企業の一言説明
三櫻工業は自動車用チューブ、集合配管の製造・販売を主事業とし、国内高シェアを誇る独立系の自動車部品メーカーです。世界各地に生産拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 国内高シェアとグローバル展開: 自動車用チューブ・配管分野で国内約4割のシェアを持ち、世界各国に生産拠点を展開する強固な事業基盤を有しています。北南米・アジア地域の堅調な需要と、新規子会社買収による更なるグローバル事業拡大に期待が持てます。
- 収益性の改善と配当維持: 2026年3月期第2四半期決算では、売上高は減少したものの、コストコントロールや一部地域の堅調な需要により営業利益は前年同期比で41.0%増加しました。年間配当は28円を維持する計画であり、安定的な株主還元姿勢が見られます。
- 財務健全性と一時益依存のリスク: Piotroski F-Scoreが1点と低く、特に財務健全性に課題が見られます。また、直近の純利益はメキシコ子会社買収に伴う負ののれん発生益に大きく依存しており、一時的な要因を除いた本業の収益力とキャッシュフローの改善が今後の重要な課題となります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | やや停滞気味 |
| 収益性 | C | 改善余地あり |
| 財務健全性 | C | 改善を要す |
| バリュエーション | B | 妥当な水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 893.0円 | – |
| PER | 17.72倍 | 業界平均13.3倍 (割高) |
| PBR | 0.69倍 | 業界平均0.8倍 (割安) |
| 配当利回り | 3.14% | – |
| ROE | 6.54% (過去12ヶ月) | – |
1. 企業概要
三櫻工業は、1939年設立の独立系自動車部品メーカーです。自動車用の各種チューブや集合配管、高圧燃料配管などの製造・販売を主力事業としています。特にチューブ分野では国内市場で約4割のシェアを誇り、高い技術力とグローバルな生産・供給体制を強みとしています。収益の98%を自動車部品事業が占めており、世界各国に展開する子会社を通じて供給網を確立しています。
2. 業界ポジション
三櫻工業は自動車用チューブ・配管分野において国内約4割の市場シェアを持つリーディングカンパニーです。グローバルにも生産拠点を多数持ち、主要自動車メーカーを顧客としています。競合他社と比較して独立系であることから、多岐にわたる自動車メーカーと取引が可能である点が強みと言えます。一方で、自動車産業全体の動向や特定の顧客の生産計画に業績が左右される側面もあります。
財務指標については、PER(株価収益率)は17.72倍と業界平均の13.3倍と比較して割高ですが、PBR(株価純資産倍率)は0.69倍と業界平均の0.8倍と比較して割安な水準にあります。
3. 経営戦略
三櫻工業は、グローバルな市場展開と収益構造の改善を重要な経営課題としています。直近では、メキシコ子会社Winkelmann Powertrain México S. de R.L. de C.V.の全持分を取得し、連結子会社(Sanoh Powertrain Mexico)とすることで、北南米地域での事業基盤強化を図っています。この買収は、同社のグローバル生産能力拡充と製品ラインアップ強化を通じた成長戦略の一環と見られます。
今後のイベントとして、2026年3月30日に配当権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
【財務品質スコア】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア (0-9点) | 判定 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|
| 総合 | 1/9 | C(やや懸念) | 財務健全性や効率性で多数の課題が見られ、投資を検討する際は慎重な確認が必要です。 |
詳細:
営業キャッシュフローは黒字であるものの、ROA、ROE、営業利益率が低い水準にあります。また、流動比率や自己資本比率の基準未達、過去からの事業改善動向の評価において課題が見られ、財務の堅牢性に懸念がある状態です。
【収益性】
| 指標 | 値 (過去12ヶ月) | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 2.90% | 5.0% | 改善余地あり |
| ROE | 6.54% | 10.0% | 改善余地あり |
| ROA | 3.08% | 5.0% | 改善余地あり |
解説: 営業利益率は3%を下回り、本業での収益創出力には課題が見られます。株主資本と総資産を効率的に活用して利益を上げているかを示すROEとROAも、一般的な目安を下回っており、収益性の改善が求められます。
【財務健全性】
| 指標 | 値 (直近四半期) | ベンチマーク | 評価 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 37.3% | 40.0%以上 | 改善余地あり |
| 流動比率 | 147% | 200%以上 | 改善余地あり |
解説: 自己資本比率は40%を下回り、流動比率も200%には届かない水準ですが、短期的な支払い能力はある程度確保されています。負債比率Total Debt/Equityは85.83%と、有利子負債は一定の水準にあります。これらの指標からは、財務基盤の更なる強化が必要と判断できます。
【キャッシュフロー】
| 指標 | 値 | 状況 |
|---|---|---|
| 営業CF | +3,490百万円 | 過去12ヶ月ではプラス。ただし直近中間期では前年同期比で大幅減少。 |
| 投資CF | -7,765百万円 | 設備投資や子会社取得により大幅な資金流出。 |
| フリーCF | -5,600百万円 | 投資が営業CFを上回り、現預金は減少傾向。 |
解説: 営業キャッシュフローはプラスを維持していますが、直近中間期では減少傾向にあります。設備投資や新規子会社買収による投資キャッシュフローの流出が大きく、フリーキャッシュフローは大幅なマイナスとなっています。これは、成長に向けた投資を積極的に行っていることの裏返しでもありますが、資金繰りには注意が必要です。
【利益の質】
| 指標 | 値 | 評価 |
|---|---|---|
| 営業CF/純利益比率 | 1.36 | S (優良:キャッシュフローが利益を上回る) |
解説: 営業活動によるキャッシュフローが純利益を上回っており、会計上の利益が適切に現金として裏付けられていることを示唆しています。これは利益の質が高いことを意味します。
【四半期進捗】
| 指標 | 2026年3月期中間期実績 | 通期予想 | 通期進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 78,522百万円 | 147,000百万円 | 53.4% |
| 営業利益 | 3,361百万円 | 5,500百万円 | 61.1% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 2,979百万円 | 1,800百万円 | 165.5% |
解説: 売上高、営業利益は通期予想に対して営業面では順調な進捗を見せています。特に営業利益は中間時点で既に6割以上を達成しており、通期目標達成の可能性は高いと見られます。ただし、中間純利益が通期予想を大幅に超過しているのは、メキシコ子会社買収に伴う負ののれん発生益2,595百万円という一時的な特別利益が主な要因であり、本業の利益がその水準で推移するわけではない点には注意が必要です。
【バリュエーション】
| 指標 | 値 | 業界平均 | 判定 | 目標株価 (現状比) |
|---|---|---|---|---|
| PER(会社予想) | 17.72倍 | 13.3倍 | 業界平均より高めで割高感がある | 952円 (+6.6%) |
| PBR(実績) | 0.69倍 | 0.8倍 | 業界平均より低めで割安感がある | 1,033円 (+15.7%) |
解説: PERは業界平均を上回り割高感がありますが、これは直近の純利益が一時的な特別利益によって押し上げられた影響も考慮する必要があります。一方でPBRは業界平均を下回っており、純資産を基準にすると割安な水準にあります。このPERとPBRの評価の乖離は、利益水準が安定していない企業によく見られる傾向です。目標株価は両指標基準で現状株価を上回っており、上昇余地を示唆しています。
【テクニカル】
現在株価893.0円は、52週高値999円(78.7%の位置)に近く、高値圏で推移しています。直近10日間の株価推移を見ると、本日(2026/01/20)は前日終値905円から下落し、5日移動平均線(894.20円)を下回っていますが、25日移動平均線(853.92円)、75日移動平均線(871.29円)、200日移動平均線(751.98円)は上回っており、中期・長期での上昇トレンドは維持されている状況です。短期的な調整局面にある可能性があります。
【市場比較】
日経平均やTOPIXとの相対パフォーマンスを見ると、直近1ヶ月および6ヶ月では市場平均を上回るパフォーマンスを示しています。しかし、3ヶ月および1年といった中期・長期では市場平均を下回っており、市場全体と比較して株価の勢いにはばらつきが見られます。
【定量リスク】
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ベータ値 | 0.26 |
| 年間ボラティリティ | 41.11% |
| 最大ドローダウン | -47.74% |
| 年間平均リターン | 15.71% |
解説: ベータ値が0.26と低く、市場全体の変動と比較して株価の変動幅が小さい傾向にあることを示します。しかし、年間ボラティリティは41.11%と比較的高い水準であり、株価の変動リスクは存在します。仮に100万円投資した場合、年間で±41.11万円程度の変動が想定され、過去には最大で約-47.74万円の下落を経験しています。これは、同社への投資に際してこれと同程度の価格変動があることを考慮すべきであることを意味します。シャープレシオ0.37は、リスクに見合うリターンが十分に得られているとは言えない水準です。
【事業リスク】
- 為替変動リスク: グローバルに事業を展開しているため、為替レートの変動は海外売上高の円換算額や海外生産コストに大きな影響を与えます。特に円高は海外売上の収益性を圧迫する可能性があります。
- 地域別需要の低迷: 欧州や中国市場では自動車販売の不振が見られ、同社の売上・利益に悪影響を及ぼしています。これらの地域での需要回復の遅れは、今後の業績を下方修正するリスクとなります。
- 原材料価格高騰および物流コスト上昇: 自動車部品製造において、鉄鋼、樹脂などの原材料価格や物流コストの変動は、同社の製造コストに直接影響を与え、収益性を圧迫する可能性があります。
信用取引状況
信用買残が770,300株と多く、信用倍率は36.16倍と非常に高水準です。これは、株価が上昇した場合に利益確定売り、下落した場合には投げ売りによって、株価に大きな変動をもたらす可能性があります。信用買い残の積み上がりは、将来的な売り圧力となるリスクを抱えています。
主要株主構成
上位株主には、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が9.3%で筆頭株主として名を連ねています。その他、神鋼商事、本田技研工業、スズキといった事業関連企業が主要株主となっており、安定的な株主構成と言えます。また、代表者の竹田玄哉氏関連の法人や個人も上位に名を連ねており、経営陣による安定性が確保されていると推察されます。
配当利回り、配当性向
会社予想に基づく配当利回りは3.14%であり、直近の株価水準では比較的魅力的な水準と言えます。配当性向(会社予想2026年3月期)は55.6%(予想EPS50.3円に対し年間配当28円)と、利益の半分以上を配当に回す計画であり、株主還元への意識は高いと判断できます。ただし、2025年3月期実績は配当性向136.0%と一時的に無理のある水準でした。これは純利益の変動が大きかったことによるもので、今後の安定的な利益成長と配当維持が重要です。
自社株買いの状況
提供された情報には、自社株買いに関する明確な記載はありませんでした。
SWOT分析
強み
- 国内自動車用チューブ・配管市場における高いシェア(約4割)と技術力。
- 世界各国に展開するグローバルな生産・供給体制。
弱み
- 過去の業績にみられる収益性の不安定さ。
- 特定地域(欧州・中国)での需要低迷とそれに伴う売上・利益への影響。
機会
- メキシコ子会社買収によるシナジー効果と北南米市場の一層の深耕。
- 自動車産業の技術革新(EV化など)に対応するための新技術・製品開発。
脅威
- 為替変動、主要原材料価格の高騰、物流コスト上昇。
- 自動車市場の構造変化と競争激化。
この銘柄が向いている投資家
- 安定配当を求める中長期投資家: 比較的高い配当利回りと、安定した株主還元の方針に魅力を感じる投資家。
- グローバルな自動車部品市場の成長に期待する投資家: 既にグローバル展開を進め、新規買収によって更なる事業拡大を目指す同社の将来性に期待する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 純利益の一時的な変動: 直近の決算で純利益が大幅に増加した主な要因は、負ののれん発生益という一時的な特別利益であり、本業の収益がその水準で継続するわけではない点に留意する必要があります。
- フリーキャッシュフローのマイナス: 設備投資や買収によってフリーキャッシュフローがマイナスとなっているため、今後の資金繰りや投資効果の具現化に注視が必要です。
今後ウォッチすべき指標
- 欧州・中国市場の売上および利益動向: これらの地域での需要回復と収益改善の兆候。
- メキシコ子会社の統合効果と収益寄与: 買収した子会社の事業が、連結業績にどのように貢献していくか。
- フリーキャッシュフローの改善: 投資が継続される中で、営業キャッシュフローの増加や投資効率の改善により、フリーキャッシュフローがプラスに転じるか。
成長性: B (やや停滞気味)
根拠: 過去数年の売上高は増加傾向でしたが、直近の2026年3月期予想では減収見込みです。また、直近四半期の前年同期比売上高成長率は-8.80%とマイナス成長となっており、中長期的な成長に一貫性が欠けるため「B」評価としました。新規買収による成長機会はあるものの、足元の業績は停滞気味です。
収益性: C (改善余地あり)
根拠: ROE(過去12ヶ月6.54%)と営業利益率(過去12ヶ月2.90%)は、それぞれ目安である10%と5%を大きく下回っています。ROEは8%未満、営業利益率は5%未満であるため「C」評価としました。本業での収益創出力の改善が喫緊の課題です。
財務健全性: C (改善を要す)
根拠: 自己資本比率(37.3%)はB評価の基準(30-40%)に該当しますが、流動比率(147%)は目安の200%を下回ります。さらに、Piotroski F-Scoreが1点と非常に低いD評価の基準を満たしており、財務の堅牢性に懸念があるため、総合的に「C」評価としました。
株価バリュエーション: B (妥当な水準)
根拠: PER(会社予想17.72倍)は業界平均(13.3倍)と比較して割高でD評価の基準に該当します。一方、PBR(実績0.69倍)は業界平均(0.8倍)と比較して割安でA評価の基準に該当します。PERは一時的な利益変動の影響を受けている可能性があるため、PBRの割安感も考慮し、総合的には中間に位置する「B」評価としました。
企業情報
| 銘柄コード | 6584 |
| 企業名 | 三櫻工業 |
| URL | http://www.sanoh.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 893円 |
| EPS(1株利益) | 50.27円 |
| 年間配当 | 3.14円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 19.6倍 | 986円 | 2.3% |
| 標準 | 0.0% | 17.1倍 | 857円 | -0.4% |
| 悲観 | 1.0% | 14.5倍 | 766円 | -2.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 893円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 434円 | △ 106%割高 |
| 10% | 542円 | △ 65%割高 |
| 5% | 684円 | △ 31%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。