1. 企業情報
ケミプロ化成株式会社は、化学品と家庭用品を製造・販売する日本の企業で、1949年に設立されました。本社は神戸市にあり、主に紫外線吸収剤、酸化防止剤、製紙用薬剤、電子材料などの化学製品を提供しています。特に紫外線吸収剤では国内トップのシェアを誇り、BASFジャパン向けに約30%を供給しています。また、木材保存薬剤や農業用薬剤も手がけています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ケミプロ化成は、紫外線吸収剤の最大手として、競争優位性を持っています。しかし、原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が課題となっており、価格転嫁が難しい状況です。競合他社との競争も激化しており、特に海外市場でのシェア拡大が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な成長を目指し、化学品事業の強化と新製品開発に注力しています。中期経営計画では、紫外線吸収剤のさらなる市場拡大や、環境に配慮した製品ラインの開発が掲げられています。
4. 事業モデルの持続可能性
ケミプロ化成の収益モデルは、化学品事業に依存していますが、需要の変化に対する適応力が求められています。特に、環境規制の強化や消費者の環境意識の高まりに応じた製品開発が重要です。
5. 技術革新と主力製品
同社は、技術開発に力を入れており、特に紫外線吸収剤や電子材料の分野で独自性を発揮しています。主力製品である紫外線吸収剤は、需要が高く、収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- EPS（予想）: 8.76円
- PER（予想）: 34.13倍（業界平均15.9倍と比較して高い）
- BPS（実績）: 290.59円
- PBR（実績）: 1.03倍（業界平均0.7倍と比較して高い）
現在の株価（299円）は、PERが高く評価されていることを示しています。
7. テクニカル分析
直近の株価推移では、年初来高値586円、安値266円の間で変動しています。現在の株価は295-304円の範囲で推移しており、安値圏に近い状態です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 9,236百万円（前年同期比減少）
- 営業利益: 482百万円（前年同期比増加）
- 純利益: 126百万円（前年同期比増加）
- ROE: 2.72%
- 自己資本比率: 34.1%
過去数年の傾向では、売上は横ばいですが、利益は改善傾向にあります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 1.17%
- 1株配当（予想）: 3.50円
- 配当性向: 50.85%
配当は安定しているものの、増配の可能性は低いと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は295円から304円の範囲で推移しており、上昇の兆しが見えていますが、全体的には安値圏に位置しています。原材料費の高騰などが影響を与える要因です。
11. 総評
ケミプロ化成は、紫外線吸収剤市場での強力なポジションを持ちつつ、原材料コストの高騰や競争激化といった課題に直面しています。経営戦略としては、持続可能な成長を目指し、製品開発に注力していますが、株価は高PERで評価されており、投資家には慎重な判断が求められます。全体として、安定した収益基盤を持つ一方で、外部環境への適応力が今後の鍵となるでしょう。
企業情報
| 銘柄コード | 4960 |
| 企業名 | ケミプロ化成 |
| URL | http://www.chemipro.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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