1. 企業概要
ダスキンは、主に環境衛生事業とフード事業を展開する企業です。清掃用具のレンタル・販売、プロフェッショナルな清掃サービスなどを提供する「訪販グループ」と、ミスタードーナツを中心とする「フードグループ」を二本柱としています。近年は、家事代行サービスや海外事業(アジア展開)にも注力しています。
- 主力製品・サービスの特徴
- 訪販グループ:モップやマットなどの清掃用具レンタルを中心に、プロの清掃サービス、害虫駆除、家事代行、ユニフォームレンタルなど幅広いサービスを提供し、顧客の衛生・快適な暮らしをサポートしています。
- フードグループ:ミスタードーナツはフランチャイズ(FC)方式で全国約1000店舗を展開しており、手軽に楽しめるドーナツや飲食品を提供しています。近年はモスフードサービスとの提携も行っています。
- 収益モデル
- 訪販グループ:清掃用具のレンタル収入が中心となるストック型収益が主体です。サービス提供はB2B(事業所向け)とB2C(家庭向け)の両方で展開しています。
- フードグループ:ミスタードーナツのFC展開によるロイヤリティ収入と直営店売上が主体となるフロー型収益モデルです。B2Cが中心です。
- 技術的独自性や参入障壁
- 長年の歴史とブランド力に裏打ちされた顧客基盤、フランチャイズネットワークが主要な参入障壁となっています。特に訪販グループにおいては、きめ細やかな訪問サービスと高品質な製品提供により、顧客との長期的な関係性を築いています。
2. 業界ポジション
ダスキンは、環境衛生サービスおよび外食産業という広範な市場で事業を展開しています。
- 業界内での推定市場シェアまたはポジション
- 清掃・衛生用品レンタル市場では大手の一角を占め、高いブランド認知度を有しています。ミスタードーナツはドーナツチェーンで国内大手であり、モスフードサービスとの提携により外食業界内での存在感を高めています。具体的な市場シェアはデータなし。
- 主要競合との差別化要因
- 訪販グループ:製品レンタルとプロフェッショナルサービスを組み合わせた総合的な衛生ソリューション提供が強みです。地域に密着したFC展開による顧客対応力も差別化要因となっています。
- フードグループ:ミスタードーナツの独自ブランド力、長年の歴史に培われた商品開発力と、季節ごとの限定商品が顧客を惹きつけています。
- 市場動向と企業の対応状況
- 国内市場は緩やかな回復基調にあるものの、物価高や海外情勢のリスクに直面しています。ダスキンは訪販グループで新商品の投入(例:「ケース付きモップクリーナー」)やケアサービスの強化を図り、フードグループでは価格改定や限定商品の投入によって需要喚起と粗利改善を進めています。
- 【定量比較】業界平均との財務指標比較
- PER(会社予想):22.37倍
- PBR(実績):1.31倍
- 業界平均PER:17.0倍
- 業界平均PBR:1.8倍
- ダスキンのPERは業界平均を上回っており、PBRは業界平均を下回っています。
3. 経営戦略
- 経営陣のビジョンと中期経営計画
- 長期経営戦略「Do-Connect」の第1フェーズとして中期経営方針2028に取り組んでおり、新事業の育成と既存事業の深化を重点戦略としています。
- 重点投資分野と成長戦略
- 訪販グループでは、新商品・サービスの開発(新モップクリーナー等)、販促活動、人件費への投資を強化し、収益基盤の強化を目指しています。
- フードグループでは、ミスタードーナツのブランド力強化と収益性改善(価格改定、商品ラインアップ強化)、海外事業の成長投資を進めています。
- 最近の適時開示情報
- 2026年3月期第2四半期決算短信において、連結通期業績予想は据え置いたものの、セグメント別に訪販グループの営業利益を下方修正(▲1,200百万円)、フードグループの営業利益を上方修正(+800百万円)しました。
- これらが今後の業績に与える影響
- フードグループは価格改定と商品戦略が奏功し、引き続き堅調な推移が見込まれます。一方、訪販グループは新商品展開に伴う初期出荷原価の一括計上や、人件費・販促費の増加が一時的に利益を圧迫する可能性があります。通期でこれらのコストを吸収し、計画を達成できるかが注目されます。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):5.43%(目安:5%~10%で一般的)
- ROE(実績):5.77%(ベンチマーク10%に対しやや低い)
- ROA(過去12か月):2.53%(ベンチマーク5%に対し低い)
- 2026年3月期中間期の営業利益率は4.9%(前年同期4.3%から改善)と、収益性は改善傾向にあります。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):74.4%(極めて高い水準で、非常に健全)
- 流動比率(直近四半期):1.47倍(147%)(短期的負債の支払い能力は良好)
- D/Eレシオ(直近四半期):0.00%(実質無借金経営で、負債による財務リスクは極めて低い)
- 【成長性】
- 売上高成長率:
- 2023/3連結比2024/3連結:+4.86%
- 2024/3連結比2025/3連結:+5.60%
- 2025/3連結比2026/3連結予想:+3.29%
- 利益成長率(純利益):
- 2023/3連結比2024/3連結:-36.23%(減益)
- 2024/3連結比2025/3連結:+91.95%(大幅増益)
- 2025/3連結比2026/3連結予想:+2.18%
- 売上高は緩やかな成長を継続しています。純利益は前期に大幅な回復を見込み、今期は安定した成長を予想しています。
- 【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月):14,520百万円
- 純利益(過去12か月):9,570百万円
- 営業CF/純利益比率:1.52倍(1.0以上が健全とされ、利益を上回るキャッシュフローを創出しており、利益の質は非常に良好です)
- 【四半期進捗】
- 2026年3月期通期予想に対する第2四半期(中間期)の進捗率は以下の通りです。
- 売上高進捗率:48.8%
- 営業利益進捗率:59.4%(通期予想に対し、中間期で良好な進捗)
- 純利益進捗率:47.2%
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- 株価: 4,287.0円 (2026年1月5日終値)
- PER(会社予想): (連) 22.37倍
- PBR(実績): (連) 1.31倍
- 業界平均PER: 17.0倍
- 業界平均PBR: 1.8倍
- 評価: PERは業界平均(17.0倍)と比較して約131.5%と割高感があります。PBRは業界平均(1.8倍)と比較して約72.8%と割安感があります。PERとPBRで異なる評価となっています。
- EPS(会社予想)ベースの理論株価レンジ(業界平均PER適用):191.62円 × 17.0倍 = 3,257.54円
- BPS(実績)ベースの理論株価レンジ(業界平均PBR適用):3,261.16円 × 1.8倍 = 5,870.09円
- 【テクニカル】
- 52週高値: 4,400円、52週安値: 3,429円
- 現在株価は52週レンジの88.4%の位置にあり、高値圏で推移しています。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線 (4,277.40円) に対し0.22%上回っています。
- 25日移動平均線 (4,233.68円) に対し1.26%上回っています。
- 75日移動平均線 (3,971.93円) に対し7.93%上回っています。
- 200日移動平均線 (3,881.91円) に対し10.44%上回っています。
- 短期、中期、長期の全ての移動平均線を上回っており、明確な上昇トレンドを示しています。現在のところ、ゴールデンクロスやデッドクロスといったトレンドシグナルは発生していません。
- 【市場との比較】
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年)
- いずれの期間においても、日経平均およびTOPIXのパフォーマンスを下回っています。これは、市場全体の上昇トレンドに対して、ダスキンの株価上昇が緩やかであったことを示唆します。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度
- Beta (5Y Monthly): 0.18
- ベータ値が1.0未満であるため、市場全体の動きに対して株価の変動が小さい(市場感応度が低い)傾向にあります。これは、ディフェンシブ銘柄としての特性を持つことを示唆します。
- 決算短信記載のリスク要因
- 原材料費・物流費の変動:物価高騰が続く中、コスト上昇は収益を圧迫する可能性があります。
- 商品の初期出荷原価:フランチャイズ向けの新商品展開に伴う初期出荷に伴う費用が一括計上され、一時的に利益を圧迫する可能性があります。
- 消費動向の変化:景気変動や消費者の節約志向が高まることで、サービスや食品事業の需要が減少する可能性があります。
- 天候・災害:清掃業やレンタル業は、天候不順や自然災害によって事業活動が影響を受ける可能性があります。
- 海外事業の地域別業績変動:国際情勢や各国経済の動向、為替変動が海外事業の収益に影響を与えます。
- 投資先パフォーマンス:持分法適用会社などの投資先の業績悪化が、連結決算に影響を及ぼす可能性があります。
- 事業特有のリスク
- 人手不足と人件費の高騰:サービス業であるため、人件費の上昇や人材確保が事業継続・拡大のリスクとなる可能性があります。
- 加盟店との関係:フランチャイズ事業が主体であるため、加盟店との円滑な関係維持や品質管理が重要です。
- 感染症リスク:公衆衛生関連の事業を営むため、感染症の流行は事業機会にもなりますが、サプライチェーンや従業員の稼働に影響を与える可能性があります。
- 52週レンジにおける現在位置
- 現在株価は52週高値に近く、88.4%の位置にあります。短期的には高値警戒感があるかもしれません。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況
- 信用買残: 17,200株
- 信用売残: 47,700株
- 信用倍率: 0.36倍
- 信用倍率が1.0を大きく下回っており、信用売り残が信用買い残を上回る「売り長」の状態です。これは、将来的な買い戻し圧力(踏み上げ)につながる可能性も示唆しています。
- 株主構成と大株主の動向
- 日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) が11.45%を保有する筆頭株主であり、機関投資家による安定的な保有が見られます。
- 自社働きさん持株会 (3.01%) や自社FC加盟店持株会 (2.52%) といった従業員・加盟店による持ち株も比較的多く、安定株主を形成しています。
- モスフードサービス (1.58%) の保有は、業務提携関係を反映したものです。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況
- インサイダー持株比率は18.86%と、経営陣や関連企業による持ち株が一定程度あり、経営の安定性につながっています。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.68%
- 1株配当(会社予想):115.00円
- 配当性向(会社予想):60.3%
- 配当の継続性・増配傾向
- 過去の配当履歴を見ると、2022年3月期の83円から2026年3月期予想の115円まで、増配傾向が続いています。年間配当の継続性も高く、株主還元に積極的な姿勢が見られます。
- 自社株買いの実績と方針
- 決算短信等に直近の自社株買いに関する明確な記述はありませんが、「自社(自己株口) 1.8%」の記載があり、過去に自社株買いを行ってきた実績がある可能性を示唆しています。今後の自社株買いの方針については、データなし。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
-
- 訪販事業のストック収益とフード事業のブランド力による安定した事業基盤。
-
- 自己資本比率74.4%、実質無借金経営など極めて高い財務健全性。
-
- 継続的な増配傾向と1.5倍超の営業CF/純利益比率に裏打ちされた株主還元姿勢。
- 【強み】
- 強固なブランド力と全国に広がるフランチャイズネットワーク。
- 安定したレンタル事業によるストック型収益基盤。
- 盤石な財務体質と豊富な手元資金。
- 【弱み】
- 訪販事業の成長が人件費や初期原価負担で一時的に課題となる可能性。
- 国内市場の人口減少や競合激化による成長鈍化リスク。
- 収益性指標(ROE、ROA)がベンチマークを下回る。
- 【機会】
- 家事代行や高齢者向けサービスなど、多様化する消費者ニーズへの対応。
- 海外、特にアジア市場での事業拡大(マレーシア等)。
- DX推進による事業効率化や新サービスの創出。
- 【脅威】
- 原材料費・物流費の高騰が収益を圧迫するリスク。
- 労働力不足によるサービス品質維持や人件費上昇圧力。
- 消費者物価高による個人消費の落ち込み。
- 【注目すべき指標】
- 通期営業利益目標:7,900百万円(2026年3月期予想)に対する進捗率と各セグメントの利益動向。
- 訪販グループの新しいモップクリーナー等の新商品が収益に貢献し始めるタイミング。
- フードグループの既存店売上高成長率と粗利率の推移。
10. 企業スコア
- 成長性: C
- (売上成長率 2026年3月期予想 3.29%のため)
- 収益性: B
- (ROE 5.77% [C]、営業利益率 5.43% [B] のうち、営業利益率がBの閾値を満たすため)
- 財務健全性: S
- (自己資本比率 74.4%と極めて高く、流動比率 147%も良好な水準のため、総合的にS評価)
- 株価バリュエーション: D
- (PER 22.37倍が業界平均17.0倍の130%以上であるため、PER/PBRいずれも業界平均との比較で「共に」の条件を満たせず、PERのD評価に準じる)
企業情報
| 銘柄コード | 4665 |
| 企業名 | ダスキン |
| URL | http://www.duskin.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 4,287円 |
| EPS(1株利益) | 191.62円 |
| 年間配当 | 2.68円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10.5% | 24.8倍 | 7,845円 | 12.9% |
| 標準 | 8.1% | 21.6倍 | 6,103円 | 7.4% |
| 悲観 | 4.9% | 18.3倍 | 4,455円 | 0.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 4,287円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 3,043円 | △ 41%割高 |
| 10% | 3,800円 | △ 13%割高 |
| 5% | 4,795円 | ○ 11%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。
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