1. 企業概要
NITTOKUは、コイル製造自動巻線機の最大手として事業を展開しています。主力である「ワインディングシステム&メカトロニクス事業」では、リレー、ソレノイド、イグニッションなどの各種コイル、モーター用巻線機、さらには生産ライン全体の自動化システムを提供しています。加えて、「非接触ICタグ・カード事業」も手掛けています。
同社の収益モデルは主にB2Bであり、高機能な自動巻線機や自動システム機の受注生産が中心となるため、フロー型の側面が強いです。技術的独自性としては、長年培ってきた精密なコイル巻線技術と、顧客の多様なニーズに応えるカスタムメイドの生産ライン設計・構築能力が強みであり、これが高い参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
NITTOKUは「コイル製造自動巻線機の最大手」とされており、業界内で確固たるリーダーポジションを築いていると推定されます。主要競合他社との差別化要因は、単なる巻線機だけでなく、巻線・ハンドリング・組立・検査までを統合した全自動システム機を提供できる点にあります。この統合的なソリューション提供能力が、高い顧客満足度と競争力の源泉となっています。
市場動向としては、モビリティ分野における電動化・電装化の進展や、製造業全般での自動化・省力化ニーズの高まりが中長期的な需要を牽引しています。同社は、インドでの合弁会社設立によるグローバル展開強化や、技術センター開設による人材確保を通じて、これらの市場機会に対応する戦略を進めています。
定量比較として、業界平均との財務指標を比較します。
- NITTOKUのPER(会社予想): 16.36倍
- 業界平均PER: 10.7倍
- NITTOKUのPBR(実績): 1.08倍
- 業界平均PBR: 0.7倍
現在のPERおよびPBRは、業界平均と比較して割高な水準にあります。
3. 経営戦略
経営陣は、グローバル展開の強化と生産体制の拡充を通じて、持続的な成長を目指しています。中期経営計画の重点投資分野としては、インドでの合弁事業設立による新たな販売・供給網の構築や、サテライト戦略による即戦力人材の確保が挙げられます。
最近の適時開示情報からは、2025年9月1日付でNITTOKU SINGAPORE PTE.LTD.と第一実業によるインドにおける合弁会社設立が発表されています。これは、成長著しい新興市場への本格的な参入を意味し、今後の業績に中長期的な貢献が期待されます。また、直近の第2四半期決算では、海外(主に米国)向け売上が好調であったことや、新規開発要素を含む案件の割合減少による粗利率改善が報告されており、これが営業利益の大幅増益につながっています。受注残高も前年同期比で増加しており、今後の売上基盤を確保している状況です。
4. 財務分析
- 収益性
- 営業利益率(過去12か月): 15.86%
- ROE(過去12か月): 6.72%
- ROA(過去12か月): 3.60%
2025年3月期は低水準でしたが、過去12か月では営業利益率が非常に高く改善しています。一方で、ROEとROAはベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を下回っています。 - 財務健全性
- 自己資本比率(直近四半期): 62.4% (高水準で安定)
- 流動比率(直近四半期): 255% (短期的な支払能力に優れる)
- D/Eレシオ(直近四半期): 0.18倍 (非常に低い水準で、負債依存度が低い)
財務健全性は極めて高い水準にあります。 - 成長性
- 売上高成長率(前年同期比、直近四半期): 30.60%
- 利益成長率(前年同期比、直近四半期): 99.30%
直近の四半期では売上高、利益ともに顕著な成長を示しています。 - キャッシュフロー
- 営業CF(過去12か月): 117百万円
- 純利益(過去12か月): 2,580百万円
- 営業CF/純利益比率(過去12か月): 0.05
過去12か月の実績では、営業CFが純利益を大幅に下回っており、利益の質に懸念があります。ただし、2026年3月期中間期単独では営業CFが+1,808百万円、中間純利益が1,610百万円であり、営業CF/純利益比率は約1.12と健全なレベルです。これは、特定の期間での大型投資などの影響が考えられます。 - 四半期進捗
- 2026年3月期 通期予想に対する第2四半期進捗率:
- 売上高: 48.3%
- 営業利益: 59.8%
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 64.4%
利益面では通期予想を大幅に上回る順調な進捗を示しており、会社は通期予想および配当予想を修正しています。
5. 株価分析
- 現在の水準
- 現在株価: 2,424.0円
- PER(会社予想): 16.36倍
- PBR(実績): 1.08倍
- 業界平均PER: 10.7倍、業界平均PBR: 0.7倍
PER、PBRともに業界平均と比較すると、割高な水準で評価されています。 - EPS(会社予想): 148.16円
- BPS(実績): 2,253.94円
- 業種平均PER/PBRに基づく理論株価レンジは、約1,578円~1,585円となります。現在の株価は、この理論株価レンジを上回る水準です。
- テクニカル
- 52週高値: 2,608円, 52週安値: 1,670円
- 現在株価は52週レンジの80.4%の位置にあり、高値圏で推移しています。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線: 2,444.00円(現在株価は下回り)
- 25日移動平均線: 2,322.52円(現在株価は上回り)
- 75日移動平均線: 2,331.09円(現在株価は上回り)
- 200日移動平均線: 2,111.36円(現在株価は上回り)
短期的に5日移動平均線を下回っていますが、中期・長期の移動平均線を上回っており、全体としては上昇トレンドが継続している状態です。 - 市場との比較
- 日経平均比: 1ヶ月では4.21%ポイント上回っていますが、3ヶ月では8.34%ポイント、1年では7.04%ポイント下回っています。6ヶ月では9.55%ポイント上回るパフォーマンスです。
- TOPIX比: 1ヶ月では4.20%ポイント上回っています。
短期的には市場をアウトパフォームしているものの、中長期では市場指数との相対パフォーマンスはまちまちです。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: 0.31
ベータ値が0.31と低いことから、市場全体の値動きに対する感応度が低い、比較的ディフェンシブな銘柄と評価できます。 - 決算短信記載のリスク要因:
- 海外経済の減速、関税・保護主義の拡大、地政学リスク(ウクライナ・中東等)によるグローバル事業への影響。
- 欧州の自動車市場等、一部顧客業界の景況悪化。
- 為替変動や原材料価格の変動。
- 事業特有のリスク:
- 主要事業が設備投資に関連するため、景気変動の影響を受けやすい可能性があります。
- 常に技術革新が求められる分野であり、技術陳腐化リスクも存在します。
- 52週レンジにおける現在位置: 80.4%
株価が52週高値圏に位置しているため、短期的な調整が入る可能性が考えられます。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 229,100株
- 信用売残: 4,000株
- 信用倍率: 57.28倍
信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率が非常に高い水準にあります。これは将来的な売り圧力が存在する可能性を示唆しています。 - 株主構成と大株主の動向:
自社(自己株口)が6.77%を保有するほか、複数の事業会社や金融機関、個人が大株主として名を連ねています。機関投資家の保有比率は25.65%です。特定の安定株主が多く、株主基盤は比較的安定していると考えられます。 - 経営陣の持株比率と安定株主の状況: データなし。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.48%
- 1株配当(会社予想): 60.00円
- 配当性向(予想): 約40.5% (2026年3月期予想EPS 148.16円に対する計算)
2026年3月期の年間配当は60.00円と予想されており、前期(42.00円)から増配傾向にあります。配当性向は過去と比較しても高めの水準であり、株主還元への意欲が伺えます。
- 自社株買いの実績と方針:
大株主リストに自社(自己株口)の保有が記載されているため、過去に自社株買いを行った実績はありますが、直近の自社株買いの方針に関する具体的な記載はありません。
9. 総合評価
- 投資ポイント
- コイル製造自動巻線機市場における高い技術力とグローバルな事業展開力。
- 2026年3月期第2四半期決算の好調な進捗と、それに伴う通期業績予想および配当予想の上方修正。
- 電動化・自動化トレンドを背景とした中長期的な需要拡大機会。
- 強み
- コイル巻線機分野における業界最大手であり、高度な技術力と顧客対応力。
- 非常に健全性の高い財務基盤(高い自己資本比率、流動比率)。
- 直近四半期における売上高・利益の大幅な成長。
- 弱み
- 業界平均と比較して割高な株価バリュエーション。
- 過去12ヶ月の営業CF/純利益比率が低く、利益の質に一旦の注視が必要。
- 高い信用買残による将来的な売り圧力の可能性。
- 機会
- 世界的なDX推進による製造業の自動化・省力化投資の加速。
- インドでの合弁会社設立による新たな市場開拓と事業拡大。
- 主要顧客産業(モビリティ等)における電装化・安全化ニーズの増加。
- 脅威
- 世界経済の減速や地政学リスク、保護主義の蔓延による海外事業への悪影響。
- 為替レートや原材料価格の変動が利益率を圧迫する可能性。
- 株価が高値圏にあり、市場全体の調整や企業固有のリスク顕在化による下落。
- 注目すべき指標
- 2026年3月期 通期営業利益4,000百万円の達成状況。
- ワインディングシステム&メカトロニクス事業の新規受注および受注残高の推移。
- 営業キャッシュフローの年間を通じた安定的な創出状況。
10. 企業スコア
- 成長性: S
- 売上成長率(Quarterly Revenue Growth 前年比): 30.60% は15%以上。
- 収益性: C
- ROE(過去12か月): 6.72% はROE 5-8%の範囲。
- 営業利益率(過去12か月): 15.86% は15%以上と高水準ですが、ROEがC評価の範囲にあるため、総合判断はCとなります。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率(直近四半期): 62.4% は60%以上。
- 流動比率(直近四半期): 255% は200%以上。
- 株価バリュエーション: D
- PER(会社予想): 16.36倍、業界平均PER: 10.7倍 (約152%)
- PBR(実績): 1.08倍、業界平均PBR: 0.7倍 (約154%)
- PER/PBR共に業界平均の130%以上。
企業情報
| 銘柄コード | 6145 |
| 企業名 | NITTOKU |
| URL | https://nittoku.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,424円 |
| EPS(1株利益) | 148.16円 |
| 年間配当 | 2.48円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6.9% | 17.8倍 | 3,683円 | 8.8% |
| 標準 | 5.3% | 15.5倍 | 2,972円 | 4.3% |
| 悲観 | 3.2% | 13.2倍 | 2,283円 | -1.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,424円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,485円 | △ 63%割高 |
| 10% | 1,855円 | △ 31%割高 |
| 5% | 2,340円 | △ 4%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.7)」によって自動生成されました。
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