以下は、株式会社マツモト(証券コード: 7901)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    株式会社マツモトは、主に印刷事業を展開している企業です。学校向けの卒業アルバムや記念アルバムの制作を主力としており、この部門が全売上の約80%を占めます。その他、ポスター、カタログ、パンフレットなどの一般商業印刷も手掛けています。近年では、デジタル化の波に対応し、インターネット関連事業としてデジタルフォトアルバム、セルフパブリッシング、印刷通販、写真プリント販売なども展開しています。また、Web3.0とNFT事業といった新しい技術領域への取り組みも進めています。
  • 主力製品・サービスの特徴
  • 学校アルバム・記念アルバム: 全国各地の学校向けに卒業アルバムや記念アルバムを制作しています。この分野で大手の一角を占めていますが、少子化やデジタル化の進展により市場環境は厳しさを増しています。
  • 一般商業印刷: 企業や団体向けのポスター、カタログ、パンフレットといった一般的な商業印刷物を提供しています。
  • インターネット関連事業: デジタルフォトアルバムやセルフパブリッシングサービスなど、印刷技術とインターネットを組み合わせた新たなサービスを提供し、顧客層の拡大と事業の多角化を目指しています。2025年4月期中間決算短信では、Web3.0とNFT事業への本格的な取り組みについて言及されています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    マツモトは学校アルバム制作の大手という点で一定の知名度と実績を持っています。しかし、印刷業界全体はデジタル化の進展に伴う紙媒体需要の減少、原材料高騰、環境意識の高まりといった構造的課題に直面しています。特に主力事業である学校アルバムは少子化の影響を強く受けており、市場規模が縮小傾向にあります。
    競争優位性としては、長年の経験とノウハウ、特定の顧客層(学校)との関係性が挙げられますが、収益性悪化から見ると、これらが十分な競争力として機能しているとは言い難い状況です。また、Web3.0やNFTといった新分野への進出は、新たな収益源を模索する動きと見られますが、現時点での事業貢献度は不明です。
  • 市場動向と企業の対応状況
    市場は少子化による学校アルバム需要の減少、印刷物全般のデジタル化への移行が顕著です。同社はこのような環境変化に対し、デジタルフォトアルバムやセルフパブリッシング、印刷通販などのインターネット関連事業を展開することで対応しようとしています。また、直近の決算短信では、学校アルバム販売価格の適正化、コスト削減、設備投資の抑制を掲げ、短期的な収益改善を目指しています。さらに、遊休資産の現金化や資金調達(社債発行、借入)を通じて財務基盤の立て直しを図っています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    経営陣は、厳しい事業環境下において、学校アルバム事業の販売価格適正化、コスト削減(労務費抑制など)、設備投資の抑制を主要な戦略としています。また、遊休資産の処分や投資有価証券の売却による資金確保、社債発行や借入による資金調達も積極的に行い、足元の財務状況の改善に注力しています。
    中長期的には、インターネット関連事業やWeb3.0/NFT事業といった新規分野への取り組みを通じて、事業構造の転換を目指していると推測されます。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    データ上、明確な数値目標を伴う中期経営計画の記載はありませんが、直近の決算短信からは以下の重点施策が見受けられます。
  • 収益構造の改善: 学校アルバムの価格転嫁、売上原価の削減、販管費の抑制。
  • 財務体質の強化: 遊休資産の売却による現金化、投資有価証券の売却、社債発行や金融機関からの借入による資金調達。
  • 新規事業の育成: デジタル化への対応としてインターネット関連事業や、Web3.0/NFT事業の展開。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信には具体的な新製品・サービス名やその売上貢献度に関する詳細な記載はありませんが、「Web3.0とNFT事業も」という記述や、インターネット関連事業の展開から、デジタル領域への投資と新サービス開発に注力していることが伺えます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    同社の収益モデルは学校アルバムが中心であり、これは卒業シーズンに売上が集中する季節偏重型です。少子化という構造的な市場縮小トレンドに直面しており、現在の事業モデルの持続性には大きな課題があります。インターネット関連事業やWeb3.0/NFT事業への進出は、新たな収益源を確保し、市場ニーズの変化に適応しようとする試みと見られますが、現時点では業績への貢献は限定的であると推測されます。収益性が悪化し、継続企業の前提に重要な不確実性が注記されている現状では、抜本的な事業構造改革と収益化が急務です。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    中間決算短信によると、「学校アルバム事業は卒業記念アルバム製造販売事業の性格上、年度末にあたる第4四半期に売上が集中する傾向がある」と明記されています。売上の約80%が卒業シーズンに計上されるため、中間期の売上は通期予想の約25%程度に留まっています。この偏りのため、中間期は赤字になりやすい傾向がありますが、通期予想に対する中間の進捗率は売上高で約25%と低く、利益面では大幅な赤字を計上しているため、下期に大幅な回復がなければ通期目標達成は困難です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    具体的な技術開発の内容に関する詳細な情報は限られていますが、デジタルフォトアルバム、セルフパブリッシング、印刷通販といったインターネット関連事業への注力は、従来の印刷技術とIT技術の融合を図るものと考えられます。Web3.0およびNFT事業への進出は、最新のデジタル技術を取り入れようとする意欲を示しています。これらの取り組みが同社の独自性や競争優位性にどれだけ寄与するかは、今後の成果にかかっています。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    現在のところ、売上構成比率(中間期で約61%)から見ても、依然として「学校アルバム」が最大の収益源であると考えられます。しかし、この主力事業が少子化の影響で伸び悩んでいるため、新たな収益の柱となる製品・サービスの確立が喫緊の課題です。現時点では、Web3.0やNFT事業が収益を牽引するまでには至っていないと見られます。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
  • 現在株価: 698.0円
  • 会社予想EPS: 50.35円
  • PBR(実績): 1.51倍
  • BPS(実績): 462.87円
  • 会社予想PER: 13.86倍
    会社予想EPS 50.35円に基づくと、PERは13.86倍となります。実績BPS 462.87円に対し、株価698.0円は1.51倍のPBRで評価されています。過去の損益状況や継続企業の前提に関する注記があることを考えると、実績PBR 1.51倍は割安とは言えない可能性があります。EPSは2025年4月期実績が-577.14円と大幅な赤字であり、2026年4月期に黒字転換予想であるものの、その実現可能性には不確実性があります。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
  • 業界平均PER: 10.0倍
  • 業界平均PBR: 0.5倍
    同社のPER(会社予想13.86倍)は業界平均PER(10.0倍)を上回っています。
    同社のPBR(実績1.51倍)は業界平均PBR(0.5倍)を大きく上回っています。
    これらの比較からは、株価が業界平均と比較して割高に評価されているように見えます。ただし、EPSとPBRの数値は赤字から黒字転換見込みであること、自己資本比率の低下などを踏まえて慎重に評価する必要があります。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
  • 年初来高値: 1,967円
  • 年初来安値: 647円
  • 現在株価: 698.0円
    現在株価は年初来安値647円に近く、年初来高値からは大きく下落しており、安値圏にあると判断できます。52週レンジ内位置は3.9%であり、安値圏に位置しています。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    現在株価698.0円は、年初来高値1,967円の約35.5%の水準、年初来安値647円の約107.9%の水準です。年初来安値からの回復は限定的で、過去の高値と比較して大きく割り込んでいる状態です。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
  • 出来高: 3,900株
  • 売買代金: 2,690千円
    直近の出来高は非常に少なく、売買代金も2百万円台と低水準です。これは市場からの関心度が低いことを示唆しており、流動性に課題がある可能性があります。約3ヶ月の平均出来高は13.13k株、10日平均出来高は12.81k株であり、直近の出来高は平均を下回っています。
  • 長期トレンド分析
  • 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の株価リターンを評価
  • 1ヶ月リターン: -15.80%
  • 3ヶ月リターン: -24.13%
  • 6ヶ月リターン: -9.94%
  • 1年リターン: -16.81%
    すべての期間でマイナスのリターンとなっており、長期的な下落トレンドが継続していることを示しています。
  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(上回る/下回る)
  • 日経平均比:
  • 1ヶ月: 17.90%ポイント下回る
  • 3ヶ月: 35.89%ポイント下回る
  • 6ヶ月: 37.10%ポイント下回る
  • 1年: 44.69%ポイント下回る
  • TOPIX比:
  • 1ヶ月: 17.92%ポイント下回る
    すべての期間で日経平均およびTOPIXを大幅に下回っており、市場全体と比べて非常に弱いパフォーマンスを示しています。
  • 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)
  • 現在株価: 698.00円
  • 5日MA: 685.20円(上回り 1.87%)
  • 25日MA: 766.08円(下回り 8.89%)
  • 75日MA: 834.84円(下回り 16.39%)
  • 200日MA: 880.59円(下回り 20.73%)
    現在株価は5日移動平均線をわずかに上回っているものの、25日、75日、200日といった中長期の移動平均線を大きく下回っています。これは依然として中長期的な下降トレンドの中にあることを示しています。
  • サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置
  • 1ヶ月レンジ: 647.00円 – 849.00円
  • 3ヶ月レンジ: 647.00円 – 1,063.00円
    現在株価698.0円は、1ヶ月レンジの下限に近い位置にあり、647円が直近のサポートラインとして機能する可能性があります。一方で、849円や1,063円がレジスタンスとして意識されるでしょう。
  • ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認
    データからは明確なゴールデンクロス/デッドクロスのシグナルは確認できませんが、中長期移動平均線が短期移動平均線を上回る状態が続いていることから、デッドクロスが継続している、あるいはそれに近い状況であると推測されます。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
  • 売上高: 過去数年間は22〜23億円台で推移していましたが、2025年4月期は21.69億円(予想)、過去12ヶ月では21.45億円と漸減傾向にあります。
  • 営業利益: 2023年4月期に12百万円と一時的に黒字化したものの、2024年4月期は-146百万円、2025年4月期は-265百万円(予想)と再び赤字が拡大しています。過去12ヶ月も-202百万円の営業損失です。
  • 経常利益・純利益: 営業利益の赤字に伴い、経常利益、純利益も継続的に赤字となっています。特に2025年4月期は-653百万円と大幅な純損失を計上しています。
  • ROE(実績): -57.33%(過去12ヶ月:-57.76%)と大幅なマイナスです。純利益が赤字であるため、ROEも大幅なマイナスとなっています。
  • ROA(実績): -5.75%(過去12ヶ月)とマイナスです。
  • 過去数年分の傾向を比較
    2022年4月期から2期連続で大幅な純損失を計上し、2023年4月期に一時的に黒字転換したものの、2024年4月期以降は再び赤字が常態化しています。売上高は減少傾向にあり、費用削減努力にもかかわらず利益を出すことができていません。特に営業段階での赤字が常態化しており、本業での採算性が極めて悪化している状況です。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2026年4月期第2四半期(中間期)の決算は以下の通りです。
  • 売上高: 542百万円(通期予想2,155百万円に対し進捗率約25.2%)
  • 営業損失: △435百万円(通期予想営業利益93百万円に対し、大幅未達)
  • 純損失: △269百万円(通期予想純利益57百万円に対し、大幅未達)
    季節性(売上が第4四半期に集中)を考慮しても、売上進捗は約25%と低く、利益面では中間期で既に大幅な赤字を計上しています。会社は通期予想を据え置いていますが、この赤字を覆して通期黒字(営業利益93百万円、純利益57百万円)を達成するには、下期に極めて大幅な収益改善か、資産売却等による特別利益の計上が必要不可欠です。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
  • 自己資本比率(中間期): 25.6%(前期末 39.4%)。前期末からは低下しており、一般的な目安とされる40%を下回っています。財務基盤の弱体化が進行しています。
  • 流動比率(中間期): 約80.9%(流動資産689.7百万円 / 流動負債852.6百万円)。100%を下回っており、短期的な負債の返済能力に懸念があります。流動負債が流動資産を上回る「流動負債超過」の状態です。
  • 負債合計(中間期): 1,521.7百万円。総資産に対する負債比率は約74.4%で、かなり高い水準です。
  • Total Debt/Equity(直近四半期): 176.10%。自己資本に対する有利子負債の比率が高く、財務レバレッジが高い状態を示します。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率の低下、流動比率の100%割れ、多額の負債を抱えていることから、財務安全性は低いと言えます。直近の中間期では、営業キャッシュフローが△656.9百万円と引き続きマイナスであり、本業で資金が生み出せていません。投資キャッシュフローは資産売却によりプラスでしたが、財務キャッシュフローで短期借入や社債発行により資金調達を行い、現金残高を維持している状況です。
    決算短信には「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が注記されており、資金繰りは予断を許さない状況にあります。
  • 借入金の動向と金利負担
    中間期では、財務キャッシュフローにおいて短期借入金による収入400百万円、社債発行による収入190百万円を計上しており、積極的な資金調達を行っています。Total Debtは921百万円(直近四半期)と高水準です。損益計算書では、金利費用が30百万円超と年々増加傾向にあり、営業利益が赤字の中で金利負担が収益をさらに圧迫する要因となっています。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
  • ROE(過去12ヶ月): -57.76% (ベンチマーク10%に対し非常に低い)
  • ROA(過去12ヶ月): -5.75% (ベンチマーク5%に対し低い)
  • 粗利率(過去12ヶ月): 14.3% (307,800千円/2,145,477千円)
  • 営業利益率(過去12ヶ月): -185.63% (Operating Margin)
  • 純利益率(過去12ヶ月): -20.05% (Profit Margin)
    すべての収益性指標が大幅なマイナスであり、極めて収益性が低い状態です。本業である印刷事業で売上原価を賄いきれておらず、売上総利益が低い、またはマイナスになることもあります(中間期では売上総損失)。販管費を吸収できず、営業損失が常態化しています。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE、ROAはともに一般的なベンチマークを大きく下回り、大幅なマイナスとなっています。これは、投下された資本や資産を効率的に活用できておらず、むしろ損失を生み出している状況を示しています。
  • 収益性の推移と改善余地
    収益性は過去数年間で悪化傾向にあり、特に2024年4月期以降の赤字幅が拡大しています。直近中間期では、前年同期比で営業損失幅は縮小したものの、依然として大幅な赤字です。改善余地は大きいものの、売上減少と価格競争という構造的な課題に直面しており、抜本的な事業構造改革やコスト構造の見直し、あるいは高収益な新規事業の育成なしには、収益性の回復は困難です。
  • 利益の質分析
  • 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)
  • 過去12ヶ月の営業CF: -222百万円
  • 過去12ヶ月の純利益: -430百万円
    営業CF/純利益比率: — (純利益がマイナスであるため計算不能)
    純利益が大幅なマイナスであるだけでなく、営業キャッシュフローも大幅なマイナスが続いています。これは、会計上の利益(純利益)だけでなく、本業からの現金創出力も極めて低いことを示しており、利益の質は非常に悪いと評価できます。
  • アクルーアルズ比率による利益の質評価
    データからは直接アクルーアルズ比率を算出できませんが、営業CFが継続的に赤字で、かつ純利益も大幅に赤字である現状は、利益の質が低いことを強く示唆しています。
  • キャッシュフローが利益を上回るか(1.0以上が健全)
    営業CFは純利益を上回っていません(両者ともマイナス)。特に営業CFがマイナスであることは、企業の利益が主に非現金取引や資産売却等に依存している可能性を示唆しており、本業で現金を稼ぐ力が失われている状態です。提供された「利益の質評価: D (要注意(赤字かつキャッシュフロー悪化))」という評価は妥当です。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
  • ベータ値 (5Y Monthly): -5.66
    ベータ値が極端なマイナス値であり、通常の市場感応度を示す指標としては信憑性が低い可能性があります。これは、出来高の少なさや特殊な価格変動パターン、あるいはデータの計算方法に起因する可能性があります。一般的にマイナスのベータ値は市場全体が上昇する際に株価が下落し、市場全体が下落する際に株価が上昇する傾向を示しますが、この数値は異常値と捉えるべきでしょう。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
  • 52週高値: 1,967.00円
  • 52週安値: 647.00円
  • 現在株価: 698.00円
    現在株価は52週レンジの非常に低い位置(3.9%)にあり、過去1年間の安値圏で推移しています。これは株価が大幅に下落した状況を示しています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信には、特に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が存在することが明記されています。その要因として以下の点が挙げられています。
  • 2期連続の損失計上により自己資本が減少していること。
  • 営業活動によるキャッシュ・フローが継続的にマイナスであること。
  • 手元資金が減少していること。
    これらの内部要因に加え、外部環境としては少子化による学校アルバム市場の縮小、印刷資材等の原材料価格高騰、価格競争激化が挙げられます。為替や地政学リスクに関する具体的な言及はありませんが、原材料を輸入に頼る場合、為替変動リスクも潜在的に存在します。また、資金調達計画や資産売却が予定通り進まないリスクも大きいです。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
  • 同社PER(会社予想): 13.86倍
  • 業界平均PER: 10.0倍
  • 同社PBR(実績): 1.51倍
  • 業界平均PBR: 0.5倍
    同社のPER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、業種平均で比較すると割高に評価されています。特にPBRは業界平均の3倍以上の水準です。これは、同社の継続的な赤字、自己資本の減少、将来的な事業の不確実性を考慮すると、割高感が強いと言えます。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
  • 目標株価(業界平均PBR基準): 231円
    提供データによると、業界平均PBRに基づいて算出した目標株価は231円です。現在の株価698.0円と比較すると、大きく下回る水準です。
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価は、EPSが依然として赤字予想(2025年4月期実績は大幅な赤字)、ROEが大幅なマイナスであり、PBRも業界平均を大きく上回っていることから、割高であると総合的に判断されます。特に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」という注記がある状況で、このPBR水準はリスクが高いと言えます。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
  • 信用買残: 41,900株(前週比 +3,400株)
  • 信用売残: 0株
  • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残が0のため)
    信用売残が0であるため、信用倍率は算出されません。信用買残が41,900株あるものの、売り方が不在であるため、株価が反発した場合に需給が引き締まる可能性は低いと考えられます。また、信用買残が増加傾向にあることは、当面の間、買い方の投げ売りによる下落圧力となるリスクがあります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
  • % Held by Insiders 1: 39.60%
  • % Held by Institutions 1: 8.50%
    経営陣(創業者一族)が大株主リストに名を連ねており、株式の約4割を関係者が保有しています。経営陣による持株比率が高いことは、経営の安定性や長期的な視点での事業運営に寄与する可能性がありますが、同時に流動性の低さにも繋がります。機関投資家による保有比率は8.50%と比較的低いです。
  • 大株主の動向
    大株主上位には、Brand New Retail Initiative Fund投資事業有限責任組合(12.01%)、松本大輝氏(代表者、7.89%)、松本敬三郎氏(元代表者か、7.54%)といった個人およびファンドが名を連ねています。特にファンドが10%超を保有している点は注目に値します。大分銀行、福岡銀行といった地元の金融機関も株主として名を連ねており、安定株主としての側面もあると考えられます。具体的な売買動向の記載はありませんが、現在の株価低迷局面で大株主がどのようなスタンスを取るかは注目されます。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
  • 1株配当(会社予想): 0.00円
  • 配当利回り(会社予想): 0.00%
  • 配当性向(会社予想): 0.00%
    同社は現在、配当を実施していません。過去数年間も配当はゼロであり、業績の悪化を鑑みると、当面の間は配当実施の可能性は低いと判断されます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    データ上、自社株買いなどの株主還元策に関する記載はありません。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    データ上、株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策に関する記載はありません。財務状況が厳しいため、株主還元よりも事業継続のための資金確保が優先されている状況です。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    直近の最も重要な適時開示情報は、2025年12月12日に提出された「2026年4月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)」です。この中で、特に以下の点が注目されます。
  • 継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記: 2期連続の損失計上、営業CFの継続的マイナス、手元資金減少を指摘しており、この解消に向けた具体的な施策(資産売却、資金調達等)を進めているものの、最終合意に至っていない事項があること。
  • 業績の見通し: 中間期で大幅な売上未達・営業赤字であるにもかかわらず、通期予想を据え置いていること。これは下期での抜本的な収益改善、または特別利益計上を前提としていると考えられます。
  • 資金繰り対策: 金融機関からの借入や社債発行、遊休資産・投資有価証券の売却による資金確保。
  • これらが業績に与える影響の評価
    「継続企業の前提に関する重要な不確実性」の注記は、企業の存続そのものにリスクがあることを示す、極めて重要な情報です。これが市場に与える影響は大きく、株価の下落圧力となります。通期予想を据え置いているものの、中間期の実績からは大幅な乖離があり、目標達成の蓋然性が低いと判断されます。下期での資産売却やコスト削減、価格転嫁が計画通り進まなければ、更なる業績下方修正や資金繰りの悪化リスクがあります。

16. 総評

株式会社マツモトは、学校アルバム事業を主力とする老舗の印刷会社ですが、少子化とデジタル化という構造的な逆風に直面し、厳しい経営状況が続いています。

全体的な見解:

同社は、継続的な売上減少と赤字計上により、財務健全性が著しく低下しています。特に、自己資本比率の悪化、流動負債超過、営業キャッシュフローの継続的なマイナスは、資金繰りの懸念を強めており、決算短信には「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が注記されている状況です。経営陣は、コスト削減、価格転嫁、資産売却、資金調達といった抜本的な対策を進めていますが、その進捗には不確実性が伴います。株価は年初来安値圏にありますが、業績と財務状況、およびバリュエーション指標(PER、PBR)を考慮すると、依然として割高感があります。

投資判断の参考となるポイントの整理:

  • 構造的課題: 主力事業が少子化の影響を強く受けており、市場は縮小傾向。デジタル化への対応も途上。
  • 財務リスク: 継続企業の前提に関する不確実性が高い。自己資本比率の低下、流動性懸念、営業キャッシュフローのマイナスが続く。
  • 収益性: 継続的な営業損失、純損失を計上しており、ROE、ROAともに大幅なマイナス。本業での収益改善が急務。
  • 株価バリュエーション: 業界平均PER、PBRと比較して割高感がある。
  • 今後の注目点: 下期の業績回復(特に営業黒字転換)の進捗、資産売却や資金調達の確実な実行、「継続企業の前提」の解消。Web3.0/NFT事業等の新規事業の具体的な成果。

強み・弱み・機会・脅威の整理 (SWOT分析):

  • 強み (Strengths)
  • 学校アルバム事業における長年の実績とノウハウ。
  • 大株主による安定性(経営陣・地元金融機関)。
  • 弱み (Weaknesses)
  • 主力事業の市場縮小トレンド(少子化)。
  • 継続的な営業赤字と大幅な純損失。
  • 財務健全性の低下(自己資本比率、流動比率、高負債比率)。
  • 営業キャッシュフローの継続的なマイナス。
  • 流動性の低い株価(出来高の少なさ)。
  • 配当停止など、株主還元の余力がない。
  • 機会 (Opportunities)
  • デジタル化・インターネット関連事業(デジタルフォトアルバム、セルフパブリッシング等)による新たな収益源の確立。
  • Web3.0とNFT事業といった最新技術分野への挑戦。
  • コスト構造改革や価格転嫁による収益性改善。
  • 脅威 (Threats)
  • 「継続企業の前提に関する重要な不確実性」の存在。
  • 少子化による学校アルバム市場の更なる縮小と激しい価格競争。
  • 原材料価格の高騰。
  • 資金調達や資産売却が計画通りに進まないリスク。
  • 新規事業の収益化が遅れるリスク。

17. 企業スコア

  • 成長性: C (売上は漸減傾向、受注動向も芳しくない。新規事業の貢献は未知数であり、成長を牽引する力は現時点で見えにくい。)
  • 収益性: D (粗利率が低く、営業利益率、ROE、ROAが全て大幅なマイナス。本業による収益創出能力が極めて低い。)
  • 財務健全性: D (自己資本比率25.6%は40%未満であり評価基準でC~D。流動比率も80.9%で短期的な流動性に懸念があり、Total Debt/Equityも高い。特に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が注記されており、財務的なリスクが高いと評価。)
  • 株価バリュエーション: C (PER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、現在の業績や財務状況を考慮すると割高感がある。目標株価231円との乖離も大きい。)

企業情報

銘柄コード 7901
企業名 マツモト
URL http://www.matsumoto-inc.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 698円
EPS(1株利益) 50.35円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 5.9% 15.9倍 1,069円 8.9%
標準 4.5% 13.9倍 871円 4.5%
悲観 2.7% 11.8倍 679円 -0.6%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 698円

目標年率 理論株価 判定
15% 433円 △ 61%割高
10% 541円 △ 29%割高
5% 683円 △ 2%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.6)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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