企業の一言説明

森永乳業は乳飲料、アイス、チーズなどの乳製品を主力とする国内乳業業界2位の企業です。

投資判断のための3つのキーポイント

  • 高付加価値戦略と海外事業成長: ヨーグルト「パルテノ」やビフィズス菌などの高付加価値製品・技術、ドイツMILEIを軸とした海外事業が収益向上を牽引しており、収益構造改善に期待が持てます。
  • 積極的な株主還元: 配当性向目標の引き上げ(30%から40%へ)と自己株式取得(約100億円)を発表し、株主への還元意欲が高い点が魅力です。
  • コスト上昇と純利益の変動: 原材料価格の高止まりや物流コスト上昇が収益を圧迫するリスク、および過去の特別利益・損失計上による一時的な純利益の大幅な変動には注意が必要です。

企業スコア早見表

項目 スコア 判定
成長性 B 改善傾向
収益性 B やや低位
財務健全性 C 一部注意
バリュエーション A 割安感あり

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 3929.0円
PER 17.13倍 業界平均19.5倍
PBR 1.19倍 業界平均1.3倍
配当利回り 2.36%
ROE 3.46%

1. 企業概要

森永乳業は、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズといった乳製品の製造・販売を主軸とする大手企業です。高機能ヨーグルト「パルテノ」や特定保健用食品などの付加価値の高い製品、そして健康機能性素材であるビフィズス菌などの菌体販売をBtoB事業として展開しています。海外では、ドイツのMILEI GmbHにおけるホエイ(乳清)原料の製造・販売や、育児用ミルク事業も手掛けており、技術的独自性とグローバル展開により、多様な収益モデルを確立しています。

2. 業界ポジション

国内乳業業界において第2位に位置し、チルドカップ乳飲料やチーズ市場で高いシェアを誇ります。競合他社に対しては、機能性食品や菌体素材といった高付加価値領域での研究開発力とブランド力が強みです。一方、国内の牛乳・発酵乳といった基幹事業では、少子高齢化や消費者の嗜好変化による需要減少という構造的な課題に直面しています。財務指標を見ると、PER17.13倍、PBR1.19倍と、業界平均(PER19.5倍、PBR1.3倍)と比較してやや割安な水準にあります。

3. 経営戦略

森永乳業は「中期経営計画2025-28」を推進しており、2029年3月期に売上高6,300億円、営業利益440億円、営業利益率7%、ROE10%、海外売上比率15%を目標としています。成長戦略として、ヨーグルト、アイス、菌体、海外育児用ミルクなどの「成長分野」への資源集中と、生産体制の再編を含む「構造改革」による収益性向上に注力しています。最近の重要な適時開示としては、2026年3月期の通期業績予想において営業利益および経常利益を上方修正したこと、また配当性向目標を従来の30%から40%へ引き上げ、約100億円の自己株式取得を予定していることが挙げられます。

今後のイベント

  • 2026年2月12日: 決算発表(Morinaga Milk Industry Co., Ltd. Earnings Date)
  • 2026年3月30日: 配当落ち日(Ex-Dividend Date)

4. 財務分析

財務品質スコア(Piotroski F-Score)

スコア 判定 投資家向け解釈
1/9 C やや懸念(7点以上=財務優良、5-6点=普通、4点以下=要注意)

投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreが1点と低い水準にあり、財務諸表から見た企業の財務品質にはやや懸念があることを示唆しています。特に効率性や財務健全性の項目でスコアを得られていないようです。

主要な財務指標

項目 ベンチマーク 評価
営業利益率(過去12ヶ月) 8.00% 業種により様々 妥当な水準
ROE(過去12ヶ月) 3.46% 10%以上が良好 低い
ROA(過去12ヶ月) 3.76% 5%以上が良好 やや低い
自己資本比率(実績) 51.2% 40%以上が目安 安定的な水準
流動比率(直近四半期) 1.39倍 (139%) 200%以上が安全 要確認
営業CF(過去12ヶ月) 359.8億円 良好
フリーCF(過去12ヶ月) 73.6億円 確保できている
営業CF/純利益比率(過去12ヶ月) 3.46倍 1.0以上が健全 優良(キャッシュフローが利益を大幅に上回る)

投資家向け解釈: 過去12ヶ月のROEは3.46%と一般的な目安である10%を下回っており、資本効率には改善の余地があります。しかし、直近四半期の純利益が前年同期比で大幅増益を達成しており、今後の改善が期待されます。自己資本比率は51.2%と安定した水準を維持しているものの、流動比率は139%と短期的な支払い能力の健全性を示す200%には届いていません。特筆すべきは営業キャッシュフローが359.8億円と堅調であり、純利益を大きく上回る高い「利益の質」を保っている点です。これは、本業でしっかりと現金を生み出している健全な企業体質を示しています。

四半期進捗

項目 通期予想に対する進捗率 評価
売上高(中間期) 51.5%(293,330百万円 / 570,000百万円) 概ね順調
営業利益(中間期) 63.0%(20,805百万円 / 33,000百万円) 良好
純利益(中間期) 77.0%(14,637百万円 / 19,000百万円) 非常に良好

投資家向け解釈: 直近の中間期決算では、売上高の進捗は概ね通期予想通りである一方で、営業利益と純利益の進捗が通期予想に対して非常に良好です。これは、高付加価値品の拡大や海外事業の好調、コスト対策が奏功し、収益性が改善していることを示しています。

5. 株価分析

バリュエーション

指標 業界平均 判定
PER(会社予想) 17.13倍 19.5倍 割安
PBR(実績) 1.19倍 1.3倍 やや割安

投資家向け解釈: 株価収益率(PER)は株価が1株当たり利益の何年分かを示す指標で、業界平均より低ければ割安とされる傾向にあります。株価純資産倍率(PBR)は株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、1倍未満は解散価値を下回る状態です。森永乳業のPER、PBRはともに業界平均を下回っており、株価には割安感があると言えます。

テクニカル

現在の株価(3,929.0円)は、52週高値(3,933.0円)に極めて近く、年初来高値(3,940円)を更新する勢いです。直近の移動平均線を見ると、5日移動平均線(3,845.0円)、25日移動平均線(3,758.4円)、75日移動平均線(3,598.99円)、200日移動平均線(3,420.92円)の全てを上回っており、短期から長期にわたって上昇トレンドにあることが示唆されます。

市場比較(相対パフォーマンス)

期間 森永乳業 vs 日経平均 森永乳業 vs TOPIX
1ヶ月 0.07%ポイント下回る 0.18%ポイント上回る
3ヶ月 3.64%ポイント上回る
6ヶ月 15.88%ポイント下回る
1年 2.11%ポイント下回る

投資家向け解釈: 短期的(1ヶ月)には日経平均をわずかに下回るパフォーマンスですが、中期(3ヶ月)では日経平均およびTOPIXを上回っています。しかしながら、6ヶ月および1年といった中長期では主要指数を下回っており、市場全体の大きな流れには乗り切れていない局面もありました。しかし、直近の上昇トレンドと割安感から、今後のキャッチアップが期待される状況です。

6. リスク評価

定量リスク

  • 年間ボラティリティ: 24.93%
  • シャープレシオ: -0.42
  • 最大ドローダウン: -29.05%
  • ベータ値: 0.03

投資家向け解釈: ベータ値0.03は市場全体の動きに対する株価の連動性が非常に低いことを示しており、市場全体が大きく変動しても森永乳業の株価は比較的安定している傾向があります。しかし、年間ボラティリティ24.93%は、仮に100万円投資した場合、年間で±24.93万円程度の変動が想定されることを意味します。過去の最大ドローダウン-29.05%は、最悪期にはこれくらいの損失が発生する可能性があったことを示唆しており、今後も同様の下落が起こりうるリスクがあることを認識しておく必要があります。シャープレシオがマイナスであることは、過去のリスクに見合う十分なリターンが得られていない期間があったことを示唆しています。

事業リスク

  • 原材料価格の高騰と物流コスト上昇: 生乳価格の上昇やホエイ市況の変動、エネルギーコスト、物流費の高騰は、主要原材料費や製造・輸送コストを押し上げ、利益率を悪化させる可能性があります。
  • 国内市場の需要減退と競争激化: 少子高齢化や消費者の健康志向、多様な嗜好の変化により、国内の乳製品市場全体の需要が減少傾向にあります。これに加え、競合他社との価格競争が激化した場合、森永乳業の売上高や収益性が損なわれるリスクがあります。
  • 為替変動および海外事業リスク: 海外売上比率が概ね12%を占め、ドイツのMILEIなど海外事業も展開しているため、為替レートの変動は海外からの収益を円換算した際に影響を及ぼします。また、海外市場の情勢(ホエイ市況の急変、政情不安など)が事業に悪影響を与える可能性もあります。

7. 市場センチメント

信用取引状況

  • 信用買残: 48,100株
  • 信用売残: 16,400株
  • 信用倍率: 2.93倍

投資家向け解釈: 信用倍率は、信用買い残が信用売り残の何倍あるかを示し、一般的に2倍を超えると買残過多と解釈されることがあります。2.93倍という数値は、将来的に株価下落圧力となる可能性を若干示唆しますが、必ずしも売り材料となるわけではありません。

主要株主構成

株主名 保有割合
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.43%
自社(自己株口) 7.74%
日本カストディ銀行(信託口) 6.86%

安定した信託銀行や自社による株式保有が多く、大株主による市場への売却圧力は限定的であると考えられます。

8. 株主還元

配当利回り、配当性向

  • 配当利回り(会社予想): 2.36%
  • 1株配当(会社予想): 93.00円
  • 配当性向(2025年3月期実績): 139.3%

投資家向け解釈: 配当性向は、利益の何%を配当に回しているかを示す指標で、一般的に30-50%が目安とされます。2025年3月期実績の配当性向139.3%は非常に高い水準ですが、これは同年度の純利益が一時的な特別損失(データ上のNet Income Common Stockholders 5,459,000千円)などにより大幅に減少したことによるものです。会社は配当性向目標を従来の30%から40%に引き上げており、今後は中期的に40%程度の配当を目指す方針を示しています。2026年3月期の通期予想一株利益(EPS)231.26円に対し、配当予想93.00円では配当性向は約40.2%となり、目標値に沿った水準となります。

自社株買いの状況

会社は2026年3月期に約100億円の自己株式取得・消却を予定しており、これは株主還元を強化し、資本効率を高めるための積極的な姿勢を示しています。自社株買いは、1株当たり利益(EPS)の向上やPBRの改善に寄与する可能性があります。

SWOT分析

強み

  • ヨーグルト「パルテノ」やビフィズス菌など高付加価値製品・技術による収益性向上ポテンシャル。
  • 海外事業(MILEIなど)が成長エンジンとなり、収益源の多角化に貢献。

弱み

  • 原材料価格高騰、物流コスト上昇といった外部環境変化への脆弱性。
  • 国内乳製品市場の需要が全体的に低迷傾向にあり、基幹事業の成長鈍化リスク。

機会

  • 健康意識の高まりとプロバイオティクス市場の拡大による、菌体ビジネスや機能性食品の成長余地。
  • 海外市場での事業拡大(特にアジア圏での育児用ミルク需要など)によるグローバル成長。

脅威

  • 国内の少子高齢化や消費者の嗜好変化による、既存製品の販売数量減少。
  • 為替変動や国際的な乳製品市況の急激な変化が、海外事業および輸入コストに与える影響。

この銘柄が向いている投資家

  • 安定した事業基盤と成長への期待を両立させたい中長期投資家: 乳業大手としての安定感に加え、高付加価値化と海外展開による収益改善に期待する投資家。
  • 株主還元を重視する投資家: 配当性向目標の引き上げや自己株式取得など、積極的な株主還元策を評価する投資家。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 原材料・物流コストの動向: 生乳価格やホエイ市況、物流コストの変動が、今後の業績に与える影響を継続的に確認する必要があります。
  • 純利益の変動要因: 過去に特別利益や特別損失による純利益の大幅な変動が見られるため、今後の決算発表時には一時的な要因の影響を慎重に見極める必要があります。

今後ウォッチすべき指標

  • 営業利益率: 中期経営計画で目標とする7%達成に向けた進捗状況。
  • ROE: 中期経営計画で目標とする10%達成に向けた改善状況。
  • 海外事業の売上高・営業利益: 海外展開が企業全体の成長にどの程度貢献しているか。

10. 企業スコア(詳細)

  • 成長性: スコア B (改善傾向)
    • 過去12ヶ月の売上高成長率は-0.20%と低調ですが、通期予想では1.6%増となり、直近中間期では営業利益が前年同期比18.9%増、純利益が50.8%増と利益面で顕著な改善が見られます。高付加価値戦略と海外事業が牽引し、利益成長への期待が高い状況です。
  • 収益性: スコア B (やや低位)
    • 過去12ヶ月のROEは3.46%、営業利益率は8.00%と、一般的なベンチマークであるROE10%や営業利益率10%以上には届いていません。ただし、2026年3月期の通期予想ではROE7.1%、営業利益率約5.8%を見込んでおり、特に中間期決算で利益の進捗が良好であったことから、今後の改善に期待が持てます。
  • 財務健全性: スコア C (一部注意)
    • 自己資本比率51.2%は安定的な水準ですが、流動比率が139%と短期的な支払い能力の目安である200%には届いていません。また、Piotroski F-Scoreが1/9と非常に低い評価であり、財務の質については詳細な検証が求められます。特に財務健全性スコアが0/3、効率性スコアが0/3であった点は留意すべきです。
  • 株価バリュエーション: スコア A (割安感あり)
    • PER17.13倍は業界平均19.5倍を下回り、PBR1.19倍も業界平均1.3倍を下回っています。業界平均と比較して割安感があると評価でき、上昇トレンドにある株価水準でも、まだ過熱感は低いと言えるでしょう。

企業情報

銘柄コード 2264
企業名 森永乳業
URL http://www.morinagamilk.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,929円
EPS(1株利益) 229.72円
年間配当 2.36円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 20.1倍 4,619円 3.3%
標準 0.0% 17.5倍 4,017円 0.5%
悲観 1.0% 14.9倍 3,588円 -1.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,929円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,003円 △ 96%割高
10% 2,501円 △ 57%割高
5% 3,156円 △ 24%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.16)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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