オフィスDXや産業用デジタル化のニーズを取り込むことで、収益モデルの変革を進めています。
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
- 構造改革の成果として販管費削減が進み、収益性が改善傾向にあります。これは、市場ニーズの変化に対応し、より効率的な事業運営を目指す姿勢の表れと言えます。
- 非継続事業の売却による一時的な利益貢献はあるものの、継続事業での営業黒字化は、事業モデルの転換が一定の成果を上げつつあることを示唆しています。
- 売上計上時期の偏りとその影響
- 特定の売上計上時期の偏りを示すデータは提供されていません。
5. 技術革新と主力製品
コニカミノルタは、長年培ってきた光学・画像処理技術を基盤に、多岐にわたる事業を展開しています。
- 技術開発の動向や独自性
- 高精度なセンシング技術、機能材料技術、そして精密な光学設計技術は、インダストリー事業における競争力の源泉となっています。
- ヘルスケア分野では、DR(デジタルラジオグラフィー)システムなど、画像診断技術に強みを持っています。
- 収益を牽引している製品やサービス
- 現時点では「デジタルワークプレイス」事業が連結売上高の55%を占めており、最も大きな収益源となっています。ただし、構造改革によりインダストリー事業の収益貢献も増加傾向にあります。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いた、現在の株価との比較
- 現在の株価: 680.1円
- EPS(会社予想): 54.63円
- PER(会社予想): 680.1円 ÷ 54.63円 = 12.45倍
- BPS(実績): 1,003.11円
- PBR(実績): 680.1円 ÷ 1,003.11円 = 0.68倍
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 24.2倍
- 業界平均PBR: 1.6倍
- コニカミノルタのPER(12.45倍)とPBR(0.68倍)はどちらも業界平均を大きく下回っており、数値上は割安と判断されます。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
- 現在の株価は680.1円です。
- 52週レンジ内位置は86.4%であり、年初来高値に近づく高値圏に位置していると言えます。
- 年初来高値・安値との位置関係
- 年初来高値: 729円
- 年初来安値: 366円
- 現在の株価は年初来高値(729円)に近く、高値水準にあります。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度
- 本日出来高: 2,329,500株
- 本日売買代金: 1,589,779千円
- Avg Vol (3 month): 2.97M株、Avg Vol (10 day): 2.4M株。直近の出来高は平均と同水準かやや下回る程度で、市場の関心は一定程度維持されていると見られます。
- 長期トレンド分析
- 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の株価リターンを評価
- 1ヶ月リターン: +3.23%
- 3ヶ月リターン: +25.39%
- 6ヶ月リターン: +49.74%
- 1年リターン: -3.39%
- 短期から中期にかけてはプラスのリターンであり、特に過去3ヶ月、6ヶ月は大きく上昇しています。一方で1年リターンはマイナスです。
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(上回る/下回る)
- 日経平均比: 1ヶ月 (+1.13%ポイント上回る)、3ヶ月 (+13.63%ポイント上回る)、6ヶ月 (+22.57%ポイント上回る)、1年 (-31.27%ポイント下回る)。
- TOPIX比: 1ヶ月 (+1.12%ポイント上回る)。
- 短期・中期では市場平均を上回るパフォーマンスを示していますが、長期(1年)では大きく下回っています。
- 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)
- 現在株価(680.10円)は、
- 5日移動平均線(690.02円)を下回っています(短期的な下落)。
- 25日移動平均線(676.96円)を上回っています。
- 75日移動平均線(599.20円)を上回っています。
- 200日移動平均線(519.06円)を上回っています。
- 短期的な調整局面にあるものの、中長期の移動平均線は株価の下方に位置しており、上昇トレンドが継続していることを示唆します。
- 現在株価(680.10円)は、
- サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置
- 1ヶ月レンジ: 631.30円 – 729.40円 –> 現在株価680.1円はレンジの中央よりやや上の位置。
- 3ヶ月レンジ: 508.60円 – 729.40円 –> 現在株価680.1円はレンジの上限に近い位置。
- 短期レンジにおいては現水準がサポートとなるか、あるいはレジスタンスを突破できるかが今後の焦点と考えられます。
- ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認
- データから直接的な言及はありませんが、現在株価が中長期の移動平均線を上回っており、25日移動平均線が75日移動平均線、200日移動平均線の上にあることから、ゴールデンクロスが発生している可能性が高いと推測されます。
- 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の株価リターンを評価
8. 財務諸表分析
コニカミノルタの過去数年間の業績は不安定で、赤字が散見されましたが、直近の中間期決算では構造改革の効果により改善が見られます。
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 過去12か月で1,083,156百万円。2023年3月期から減少傾向にあり、直近中間期も前年同期比で減収(△8.0%)。
- 営業利益: 過去12か月で-40,006百万円と赤字。しかし、2026年3月期中間期では22,982百万円と大幅に黒字転換しました(前年同期は△1,025百万円)。通期予想でも48,000百万円の黒字を見込んでいます。
- 純利益: 過去12か月で-14,155百万円と赤字。2026年3月期中間期では22,615百万円と黒字転換しました(前年同期は△10,714百万円)。通期予想で27,000百万円の黒字に上方修正されています。
- ROE(実績): -9.47%。過去12か月は-13.51%。依然として低水準で、収益性には課題があります。
- ROA(過去12か月): 2.31%。こちらも一般的なベンチマーク(5%)を下回っており、総資産を効率的に活用できていない状況を示唆します。
- 過去数年分の傾向を比較
- 売上高は概ね1兆円前後で推移していますが、大きく変動することもあります。
- 営業利益、純利益は2022年3月期、2023年3月期、2025年3月期(予想)と赤字を計上するなど、利益の安定性に課題がありました。
- 2024年3月期は小幅黒字を確保し、2026年3月期中間期決算で利益が大きく改善したものの、これには非継続事業の評価益が大きく寄与しています。
- 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
- 2026年3月期中間期の親会社所有者帰属当期利益は22,615百万円で、通期予想27,000百万円に対する進捗率は83.8%と非常に高いです。これは非継続事業からの評価益等、一時的な利益貢献が主因です。
- 営業利益の進捗率は47.9%と通期予想(48,000百万円)に対して概ね順調です。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績): 38.0%。直近中間期末では41.6%。一般的に健全とされる40%以上の水準にあり、財務基盤は安定していると言えます。
- 流動比率(直近四半期): 1.70。流動資産が流動負債の1.7倍あり、短期的な支払い能力は良好です。
- 負債比率(Total Debt/Equity、直近四半期): 81.14%。負債合計/親会社所有者帰属持分比率(約135%)と総合すると、負債は中程度で、過大な水準ではありません。
- 財務安全性と資金繰りの状況
- 自己資本比率や流動比率から見て、財務安全性は一定水準を維持しています。
- 営業キャッシュフローはプラスであり、資金繰りも問題ないと考えられます。
- 借入金の動向と金利負担
- Total Debt(直近四半期)は411.3B円です。
- Net Non Operating Interest Income Expenseは、過去数年でマイナス幅が増加しており(-1,319百万円から-15,147百万円へ)、金利負担が増加傾向にあることを示唆します。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): -9.47%、過去12か月では-13.51%。依然としてマイナスであり、株主資本を効率的に活用して利益を上げられていない状況です。
- ROA(過去12か月): 2.31%。こちらも資産全体の効率性が低いことを示しています。
- 営業利益率(過去12か月): -3.7%(計算値)。損益計算書上のOperating Incomeベース。企業財務指標のOperating Marginは5.26%(計算定義が異なる可能性あり)。2026年3月期中間期では約4.48%に改善しています。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
- ROE、ROAともに一般的なベンチマークを大きく下回っており、収益性改善は依然として大きな課題です。
- 収益性の推移と改善余地
- 中間期決算では構造改革費用剥落と販管費削減により大幅な利益改善が見られました。この改善が一時的なもの(非継続事業の評価益)だけでなく、継続事業(デジタルワークプレイス、インダストリー)の利益率向上に繋がるかが重要です。
- 利益の質分析
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)
- 営業キャッシュフロー(過去12か月):48.38B円
- 純利益(過去12か月、Net Income Avi to Common):-67.57B円
- 営業キャッシュフローはプラスであるにもかかわらず、純利益がマイナスとなっています。これは、減価償却費などの非現金費用や特別損益が大きく影響しているためと考えられます。
- アクルーアルズ比率による利益の質評価
- Piotroski F-Scoreの評価では「B (普通(赤字だがキャッシュフロー創出))」とされており、営業キャッシュフローの創出力自体は評価できます。
- キャッシュフローが利益を上回るか(1.0以上が健全)
- 純利益が赤字のため比較は困難ですが、営業キャッシュフローは黒字を維持しており、一時的な損失を除けば事業自体はキャッシュを創出する力を持っています。
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
- ベータ値(5Y Monthly): 0.44。市場全体の動き(S&P 500)に対して、コニカミノルタの株価は半分以下の感応度で変動することを示唆します。市場全体のリスクが高まっても、その影響は比較的受けにくい傾向があると言えます。
- 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値: 729.40円
- 52週安値: 366.40円
- 現在の株価680.1円は、52週レンジの約86.4%の位置にあり、高値圏に位置しています。
- 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
- 為替変動: 特にユーロおよび米ドルの変動が業績に影響を与えます。
- 原材料価格の高騰・関税: 米国相互関税など、外部環境の変化がコストに影響する可能性があります。
- 顧客の設備投資動向: ディスプレイ、印刷、医療など主要市場における顧客の設備投資動向が売上に影響します。
- 非継続事業関連の評価益: 直近の中間期決算で利益を大きく押し上げた非継続事業からの評価益は一時的なものであり、将来的に同様の利益貢献は期待できません。継続事業の利益創出能力が今後のカギとなります。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- コニカミノルタのPER(会社予想12.45倍)は業種平均PER(24.2倍)と比較して大幅に割安です。
- PBR(実績0.68倍)も業種平均PBR(1.6倍)と比較して割安です。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- 提供された情報によれば、目標株価(業種平均PBR基準)は1,605円と算出されています。この水準は現在の株価(680.1円)を大きく上回ります。
- 割安・割高の総合判断
- PER、PBRともに業界平均と比較して割安水準にあります。これは、過去の業績不振や今後の成長性に対する市場の懸念を反映している可能性がありますが、現在の業績改善(特に利益面)が評価されれば、株価の上昇余地があると考えられます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 2,832,000株
- 信用売残: 466,200株
- 信用倍率: 6.07倍
- 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率も6倍を超えています。これは、今後株価が下落した際に、買い方の投げ売りによる下落圧力が強まる可能性を示唆します。信用買残は前週比で増加しています。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
- 機関投資家による保有比率: 61.93%
- インサイダー(経営陣)による保有比率: 2.89%
- 機関投資家の保有比率が高く、比較的安定した株主構成と言えます。経営陣の保有比率は中程度です。
- 大株主の動向
- 日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行など、信託銀行の信託口が上位を占めており、これは年金運用などの受託資産を示しています。ゴールドマン・サックス・インターナショナルが5.42%を保有している点も注目されます。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り(会社予想): 1.47%
- 1株配当(会社予想): 10.00円 (中間5円、期末5円予定)
- 2026年3月期通期予想EPS 54.63円に対し、年間配当10円と仮定した場合の配当性向は約18.3%であり、無理のない範囲での配当が予定されています。
- 過去の配当性向は年度によって大きく変動しており、特に赤字期には配当性向がマイナスになるなど不安定でした。
- 自社株買いなどの株主還元策
- 決算短信において、期中に自己株式取得・処分実績があったことが言及されており、自社株買いも株主還元策の一つとして実施されています。
- 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
- 提供されたデータには記載がありません。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
- 2025年11月5日に発表された2026年3月期第2四半期決算短信において、通期業績予想の一部上方修正(親会社所有者に帰属する当期利益を240億円→270億円)が最大のトピックスです。
- これらが業績に与える影響の評価
- 上方修正の主な要因は、グローバル構造改革の加速による販管費削減効果と、非継続事業(プレシジョンメディシン)のAmbient Genomics株式譲渡に伴う公正価値評価益など、主に営業外での特別要因によるものです。
- 継続事業の収益基盤改善が進捗していることは評価できますが、純利益の上方修正に特別利益の寄与が大きい点には留意が必要です。
16. 総評
コニカミノルタは、主力とする複合機や印刷関連事業でデジタルソリューションへの転換を図りつつ、高付加価値なインダストリー事業やヘルスケア事業を展開する総合電機精密メーカーです。過去数年間は構造改革の途上にあり、赤字決算が続くなど厳しい状況でしたが、直近の2026年3月期中間期決算では、構造改革による販管費削減効果と非継続事業譲渡に伴う評価益等により、営業利益・純利益ともに大幅な改善を見せ、通期純利益予想を上方修正しました。
強み
- 液晶TACフィルムや医療用X線撮影装置など、特定の高付加価値分野で高いシェアと技術力を持つ。
- 大規模な構造改革を実行し、事業ポートフォリオの最適化と収益構造の改善を進めている。
- デジタルワークプレイス事業におけるソリューション提供へのシフト。
弱み
- 主力である複合機市場の成熟と競争激化。
- 売上高の減少傾向が続き、継続事業ベースでの本格的な成長ドライバーが明確でない。
- 過去の業績の不安定さと、収益性指標(ROE、ROA)がベンチマークに達していない点。
機会
- オフィスDX化の進展や産業のデジタル化ニーズを取り込み、ソリューションビジネスを拡大する余地。
- インダストリー事業における高精度センシングや光学技術の応用分野拡大。
- 構造改革の完了と収益基盤の安定化による企業価値向上。
脅威
- 為替変動、原材料価格高騰、地政学リスク(米国相互関税など)といった外部環境の変化。
- 非継続事業からの評価益が一時的であり、持続的な利益成長には継続事業の収益改善が不可欠。
- 競合他社との差別化や価格競争の激化。
投資判断の参考となるポイント
- 足元の株価はPER、PBRともに業界平均と比較して割安であり、バリュエーション面では魅力があります。
- 構造改革による利益改善は進んでいますが、売上高の減少傾向や、特別利益に依存しない継続的な利益成長の実現が今後の焦点となります。
- 中長期の移動平均線は上向きで、テクニカル的には上昇トレンドにあるものの、52週高値圏に位置しており、短期的な過熱感には注意が必要です。
17. 企業スコア
- 成長性: B
- 売上高は減収傾向が続いていますが、事業ポートフォリオの再編と高付加価値分野への注力により、利益率の改善は見られます。ただし、売上高の本格的な回復には時間がかかる可能性があります。
- 収益性: C
- ROE、ROAは依然として低い水準(ROE -9.47%、ROA 2.31%)で、一般的なベンチマークを下回っています。直近の中間期で営業利益が黒字化したものの、過去の赤字実績や一過性の利益貢献を除いた収益性が安定しているか、今後の推移を注視する必要があります。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率41.6%(中間期)と安定した水準を維持しており、流動比率も1.70と短期的な支払い能力も問題ありません。負債比率も過大ではありません。
- 株価バリュエーション: A
- PER(12.45倍)およびPBR(0.68倍)ともに、業界平均(PER 24.2倍、PBR 1.6倍)と比較して大幅に割安であり、バリュエーション面では高い評価となります。
企業情報
| 銘柄コード | 4902 |
| 企業名 | コニカミノルタ |
| URL | http://konicaminolta.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 680円 |
| EPS(1株利益) | 54.63円 |
| 年間配当 | 1.47円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.2% | 14.3倍 | 1,007円 | 8.3% |
| 標準 | 4.0% | 12.4倍 | 827円 | 4.2% |
| 悲観 | 2.4% | 10.6倍 | 651円 | -0.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 680円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 415円 | △ 64%割高 |
| 10% | 518円 | △ 31%割高 |
| 5% | 654円 | △ 4%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.6)」によって自動生成されました。
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