瀧上工業(5918)企業分析レポート

1. 企業概要

瀧上工業は、主に橋梁、鉄骨、鉄塔など鋼構造物の設計、製造、建設を専門とする中堅企業です。特に火力発電所向けの鉄骨工事に強みを持つほか、高速道路などの官公需プロジェクトに深く関与しています。近年は橋梁の大規模保全工事にも注力しており、インフラ老朽化に対応した事業展開を進めています。
主力製品・サービスは、橋梁、大型建築物(火力発電所含む)の鉄骨、修理・補強工事です。収益モデルは、鋼構造物製造事業が全体の約87%を占めるため、基本的にはプロジェクトごとの請負契約によるフロー型が主体となります。また、不動産賃貸事業も展開しており、一部ストック型の収益源も有しています。技術的独自性については、「火力発電用鉄骨に強み」とされており、特定の高性能溶接技術や設計ノウハウが参入障壁となっている可能性があります。

2. 業界ポジション

瀧上工業は、鉄骨・橋梁分野の中堅企業として位置付けられています。同業界は公共投資や建設需要に大きく左右される傾向にあり、特に高速道路などの官公需への依存度が高い点が特徴です。
市場動向としては、国内のインフラ老朽化に伴う維持・修繕需要の増加が見込まれており、同社が橋梁の大規模保全工事に注力しているのはこのトレンドに対応するものです。しかし、2026年3月期第2四半期決算短信では、鋼構造物(特に鉄骨)の受注高が大幅に減少しており、足元の受注環境は厳しい状況にあります。
【定量比較】

指標 瀧上工業(会社予想/実績) 業界平均(建設・資材) 評価
PER(連) 27.55倍 11.3倍 割高
PBR(連) 0.33倍 0.5倍 割安
ROE(連)(実績) 0.46% (直近12か月 1.29%) データなし 低水準
営業利益率(連) 0.83% (直近12か月) データなし 低水準

競合に対する相対的な強みとしては、火力発電用鉄骨での実績および大規模橋梁工事の実績が挙げられます。一方で、収益性の低さや市場(官公需)依存の高さは弱みとなり得ます。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な数値目標は、提供された情報からは確認できませんでした。しかし、橋梁の大規模保全工事への注力は、国内インフラ老朽化対策という喫緊の課題への対応であり、安定した需要が見込めます。
重点投資分野としては、決算短信に具体的な設備投資額や研究開発費の開示はありませんが、不動産賃貸事業の拡大が示唆されており、収益源の多角化・安定化を図っていると考えられます。一方で、工作機械製造事業は関連会社の解散・清算を進めており、事業ポートフォリオの見直しを行っています。
直近の適時開示情報である2026年3月期第2四半期決算短信では、新設橋梁・保全工事における設計変更の獲得が収益改善に寄与したと報告されています。しかし、鋼構造物全体の受注高が前年同期比で54.8%減と大幅に減少しており、この受注減が今後の業績に与える影響は懸念されます。中間の営業利益進捗率は84.8%と良好ですが、受注残の減少は下期以降の売上確保に課題となる可能性があります。

4. 財務分析

  • 収益性
    • 営業利益率(過去12か月):0.83% と非常に低い水準です。2026年3月期第2四半期は1.90%に改善しましたが、製造業として依然として低い部類に入ります。
    • ROE(実績):0.46%、過去12か月は1.29%です。ベンチマークの10%にはるかに及ばず、収益を効率的に生み出せていない状況が示唆されます。
    • ROA(過去12か月):0.15% であり、ベンチマークの5%を大きく下回っています。これも資産に対する利益創出能力の低さを示しています。
  • 財務健全性
    • 自己資本比率(実績):67.4%(直近四半期68.8%)と非常に高く、財務の安定性は極めて良好です。
    • 流動比率(直近四半期):2.22(222%)と200%を大きく上回っており、短期的な支払い能力に全く問題ありません。
    • D/Eレシオ(直近四半期):9.69%と極めて低く、有利子負債は少なく財務負担は小さいです。
  • 成長性
    • 売上高成長率の推移は以下の通りです。
    • 2023年3月期: +26.8%
    • 2024年3月期: +25.3%
    • 2025年3月期: +2.2%
    • 2026年3月期予想: -7.6%
      過去2期は高成長でしたが、直近は成長が鈍化し、今期は減収が予想されています。
    • 利益成長率は年度により変動が大きく、安定的な成長は現状見られません。特に2025年3月期は営業利益が赤字に転落しており、収益のボラティリティが高いです。
  • キャッシュフロー
    • 営業キャッシュフロー(過去12か月):-1,200百万円とマイナスであり、本業で資金が生み出せていない状況です。
    • 投資キャッシュフロー:具体的な内訳はデータなし。
    • 財務キャッシュフロー:具体的な内訳はデータなし。
    • フリーキャッシュフロー(過去12か月):-1,320百万円とマイナスです。
    • 営業CF/純利益比率:-2.08と1.0を下回るだけでなくマイナスであり、利益の質に強い懸念があります。
    • 配当カバレッジ比率は、営業CFがマイナスであるため、配当を営業活動で賄えていない状態です。
  • セグメント別分析(2026年3月期第2四半期)
    • 鋼構造物製造事業:売上高9,739百万円(構成比87.4%)。セグメント利益139百万円。前年同期の損失から黒字転換しましたが、利益率は約1.43%と低いです。特に受注高が前年同期比で54.8%減と大幅に減少しており、今後の主要収益源に影響が出る可能性があります。
    • 不動産賃貸事業:売上高524百万円(構成比4.7%)。セグメント利益272百万円。前年同期比で売上・利益ともに約15%増加しており、利益率は約51.9%と非常に高い優良セグメントです。
    • 材料販売事業:売上高720百万円(構成比6.5%)。セグメント損益△45百万円と赤字です。
    • 運送事業:売上高75百万円(構成比0.7%)。セグメント損失△3百万円と赤字です。
    • 工作機械製造事業:売上高62百万円(構成比0.6%)。セグメント損失△8百万円と赤字です。関連会社は解散・清算手続き中であり、事業縮小の影響が出ています。
    • 成長ドライバーは不動産賃貸事業ですが、課題は全体の約9割を占める鋼構造物製造事業の低利益率と受注高の減少、およびその他のセグメントが赤字である点です。
  • 四半期進捗
    • 2026年3月期通期予想に対する第2四半期進捗率は、売上高50.6%、営業利益84.8%、経常利益65.5%、純利益68.5%です。
    • 営業利益と純利益の進捗は非常に良好に見えますが、これは前年中間期が営業損失であったことからの改善が大きいと考えられます。一方で、受注残高が減少し、下期以降の売上確保に課題が残ります。

5. 株価分析

  • 現在の水準
    • PER(会社予想):27.55倍。業界平均11.3倍と比較すると割高な水準にあります。
    • PBR(実績):0.33倍。業界平均0.5倍と比較すると割安な水準にあります。
    • EPS(会社予想):266.83円、BPS(実績):22,479.24円。
    • 業種平均PERを基準とした理論株価は3,017円、業種平均PBRを基準とした理論株価は11,239円となり、現在の株価7,350円はPER基準では割高、PBR基準では割安という乖離が見られます。これは低い収益性(ROE)と高い自己資本比率に起因している可能性があります。
  • テクニカル
    • 現在株価7,350円は52週高値8,850円と安値6,350円の中間よりも安値寄り(40.0%)に位置しています。
    • 移動平均線との関係は以下の通りです。
    • 5日移動平均線(7,308.00円)を上回っています(+0.57%)。
    • 25日移動平均線(7,237.20円)を上回っています(+1.56%)。
    • 75日移動平均線(7,362.13円)を下回っています(-0.16%)。
    • 200日移動平均線(7,061.90円)を上回っています(+4.08%)。
    • 短期的には移動平均線を上回る動きを見せているものの、75日移動平均線との位置関係から中期的なトレンドはまだ明確ではありません。ゴールデンクロスやデッドクロスはデータなし。
  • 市場との比較
    • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンスは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年のいずれの期間においても、市場指数を下回っています。市場全体と比較して魅力的なパフォーマンスとは言えません。

6. リスク評価

  • ベータ値は-0.06と、市場全体との連動性が極めて低く、逆相関に近い動きを示す傾向があります。これは市場の変動から影響を受けにくい特性を持つ一方で、市場の上昇トレンドにも乗りづらいことを意味します。
  • 決算短信に記載されている主なリスク要因は以下の通りです。
    • 鋼構造物製造事業における受注環境の悪化(特に鉄骨分野)。
    • 原材料価格や人件費の高騰による採算性の悪化。
    • 投資有価証券の評価変動(包括利益に影響)。
    • 工期遅延や設計変更に伴う追加コスト発生。
  • 事業特有のリスクとしては、官公需への依存度が高いため、公共投資政策の変更や予算削減が業績に直接影響する可能性があります。また、建設業界全体での人手不足も、今後の工期やコストに影響を与える可能性があります。
  • 現在の株価7,350円は52週レンジ(6,350円~8,850円)の約40%の位置にあり、52週安値に近い水準です。

7. 市場センチメント

  • 信用買残は600株、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。出来高が少ないため、信用取引の規模も小さく、市場の関心は低いと推測されます。
  • 株主構成を見ると、自社(自己株口)が21.97%、瀧上精機工業が13.31%、万年青投資事業有限責任組合が9.49%と、特定株主による保有割合が高いことが特徴です。代表取締役社長の瀧上晶義氏も2.30%を保有しており、経営陣や関連会社による安定株主が多い構造です。機関投資家による保有割合は3.95%と低いです。

8. 株主還元

  • 配当利回りは1.36%(会社予想)です。
  • 2026年3月期の会社予想配当性向は36.38%(EPS266.5円に対する100円配当で算出)となります。2025年3月期はEPSが低かったため、配当性向は109.1%と利益を上回る配当を実施しています。
  • 年間配当金100円は比較的安定して継続されていますが、EPSの変動が大きく、利益水準によっては配当性向が高くなる場合があります。
  • 自社株買いの実績や方針についての明確な開示は、提供情報からは確認できませんでした。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • 非常に高い水準の自己資本比率を維持しており、財務基盤が極めて安定しています。
    • PBRが業界平均を下回っており、純資産価値から見ると割安な水準にあります。
    • 高い利益率を持つ不動産賃貸事業が安定的な収益源として成長しています。
  • 【強み】
    • 自己資本比率68.8%、流動比率222%と財務健全性が非常に高い。
    • 官公需を主な受注源とし、インフラ関連の安定した需要がある。
    • 投資有価証券の含み益が包括利益を押し上げ、純資産を増加させている。
  • 【弱み】
    • ROE1.29%、ROA0.15%、営業利益率0.83%と収益性が極めて低い。
    • 主力事業である鋼構造物製造事業の受注高が大幅に減少しており、今後の売上成長に懸念がある。
    • 営業キャッシュフローがマイナスであり、利益の質に懸念が存在する。
  • 【機会】
    • 国内の社会インフラ老朽化に伴う橋梁保全工事などの需要が継続的に発生する。
    • 不動産賃貸事業のさらなる拡大により、安定収益源の強化が可能。
    • 生産性向上やコスト削減に向けたDX導入余地。
  • 【脅威】
    • 原材料価格の高騰や人件費上昇が、低収益性事業の採算をさらに悪化させるリスク。
    • 公共投資予算の変動や建設マーケット全体の景気減速。
    • 建設業における慢性的な人材不足が工期やコストに影響を与える。
  • 【注目すべき指標】
    • 鋼構造物製造事業の受注高と新規受注獲得に関するアナウンス
    • 営業利益率の改善傾向(特に通期予想250百万円の達成状況)
    • 営業キャッシュフローの黒字転換とフリーキャッシュフローの改善

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 売上高成長率は直近で鈍化し、2026年3月期は減収予想のため。
  • 収益性: D
    • ROE(1.29%)が5%未満、かつ営業利益率(0.83%)が3%未満であるため。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率(68.8%)が60%以上、かつ流動比率(222%)が200%以上であるため。
  • 株価バリュエーション: C
    • PBRは業界平均の70%以下でS評価だが、PERは業界平均の130%以上でD評価。収益성의低さでPERが割高になっている点を考慮し、中間的なC評価とする。

企業情報

銘柄コード 5918
企業名 瀧上工業
URL http://www.takigami.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 金属製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 7,350円
EPS(1株利益) 266.83円
年間配当 1.36円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 28.9倍 7,706円 1.0%
標準 0.0% 25.1倍 6,701円 -1.8%
悲観 1.0% 21.3倍 5,986円 -4.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 7,350円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,335円 △ 120%割高
10% 4,165円 △ 76%割高
5% 5,256円 △ 40%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.10)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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