企業の一言説明

鳥羽洋行(7472)は、機械工具専門商社であり、FA機器や産業ロボットに強みを持つ業界で確固たる地位を築く企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 非常に強固な財務基盤と高い流動性: 自己資本比率73.5%、流動比率約298%と極めて健全な財務状況を誇り、多額の現金を保有しています。これにより、事業環境の変化やM&Aなどへの対応余力が大きいことが強みです。
  • FA機器・産業ロボット分野での成長機会: オートメーション需要の高まりや半導体関連(特にAI半導体向け)の設備投資堅調を背景に、同社主力のFA機器・産業ロボット分野での販売拡大が期待されます。
  • 収益性とバリュエーションに改善余地: ROE(株主資本利益率)や営業利益率が業界平均水準を下回っており、資本効率および収益性の向上が課題です。また、PER(株価収益率)は業界平均と比較しやや割高感があり、市場からの評価は現時点では中立的です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 C やや減速傾向
収益性 C 改善の余地あり
財務健全性 C F-Scoreの改善に注視すべき
バリュエーション C やや割高感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 4,080円
PER 11.93倍 業界平均10.1倍(割高)
PBR 0.76倍 業界平均0.7倍(適正)
配当利回り 3.19%
ROE 5.94%

1. 企業概要

株式会社鳥羽洋行(7472)は、1949年に設立された機械工具専門商社です。空圧・制御機器、FA(ファクトリーオートメーション)機器、産業ロボット、計測機器、環境・物流機器など多岐にわたる製品の販売・設置を手掛けています。主力はFA機器・産業ロボット分野で、製造業の自動化・省力化ニーズに応えるソリューションを提供しています。長年の実績と幅広い製品ラインナップにより、顧客ニーズに合わせた提案力が強みと言えます。特に技術的な独自性よりも、多様な製品を組み合わせた総合的なソリューション提供が収益モデルの中核です。

2. 業界ポジション

鳥羽洋行は、機械工具の専門商社としてFA機器や産業ロボット分野で確固たる地位を築いています。産業機械や製造業の設備投資動向に大きく影響を受ける業界に属します。競合に対する強みは、広範な商材と技術力に裏打ちされた顧客への提案力、そして多角的な事業展開によるリスク分散です。業界内での明確な市場シェアは開示されていませんが、専門商社としてのニッチな市場で存在感を示しています。財務指標を見ると、PERは11.93倍(業界平均10.1倍)とやや割高、PBRは0.76倍(業界平均0.7倍)とほぼ同水準であり、市場からの評価は中立的〜やや割高に寄っています。

3. 経営戦略

鳥羽洋行は、製造業における自動化・省力化ニーズの高まりを背景に、FA機器や産業ロボット分野への注力を継続しています。特に半導体製造装置関連の堅調な需要を取り込む戦略を推進しており、AI半導体向けといった先端分野の成長を収益機会と捉えています。同時に、自動車関連の設備投資抑制や中国経済の低迷といった外部環境の変動リスクには警戒を怠らず、柔軟な事業運営を目指しています。また、株主還元にも積極的で、安定配当の維持とともに自社株買いも実施しており、資本効率の改善と株主価値向上も重要な経営課題としています。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。

4. 財務分析

【財務品質スコア】Piotroski F-Score

項目 スコア 判定
総合 2/9 C: やや懸念

投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは2点と「要注意」水準に相当します。このスコアは収益性、財務健全性、効率性の9つの指標で構成され、特に今回は収益性スコア(1/3)と効率性スコア(0/3)が低いことが全体のスコアを押し下げています。しかし、後述する自己資本比率や流動比率は非常に良好なため、このF-Scoreはあくまで収益性や効率性を含んだ総合評価として捉え、純粋な財務安全性とは切り離して評価する必要があります。

【収益性】

指標 ベンチマーク 評価
営業利益率 (過去12か月) 4.83% 業界平均比やや低
ROE (実績) 5.94% 10% 低い
ROA (過去12か月) 3.85% 5% 低い

解説: 営業利益率は4.83%と5%を割り込んでおり、収益効率は業界平均と比較して改善の余地があります。ROE(株主のお金でどれだけ稼いだか)は5.94%、ROA(会社の全資産でどれだけ稼いだか)は3.85%と、資本を効率的に活用して利益を生み出す力が、一般的な目安とされる水準(ROE 10%以上、ROA 5%以上)を下回っています。このことは、収益性の向上が今後の同社の重要な課題であることを示唆しています。

【財務健全性】

指標 ベンチマーク 評価
自己資本比率 (中間実績) 73.5% 40%以上 非常に優良
流動比率 (中間実績) 298% 200%以上 非常に優良

解説: 自己資本比率は73.5%と極めて高く、財務基盤が非常に強固であることを示しています。流動比率も約298%と200%を上回っており、短期的な支払い能力に全く問題がない健全な状態です。負債合計が前期末から大幅に減少したこともあり、財務の安全性は非常に高い水準にあると評価できます。

【キャッシュフロー】

指標 値 (過去12か月) 値 (中間累計)
営業CF +357百万円 +595百万円
FCF +162.25百万円 +562百万円

解説: 営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去12ヶ月では357百万円のプラスでしたが、直近の中間累計では595百万円のプラスと大幅に改善しました。FCF(自由に使える現金)も、過去12ヶ月の162.25百万円に対し、直近中間累計では562百万円と大きく増加しており、前年中間期の赤字から黒字転換しています。この改善は、主に棚卸資産や営業債権の減少によるもので、運転資本の効率化が進んだことを示します。

【利益の質】

指標 投資家向け解釈 評価
営業CF/純利益比率 (過去12か月) 0.27 1.0以上で健全 要確認
営業CF/純利益比率 (中間累計) 1.07 1.0以上で健全 健全

解説: 営業CF/純利益比率(会計上の利益がどれだけ現金で裏付けられているか)は、過去12ヶ月では0.27と1.0を下回っており、利益の質に懸念がありました。しかし、直近の中間累計(2026年3月期第2四半期)では1.07と1.0を上回っており、利益が実態を伴う現金で確保されている健全な状態に改善しています。この好転が今後も継続するかを注視する必要があります。

【四半期進捗】

指標 中間累計実績 通期予想 進捗率
売上高 14,421百万円 33,000百万円 43.7%
営業利益 749百万円 1,850百万円 40.5%
純利益 558百万円 1,350百万円 41.3%

解説: 2026年3月期の通期予想に対する中間期の進捗率は、売上高が43.7%、営業利益が40.5%、純利益が41.3%となっています。中間点である50%を下回ってはいますが、同社のビジネスモデルにおける季節性の影響を考慮する必要があります(ただし、季節性に関する明確な開示はありません)。会社は通期予想を据え置いており、今後の後半の業績動向が通期目標達成の鍵となります。

5. 株価分析

【バリュエーション】

指標 現在値 業界平均値 割安/適正/割高
PER(会社予想) 11.93倍 10.1倍 やや割高
PBR(実績) 0.76倍 0.7倍 適正

解説: PER(株価が利益の何年分か)は11.93倍で、業界平均の10.1倍と比較するとやや割高感があります。PBR(株価が純資産の何倍か)は0.76倍で、業界平均の0.7倍とほぼ同水準にあり、「解散価値」とされる1倍を下回る水準です。参考として算出した目標株価(業種平均PER基準で3,309円、業種平均PBR基準で3,738円)は現在の株価4,080円を下回っており、バリュエーション面では割安感に乏しい状況です。

【テクニカル】

指標
52週高値 4,270円
52週安値 3,000円
52週レンジ内位置 85.0%
現在株価 4,080円
5日移動平均線 4,066.00円 (上回り 0.34%)
25日移動平均線 4,055.20円 (上回り 0.61%)
75日移動平均線 4,047.80円 (上回り 0.80%)
200日移動平均線 3,795.38円 (上回り 7.50%)

解説: 現在の株価4,080円は、過去1年の高値である4,270円に近く、レンジ内の85.0%の位置にあります。また、短・中期(5日、25日、75日)の移動平均線を全て上回っており、短期的な上昇トレンドの兆候が見られます。さらに、長期の200日移動平均線も大きく上回っているため、中長期的な株価は堅調に推移していると判断できます。

【市場比較】

期間 鳥羽洋行リターン 日経平均リターン TOPIXリターン 相対パフォーマンス (vs日経平均) 相対パフォーマンス (vsTOPIX)
1ヶ月 -0.61% +6.10% +6.86% -6.71%ポイント -7.47%ポイント
3ヶ月 +0.62% +12.16% -11.54%ポイント
6ヶ月 +11.93% +35.45% -23.51%ポイント
1年 +16.57% +35.20% -18.63%ポイント

解説: 鳥羽洋行の過去1年間の株価リターンは+16.57%とプラスではありますが、同期間の日経平均やTOPIXといった市場全体のパフォーマンスと比較すると、大幅に下回っています。特に直近1ヶ月間でも市場全体が上昇する中で同社株は下落しており、市場をアウトパフォームできていない状況が続いています。これは、投資対象として相対的な魅力を保つためには、さらなる企業価値向上が求められることを示唆しています。

6. リスク評価

【定量リスク】

指標
ベータ値 (5Y Monthly) 0.25
年間ボラティリティ 20.53%
最大ドローダウン -27.02%
シャープレシオ -0.08

解説: ベータ値(市場全体の動きに対する株価の連動性)が0.25と非常に低く、市場全体の変動に対する感応度が小さい(市場全体が動いても、この株はあまり動かない)ことを示します。年間ボラティリティは20.53%であり、仮に100万円投資した場合、年間で±20.53万円程度の変動が想定されます。過去の最大ドローダウン(過去最悪の下落率)は-27.02%であり、この程度の下落は今後も起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。シャープレシオ(リスクに見合うリターンが得られているか)が-0.08とマイナスであり、過去のリスク対リターン効率は低かったことを示唆しています。

【事業リスク】

  • 製造業の設備投資動向: 主力であるFA機器や産業ロボットの需要は、国内および海外の製造業における設備投資動向に大きく左右されます。自動車関連の設備投資抑制や中国経済の低迷は、同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。
  • 為替変動リスク: 海外からの仕入れや販売、海外事業の収益に為替レートの変動が影響を及ぼします。直近の中間期で為替差損が計上されたこともあり、急激な為替変動は収益性を圧迫するリスクがあります。
  • 技術革新と競争の激化: FA機器やロボット分野は技術革新が速く、常に新しいソリューションが求められます。競合他社の出現や技術的優位性の喪失は、価格競争力の低下や市場シェアの縮小につながる可能性があります。

7. 市場センチメント

【信用取引状況】

指標 投資家向け解釈
信用買残 5,100株 高いわけではない
信用売残 1,000株 低い
信用倍率 5.10倍 低すぎず、高すぎない水準

解説: 信用倍率は5.10倍であり、信用買い残が信用売り残を上回っています。これは、現時点では短期的な売り圧力が非常に強い状況ではなく、過熱感も低いことを示しています。ただし、今後信用買残が増加するようであれば、将来的な売り圧力となる可能性を考慮する必要があります。

【主要株主構成】

  • 自社(自己株口): 16.67%
  • 鳥羽重良: 6.91%
  • 自社取引先持株会: 5.79%
  • 鳥羽聰子: 4.72%

解説: 主要株主には自社(自己株口)、創業家関連、自社取引先持株会、自社社員持株会といった安定株主が多く名を連ねています。これは、経営陣や関連企業が株式を多く保有しており、短期的な株価変動に振り回されにくいという安定性の一方で、流動性が低い側面も持ち合わせていると言えます。機関投資家の保有比率は3.49%と比較的低くなっています。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.19%
  • 1株配当(会社予想): 130.00円
  • 配当性向(会社予想): 39.67%
  • 自社株買いの状況: 直近の中間期において1,806百万円の自己株式取得支出を実施しています。

解説: 配当利回りは3.19%と、現時点の市場金利と比較して魅力的な水準です。配当性向は39.67%と、利益の約4割を配当に回している計算で、30-50%が一般的とされる水準内にあり、安定的な株主還元姿勢がうかがえます。また、自社株買いも実施しており、配当と合わせて積極的に株主還元に取り組む姿勢が評価できます。

SWOT分析

強み

  • 高い自己資本比率と潤沢な現金を有する強固な財務体質
  • FA機器・産業ロボット分野における幅広い製品ラインナップと提案力

弱み

  • ROEおよび営業利益率が業界平均を下回り、収益効率に課題
  • Piotroski F-Scoreが低水準であり、利益の質に過去懸念があった

機会

  • AI半導体を含む半導体製造装置関連需要の拡大
  • 製造業全般における自動化・省力化ニーズの継続的な高まり

脅威

  • 自動車関連設備投資の抑制や中国経済低迷など、主要顧客の動向
  • 為替変動や国際貿易問題(関税など)による業績への影響

この銘柄が向いている投資家

  • 財務安定性を重視する投資家: 極めて高い自己資本比率と流動比率から、企業の倒産リスクが非常に低いと評価できます。
  • 安定配当と株主還元を重視する投資家: 3%を超える配当利回りと積極的な自社株買いの実績があり、安定的なインカムゲインを期待できます。
  • 中長期的な成長を期待する投資家: FA分野やロボット分野の構造的な成長を享受できる可能性を評価する投資家にとっては魅力的です。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 収益性改善の動向: 現在のROEや営業利益率の水準は低く、今後の収益性改善策とその効果を注視する必要があります。
  • 外部環境リスク: 自動車業界の設備投資動向や中国経済の状況、為替変動といった外部環境要因が、業績に与える影響は大きいため、これらのリスクを常に確認する必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 目標5%以上。収益性改善の進捗を示す主要指標。
  • ROE: 目標8%以上(中期的には10%以上)。資本効率の改善を示す指標。
  • 受注残高(開示があれば): FA機器などの需要動向を測る先行指標。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: C
    売上高の年間成長率は緩やかで、直近四半期はマイナス成長。通期予想での増収増益を見込むものの、成長性評価基準の5-10%に辛うじて届く程度のため、C評価としました。
  • 収益性: C
    ROEは5.94%、営業利益率は4.83%であり、いずれの指標も評価基準の「C (ROE5-8%または営業利益率3-5%)」に該当するため、C評価としました。
  • 財務健全性: C
    自己資本比率73.5%と流動比率298%はSランク基準ですが、Piotroski F-Scoreが2点と低く「C(F-Score2-3点)」に該当するため、総合的にはC評価としました。
  • バリュエーション: C
    PERが業界平均の約118%とやや割高圏(C: 110-130%)にあり、PBRは業界平均の約108.5%とB評価の範囲内ですが、総合的に見て割安感に乏しいためC評価としました。

企業情報

銘柄コード 7472
企業名 鳥羽洋行
URL http://www.toba.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,080円
EPS(1株利益) 342.06円
年間配当 3.19円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 1.3% 13.7倍 4,994円 4.2%
標準 1.0% 11.9倍 4,281円 1.0%
悲観 1.0% 10.1倍 3,646円 -2.1%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,080円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,137円 △ 91%割高
10% 2,669円 △ 53%割高
5% 3,367円 △ 21%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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